昨秋の東京六大学リーグ戦(リーグ戦)では、ケガでシーズンを完走できず悔しい結果に終わった野村健太(スポ4=山梨学院)。この悔しさを糧に春季オープン戦で好調の野村は、ラストイヤーでの巻き返しを図る。そこでオフシーズンの取り組みや春季リーグ戦への意気込みを伺った。
※この取材は4月7日にオンラインで行われたものです。
「思い切り打つことだけを考えてやっている」
社会人対抗戦で安打を放つ野村
――大学野球とは関係ない話なのですが、今年のセンバツにおける母校の山梨学院の試合はご覧になりましたか
はい、見ました。
――優勝しましたが、刺激になりましたか
やっぱり母校が優勝して自分たちも優勝しないといけないなと思いました。
――早大がリーグ戦優勝するために野村選手はどのようにチームに貢献していきたいと考えていますか
自分が試合を決めるということではなく、チームみんなで協力して助け合って勝利をつかみとりたいと思っています。
――高校時代、センバツ、甲子園に出場されましたが一番印象に残った思い出はありますか
一番印象に残った思い出は、やっぱりホームランを打ったことと大会記録がたくさん出たことがすごく思い出に残っています。
――ロサンゼルス遠征を振り返っていただきたいのですが、悪天候の影響で3試合中止になった中でどのようなことに取り組んできましたか
アメリカ遠征では本当に思い通りなことができなくて、現地の大学生との交流もできませんでしたが、アメリカの野球の文化や野球スタイルを学ぶことができました。
――アメリカの野球と日本の野球で違いは何かありましたか
違いは、アメリカの学生は本当に身体能力が高く、プレー一つ一つがダイナミックですが、日本の野球はみんなで力を合わせてつなぐバッティングをしてコツコツ勝っていく野球をしているのではないかなと思います。
――オープン戦の結果の総括をお願いします
オープン戦の最初の頃は、感覚は良かったのですが、結果が出ないという場面が多くてちょっと戸惑っていました。でも意識一つ変えたことからボールを長く見れるようになり、結果が出始めてきたので良かったのではないかなと思っています。本当にこの調子をリーグ戦まで保ちたいです。
――どのように意識を変えたのですか
前まではバットの軌道とか肘の入りとかを気にしてましたが、今は構え方を意識しています。自分にとってハマった構え方をできるようになったら、自分のスイングが自然とできると思うので、あとはもう構え方を意識して思い切り打つことだけを考えてやっています。
――城西国際大戦では、ホームランを放ちましたがその時の打席を振り返ってください
あの時の打席はストレートを待っていましたが、変化球が高めに浮いてきたので反応で打つことができました。金森コーチ(金森栄治助監督、昭54教卒=大阪・P L学園)からも浮いた変化球は、体で反応して打てるようにしろという指導を受けていたので、その成果がオープン戦でこういった結果になったのは収穫かなと思っています。
――高校時代53本の本塁打を打っていますが、リーグ戦でのホームランは意識しますか。
最初は意識していましたが、もう今は意識してないです。
――逆にどのような課題が見つかりましたか
やっぱりちょっと守備でこの前エラーを一つしてしまって。守備率10割にこだわりたいので、まだ自分の実力が守備率10割に届いてないと思うので、あと少ししか時間はありませんが守備力と走塁面というところを磨いていきたいなと思っています。
――その課題に対して取り組んでいることはありますか。
バッティングのBT守備とかですかね。前まではファーストでノックを受けていましたが、ファーストになると足が動かなくなって止まって捕ってしまうという癖がどうしてもできてしまうと思ったので、最近はセカンドとかショートで足を使ってボールを捕ることを意識して今練習しています。走塁に関してもバッティング練習同様、バッターに合わせて打球判断の練習をやっています。
――20年秋に外野手としてベストナインを獲得していますが、一塁手としてのベストナインは意識していますか
やっぱり取りたいですね。一塁手でも個人タイトルは取りたいと思っています。
「今までやってきたことを全部神宮の舞台で出せるように」
城西国際大戦で本塁打を放つ野村
――開幕まであと少しですが現在の心境はいかがですか
本当に残り少ない日にちなのですが、大学生活最後のシーズンが始まってしまうので、今までやってきたことを全部神宮の舞台で出せるように今から準備していきたいなと思っています。
――以前取材で打ちたい打順について5番とおっしゃっていましたが、現在はどうですか
現在は6番を打っています。
――思い描く理想の6番像は何ですか
意外といいところで打席が回ってくると思っていて、1年の秋ベストナイン取ったときも6番だったので、これも何かの縁ではないかなというふうに思っています。ランナーがいたらつないで返すという意識を持てばいいと思っています。
――ここ2年間は怪我に苦しんだシーズンだったと思いますが、肩の調子はいかがですか
肩はもう怪我する前よりも良くなっていると思います。
――チームの雰囲気はいかがですか
チームの雰囲気は本当に朝陽(森田朝陽主将、社4=富山・高岡商)と熊田(熊田任洋副将、スポ4=愛知・東邦)を中心に今年はみんなで協力して良い雰囲気を作ってやっていこうと。メンバーに入っている4年生が下級生にやりやすい環境を提供していると思います。
――春季リーグ戦の個人としての目標を教えてください
個人としての目標は、打撃面では打率3割5分を目標にしたいです。守備面ではエラー0でシーズンを走りぬく気持ちでやっていきたいと思います。
――先ほど走塁面の話が出ましたが、走塁面では目標はありますか
走塁面では、二塁から本塁にとにかく点を取るっていう気持ちで必死に走りたいと思います。
――個人的に注目してほしいポイントを教えてください
個人的に注目してほしいところは、僕意外とハンドリングがうまいので、カバー技術とか見ていただければなと思っています。
――最後に意気込みをお願いします
ラストシーズンが始まってしまうので、今までこの3年間やってきた集大成を神宮の舞台で成果を発揮できるように精一杯やってリーグ戦優勝という目標に向かって精一杯やっていきたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 丸山勝央、写真 荒井結月、田中駿祐)
質問に答える野村
◆野村健太(のむら・けんた)
2001(平13)年8月27日生まれ。180センチ。97キロ。山梨学院高出身。スポーツ科学部4年。内野手。右投右打。母校・山梨学院の後輩たちの活躍を見て奮起した野村選手。走攻守において躍動し、集大成を披露します!