8回に打線爆発 4年ぶりの定期戦で快勝を収める

野球
TEAM
高麗大
早 大 11
(早)清水大、中森、鹿田、若松、〇澤村、越井、伊藤樹―印出、栗田
◇(二塁打)生沼(三塁打)尾瀬(本塁打)小澤(8回)

 2019年以来4年ぶりに高麗大との交流戦が開催された。2―2の同点で迎えた7回に尾瀬雄大(スポ2=東京・帝京)の犠飛で勝ち越しに成功すると、8回には一挙8得点と打線が爆発。11―2で快勝し、通算成績を5勝2敗1分けとした。

8回に本塁打を放った小澤

 早大は初回からチャンスをつくる。先頭の尾瀬が相手中堅手の失策で出塁すると、中村将希(教4=佐賀・鳥栖)が右前打、小澤周平(スポ2=群馬・高崎健康福祉大高崎)が四球でつないで無死満塁とする。ここで、続く印出太一(スポ3=愛知・中京大中京)が押し出しの四球を選んで幸先良く1点を先制する。2回には、尾瀬が右中間を破る三塁打で出塁すると、中村将が中前に運んでさらに1点を加えた。

 一方で、投手陣も安定した投球を見せた。先発・清水大成(スポ4=大阪・履正社)は、相手打線に的を絞らせず3回を被安打1の無失点に抑える。4回から登板した中森光希(文構3=大阪・明星)も、2イニングを投げて無失点と好投を披露した。

好投をした澤村

 3回以降は両チームともにスコアボードに0が並ぶ展開となったが、試合が再び動いたのは6回表の高麗大の攻撃。この回から登板した鹿田泰生(商3=東京・早実)が、連続安打で1死二、三塁のピンチを招くと、遊ゴロの間に三塁走者の生還を許し1点を返される。また、7回表には若松天(スポ4=東京・城東)が1死三塁から適時二塁打を浴びて同点に追い付かれる。同点に追い付かれてしまったが、澤村栄太郎(スポ4=早稲田佐賀)が気迫のこもった投球で後続を絶った。

勝ち越しの犠飛を放った尾瀬

 追い付かれた直後の7回裏、先頭の生沼弥真人(教4=東京・早実)が左翼線を破る二塁打で出塁すると、代走に茅野真太郎(教4=東京・早実)が送られる。ここで、尾瀬が右飛を放ち、茅野が一気に本塁に生還して1点を勝ち越した。勝ち越した直後のイニングを越井颯一郎(スポ1=千葉・木更津総合)がきっちりと0で抑えると、8回裏には小澤の3ラン本塁打などで一挙に8点を奪う猛攻を見せ、相手を突き放す。最後は伊藤樹(スポ2=宮城・仙台育英)が試合を締め、11―2で4年ぶりの高麗大との定期戦を勝利で飾った。

8回を無失点で抑えた越井

 早大の快勝で幕を閉じた今年の定期戦。塁上で両校の選手が会話をする場面もあり、野球を通して交流ができたことは非常に有意義であったのではないだろうか。「いい勉強になった試合」(中村将)というように、日本とは違うスタイルの野球を経験できたことは、必ず今後に生きてくるだろう。東京六大学秋季リーグ戦制覇へ向けて、早大野球部の鍛錬の夏が始まる。

(記事 齋藤汰朗、写真 星野有哉)

コメント

中村将希(教4=佐賀・鳥栖)

――4年ぶりの高麗定期戦となりました。試合を振り返っていかがですか

 国際試合はアメリカで1回しかやったことがありませんでした。どういうチームか分からなかったんですけど、高麗大学はものすごくバッティングが良くて、スイングスピードであったり、コンタクト率、飛距離どれをとっても、やっぱり自分たちの力以上のものを持っていました。そういう中で、いい勉強になった試合だなっていうふうに思いました。

――今日は適時打を含む2安打でしたが、ご自身の打撃を振り返っていかがですか

 最近調子は全然良くなかったんですけど、しっかり修正して、自分のバッティングを取り戻せました。今日みたいなバッティングを続けていけるように、これからしっかり練習していきたいなって思います。

――修正した部分はどういったところですか

 右脇がちょっと空きすぎていたので、そこをしっかり閉めることと、タイミングの取り方を自分の今までやってきた取り方に戻しました。それでうまくいったので、このまま続けていきたいなと思います。

――3回にはホームランキャッチを披露しました

 打たれた瞬間は完全に入ったなと思ったんですけど、走っていったら「あ、意外といけるかな」っていうふうに思いました。結果的にキャッチできたので、あれがまぐれではなくて、これからも同じプレーをできるようにやっていきたいなと思います。

――夏のシーズンでテーマとしていることを教えてください

 自分の目標が首位打者なので、このオープン戦でもしっかりコンスタントに打率を残していくことをテーマとしています。そのためにスイングスピードであったり、選球眼であったり、自分にとっての課題は多くあると思うので、夏のキャンプを通して、しっかりそこを潰していければいいなっていうふうに思います。

越井颯一郎(スポ1=千葉・木更津総合)

――1点を勝ち越した直後の登板となりましたが、どのような気持ちでマウンドに上がりましたか

 先輩方が同点から1点取ってくれたので、自分がここで守りきって、後ろの伊藤さん(伊藤樹)につなげられればなと思って、絶対抑えようという気持ちになりました

――どのようなことを意識して投球しましたか

 相手のスイングは強かったですし、 前のピッチャーも打たれてた人も何人かいて、高めに浮いてたら打たれるということを言われてたので、とにかく低めにということを意識して投げました。

――入学されてから神宮のマウンドも経験されましたが、ここまでの収穫を教えてください

 経験を積めたというのが一番大きかったかなと思います。他の1年生は経験できていないことを経験させてもらって、球場の雰囲気(を知ることができた)というのが一番大きいかなと思います。

――逆に得られた課題はどのようなものがありますか

 早慶戦でも失点をしてしまって、 その失点に繋がるのが全部フォアボールだったので、そのフォアボールをなくしていくという取り組みをしています。

――この夏のテーマとしていることがありましたら教えてください

 球速アップを目指しています。ずっと(直球の平均速度が)140キロ前半ぐらいだったので、それを140キロ中盤くらいをアベレージとして出せればいいなということで練習しています。

――東京六大学秋季リーグ戦に向けて、夏の期間はどのように過ごしていきたいですか

 自分に厳しくして、春とは変わった姿、形を絶対見せられるようにしたいです。走り込みであったりとか投げ込みであったりというのを率先して取り組められれば、やっぱり練習してるなという風に思ってもらえると思うので、そういった意識でやっていきたいと思います。