賜杯へ迎えた正念場 難敵撃破で望みをつなげ/立大戦展望

野球

※氏名に旧字体を含む場合は、原則として新字体に直して掲載しております。

 東京六大学野球秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)は終盤戦に突入。ここまで勝ち点2の3位につける早大は、同じく勝ち点2の立大と対戦する。勝ち点を落とせば優勝の可能性がなくなる今節。天皇賜杯に向け、絶対に負けるわけにはいかない。

立大の強力投手陣を打ち崩せるか

 立大の先発投手は池田陽佑(3年)と荘司康誠(4年)。今春、池田は怪我の影響で1試合の登板に留まったが、秋はここまでリリーフ1試合を含む5試合に登板。33回を投げ防御率1.91は、リーグ4位の好成績だ。一方、荘司は序盤こそ不安定な投球が目立つも、直近の東大2回戦では7回1失点の好投を見せ、本来の投球を取り戻しつつある。リリーフに控えるのは、沖政宗(2年)。安定した制球力と三振を奪う力を兼ね備え、複数回を投げることができる。

 打線の中心は、何といっても4番・山田健太(4年)だ。法大3回戦、東大1回戦では連続本塁打を放ち、持ち前の長打力を発揮。今季も『早稲田キラー』ぶりは健在で、春は3安打を許し、2打点を記録している。法大3回戦から3番を打つ道原慧(4年)も好調だ。3番に入ってからの3試合は、12打数5安打と打率は4割超え。うち4安打は長打を放っており、より一層警戒が必要となる。東大2回戦でスタメン出場し、リーグ戦初本塁打を放った戸丸秦吾(2年)の台頭も見逃せない。

今季まだ無失点の清水大の投球にも注目だ

 対する早大投手陣は、絶対的エース・加藤孝太郎(人3=茨城・下妻一)がけん引。東大1回戦では無四球完封を収め、24回を投げて防御率は0.38。春はあと一歩で届かなかった最優秀防御率のタイトルが見えてきている。2回戦の先発を担う清水大成(スポ3=大阪・履正社)はここまで2試合に先発し、失点はいまだ0。リリーフには、東大2回戦でリーグ戦初勝利を記録した鹿田泰生(商2=東京・早実)や抑えの伊藤樹(スポ1=宮城・仙台育英)など、力のある投手が控える。

 一方、打線に厚みをもたらすのが松木大芽(スポ4=金沢泉丘)だ。今季序盤は持ち前の守備力を買われての出場だったが、スタメンに抜てきされた東大戦では、2戦で計4安打と躍動。さらに2盗塁を記録し、攻撃の幅を広げる役割が期待される。ここまで2本塁打の1番・熊田任洋(スポ3=愛知・東邦)、東大戦から打順を上げた印出太一(スポ2=愛知・中京大中京)も好調を維持。下位打線では、山県秀(スポ2=東京・早大学院)がチームトップの打率.333をマークするなど、切れ目のない打線を形成する。

 明大戦で勝ち点を落とし、自力での優勝はなくなった早大。しかし、まずは目の前の一戦に集中し、勝利することが必要となる。昨春から6連敗中と苦手な立大を撃破し、早慶戦へ望みをつなぎたい。

(記事 矢彦沢壮真)