「絶対に勝ちます。見ていてください」。早慶戦を1週間後に控え、こう語った蛭間拓哉副将(スポ4=埼玉・浦和学院)。ここまで打率は2割前半、本塁打は出ておらず、苦しい打席が続いている。早大は5位に沈み、優勝の可能性は消滅した。その中で迎える負けられない一戦に向けて、現在の心境と状態を伺った。
※この取材は5月21日に行われたものです。
難しい部分をすごく感じるリーグ戦だった
ここまで全試合で4番を打つ蛭間
――リーグ戦ここまでを振り返って、率直な感想をお願いします
思うような結果が出ない中で、厳しいマークをされて、今までにない感じのリーグ戦だなと感じています。初めての自分たちの代のリーグ戦となって、難しい部分をすごく感じるリーグ戦だったかなと思います。なかなか勝てないというのもそうですし、投手が頑張っているなかで、なかなか打線が打てていません。その中で「どうしたらチームが勝てるだろう」「どうしたらいいチームになるだろう」ということを色々考えながらやっているのですが、思うような結果が出ないので、すごく悔しいですし、苦しいですね。
――ご自身の打撃成績を振り返っていかがですか
三冠王を目指してやっているのですが、なかなか思うようにいかない中で、四球は今までにないくらい選べています。ボール球を振らないことはこの冬からずっと取り組んできていたことなので、それはすごくいいことだと思っています。ただ、打率や打点、本塁打を打てていないので、そこはすごく悔しい結果かなと思います。
――打率や打点が上がってこない原因としては、厳しく攻められているということが大きいのでしょうか
厳しく攻められているとは思うのですが、その中にも甘い球は全然あって、それを打ち損じしてしまっていることが多々あります。なかなか最初の法大戦では調子があまり良くない感じだったのですが、徐々に良くはなってきていると思うので、今は思うような結果が出ていないですが、早慶戦ではしっかり結果を残していきたいなと思っています。
――開幕前の対談では、打席での感覚について「しっくりきていない」というお話がありましたが、リーグ戦の中でつかめたものはありますか
良い感じというのはないですが、感じとしては徐々に良くなっているのかなと思います。タイミングも徐々に合うようになってきましたし、おかしかった部分というのはだんだん改善されてきているかなと思います。
――ここまでで印象に残っている打席はありますか
立大戦の最後の打席の三振が悔しいかなと思いますね。
――今ご自身の打撃で足りていないところと、逆にいいところはどこでしょうか
甘いボールを一発で仕留めるというところです。いいところは…、四球を取れているところかなと思います。
チームが良くなるためにやっていきたい
今季は副将としても難しいシーズンだった
――ここからはチームのことについて伺います。現状は5位ですが、この順位をどう捉えていますか
すごく悔しいですし、なかなか勝てなくて辛い部分はありますが、これが今のチームの現状なので、それを受け止めてこれからどう変えていくかというところです。
――チームが勝ち切れていない要因は何だと感じていますか
技術的にまだまだ劣っているところもありますが、細かい守備のミスだったり、細かいミスだと思います。そういった細かいミスというのは、日頃の私生活など本当に細かいところから出ていると思うので、そういうところもしっかり見つめ直しながら、チームが良くなるためにやっていきたいなと思っています。
――苦しい試合が続く中でチームの雰囲気はいかがでしたか
雰囲気はあまり良くないですね。「ちょっと暗いよ」というのを主将に伝えて、今まで集合の時には主将が色々言っていたのですが、今は自分と折内が中心となって言って、盛り上げるということを、雰囲気を良くするためにすごく意識してやっています。
絶対に勝ちます。なので、見ていてください。お願いします。
早慶戦で今季初本塁打なるか
――早慶戦に向けて、今のチームの雰囲気はいかがですか
今週は平日が時間別練習だったので、全員がそろう時間というのはなかったのですが、今日久々に全員でそろってやってみて、自分としてはちょっとまだ暗いなと感じました。「みんな暗いよ」と、「早慶戦があるんだから、優勝はないけど、早慶戦は勝たなきゃいけない、絶対に勝つという気持ちで目の色を変えてやろうよ」と言ったら、ある程度は雰囲気として良くなったと思います。これからまだ1週間あるので、早慶戦に向けて最高の準備をして必ず勝つという気持ちで挑みたいなと思います。
――早大も慶大も優勝はないという状況ですが、チームとしてどのようにモチベーションを保っていますか
慶應に負けるわけにはいかないので、どんなかたちであれ、勝てばいいので、とにかく死に物狂いというか、目の前の1球に対して全力でやるだけですね。
――早慶戦で早大の打線のカギを握る選手は誰だと思いますか
誰とかではなくて全員ですかね。1人の投手に対して一人一人で戦うのではなくて、9人全員で打ち崩すというのが今の早大に足らないところだと思っているので、本当に全員がカギとなるかなと思います。
――ご自身はどのような準備をしていますか
「もう身体がぶっ壊れてもいい」というくらいの気持ちで、1球1球、一瞬一瞬を本当に全力でやっていきたいなと思っています。
――ご自身の現在の調子はいかがですか
気合だけ入っているという感じですかね。「早慶戦に勝つ」という気持ちだけで、調子は考えていないですね。
――2年時の早慶戦での本塁打を意識することはありますか
いや、しないですね。「そんなに期待しないでください」という感じです。やることをやるだけなので。その結果がそういう結果につながると思うので、頑張ります。
――ファンに注目してほしいところはありますか
全力プレーというところですかね。走る、投げる、打つ、すべてに対して常に全力でやっていきたいと思います。
――最後に、早慶戦に向けての意気込みをお願いします
絶対に勝ちます。なので、見ていてください。お願いします。以上です。
――ありがとうございました!
(取材・編集 是津直子)
◆蛭間拓哉(ひるま・たくや)
2000(平12)年9月8日生まれ。176センチ。埼玉・浦和学院高出身。スポーツ科学部4年。外野手。左投左打。毎回、熱い言葉で意気込みを語ってくれる蛭間選手。今回の対談でも「身体がぶっ壊れてもいい」という気持ちで準備していると話し、気合十分の様子でした。並々ならぬ熱い思いを持って、早慶戦の舞台に乗り込みます!