先発全員安打で20季ぶり23得点! 投打で圧倒し今季初白星を挙げる/東大1回戦詳報

野球
TEAM
早 大 23
東 大
(早)○徳山、ユエン、清水大成、齋藤正―岩本
◇(二塁打)蛭間、熊田、鈴木萌、中川卓(三塁打)福本、蛭間(本塁打)丸山1号ソロ(2回)、徳山1号2ラン(2回)、今井1号3ラン(7回)

 台風が過ぎ去った秋晴れのもと、この日東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)は早大対東大の1試合が行われた。前週の立大戦で逆転勝利を収め、勢いに乗る東大との一戦。復調が待たれた早大打線が目を覚ました。乾いた空気につぎつぎと快音を響かせ、先発選手全員が安打を放つ。3本の本塁打を含む18安打を積み重ね、終わってみれば23得点の圧勝劇。2試合で2得点に終わった開幕カードのうっぷんを晴らす見事な大勝を収めた。

 


先制のソロ本塁打を放ち雄たけびをあげる丸山

 第1週は投打がかみ合わず、立大に手痛い2連敗という幕開け。勝利に飢えた早大の重い空気を取っ払ったのは主将の豪快な一発だった。2回、東大先発・井澤駿介(3年)の直球を引っ張ると打球は高く上がり右中間にスタンドイン。丸山壮史主将(スポ4=広島・広陵)が早大に今季初の先制点をもたらした。さらに9番・徳山壮磨(スポ4=大阪桐蔭)にもリーグ戦初本塁打となる2ランが飛び出し、試合の主導権を握った。自身の本塁打で流れを引き寄せた先発の徳山は、最速149キロの直球とキレのあるスライダーを織り交ぜ、東大打線に的を絞らせない投球を見せた 。

 


2回、リーグ戦初本塁打となる2ランを放った徳山

 早大打線の勢いはとどまることを知らなかった。3回には福本翔(社4=東京・早実)今井脩斗(スポ4=埼玉・早大本庄)の適時打で3点を追加し、井澤を打ち崩す。その後も得点を重ね、10点差となって迎えた6回。1死二、三塁の好機でまたも今井に適時打が生まれさらに2点を加える。7回には満塁の場面で福本が走者一掃の三塁打を放つと、続く熊田任洋(スポ2=愛知・東邦)が四球を選ぶ。東大はここで4番手の大久保英貴(4年)にスイッチ。ここで打席に入ったのはこの日すでに3安打を放っている今井。初球の甘く入った変化球を捉えると打球はレフトポール際に着弾した。「人生で一番」という今井はこの本塁打を含む5安打7打点と大暴れだった。

 


7回、3ランを放ち喜ぶ今井

 7回表を終えて18-0と大きく突き放したが、好調の東大打線はそう簡単には終わらない。直後の東大の攻撃、内野安打に失策が重なり無死二塁とされる。1死後、守備から途中出場の水越健太(4年)が適時二塁打を放ち1点を返された。徳山はこの後足がつるアクシデントに見舞われ降板となるが、その後はリーグ戦初登板となったユエン賢(国教2=セントジョセフ)が踏ん張り追加点を与えなかった。

 早大は9回にもビッグイニングを演出する。この日安打がなかった中川卓也(スポ3=大阪桐蔭)岩本久重副将(スポ4=大阪桐蔭)がそれぞれ適時打を放つなど5得点。先発全員安打を達成し今季初勝利に花を添えた。8回に登板した清水大成(スポ2=大阪・履正社)もリーグ戦初マウンドながら堂々の投球で1回を無失点に抑えると、山下拓馬(法4=埼玉・早大本庄)が不在の9回には齋藤正貴(商2=千葉・佐倉)が登板し、2奪三振無失点の好投を見せた。

 


リーグ戦初登板を果たした清水大成

 なかなか点を奪うことができなかった立大戦から一転。この日は序盤から得点を重ね、ゲームを支配し続けた。優勝に向け絶対に負けられない試合で打線が奮起して勝利したことは今後の大きな収穫だろう。また、6回まで毎回となる8奪三振で抑え込んだ徳山はもちろん、安打を許さない安定した投球を披露した救援陣の活躍も見られた。明日の試合も投打で圧倒し、確実に勝利を手にして逆転優勝への歩みを一歩進めたいところだ。

(記事 吉岡直哉、写真 中原彩乃)

              黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前  
1 (中) 鈴木萌斗 7 3 1 .200 左安 三邪   一ゴ 投安 見三 二ゴ     右2
2 (三) 中川卓也 3 1 2 .200 四球   四球 四球 二ゴ   四球 左飛   中2
3 (右) 蛭間拓哉 6 2 1 .250 遊ゴ   左飛 左2 左飛   四球   空三 中3
4 (捕) 岩本久重 5 1 2 .231 一邪   四球 三ゴ 遊ゴ   四球   空三 中安
5 (二) 丸山壮史 6 1 1 .231   右本 一ゴ 四球   二ゴ 二ゴ   見三 空三
6 (左) 福本翔 4 2 5 .400   右飛 中安 遊ゴ   四球 右3     死球
7 (遊) 熊田任洋 3 1 0 .111   四球 四球   三ゴ 中2 四球     左飛
8 (一) 今井脩斗 6 5 7 .833   二直 中安   左安 左安 左本     中安
  走一 中村将希 0 0 0                    
9 (投) 徳山壮磨 4 2 2 .333   左本 中飛   四球 右飛 右安      
  ユエン賢 0 0 0                    
  清水大成 0 0 0                    
  小野元気 1 0 0 .000                   一ゴ
  齋藤正貴 0 0 0                    
早大投手成績
名前
徳山壮磨 2 1 1 6 1/3 5 3 8 0 1 3.38
ユエン賢 1 0 0 2/3 0 1 2 0 0 0.00
清水大成 1 0 0 1 0 1 2 0 0 0.00
齋藤正貴 2 0 0 1 0 1 2 0 0 0.00
東京六大学秋季リーグ戦星取表
順位   慶 大 立 大 早 大 東 大 明 大 法 大 勝ち点 勝率
慶 大     ○15-1
○4-1
△4-4
△2-2
  1.00
立 大   ○4-0
○5-2
○15-6
●4-7 
    0.750
早 大   ●0-4
●2-5
※  ○23-1     0.333
東 大 ●1-15
●1-4
●6-15
○7-4
●1-23 ※      0.200
明 大 △4-4
△2-2
      ※   
法 大          
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コメント

今井脩斗(スポ4=埼玉・早大本庄)

――5安打7打点の大活躍でした

 特段調子が良かったという訳ではなく、日ごろの成果が出たというふうに考えています。

――「人生で一番」とおっしゃっていました

 1試合で5安打というのは記憶にありません(笑)。最高で3安打だったと思うので、5本目がセンターに抜けたときは自分でも驚きました。

――5打席目の3ランの感触は

 初見のピッチャーの抜けたチェンジアップかフォークでしたが、しっかり振り抜いた結果だと思います。初球から降っていくというスタイルの自分からしたら良かったと思います。

――チームは23得点を奪いました

 点を取れたことは良かったですが、明日も試合があり、今日取れたから明日も取れるわけでは無いので、そこは驕らずに明日一からやっていこうという話をしました。気を引き締めてやっていきます。

――第1週の立大戦では2連敗を喫しましたが、そこからの2週間はどのような練習を行ってきましたか

 2連敗した後に4年生で話して、どうしたら勝てるんだろうと話しましたが、4年生のチームなので自分たちから積極的に声出して雰囲気を良くしていこう、ベンチの内外問わずやっていこうとなりました。そのいい状態のまま試合に入れたと思います

――明日以降への意気込みをお願いします

 優勝するにはもう負けられないので、その最初のステップとしてしっかり東大戦連勝して、次のカードに向かっていきたいと思います。