東大との開幕カードで見事に二連勝を決めて勝ち点を獲得した早大。3年ぶりのリーグ優勝へ向けて順調な滑り出しとなった。次の対戦相手はリーグ3連覇中の明大。投打に戦力が充実しており、厳しい戦いになることが予想されるが、リーグ優勝のためには倒さなければならない相手だ。春の対戦では15失点の大敗を喫しており、なんとしてもリベンジを果たしたい。
東大1回戦で2本塁打を放った吉納
1回戦、明大は絶対的エースの村田賢一(4年)の先発が見込まれる。春のリーグ戦では7試合45回を投げて失点は僅かに4、防御率0.80という圧倒的な成績でベストナインを獲得した。精密なコントロールで打たせて取るピッチングが持ち味だ。2回戦は蒔田稔(4年)の先発が濃厚だ。こちらも3年時にはベストナインを獲得した実力者。春は先発で安定感を欠き、リーグ途中から中継ぎに回ったものの、東大2回戦では6回を投げて1失点の好投を見せた。
明大は打撃陣にも役者がそろう。特に4番の上田希由翔(4年)と3番の宗山塁(3年)の2人は警戒したい。共に1年時から神宮の土を踏んできた実力者で、通算打率は3割を超える。2人の前を打つ飯森太慈(3年)も出塁率が高く侮れない。上田、宗山の前にランナーをためない為にも、まずは前の2人を確実に抑えたい。また下位打線にも力のある打者がそろう。特に小島大河(2年)は春のリーグ戦で2本塁打を放つなどパンチ力がある。どの打順からでも点を取る力があり、一瞬も気が抜けない。
東大2回戦でリーグ戦デビューを果たした澤村
これに対する早大投手陣。1回戦は加藤孝太郎(人4=茨城・下妻一)が先発するだろう。先週の東大1回戦では10個の三振を奪う圧巻のピッチングで完封勝利を挙げた。春の明大1回戦では4回を投げて7失点と悔しい結果となったが、今回こそは本来のエースのピッチングで明大打線を封じ込み、村田とのエース対決を制したい。2回戦は伊藤樹(スポ2=宮城・仙台育英)が先発となるか。東大2回戦では苦しみながらも5回を2失点に抑えて、中継ぎへとつないだ。今週も自分らしい投球で最少失点で中継ぎへとつなぎたい。中継ぎ陣は、東大2回戦では澤村栄太郎(スポ4=早稲田佐賀)、前田浩太郎(スポ4=福岡工)、香西一希(スポ1=福岡・九州国際大付)の3人が神宮デビューを飾った。必ずしも層が厚いわけではないが、一人一人が役目を全うして勝利へと繋ぎたい。
東大2回戦で逆転本塁打を放った島川
投手陣を援護する打撃陣は、吉納翼(スポ3=愛知・東邦)に注目したい。東大1回戦では二打席連続アーチで4打点と爆発。東大2回戦はヒットこそなかったものの、三つの四球を選んでチャンスを作り、勝利に貢献した。吉納の後ろの打つ島川叶夢(スポ4=熊本・済々黌)と小澤周平(スポ2=群馬・高崎健康福祉大高崎)の2人も好調だ。共に東大との2試合ではヒットを放ち、東大2回戦では島川が二点本塁打、小沢が適時打を放っている。吉納の前を打つ熊田任洋副将(スポ4=愛知・東邦)、印出太一(スポ3=愛知・中京大中京)のも2試合連続でヒットを放ちチャンスを作っている。尾瀬雄大(スポ2=東京・帝京)、中村将希(教4=佐賀・鳥栖)の1、2番コンビはここまで元気がないが、彼が本来の力を発揮し、好調なクリーンアップから下位打線へとつないでいければ大量得点も見えてくる。
春の対戦では連敗を喫して目の前での胴上げを許してしまった明大戦。春の悔しさは選手たちも忘れてないはずだ。投打ともに一人一人が本来の力を発揮できれば勝利もきっと見えてくるはず。早大らしい全員野球で春のリベンジを果たしてほしい。
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(記事 出口啓貴)