春の雪辱へ 強力投手陣を打ち崩せ!/法大戦展望

野球

 10日にいよいよ開幕する東京六大学秋季リーグ戦(リーグ戦)。昨春は5位に沈み、多くの部員が不甲斐なさや悔しさを口にした早大。雪辱を誓いこの夏は新潟で久しぶりの夏季キャンプを実施し、連日猛練習を重ねた。その成果もあり、オープン戦では春の全日本大学選手権準優勝校の上武大に勝利し、立命館大や神奈川大といった強豪大からも勝ち星をあげるなど好調を維持している。開幕カードの相手は春に引き続き法大。春は連敗を喫した相手にどういった戦いを演じるのか、注目が集まる。

第1戦の先発が予想されている加藤

 法大撃破に避けて通れないのが、エース・篠木健太郎(2年)の攻略だ。最速150kmを超えるストレートを武器に高い三振能力を誇る大学侍ジャパンの超本格派右腕に春は14個の三振を奪われ、開幕戦を落とした。第1戦での先発が予想されるが、大量得点が望める投手ではないだけに、少ないチャンスをものにしていくことが求められる。リリーフでは武富陸(3年)が強敵だ。力強いストレートに加え、キレのある変化球を軸に多くの三振を築く左のリリーフエースを攻略できれば勝利は確実に見えてくる。他にも、尾崎完太(3年)、塙雄裕(3年)や吉鶴翔瑛(2年)も控えており、簡単に攻略できる相手ではない。

 そんな強力投手陣攻略のキーマンとなるのが、主将の中川卓也(スポ4=大阪桐蔭)だろう。オープン戦では3番を打ち、チームのリンクマンとして高出塁率を残している。中川卓がオープン戦同様高い出塁率を残し、打線を繋ぐことができれば得点の確率は上がってくる。印出太一(スポ2=愛知・中京大中京)にも注目だ。打撃面では春はチームトップの.349という打率を残したが、夏のオープン戦では毎試合のように複数安打を記録し、好調を維持している。印出には打撃以外にも守備面、特に複数投手をいかすリード面、さらには盗塁を阻止するスローイングでの貢献も必要となるだろう。

打線のキーマンは中川卓だ

 一方の法大打線は中心となるのが主将の斎藤大輝(4年)だ。春は打率.208と不振に喘いだが、松山でのオールスターゲームでは安打を放つなど復調の気配を見せており、注意が必要だ。他には春本塁打を浴びた宮崎秀太(4年)も警戒したい。昨季は打率.367で首位打者争いを演じ、リードオフマンとしての役割を全うした。この二人の他にも村上喬一朗(4年)や4番を打つ浦一博(3年)、野尻幸輝(4年)、今泉颯太(3年)など一発のある打者が揃っているだけに高めのボールは命とりとなるだろう。

 対する早大投手陣のキーマンは加藤孝太郎(人3=茨城・下妻一)と伊藤樹(スポ1=宮城・仙台育英)の二人だ。共に先発を務めることが予想され、相手投手陣が強力なだけに簡単な失点は許されない。チームの勝利のためにも無失点、もしくは最小失点が勝利には求められる。リリーフでは鹿田泰生(商2=東京・早実)に注目したい。夏のオープン戦で好投を見せ首脳陣の信頼を勝ち取った若き本格派が開花してくれば優勝は大きく近づいてくる。他にも原功征副将(スポ4=滋賀・彦根東)や、伊藤大征(社3=東京・早実)、清水大成(スポ3=大阪・履正社)など経験のある投手の活躍にも期待したい。

 春は法大に連敗を喫し、波に乗れずに勝ち点を重ねることができなかった。開幕カードを連勝で飾ることができれば、優勝にむけて勢いに乗っていけるはずだ。『復権』にむけて夏を経て一回りも二回りも大きくなった早大が神宮の舞台で躍動する。

(記事 山本泰新)