稲穂打線、歴史的爆発! 西垣は1年秋以来の完封勝利で東大に連勝/東大2回戦詳報

野球
TEAM
東 大
早 大 × 19
(早)○西垣―岩本
◇(二塁打)今井2、熊田2、岩本2、丸山、中川卓(本塁打)蛭間1号2ラン(1回)、岩本1号ソロ(1回)

 前日は23得点と大量点を挙げ、今季初白星を挙げた早大。連勝を目指して、東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)東大2回戦に臨んだ。この日も打線は大爆発。初回から蛭間拓哉(スポ3=埼玉・浦和学院)岩本久重副将(スポ4=大阪桐蔭)の2者連続本塁打で先制すると、3回までに7得点を挙げる猛攻を見せる。それ以降も6回にはリーグ戦新記録となる8者連続安打を放つなど、終わってみれば19得点を挙げた。また、2試合連続で先発全員安打全員得点も達成し、リーグ戦史上初となった。投げては先発の西垣雅矢(スポ4=兵庫・報徳学園)が東大打線相手に完封し、2日連続の大勝となった。

 


初回、左越えソロを放つ岩本

 立大戦では粘りを見せたものの負け投手になり、その雪辱を果たすべくマウンドに上がった西垣だったが、初回にいきなり1死一、二塁のピンチを招く。しかし、東大4番・井上慶秀(4年)と5番・水越健太(4年)を連続三振に斬ってとり、初回を無失点に抑える。一方、前日23得点の早大打線は、この日も初回から東大先発の松岡由機(2年)を攻める。2番・中川卓也(スポ3=大阪桐蔭)が四球を選び出塁すると、3番・蛭間が初球を完璧に捉えた。打球は右翼のフェンスを超え、今季1号となる先制の2ランとなった。さらに続く4番・岩本も左翼席へソロ本塁打を放ち、初回から3点を挙げた。2回にも鈴木萌斗(スポ4=栃木・作新学院)の適時打で1点を追加し、3回も福本翔(社4=東京・早実)熊田任洋(スポ2=愛知・東邦)の連続適時打で3点を挙げた。この時点で7−0と東大を突き放し、試合を決定づけた。

 


前日5安打7打点の今井はこの日も3安打2打点の活躍を見せた

 早大打線は中盤に入っても攻撃の手を緩めなかった。4回には岩本が左中間への適時二塁打で2点を奪うと、5回に10点目を挙げる。そして、6回には2番・中川卓が中前安打を放つと、そこから驚異の繋がりを見せ、8番・今井脩斗(スポ4=埼玉・早大本庄)までで六大学タイ記録となる7者連続安打を放つ。続くは9番・西垣。「先発全員安打のためにはあと自分が打つだけだったので、少しプレッシャーを感じていた」と語っていたが、打球は左翼手の前に落ちるヒットに。これが六大学記録を更新する8者連続安打となった。結局6回裏だけで8得点を挙げ、勝利はほぼ確実なものとなった。8回にも、リーグ戦初出場となった神林壮真(スポ4=東京・成蹊)の初安打初打点となる適時打で1点を追加した。打線は2日連続の20得点には惜しくも届かなかったものの、19得点を挙げた。さらに、リーグ戦史上初となる2試合連続先発全員安打全員得点を達成、まさに猛攻だった。

 


リーグ戦初打席で適時打を放った神林

 投げては、西垣が2回以降は危なげない投球を見せていたが、8回に2死二塁のピンチを招き、2番・阿久津怜生(3年)の打球が左翼手・福本の前に落ちたが、福本の好返球で二塁走者の奥田勇(4年)を本塁封殺。無失点で抑えた。西垣は9回も自ら志願して続投し、見事に三者凡退で抑えた。「落ち着いて丁寧に投げ込むことができた」と語った西垣は、142球の熱投で東大打線から14個の三振を奪い、2018年秋の東大2回戦以来となる完封勝利を挙げた。

 


完封勝利を挙げた西垣

 この2連戦で計42得点を挙げた早大打線は文句をつけようがない活躍だった。さらに前日好投した徳山壮磨(スポ4=大阪桐蔭)に続き、西垣も完封勝利を収めたことも今後への好材料となった。そして、西垣が「昨日と今日で、前向きに次に進める試合ができた」と語ったように、連敗した立大戦の重い雰囲気を脱することができた。しかし賜杯奪回のためには、この連勝に慢心してはいけないことは言うまでもない。次週の法大は好投手が揃っているために大量点は望めず、打線も決して侮ることができない。一度も負けられない状況で、今回得た収穫をどのように活かすかが、チームに求められている。

(記事 芦沢拓海、写真 土生諒子)

              黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前  
1 (中) 鈴木萌斗 6 2 1 .238 一ゴ 中安   投安 空三 見三   左飛    
2 (三) 中川卓也 3 2 0 .308 四球   二飛 四球   中安 四球   中2  
3 (右) 蛭間拓哉 6 4 2 .389 右本   遊安 見三   中安 中安   三直  
4 (捕) 岩本久重 5 3 4 .333 左本   三ゴ 中2   左2 空三      
  西田燎太 1 0 0 .000                 中飛  
  尾﨑拓海 0 0 0                    
5 (二) 丸山壮史 5 1 1 .222 中飛   遊失 二ゴ   右2 見三      
  神林壮真 1 1 1 1.000                 中安  
  松木大芽 0 0 0                    
6 (左) 福本翔 4 3 1 .500 左飛   左安   中安 左安   死球    
  打二 橘内俊治 1 0 0 .000                 中飛  
7 (遊) 熊田任洋 5 2 3 .214   三飛 中2   遊ゴ 左2   左飛    
8 (一) 今井脩斗 5 3 2 .727   中2 空三   中安 左2   中飛    
  生沼弥真人 0 0 0 .250                    
9 (投) 西垣雅矢 5 2 1 .286   二ゴ   二ゴ 二ゴ 左安   左安    
早大投手成績
名前
西垣雅矢 2 1 1 9 5 3 14 0 0 1.69
東京六大学秋季リーグ戦星取表
順位   慶 大 立 大 早 大 東 大 明 大 法 大 勝ち点 勝率
慶 大     ○15-1
○4-1
△4-4
△2-2
  1.00
立 大   ○4-0
○5-2
○15-6
●4-7 
    0.750
早 大   ●0-4
●2-5
※  ○23-1
○19-0
    0.500
東 大 ●1-15
●1-4
●6-15
○7-4
●1-23
●0-19
※      0.167
明 大 △4-4
△2-2
      ※   
法 大          
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コメント

西垣雅矢(スポ4=兵庫・報徳学園)

――今日の登板を振り返っていかがですか

 初回少しバタバタしたのですが、落ち着いて丁寧に投げられたかと思います。

――1年秋ぶりの完封勝利(平30秋、東大2回戦)でしたが、好投の要因は

 1年生の時完封した時もそうだったと思うのですが、丁寧に投げ込めたことが一番かなと思います。

――7回3失点(自責点は2)で負け投手だった第1週の立大戦から修正した部分は

 少し雑に力で投げているところがあったので、そこを修正しました。

――後半は球数も多くなっていましたが、西垣選手が志願して続投というかたちになったと伺いました

 監督も0点であったら、ということだったので、球数も多くなってしまうのですが、8回抑えた時点で0点だったので、「もう1イニングいかせてください」と監督に伝えました。

――終盤には福本選手の好返球や熊田選手のファインプレーもありました

 とてもそれには助けられましたね。

――昨日に続き、19得点と大量得点を奪いましたが、チームの雰囲気はいかがですか

 立教戦が終わってからはすごく重い雰囲気だったのですが、昨日と今日で、前向きに次に進める試合ができたと思います。慢心せずに、でも実力があるというのはわかったと思うので、しっかりこの1週間練習していきたいと思います。

――西垣選手も2安打と活躍されました

 先発全員安打のためにはあと自分(が打つ)だけだったので、少しプレッシャーを感じていたのですが、打ててよかったです。

――以前の対談で「秋は後悔しない投球がしたい」と仰っていましたが、今回の投球はいかがでしたか

 そうですね。後悔する球は少なかったと思います。

――次回登板への意気込みと来週に迫ったドラフト会議に向けて一言お願いします

 残りの全試合に勝たないと優勝は厳しいと思うので、リーグ戦に関しては一試合一試合戦うということと、ドラフト会議に関しては、試合はもう終わってしまったのでもう自分にはどうしようもできない部分だと思うので、気になるところではありますが、法政戦に向けてしっかり練習したいと思います。