昨季は勝負どころの制球に苦しみ、0勝3敗と悔しい思いをした西垣雅矢(スポ4=兵庫・報徳学園)。しかし今季は5試合に登板し、防御率は0.77、初戦の立大1回戦の6回から30イニング連続無失点を記録するなど、圧倒的な活躍を続けている。ここまでの秋季リーグ戦を振り返るとともに、大学4年間の集大成となる早慶戦に向けての思いを伺った。
※この取材は10月20日にオンラインで行われたものです。
「考え方が変わって、楽に投げられている」
取材に答える西垣
――ここまでの試合を振り返っていかがですか
出だしが立教で、2敗してしまいましたが、なんとか優勝の可能性があるところまで持ってくることができてよかったなと感じています。
――ご自身の投球に点数をつけるとするとどうでしょうか
そうですね。まずまず抑えられていると思います。80点くらいかなと思います。
――足りない20点というのはどういったところでしょうか
立教との試合では日程がずれて初戦を投げさせてもらいましたが、入りが一番大事だと思って臨んでそこで勝ちきれなかったというところですね。今、チームの状態が苦しくなっているのは、立教戦を落としたからだと思うので。
――今のチームの雰囲気はどのような感じですか
自分たちはあと早慶戦の2試合に勝つことしかないですが、目の前の試合に全力で戦っていこうという雰囲気はチーム全体にあると思います。
――これまでのベストゲームは何でしょうか
明治1、2回戦ですね。
――1回戦、9回にマウンドに上がった時はどんな心境でしたか
なんとか4年生が打ってくれて逆転してくれたので、自分もなんとか4年生として最後しっかり抑えて絶対に勝ちたいという気持ちで上がりました。
――明大2回戦で完封勝利を挙げられましたが、どのようなところがよかったと思われますか
相手バッターをよく見て観察しながら、バッテリーで投げられたところが完封につながったと思います。
――冷静に投げられているというのは、技術面なのか、何か心境の変化からなのか、具体的にどんなことが変わったからなのでしょうか
技術よりも考え方の変化が大きいかなと思います。
――どんな考え方でしょうか
バッターを見て、打たれないだろうという球を選択肢して投げているだけですね。技術的には変わっていなくて、考え方が変わって楽に投げられていると思います。
――ランナーが得点圏にいる時に、どんなことを考えながら投げていますか
基本的には変わらないですね。バッターの反応は一球投げるごとに変わってくるので、それを見ながら集中して、甘いところに投げないというのを徹底しています。ピンチの時はよりバッターを集中して見ています。
――春は課題だとおっしゃっていたコントロールについて、秋はどうでしょうか
春はがむしゃらに投げているだけだったので、考え方が変わったというのが、コントロールが安定していることにつながっていると思います。
――立大戦の後、修正した部分はありましたか
バッテリーでよくミーティングをしたことですね。データを出してくれているので、どういう球が打たれているのだろうと見つめ直しました。
――2巡目以降は配球や投げる球を変えたりしているのでしょうか
変えていないですね。バッターが変えてくるので、やることは基本的には変わらないですね。
――9回まで投げ切れるようになった理由は何だと思われますか
前まではずっと10割の力で投げていたのですが、今はいい意味で楽に投げられている感じがするので、これが要因ですね。
――リリーフ陣が春と比べて安定していると思うのですが、投手陣全体で話し合ったことなどはありますか
大きなことは変えていないと思います。3球で追い込むことであったり、そういったことを監督には言われているので、それを各自が追い求めている結果が、リリーフも頑張って抑えていることにつながっているのかなと思います。
――西垣選手は後輩に対してアドバイスをしましたか
「楽に行け」くらいしか言っていないので、特にないですね。
「全てでレベルアップしていきたい」
明大2回戦で完封勝利を挙げた西垣
――ドラフトについてお聞きしていきます。ドラフトから時間が経って、プロ野球の世界に行くという実感は湧いてきましたか
まだないですね。指名された時は連絡をたくさんもらったので、(実感が)あったのですが、今はリーグ戦に集中するだけで、特に実感する場所もないので。
――早大出身のプロの選手との交流はありますか
早川さん(隆久前主将、令3スポ卒=現東北楽天ゴールデンイーグルス)や小島さん(和哉第108代主将、平31スポ卒=現千葉ロッテマリーンズ)は大学でも一緒にプレーさせてもらっていたので、たまに連絡を取っています。おめでとう、という連絡もいただきました。
――経験豊富な投手が多い楽天で伸ばしたいことはありますか
経験豊富な先輩方がたくさんいらっしゃるので、見て盗んだり、聞いて盗んだりしていけたらいいなと思います。伸ばしていきたいこととしては、今の自分は全ての面において足りていないと思うので、全てでレベルアップしていきたいと思います。
「勝ちたい」という強い気持ち
法大戦でガッツポーズを見せる西垣
――慶大を打破するために、チームとして何が大事だと思いますか
「勝ちたい」という強い気持ちだと思います。慶大より勝ちたいという気持ちがあれば、チャンスはあると思います。
――早慶戦に対して思うところはありますか
他の大学とのリーグ戦とは少し違う、特別な力が出る戦いだと思います。
――早慶戦への意気込みをお願いします
自分にとって最後のリーグ戦、早慶戦になるので、しっかり悔いのないように戦って、勝ちたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 倉持七海)
◆西垣雅矢(にしがき・まさや)
1999(平11)年6月21日生まれ。184センチ、85キロ。兵庫・報徳学園高出身。スポーツ科学部4年。投手。右投左打。お香やアロマキャンドルをたくのが好きだという西垣選手。ハマったきっかけは、後輩の蛭間拓哉(スポ3=埼玉・浦和学院)選手から貰ったことからだそうです!しっかり疲れをとって、優勝に導く投球をしてくれるでしょう!