エース柳を撃破!勝ち点3を獲得/明大3回戦

野球
明大3回戦 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
明 大 0 3 0 0 0 1 0 0 0 4
早 大 0 0 1 3 0 0 1 0 × 5
(早)竹内、北濱、○二山-小藤
(三塁打)八木

 首位・明大の独走状態を止める1勝だ。2回戦でここまで全勝の明大に初黒星を付けた早大。前日予定されていた3回戦が雨天中止となり、この日に試合が延期された。2回に3点を失ったものの、4回に長打を含む4安打が飛び出し逆転。一旦は追い付かれたが、7回に佐藤晋甫(教3=広島・瀬戸内)の適時打で勝ち越しに成功する。その後は、リーグ戦初登板の二山陽平(商3=東京・早実)が期待以上の活躍を見せ、明大打線を封じ込めた。これで早大は3つ目の勝ち点を獲得し、再び3位に浮上した。

9回を抑えほっとした表情を見せる二山(写真左)

 両校の先発は1回戦同様、早大・竹内諒(スポ4=三重・松阪)。そして、明大はエース柳裕也主将(4年)。1回戦では柳が延長12回までを一人で投げ切っており、早大打線をわずか3安打に抑え込んでいる。雨天のために試合が1日延期され、中2日での登板。疲れがより抜けた柳の好投を誰もが予想していた。大量得点は望めない中、早大は可能な限り失点を抑え、1点を争う試合展開に持ち込みたいところ。しかし、竹内は1回戦で160球以上を投じた疲れからか本来の力を発揮できない。初回の先頭打者に四球を与えてしまうなど制球が定まらない場面が目立った。そして、2回2死から安打をきっかけに3点を献上し、大事な先制点を許してしまう。このまま明大にペースをつかまれるのか。早大ファンのいる一塁側応援席は静まり返った。

代打で登場した4回、見事に適時打を放った宇都口

 だが、疲れが残っていたのは竹内だけではなく、柳も同じであった。1回戦では終始140キロ後半を記録した直球の球速は140キロほどに。また、精度の高い制球力もこの日は鳴りを潜めた。3回に1点を返し、続く4回にも好機が訪れる。先頭打者の中澤彰太副将(スポ4=静岡)が安打で出塁するとさらに好機を広げ、2死ながら一、三塁の得点機をつくる。ここで打席には、八木健太郎(スポ3=東京・早実)。その5球目、甘く入った変化球を捉えた。大きな当たりは左中間を抜け、走者一掃の2点適時打に。そして、八木自身も快足を飛ばし、三塁に到達した。さらに、勢いそのままに続く宇都口滉(人3=兵庫・滝川)にも適時中前打が飛び出し、この回3得点。一気に逆転に成功し、柳を降板に追い込んだ。6回に同点に追い付かれたが、7回に再び打線が好機をつくる。2死三塁の場面で打席が回ってきたのは、この試合3打席無安打の佐藤晋。「食らいついていこうという気持ちがタイムリーにつながった」(佐藤晋)。ファールで粘り続けた8球目をはじき返し、貴重な勝ち越し点を獲得した。最後は二山が強打の明大打線から1点を守り抜き、早大は勝ち点を獲得。二山はこれがリーグ戦初勝利となった。

 低めの球を捨て、甘い球を確実に仕留める。このチーム方針がはまり、ここまで負けなしの柳を試合早々にマウンドから引きずり下ろした。また、投手陣も1点を争う緊張感の中、それぞれが役割を果たし明大に逆転の機会を与えなかった。投打がかみ合い、これで早大は3つ目の勝ち点を獲得。今季は残り1カードのみとなったが、依然として明大、慶大、早大、立大の4校に優勝の可能性が残る大混戦となっている。勝率差のため明大有利の状況に変わりないが、次週行われる明大対立大戦の結果次第では早慶戦まで激しい賜杯争いが続くことになる。いよいよ最終盤を迎える東京六大学秋季リーグ戦。今季はまだまだ面白くなりそうだ。

(記事 杉田陵也、写真 大谷望桜、平松史帆)

早大打者成績
打順 守備 名前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 (左) 八木健太郎 5 2 2 .340 遊ゴ   中安 中3    空振    空振
2 (二) 真鍋健太 1 0 0 .167 見振   投ギ      
  打二 宇都口滉 1 1 1 .308          中安   四球    
3 (遊) 石井一成 3 0 0 .300 空振   投ゴ 中飛    投ギ     
4 (三) 木田大貴 4 2 1 .273    中安 中安    見振   右飛     
5 (一) 佐藤晋甫 4 1 1 .391   投ゴ 空振    左飛   中安    
6 (中) 中澤彰太 4 2 0 .297   右安   中安 空振    三飛     
7 (捕) 小藤翼 2 2 0 .333   四球   投ギ   中安   二安  
8 (右) 三倉進 1 0 0 .114 見振                 
  打 岡大起 1 1 0 1.000      左安            
  右 長谷川寛 0 0 0 .333          投ギ   投ギ  
9 (投) 竹内諒 0 0 0 .300                 
  打 熊田睦 1 0 0 .167   二ゴ            
  投 北濱竣介 1 0 0 .000       空振        
  打 岸本朋也 1 0 0 .167            見振      
  投 二山陽平 0 0 0 .—             投ギ  

早大投手成績
名前 試 勝 敗 回 安 振 球 失 責 率
竹内諒 5 2 1 2 3 1 2 3 3 3.38
北濱竣介 4 0 0 4 4 0 1 1 0 5.59
二山陽平 1 1 0 3 2 1 0 0 0 0.00
東京六大学秋季リーグ戦星取表
順位 明 大 慶 大 早 大 立 大 法 大 東 大 勝ち点 勝 負 勝率
1 明 大 ※ ○3-0
○5-0
○3-1
●0-4
●4-5
10/22
10/23
○10-2
○8-4
○9-2
○7-4
3 7 2 .778
2 慶 大 ●0-3
●0-5
※ 10/29
10/30
○6-4
○8-3
●4-5
○7-1
○3-1
○8-0
○9-6
3 6 3 .667
3 早 大 ●1-3
○4-0
○5-4
10/29
10/30
※ ●3-5
○3-2
●7-10
●5-6
○8-7
○5-2
○4-2
○4-0
3 7 4 .636
4 立 大 10/22
10/23
●4-6
●3-8
○5-3
●2-3
○10-7
※ ○9-3
○7-5
●3-4
○7-4
○6-0
3 6 4 .600
5 法 大 ●2-10
●4-8
○5-4
●1-7
●1-3
○6-5
●7-8
●2-5
●3-9
●5-7
※ 10/22
10/23
0 2 8 .200
6 東 大 ●2-9
●4-7
●0-8
●6-9
●2-4
●0-4
○4-3
●4-7
●0-6
10/22
10/23
※ 0 1 8 .111
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コメント

髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)

――明大から勝ち点を奪いました。試合を振り返っていかがですか

首の皮一枚つながりましたね(笑)。まだ数字の上では明大有利ですが、対校戦として勝つことができました。まして、あさってのドラフト(プロ野球ドラフト会議)の1位候補の二人から点を取れたというのは大きかったですね。

――竹内諒投手(スポ4=三重・松阪)は中2日での先発でした。ベンチからご覧になっていかがでしたか

竹内は疲れがあったのかな、(明大先発の)柳君(裕也主将、4年)もそうだと思いますけどね。

――相手先発の柳投手も疲れからか、直球も140キロ前半の球が多かったです

きのうの雨は明大有利に展開したと思っていました。僕もきのうやりたかったですね。でも、結果的に勝てて良かったですね。

――竹内投手は2回を投げ切ったところで交代となりました

ボールがばらついていましたし、点を取られた場面も内容的に良くなかったので、早めに代えました。

――続く北濱竣介投手(人3=石川・金沢桜丘)は4回1失点とうまくつないでくれたと思います

そうですね、北濱はよくつないでくれました。あそこは二山(陽平、商3=東京・早実)でいきたかったのですが、リーグ戦初登板ですからかね。いいタイミングで代打を出せて、(相手の)下位打線から二山を出せたということで、そういう巡り合わせも良かったです。二山もよく投げてくれたし、明大も1回戦から左(投手)が続くのは嫌だと思うのでね。私は二山を使いたかったので、その分北濱がつないでくれましたね。二山はこれ以上長いイニングは難しかったかもしれないので、良かったと思いますね。

――リーグ戦初登板の二山投手でしたが、しっかりと相手打線を抑えてくれました

きょうはスライダーやチェンジアップなど制球も良かったですね。ほとんど芯で捉えられていないと思います。明大もデータがありませんから、そこも良かったです。その分、うちにはリスクがありますよね、初めてなので。そこは勝負でしたが、いいように回りましたね。

――打線に関しては、柳投手をマウンドから引きずり下ろすことに成功しました

エースですからね。よく打ってくれたと思いますよ。

――2死から得点する場面が多く、粘り強い印象でした

この前は12回で1点しか取れませんでしたからね、今回は上等だったと思います。

――先頭打者が走者に出て、犠打で進める。この流れがよくできていました

そうですね、みんなきっちりやってくれていました。そういうところだと思いますよね。点が入る入らない関係なく、そういう攻撃ができているというのは相手にはプレッシャーになっていきますからね。

――第7週の結果次第では、優勝の可能性も残るところまで来ました

他力本願ですけどね。目標があるので、選手も励みになると思います。

宇都口滉(人3=兵庫・滝川)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

明大から勝ち点を取るということを試合前から目標にしていたので、勝てて良かったです。

――途中出場となりましたが、準備はできていましたか

(出番があると)言われていたので、準備はできていました。

――きょうも貴重な適時打が出ました。ご自身の調子はいかがですか

いい方ですね。ボールがよく見えています。

――適時打を放ちましたが、打った球種は何でしたか

高めの甘いカットボールでした。1回戦は低めに決まっていましたが、きょうは少し高かったです。その球を捉えられました。

――ベンチからの指示は何かありましたか

きょうのミーティングで低めの球を振らないようにというのがあったので、低めは捨てて高めの球を狙っていました。

――最後に早慶戦に向けて一言お願いします

4年生の有終の美を飾れるように、いいかたちで送り出せるようにしたいと思います。

佐藤晋甫(教3=広島・瀬戸内)

――きょうの試合を振り返って

3打席目までチャンスの場面もつぶしてしまって、5番としての仕事もできていないという感じで、6回にも木田さん(大貴、商4=愛知・成章)の送球を捕れなくて、そこから点につながってしまったので責任を感じていたのですが、なんとか取り返そうと最終打席入って食らいついていこうという気持ちがタイムリーにつながったと思います。

――明大2回戦では守備での好プレーもありましたが

きょうは初回から動けていなくて、危ない面もあって守備に不安がありましたが、何とかしのげて良かったです。

――絶対に落とせない一戦でしたが、チーム内で何か共有してきたことはありますか

きょう勝たないと日曜に勝った意味がないので、絶対勝つという意気込みでとにかくチーム一丸となってやってきました

――かなりチーム内で盛り上がっていましたが、勝利して一安心という感じでしょうか

はい、首の皮一枚つながったということ感じです。

――秋はスタメンとしての位置を確立したシーズンになったと思いますが

初めてのスタメンだったのですが、立大戦と比べて試合慣れしたというか打席で余裕出てきたという感じですね。

――早慶戦に向けて意気込みをお願いします

早慶戦で連勝したいので、一戦一戦を先手必勝でやっていきたいと思います。

二山陽平(商3=東京・早実)

――勝ち投手となりましたが、今の率直な気持ちを教えてください

初登板ですごく緊張したのですが、何とか0点に抑えることができて良かったです。自分の仕事ができてほっとしています。

――大一番の試合で接戦での登板となりましたが

いつ投げても良いように準備はしていたのですが、やっぱり初登板で緊張しましたね。 それしか頭にないです(笑)。

――ご自身の投球を振り返っていかがですか

あまり詳しくは覚えていませんが、先を見るというよりは、目の前の一人一人の打者を見て投げていました。

――きょう投げてみて、収穫や課題はありましたか

きょうは0点に抑えることができたのですが、甘い球は打たれてしまうので、そこはもっと厳しく突き詰めていきたいです。

――早慶戦に向けて一言お願いします

どうなるかは分かりせんが、優勝の可能性があるので、次のケイオー戦に向けて準備していきたいと思います。

八木健太郎(スポ3=東京・早実)

――逆転の適時打はお見事でした

ありがとうございます。反応で打てました。

――髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)もおっしゃられていましたが、低いボールには手を出すなという指示を出ていたのでしょうか

そうですね。その逆で、高めに浮いたボールは初球から打っていけと言われていました。あの場面はカーブに張っていたわけではありませんが、そのような指示が頭にあった上で、反応で打てました。

――柳裕也投手(4年)と対戦する上で、変化量の大きなカーブが来ることは予想していたのでしょうか

そうですね。柳投手のストレートは速いですしキレもありますが、変化球だけを考えるとストレートに対応できなくなるので、変化球だけに張っているのではなくて基本的にはストレート待ちで何割かは変化球待ちでという気持ちで。きのういろいろ考えたのですが、結局は反応で打ってしまって、(適時打は)たまたまです。

――おとといの1回戦に比べて柳投手のボールに違いはありましたか

おそらく疲れもあるのでしょうが、きょうは低めが少なかったと思います。

――高校時代から交流のある柳投手から打ったということに関しては

まあ、正直うれしいですよね。プロ野球に行くような選手ですから。六大学の投手は良い投手が多いので、当てるだけではなくて仕留めないといけないですね。甘いボールがないので、たまに来る少しだけ甘いボールをいかに仕留めるかという感じで。ファールではなくて一発で仕留める集中力が必要だということを今季のリーグ戦で学びました。

――柳投手は、対戦された3打席の中では変化球が多かったのですか

そうですね。変化球が多かったです。

――この一勝、勝ち点1は大きいですか

大きいですね。これで(優勝への)可能性はより残りましたし、早慶戦でワセダが優勝を決めるという展開になればモチベーションも上がりますし、いいですね。

――早慶戦に向けては

早慶戦は特別だと思っているので、きょうのことは忘れて次の相手である慶大のことを考えて、対策を練っていきたいと思います。

――二山陽平投手(商3=東京・早実)が勝ちましたね

そうですね、頑張ったと思います。自分としても二山を久しぶりに見ました。

――リーグ戦初登板で初勝利ですが、八木選手からしてもうれしいですか

うれしいですね、同じ早実生としてうれしいですね。二山に関しては、高校3年の時に同じクラスだったので。

――今季はバットのヘッドが上を向いている印象です

それは練習から意識していて、(東京六大学の投手は球速が)速いので、少しでも(ヘッドが)寝ると当たり負けてしまうんですよ。上から振るとイメージするくらいで水平のレベルスイングができるというか、自分の感覚ですけど。やはり上からバットを出して逆方向へ強い当たりをということは意識していますね。

――調子を落としていた頃から復調するために、石井一成主将(スポ4=栃木・作新学院)との練習量は増やしたのですか

そうですね、増やしました。ただ、結果は出ていなかったのですが、決して調子が悪いとは思っていなくて、落ち込むようなことはなかったですね。自分のスイングができていればいつか打てるだろうとは思っていたので、それがきょうは出たんだと思います。

――第7週の明立戦の結果次第で状況は変わりますが、早慶戦への意気込みを最後にお願いします

早慶戦も今のような良い感触できょうのような結果が出せるように頑張ります。応援よろしくお願いします。