昨季の不振から抜け出し、ラストシーズンとなる今季は結果を残しつつある中澤彰太副将(スポ4=静岡)。チームに勢いをもたらす活躍をしている。8度目となる早慶戦では、どんなプレーで観客を沸かせてくれるのか。最後の伝統の一戦への思いを語っていただいた。
※この取材は10月21日に行われたものです。
「まだまだやれる」
復調した今季は6番打者として得点に絡むことも多い
――ここまでの戦いぶりを振り返っていかがですか
接戦が多くて、先制されたり、先制したり、逆転勝ちしたり、逆転負けしたり、すごく疲れましたね(笑)。
――今季はどのような意気込みで臨まれましたか
1年生のときから試合に出させてもらって、(今季は)4年生の最後のシーズンなので、悔いを残さないように、優勝を目指してやるだけでした。
――ご自身の成績を振り返っていかがですか
僕はあまり自分の成績は意識していなくて、チームが勝つために自分のできることをやろうと。
――振り返ってみて、自分のやるべきこと、やりたいことはできていますか
チャンスで一本であったり、打点だったり。守備だったら、当たり前のプレーをすること。アウトを取ることはもちろんですが、難しい打球を捕ったり、投手を助けること、そういうことを意識しています。
――接戦が多い中でチームの雰囲気はいかがでしたか
チームの雰囲気はすごく良いと思います。
――特に声を出している選手は
いや、みんなで出しているので。
――みんなで出そうという雰囲気なのでしょうか
そうですね。夏のオープン戦(夏季オープン戦)でそうなっていたんですが、そのオープン戦よりも秋は負けていてもすごく良い雰囲気でやれています。
――投手陣は初登板の選手もいましたが、後ろから見ていていかがですか
ある程度実力が認められてメンバーに入っているので、安心して任せています。
――前の5番打者には佐藤晋甫選手(教3=広島・瀬戸内)がいますが、活躍を見ていかがですか
非常にチャンスに強くて、頼もしいなと思っています。
――リーグ戦の中で自分の力が出せたなと思う試合はありますか
まだないですね。
――まだまだという感じなのでしょうか
はい。
――開幕戦は無安打に終わりましたが、そのときの心境はいかがでしたか
無安打ということよりも試合に負けてしまったことの方が悔しかったです。
――立大戦では走好守そろって活躍されていた印象ですが
まだまだやれると思うので、満足はしていないです。
――立大3回戦で3点本塁打を放ったことに関しては
負けている場面だったのですが、ベンチも諦めない雰囲気でしたし、自分自身も諦めていませんでした。結局負けてしまいましたが、そこで打てたというのは、チームに勢いをつけられたので良かったかなと思います。
――その試合で5打点の活躍を見せましたが、ご自身で評価するとすれば何点でしょう
試合は負けたので、50点くらいですかね。
――チームが勝ち点を落としてしまったことの方が大きいのでしょうか
そうですね。
――立大2回戦では守備でのファインプレーもありました
守備には自信を持っているので、そこで助けられたのは良かったかなと思っています。
――守備で気を付けていることはありますか
一歩目のスタートなどはありますが、良い意味で大胆にやっています。
――秋は守備の方も積極的にできている印象ですが
守備にスランプはないと思っているので、積極的にというよりはいつも通りにやっています。
――東大戦を終えて、強豪校の明大との対戦を迎えるにあたって、チームで意識したことはありますか
柳選手(裕也、明大4年)と星選手(知弥、明大4年)、両方良い投手なので、甘い球を逃さないということと、普段通りいこうという感じでやりましたね。
――明大1回戦では柳選手に12回抑えられましたが、3回戦では3回で柳選手をノックアウトしました
1回戦でみんな低めの球を振っていました。良い意味で低めの球は三振でもいいやくらいの気持ちでやり切っていました。
――3回戦は逆転勝利となりましたが、チームの雰囲気はどうだったのでしょうか
先制されても全然諦めていませんでした。1回戦で20奪三振されてしまいましたが、諦めずにいけるっしょというくらいの気持ちでやっていました。それが良かったのかなと思います。
――今季中澤選手は昨年までと比べて長打が増えています
打席に入る前に、気持ちの整理をして、いろいろ考えて立つようにしています。
――夏はスイングスピードを意識してバットを振っているとおっしゃっていましたが、その点はいかがですか
ちょっとですけど、成果が出ているのかなと思います。
――春と秋で、バットを構える上で変えたところはありますか
当てにいかないということですね。練習でやっているスイングを試合でも出す、それだけです。
――ご自身では昨年までの1年間のスランプを克服できたという印象ですか
まだまだ自分の納得できるかたちではないので、ここからもっともっと自分自身でレベルアップしていきたいです。
――メンタル面で気を付けていることはありますか
完璧を求めすぎてしまう性格なんですが、試合は良いところで一本打てればいいやというように、気持ちを楽にして、打席に立っています。
「早慶戦で勝って引退したい」
――ラストシーズンを迎えるにあたって、周りの方から掛けられた言葉はありましたか
いろいろな方から、最後なので悔いないようにやれよ、とは言ってもらいました。
――1年時から試合に出ていますが、印象に残っている試合はありますか
試合は特に(笑)。
――印象に残っている優勝は
優勝も印象もうれしかったですけど、2年生の春、目の前でケイオーに優勝されたときは悔しさというのがありました。
――昨年優勝した時は
もちろんうれしかったのですが、4年生に引っ張ってもらっているという印象が強かったですね。
――出場試合数は89試合となりました
1年生の春から、どんなに調子が悪くても岡村監督(猛、昭53二文卒=佐賀西)や髙橋監督(広、昭52教卒=愛媛・西条)にずっと使ってもらっていることはすごくありがたく思っています。
――最後の早慶戦を迎えますが
1年生のころからずっと早慶戦は特別だと思っていて、最後なので寂しいような気もします。絶対に勝ちたいですね。
――加藤拓也選手(慶大)との対戦もこれでしばらくないことになりますが
下級生のころからずっと対戦していて、思い入れのある投手です。早慶戦で戦って、社会人過ごして2年後にプロに行って、またプロの世界で戦えたらなと思います。
――春は本塁打を打ちましたが、秋も狙いたいですか
そうですね。
――ご自身で見てほしいプレーは
走好守全部見てほしいです。
――早慶戦でもダイビングキャッチが見られたり
チャンスがあれば。
――最後の早慶戦に向けて意気込みをお願いします
優勝が懸かっている、懸かっていない関係なく、早慶戦は特別なものだと思っているので、最後早慶戦で勝って引退したいと思っています。
――ありがとうございました!
(取材・編集 後藤あやめ)
四年間守り続けた中堅手の守備にも注目だ
◆中澤彰太(なかざわ・しょうた)
1994(平6)年12月2日生まれ。177センチ、78キロ。静岡高出身。スポーツ科学部4年。外野手。右投左打。立大3回戦で3点本塁打を放った中澤選手。親交の深い中村奨吾選手(平27スポ卒=現千葉ロッテマリーンズ)も偶然に立大戦の前日に本塁打を打っていました。実はお二人、立大戦の前に食事に出かけていたそうです。互いに高め合う関係は早大時代から変わらないようですね!