先月10日に行われたプロ野球ドラフト会議にて横浜DeNAベイスターズから2位指名を受けた徳山壮磨(スポ4=大阪桐蔭)と、東北楽天ゴールデンイーグルスから6位指名を受けた西垣雅矢(スポ4=兵庫・報徳学園)が、それぞれ球団から指名あいさつを受けた。
激闘となった早慶戦から4日。徳山は緊張した表情を見せながらも抱負を語った。球団からは「一年目から即戦力で先発、中継ぎ問わず活躍できるように」と期待を寄せられたという。投げたいポジションを問われると「先発中継ぎ問わず自分の持ち場で結果を残し、最終的には先発というところを任せられる投手になりたい」と話し、将来的には先発へ意欲を口にした。
「ワセダベア」を抱え記念撮影に応じる徳山
一方の西垣は、いつも通りの淡々とした口調で質問に答えた。目標について聞かれると、「1年間けがなく一軍に帯同すること。それができればおのずと結果もついてくると思う」と、公式戦は春秋に限定されていた大学野球との違いを意識した発言。担当の沖原佳典スカウトは「中継ぎでも先発でもどこでもフル回転で。将来的には先発なら10勝、中継ぎなら50試合くらい投げる、イーグルスにとってずっと必要な選手になってもらえる」と期待した。
自身のフォトパネルとともに笑顔を見せる西垣
今秋の東京六大学リーグ戦ではあと一歩まで迫りながらも優勝を逃した。徳山は今春の不調を乗り越え、全体13番目での2位指名。西垣は今秋防御率1.02、リーグトップの3勝など過去最高の成績を収め自身初のベストナインを獲得した。「リーグ優勝、日本一」の目標は後輩たちに託し、『早稲田のWエース』はプロの世界へ飛び立つ。4年間苦楽を共にした2人の夢の舞台での活躍を、多くの早稲田ファンが待っている。
(記事 山崎航平、取材 荻原亮、倉持七海、写真 早稲田大学広報課提供)
左から鈴木隆太主務(教4=早稲田佐賀)、西垣、徳山、小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)
一問一答全文
徳山壮磨(スポ4=大阪桐蔭)
――今日は指名挨拶ということで横浜DeNAベイスターズ(DeNA)からどのような話をされましたか
2位という評価をさせていただいて、一年目から即戦力で先発、中継ぎ問わず活躍できるように頑張ってと言われました。
――それを聞いてどう思いましたか
開幕から一軍で1年間通して投げられる投手というのを、1年目は目標にしてやっていきたいです。その期待に応えられるようにしっかり準備してやっていきたいなと思います。
――自分の投球の長所はどのような部分でしょうか
自分はストレートとスライダー、フォークという全球種でしっかりゲームをつくるということが持ち味だと思っています。その中でもストレートにはキレで勝負していきたいと思っているので、長所を生かしながらプロでもやっていきたいなと思います。
――球団の方から先発、中継ぎで活躍してほしいという話がありましたが、徳山選手の気持ちとしてはどこのポジションで活躍したいですか
自分としてはチャンスをもらった中で、(結果を)残していかないと自分の希望通りにいかないと思うので、先発中継ぎ問わず自分の持ち場で結果を残し、最終的には先発というところを任せられる投手になりたいと思っています。本当に初めはどのポジションでも、どういう状況でも投げられる投手を目指してやっていきたいなと思います。
――DeNAという球団の印象についていかがですか
投打ともにまとまっているなと思っていますし、今年はセ・リーグの最下位となってしまいましたが、いいチームなことには変わりないと思うので、その中で戦力として割って入っていけるように準備したいなと思います。
――DeNAの投手陣で一人印象に残っている選手はいますか
すごい投手ばかりで誰というのはないのですが、本当にプロという世界はレベルが高いので、どの投手からも(技術を)吸収して、自分をもっと良くできるように話を聞きたいなと思っています。
――監督も同じ投手出身の三浦大輔監督ですが、現役時代の印象はありますか
自分が小さい頃から横浜一筋で、エースナンバーをつけて、すごくいい投手という印象があります。自分もコントロールやキレで勝負していきたいと思っているので、そこは貪欲に聞きにいって学びたいと思います。
――DeNAに限らずですが、プロで目標にしている投手はいますか
自分は小さい頃から前田健太投手(ツインズ)のピッチングフォームやスタイルという部分をよく見てきたので、そういう球界を代表するような選手になりたいなと思います。
――対戦してみたい打者はいますか
一軍の打者というのは、すごい素晴らしい打者ばかりだと思うので、色々な打者に挑戦していって自分の球がどうなのかということを経験したいなと思います。
――最初の目標には開幕一軍というのを目標と話されていましたが、最終的にどのようなことを目標にしたいですか
チームのエースというのが誰しもが目指すところだと思うので、そこを目指していければいいかなと思います。
――小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)からプロの世界について話を伺っていますか
プロに入ってからは気を張った状態でプレーしていかないといけないということを言われています。学生と違って気持ちを許せる時がなく、ずっと気を張っているので、けがが一番怖いと。けがをしない体を自分と向き合いながらつくることが大事だと言われたので、そこを自分の体と相談してやっていければいいなと思います。
自身のフォトパネルとともに笑顔を見せる徳山
西垣雅矢(スポ4=兵庫・報徳学園)
――指名から約1か月たって、心境の変化などありますか
リーグ戦があり、あまり(プロについて)考えたことはなかったので、まだ指名された時から心境の変化はありませんね。
――今日、指名挨拶があったと思いますが、スカウトの方とはどのようなお話をされましたか
1年目から戦力として期待しているというお話を頂きました。
――楽天には去年、1位で指名された先輩の早川投手(隆久前主将、令3スポ卒)もいらっしゃいますが、何か連絡を取ったりしましたか
指名を受けた時は、早川さんからは連絡を頂いたのですが、早川さんはまだシーズン終わっていないですし、それからは特に連絡を取っていません。
――指名された時は先輩と同じところだ、と思ったのでしょうか
はい、そうですね。
――理想の選手は誰かいますか
巨人の菅野智之選手です。
――それはどういったところででしょうか
ピッチングはもちろんなのですが、フィールディングであったり、トータルでとても レベルが高い投手だなと思っているためです。
――ポジションに関して、西垣選手は先発をやっていきたいという思いでしょうか
いえ、そこに関しては特にこだわりはなくて、入ってからの話ですし、チームで求められるところでしっかり結果を出していければという思いでいます。
――これからチームに合流していきますが、それまでにやっておきたいことは何ですか
まだプロで戦うための技術はもちろんなのですが、身体の面でまだまだだと思うので、しっかりトレーニングに励みたいと思っています。
――学生生活も残りわずかですが、プライベートでやっておきたいことはありますか
プライベートですか…。ないですね。
――トレーニングに費やすということですね
そうですね。
――楽天球団の一員になるということで、その実感は感じられていますか
球団の方とお話をさせていただいたのは今日が初めてで、チームメイトにも、先輩にもお会いしていないので、特に実感というところは少ないですね。
――話をしてみたい選手、いろいろ教えてもらいたいと思っている選手は思い浮かびますか
誰か1人というよりは、素晴らしい先輩方がたくさんいらっしゃるので、1人1人とお話をしてみたいです。
――今楽天には、田中(将大)選手や、辰巳(涼介)選手、2位指名された安田(悠馬)選手など、同じ兵庫県出身の選手がいらっしゃいますが、それについてはいかがでしょうか
仙台という地で、自分は行ったことがないのですが、同じ兵庫県出身という同期がいるのは心強いかなと思います。
――改めて、ご自身の強みはどんなところだと思われますか
どの場面でもあまり変わらずに投げられるところだと思います。
――先ほど、沖原スカウトもフォークが一つの武器だと話されていましたが、ご自身ではいかがですか
フォークボールには自信があるので、そういった評価をしていただけて嬉しいです。
――プロ入りしての目標をお聞かせください
まずはプロの世界に入って、一年間、けがなく一軍に帯同することを一番の目標にしていて、それができたら結果もおのずとついてくると思うので、まずはけがなく、一軍で戦えるように頑張りたいと思います。
――ピッチャーはいつ頃から始めたのでしょうか
小学3年生の頃からです。
――野球を始めた時からピッチャーだったということでしょうか
初めはキャッチャーをしていて、ピッチャーもしていました。
――ピッチャーを選んだ理由は
コーチにやれと言われたからです。
――フォークボールはいつ頃から投げ始めたのでしょうか
高校2年生の秋です。
――フォークの球速はどのくらいなのでしょうか
130キロくらいですね。
――ご自身のフォークの強みとしては、落差か、制球か、どういったところが武器ですか
状況によって投げていて、こういう風に落としたいとか、バッターがフルスイングしているからこういうフォークを投げたいというのと、実際に投げるフォークが合っている、そういった調整ができることが強みかなと思います。
――他に変化球はどのようなものを持っていますか
カーブ、スライダー、カットボール、フォークです。
――楽天の早川選手とは交流はありましたか
1つ上の先輩なので、1年生の頃から面倒を見てもらって、とても可愛がってもらっていました。
――西垣選手から見て、早川選手はどういった先輩でしたか
すごいストイックで、生活の面からもどうしたら野球につながるかというのを考えて、日頃生活している人だったので、とても参考になりました。
得意のフォークボールの握りを見せる西垣