春季リーグ戦がついに開幕! 盤石の布陣で東大に挑む/東大戦展望

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 2025年4月12日、東京六大学春季リーグ戦(リーグ戦)がいよいよ開幕する。早大の開幕カードの対戦相手は、昨季2勝を挙げた東大。早大にとって、頂点を目指す上で確実に勝ち切っておきたい相手だ。 総合的には早大が優位と見られているが、開幕戦ならではの硬さや東大の粘りを考慮すれば、油断は禁物である。早大が自らの持ち味を発揮し、盤石な試合運びで白星スタートを切れるかが注目される。

サブマリン・渡辺が中心の東大

 昨季は慶大、法大に勝利した東大。昨季は苦しんだ投手陣では、イニングイーターだった平田康二郎と鈴木太陽の2人が卒業したことでエースとなったアンダースローの渡辺向輝(4年)が初戦の先発として最有力だ。昨季の明大1回戦では8回無失点と快投を見せており、その独特なフォームからくり出される緩急自在のピッチングが持ち味である。

 打線の中心は、昨春ベストナインの大原海輝(4年)である。ベストナインに選ばれた昨春の打率は3割3分3厘、本塁打も記録しており長打力と勝負強さを兼ね備えた主砲としてチームをけん引する。大原の前に走者をためないことが東大打線を抑えるにあたっては重要になってくるだろう。

 東大としては、渡辺で初戦を取り、2回戦・3回戦で投手を駆使し、勝ち点を取りに行きたい。接戦に持ち込めれば、大原を中心とした粘り強い打線で勝機を見出すことは可能だろう。

先発・リリーフ共に戦力豊富な投手陣

 対する早大投手陣はエース・伊藤樹(スポ4=宮城・仙台育英)を中心に、盤石の布陣が整っている。伊藤樹は昨季、リーグトップの6勝をあげたほか、春・秋通じてチームトップの110イニング以上に登板という圧倒的なスタミナを誇り、奪三振率も20%を超える抜群の制球力を兼ね備える。最終学年となったエースが、今季も大黒柱としてマウンドに君臨する。

エースナンバー・11を背負う伊藤樹。昨年を超える投球を披露できるか

 第二先発には、昨年伊藤樹に次ぐ登板数でコンスタントにイニングを稼げる宮城誇南(スポ3=埼玉・浦和学院)や、トミー・ジョン手術から復活し昨季は守護神として大車輪の活躍を見せた田和廉(教4=東京・早実)、リリーフで2023年秋から昨春まで自責点ゼロでチームを支えた香西一希(スポ3=福岡・九州国際大付)が有力視される。

 リリーフには昨年1年生ながら投手陣の中心となった安田虎汰郎(スポ2=・東京・日大三)や気迫のある投球が持ち味の越井颯一郎(スポ3=千葉・木更津総合)が控える。チーム内からは、小柄ながら力強い投球を見せる岡村遼太郎(教2=東京・早大学院)に期待を寄せる声も多くあり、リリーフまで駒がそろっている早大。投手王国は健在であり、長期戦を戦い抜く体制は万全であるといえる。

打線は大暴れなるか

 一方の打線は昨春首位打者の尾瀬雄大(スポ4=東京・帝京)を中心にリーグ戦通算3本塁打の左の強打者である小澤周平主将(スポ4=群馬・健大高崎)、長打力を兼ね備えた中軸打者として昨季飛躍を遂げた前田健伸副将(商4=大阪桐蔭)、そして昨年2季連続打率3割越えの石郷岡大成(社4=東京・早実)らが打線をけん引していくだろう。4番には寺尾拳聖(人3=長野・佐久長聖)の起用が予想される。3年生ながらオープン戦では4番での起用が多く、社会人相手に本塁打を放つなど思い切りのいいスイングが持ち味だ。

新主将の小澤。オフシーズンから掲げた「走塁改革」の成果はいかに

 さらに、渋谷泰生(スポ4=静岡)、吉田瑞樹副将(スポ4=埼玉・浦和学院)といった上級生が打線に安定感をもたらしてほしい。試合序盤から東大の投手陣に圧力をかけ、得点を重ねていきたいところだ。小澤主将、前田健副将ら上級生のクリーンアップが機能すれば、大量点で主導権を握る展開も十分にあり得るだけに打線の爆発に期待がかかる。

キャンプ中に行われたオープン戦で安打を放った吉田瑞樹副将。下位打線ながら得点力のある選手だ

 新チームの目標を小澤主将は「まずは春を優勝すること」と語った。今年のリーグ戦を占う開幕カードの東大を圧倒し、勢いに乗りたい。

(記事 山本琢人)

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