東京六大学春季リーグ戦も開幕からおよそ1カ月が経った。早慶戦前最後のカードとなる第6週の相手は明大。早大は開幕4連勝の好スタートを切ったが、前週の法大戦を引き分け含む4試合の末に落とし、優勝にブレーキをかけている。明大はここまで唯一、全カードで勝ち点を獲得し、法大と並んで現在リーグ首位。早大が明大に2連敗すればその時点で明大の優勝が決まるため、何としても勝利をつかみたい状況だ。
明大のエース・村田
今季の明大を支える投手は、エース・村田賢一(4年)。ここまで5戦1勝と勝ち星にこそ恵まれないものの、防御率は現在リーグ2位の0.87。1年次から神宮を経験している実力者で、今季許した得点はわずか3点にとどめている。村田は1回戦での先発が見込まれるため、初戦は加藤孝太郎(人4=茨城・下妻一)とのエース対決となるだろう。早大はここまでの5勝のうち3勝を加藤で取っているため、必ず勝利したいところだ。
2回戦の明大先発は、蒔田稔(4年)の起用が濃厚だ。東大2回戦では不調から2回2失点で無念の降板となったが、慶大2回戦では6回1失点と力投を見せた。早大はここまで2回戦の先発に鹿田泰生(商3=東京・早実)、飯塚脩人(スポ4=千葉・習志野)、清水大成を起用し、固定を避けている。この3人の誰かが再び先発のマウンドに上がるのか、はたまた救援として好投を続けている中森光希(文構3=大阪・明星)、田和廉(教2=東京・早実)らが今季初先発するのかには注目が集まる。どちらにせよ継投が想定されるため、投手一人一人が慎重にアウトカウントを積み重ね、無失点投球を続けるクローザーの伊藤樹(スポ2=宮城・仙台育英)まで、いい雰囲気でつなげたい。法大4回戦では逆転の2ラン本塁打を浴び、今季初失点を喫した齋藤正貴(商4=千葉・佐倉)の奮起も、勝利には不可欠だ。
今季3勝のエース・加藤
投手陣を援護する打撃は、概ね問題ないと言えるだろう。早大のチーム打率は現在リーグ首位の.301。個人打率でも、1位から3位に熊田任洋副将(スポ4=愛知・東邦)、中村将希(教4=佐賀・鳥栖)、尾瀬雄大(スポ2=東京・帝京)と早大の4割超え打者が並び、強打のチームとなっている。しかしながら、直近の法大戦4試合のチーム打率は.219に沈んでいることもあり、爆発力の低下が懸念される。明大のチーム打率は.288とリーグ2位であり、早大打線が好調とはいえ、やはり油断ならない相手だ。1年時から4番を務める上田希由翔(4年)を筆頭に、1番・堀内祐我(4年)、2番・飯森太慈(3年)、3番・宗山塁(3年)と、上位に打率の良い打者がそろっている。特に上田、宗山はそれぞれ打点5、打点4と勝負強いため、できる限りこの2人の前に走者をためないことが勝利のカギとなるだろう。
4番に座る上田
法大戦が水曜まで長引いた影響で、疲労も心配される早大。対する明大は空き週を挟んで早大戦に臨むため、コンディション面でも厳しい戦いとなる。それでも5季ぶりのリーグ優勝に向け、気迫で勝ち点をもぎ取りたい。
(記事 荒井結月、写真 田中駿祐)