優勝争いの舵を取れ 勝ち点獲得で早慶戦へ/法大戦展望

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 東京六大学春季リーグ戦(リーグ戦)は、残すところあと3週となった。今季は全体的に僅差の試合や延長戦、そして第3戦にもつれるカードが多く、接戦の様相を呈している。同時に火花が散っているのが優勝争い。現時点で優勝の可能性を残すのは、勝ち点3で首位につける早大と慶大、そしてこの2校を勝ち点2で追いかけるのが法大と明大だ。今週はその4校によるカードが組まれており、勝利の行方に注目が集まる。2020年秋以来7季ぶりの優勝へ、早大は勝ち点を獲得して早慶戦に臨めるか。前節で東大と対戦した早大は投手陣が完封リレーを披露し、打線は2試合で計28安打24得点と攻撃の手を緩めなかった。今カードで早大が対戦する法大も、前節は東大と対戦して2戦2勝。リーグ最多46回の優勝を誇る両校の戦いはいかに。

 法大のチーム防御率は現在リーグ1位の1.70。先発としてチームを引っ張るのは、篠木健太郎(4年)と吉鶴祥瑛(4年)の2人だ。ともに千葉・木更津総合高出身の両投手は、大学日本代表候補にも選出。実力も経験も豊富だ。第1戦の先発が予想される篠木は、現在リーグ1位の防御率1.03を記録している右腕。最速157キロの速球と落差の大きい変化球を武器に、相手打線を封じてきた。これまで第2戦の先発マウンドに上がっている吉鶴も、防御率2.95を記録。リリーフもこなし連投もいとわない左腕だ。中継ぎで注目すべきは、ラストイヤーで神宮デビューを果たした安達壮太(4年)。立大2回戦では7回、2死一、三塁という場面でマウンドを託されると無失点に切り抜け、チームを勝利に導いた。他にも、今季は山城航太郎(4年)、や永野司(3年)、山口凱矢(2年)、宇山翼(3年)らが登板し、チームを支えている。

 法大野手陣で特筆すべきは機動力だ。試合数はリーグ最少タイながらも、三塁打、盗塁企図数はともにリーグ最多。チーム盗塁数12のうち、リーグ1位の6盗塁を記録しているのが中津大和(4年)だ。中津はここまで打率.333と好調を維持している。打撃で勝負強さを見せているのが、これまで.345でチーム首位打者の松下歩叶(3年)。立大戦では2回戦で決勝の左前適時打、3回戦では決勝の3点本塁打を放ち、逆転での勝ち点獲得に貢献。チームを勢いに乗せた。これまで放った7安打のうち5本が長打の武川廉(4年)や、クリーンナップに座る吉安遼哉主将(4年)など、長打力のある選手も試合を動かす鍵になりそうだ。

現在チーム首位打者の山縣。法大戦でも打線の鍵になりそうだ

 対する早大は、規定到達で打率4割を超える選手が3人と、打線の調子が上向いている。東大2回戦で満塁本塁打を放った印出太一主将(スポ4=愛知・中京大中京)は、現在本塁打と打点の2冠。打率もリーグ4位の.419と4番の役割を果たしている。現在.448で打率2位の山縣秀(商4=東京・早大学院)も、東大戦で2戦計8打数7安打を記録。印出主将と同じく打率4位に付ける尾瀬雄大(スポ3=東京・帝京)は、現在まで6試合連続安打を放ち、不動の1番打者として結果を残している。

1回戦での登板が有力視される伊藤樹。昨季の法大2回戦では先発として7回1失点と好投している

 明大3回戦で延長11回を投げ抜いた伊藤樹(スポ3=宮城・仙台育英)は、東大2回戦でも要所を締め7回を無失点。また、今季神宮デビューを果たし、主に第2戦の先発マウンドを託されている宮城誇南(スポ2=埼玉・浦和学院)は、東大1回戦で5回を無失点に抑え初勝利を挙げた。宮城の後にマウンドに上がった越井颯一郎(スポ2=千葉・木更津総合)も4回を無失点に抑えるなど、鉄壁の投球を披露している。ブルペンには、未だリーグ戦通算防御率0.00の香西一希(スポ2=福岡・九州国際大付)、チェンジアップが武器のルーキー・安田虎汰郎(スポ1=東京・日大三)、ラストイヤーを迎えた鹿田泰生(商4=東京・早実)らが待機している。接戦で奮闘し、勝利を手繰り寄せてきたリリーフ陣。法大戦でもその活躍に期待だ。

東大2回戦で4回を無失点に抑えた越井。香西、安田の勝ちパターンに次ぐ中継ぎの一角として期待が懸かる

 開幕前、「2カード目の明大戦と4カード目の法政戦が早慶戦前の山場になる」と印出主将は語った。明大戦では1点を争う展開を総力戦でものにした早大。法大戦でも勝ち点をつかみ、優勝への布石にしたい。

(記事 太田さくら)