15安打9得点で打ち合い制す 慶大V阻止で有終の美/慶大2回戦

野球
TEAM
早 大
慶 大
(早)鹿田、◯斎藤正、佐竹、原、伊藤樹-印出
◇(二塁打)吉納、山県、熊田 (本塁打)印出2号満塁(1回)

※氏名に旧字体を含む場合は、原則として新字体に直して掲載しております。

 早慶戦は2日目を迎えた。前日の劇的勝利で勢いに乗る早大は、初回に印出太一(スポ2=愛知・中京大中京)の満塁弾で先制すると、その後も打線がつながり加点。投げては5人の継投で慶大の追い上げをかわし、9-6で逃げ切った。今季最終節を2連勝で終え、慶大の優勝阻止に成功。中川卓也主将(スポ4=大阪桐蔭)率いるチームの集大成を笑顔で締めくくった。

グランドスラムを放った印出

 試合は1回表から大きく動いた。先頭の松木大芽(スポ4=石川・金沢泉丘)が初球を左前に運ぶと、その後も安打や死球で走者をため、いきなり1死満塁の好機をつくる。すると、続く5番・印出に満塁弾が飛び出し、わずか8球で4点を先制に成功。慶大先発・外丸を1回途中で降板に追い込んだ。その後も早大打線は止まらない。3回には1死後、蛭間拓哉副将(スポ4=埼玉・浦和学院)から吉納翼(スポ2=愛知・東邦)までの4連打で2点を追加。5回にも2点を奪ってリードを保った。

 打線の援護を受け、早大投手陣が粘りを見せる。先発を任された鹿田泰生(商2=東京・早実)は制球に苦しみながらの投球となった。2回は、四球やけん制悪送球で進められた走者に生還を許して3失点。4回にも先頭打者に安打を許し、2つの四球で2死満塁とされるが、4番・萩尾匡也(4年)から三振を奪い、このピンチは切り抜けた。早大は8-4となった5回から継投に入り、斎藤正貴(商3=千葉・佐倉)佐竹洋政(商4=東京・早大学院)が登板。それぞれ1点を失いながらも粘りの投球を見せ、逆転は許さない。

最後は伊藤樹が締めた

 2点差で迎えた9回表、死球で出塁した印出が犠打で二塁へ進む。続く生沼弥真人(教3=東京・早実)の当たりを二塁手が悪送球する間に印出が生還し、ダメ押しの9点目をもぎ取った。9回裏には8回から引き続き伊藤樹(スポ1=宮城・仙台育英)がマウンドへ。二塁に走者を背負ったものの、この日3安打の宮崎恭輔(3年)から三振を奪い2死とする。最後は代打・斉藤來音(3年)から直球で見逃し三振を奪い、ゲームセット。3時間19分に及ぶ激闘を制し、伝統の早慶戦で2連勝を飾った。

 東京六大学春季リーグ戦では5位に終わり、雪辱に燃えて望んだ今季。明大戦では連敗を喫したものの、その後は連勝を重ねて2位で終えた。春の課題であったチームの一体感は試合を重ねるごとに増し、立大戦や慶大1回戦での劇的勝利を生んだ。この日も、投手陣が慶大の強力打線を継投でしのぎ、打線のつながりが勝利をたぐり寄せた。慶大の眼前での胴上げを阻止し、有終の連勝で今季を締めくくった早大。この日をもって4年生は引退となる。今年は成しえなかった『賜杯奪還』の夢を下級生に託して。

夢は来年以降に託された

(記事 是津直子、写真 玉置理沙子)

                黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前
(左) 松木大芽 .440 左安 二ゴ   中安 見三     投ゴ  
(三) 中川卓也 .118 投ゴ 二ゴ   投併   一飛   空三  
(二) 熊田任洋 .342 二安   一ゴ 四球   右2   中飛  
(中) 蛭間拓哉 .222 死球   中安 一ゴ   右飛     空三
(捕) 印出太一 .297 左本   中安   左飛 空三     死球
(右) 吉納翼 .361 中2   右安   左安   一ゴ   投犠
(一) 生沼弥真人 .438 左安   中安   空三   遊安   二安
(遊) 山県秀 .294 二併   二飛   左2   捕邪   中飛
(投) 鹿田泰生 .000   空三 空三            
  森田朝陽 .200         遊失        
  斎藤正貴 .-                  
  尾瀬雄大 .000             三飛    
  佐竹洋政 .-                  
  原功征 .-                  
  伊藤樹 .-                  
早大投手成績
名前
鹿田泰生 3.27
斎藤正貴 2.84
佐竹洋政 1 1/3 6.75
原功征 0 0/3 9.95
伊藤樹 1 2/3 2.25
東京六大学秋季リーグ戦星取表
順位   明 大 早 大 慶 大 立 大 法 大 東 大 勝ち点 勝率
明 大 ○2-0○17-4 ●3ー6
○4ー3
●0ー7
○1ー0
○4ー2
◯2ー1
○9-1
△3-3
○11-7
○13-6
.818
早 大 ●0ー2●4ー17 ○5ー4
○9-6
◯4ー2
◯3ー2
◯2ー0
◯2ー0
◯4ー0
◯6ー1
.800
慶 大 ◯6ー3
●3ー4
○7ー0
●4ー5
●6-9
△0-0
○2-1
○4ー1
◯5ー0
●2ー3
◯7ー3
●3ー4
◯9ー1
◯20−2
.615
立 大 ●0-1
●2-4
●2ー4
●2ー3
△0-0
●1ー2
●1ー4
●4-6
○6-5
○9-4
○4-2
○3-2
.364
法 大 ●1−2
●1-9
●0-2
●0-2
●0ー5
◯3ー2
●3−7
○6-4
●5-6
●4-9
○2−1
○5-0
.333
東 大 △3-3
●7-11
●6-13
●0ー4
●1ー6
◯4ー3
●1ー9
●2ー20
●2ー4
●2ー3
●1ー2
●0ー5
10 .091
コメント

小宮山悟監督(平3教卒=千葉・芝浦工大柏)

――昨日今日と連勝で終えることができましたが、この2試合を振り返っていかがですか

 中川主将のチームの集大成ということで目指すところにたどり着けるかどうかという、そういうつもりで臨んだ2試合です。結果、ところどころ不満な点はありますが連勝できたということで、及第点を与えたいと思います。

――打線は今季最多安打となりました。その要因はどこにあると思っていますか

 一番打てる松木を1番に据えたことじゃないかな。

――松木選手が期待通りの活躍をしてくれたからということですか

 もちろん数字が非常に良くてあと1打席で首位打者になるというところにきていたので、もちろん1打席でも多く回るようにと期待を込めてという意味もという部分もありますが、やっぱり今日もヨーイドンで初球ヒットを打ってるくらいですから、非常に打線としても勢いのつくトップバッターで頑張ってくれたというふうに思います。

――投手陣はキーマンに挙げていた萩尾選手に仕事をさせていませんでした

 優秀なデータ班にいろいろ分析してもらって、印出がそれを頭に叩き込んでどうすればいいということも含めて最悪四球で歩かせてある程度成功はしたけれども、今までの試合と違って失った点が今までよりも多いのでその辺は慶応打線はさすがだなと思います。

――この試合をもって野球部から引退する4年生にコメントをお願いします

 もちろん早稲田の野球部で過ごした4年間がこれから先の人生のベースになるので、世に出てさすが早稲田の野球部だと言ってもらえるようなそんな活躍を期待しています。

――最後に来季への意気込みをお願いします

 昨年は1点で1球でという悔しい敗戦からこのチームが出来上がって同じようにあと1試合届かなかったという悔しさは同等だと思っているので、今年と同じようなことでは今年と同じような結果にしかならないということなので来年春勝つためにこれから学生たちにハッパをかけて、目の色変えて練習できるようにそういう環境を作りたいと思います。