体調不良による悔しい離脱を乗り越え、ついにチームに戻ることができた昨年度。自らを変えようと強い思いを胸に挑んだシーズンは、茂木栄五郎(文構4=神奈川・桐蔭学園)を大きく飛躍させた。1年目から活躍してきた好打者は、ラストイヤーを前に何を思うのか。その胸中に迫る。
※この取材は4月4日に行われたものです。
自分を変えたいという思い
真剣な表情で質問に答える茂木
――キャンプ、オープン戦とここまでを振り返って調整はいかがですか
同大戦までは調整というか、挑戦していることを試合の中で試せたのでよかったかなと思うのですが。(日本代表の)選考合宿から、チームを離脱してしまっていて、開幕を迎えるに当たっては少し不安が残るという状態ではあります。
――いまお話があった代表合宿はいかがでしたか
レベルが高い人の中で一緒にプレーできたというのは、自分の中で大きな収穫だったかなとは思います。
――日本代表でのオープン戦では昨年までワセダでチームメイトだった髙梨(雄平、平27スポ卒=現・JX-ENEOS)さんと対戦されましたが、敵として対戦してみて先輩の投球はいかがでしたか
大学のときも戦うことはあったのですけれど、そのときより対外試合ということで高梨さんの方も気持ちが入っていたのか分からないのですが、大学でやったときよりもものすごく球が良い印象があって、打つのが大変というかいい投手だなと改めて思いました。
――代表ではリーグ戦ではライバルとなる選手とも顔を会わせたと思いますが、それぞれのチームの話などもされたのでしょうか
まぁ、そうですね。ただチームというよりは個々人のいまの状態の話であったり、そういう話を少ししました。
――やはり意識されるところはありますか
意識したところで自分の結果が変わる訳ではないので。とりあえず自分のことをもう一度見つめ直そうかなとは思いました。
――きょねんを振り返っていただきたいのですが、春は約1年ぶりのリーグ戦という中で打率3割0分2厘とこれまでで最高の成績を記録されました。ブランクがある中で結果が残せたことは感慨深いところもあったのでは
そうですね。でも出られなかったシーズンが終わって、春のシーズンまでに自分の中で今までの自分を変えたいという思いがありました。それで体も改造してウエイトトレーニングも始めて、前の自分を変えたいという気持ちがリーグ戦が終わるまでずっと続いた結果が302という結果につながって。そういう面に関しては少し成長した部分かなとは思いました。
――やはり試合に出られない時期は苦しかったですか
体調不良だったので悔しい気持ちもあったのですが、仕方ないなという面もあったのでそこは割り切っていました。チームが勝つために自分はいま何ができるのかということで応援しかなかったので、そのときは応援をしていました。でもそうですね、やはりみんなが見ているところで出られないというのは、悔しい思いはかなりありました。
――秋にはさらに成績を上げて首位打者も獲得されたわけですが、春から秋にかけて何かご自身で変えたことはあったのでしょうか
変えたというより春のイメージというか、こうすれば打てるのだろうなというイメージが自分の中で少し持てた面はあったので。そういった面をいい確率で出せたのが、秋の結果につながったのかなというように思います。
――春につかんだものというのは具体的になんだったのでしょうか
主にバッティングのことなのですが、打球の飛ばす位置といいますか。ヒットゾーンに飛ぶバットの角度というのが、自分の中で分かった気がしました。それが秋はうまく結果につながって、いい成績を残すことができました。
――早慶戦では春は1安打にとどまりましたが、秋には7安打を放たれました。このことに関してはいかがですか
もともと早慶戦にはあまり強い選手ではなかったので。春も緊張の面がすごく大きくて、自分の本来のプレーというのができませんでした。ですが秋はそれも含めて変えたいなと思って、平常心を心がけてやった結果がこの結果につながりました。自分の平常心が保てればいいプレーができるのだな、ということは認識することができました。
――やはり早慶戦というのは茂木選手の中でもある程度意識してしまうものなのですか
このワセダに入った理由も早慶戦に憧れて、という気持ちがすごくあったので。早慶戦に対する気持ちというのはかなり大きいと思いますね。
――優勝が消えた後の3回戦で4本のヒットが出たわけですが、正直あと1日早く打てていればといった思いもあったのでは
そうですね。自分が打てていれば勝ったという試合がいくつもあったので。優勝がなくなったノープレッシャーの場面であれだけの結果を出しても正直評価されないなとは思いました。
――先ほどそれほど早慶戦に強くないといった話がありましたが、これまで早慶戦といえば前年の主軸であった小野田(俊介、平27社卒=現・東京ガス)選手などは非常に強い印象があります。やはり4年生となって早慶戦でも果たす役割というのは大きくなるのではないでしょうか
早慶戦に限らずだと思うのですけれど、多分チャンスで回ってくる回数も多くなると思います。そこで自分が打てば勝てると思いますし、逆に打てなかったら本当に勝てないと思うので。そういう面での役割というのは、とても大きなものがあるかなと思います。
――昨季は春秋ともに優勝のかかった早慶戦となったわけですが、いま改めて振り返られていかがでしたか
両方ともあと一歩のところで慶応に負けてしまって優勝できなかったというのは、やはり詰めの甘さといいますか。自分個人としてはチャンスの打って欲しい場面で打てなかったというのが、敗因として大きくあると思うので。自分の責任というのは、かなり大きかったのかなと思います。
――秋の早慶戦を終えられた後、前の4年生から何か声をかけられたりしましたか
ほとんどの方から俺たちみたいにならないでくれというか、あと一歩で悔しい思いをしてきたからお前らが晴らしてくれ、といったことはみなさんから言っていただきました。
――いまはセカンドにポジションを移されていますが、以前キャンプでのインタビューの際に新チームへの移行にあたって自らコンバートを志願されたというお話がありました。なぜ二塁に挑戦しようと思われたのですか
個人的にはプロに挑戦したいという気持ちがあります。サードより二遊間を守れた方がプロに行った後も需要があるといいますか、そういうのを自分の中で感じていたのと、中村さん(奨吾、平27スポ卒=現プロ野球・千葉ロッテ)が抜けた穴を誰かが埋めなければならないというところで、セカンドで出ている人がいなかったので。あとは誰がやっても同じなのかなと思ったので、自分がその役割を買ってセカンドの穴を埋めたいなと思ったこと。この2つが志願につながりました。
――これまで三塁手としてレギュラーであったにも関わらずセカンドに挑むことへのリスクや不安といったものはありませんでしたか
どのみちサードもセカンドもレギュラーというのは、確約されていないので。もう1回レギュラーを取るということであるのならば、セカンドもサードも同じ気持ちといいますか。むしろセカンドの方が新鮮さがあって、もっとレギュラーになりたいという気持ちを出せるのではないかな、という風には捉えていました。
――これまで二塁手の経験というのは
高校生のときに2ヶ月くらいしかやったことがなくて、後は全部ショートやサードをやっていました。
――コンバート前にはセカンドというポジションにはどのようなイメージをお持ちでしたか
ショートと同じようにセンターラインですし、とても重要なポジションだなという風には思っていました。
――セカンドに移って守ってみて実際に感じたものはいかがですか
思ったより難しい動きのプレーが多くて、思った以上に考えることが多かったですね。
――具体的にその考えることというのは
ポジショニングであったり、サードだったらほとんどプレー中も動かないといいますか。サードベースに入ったり、横の動きであったり、前の動きであったりだけなのですけれど、セカンドだったらバントの警戒であったり、エンドランのセカンドのベースカバーであったり、盗塁のベースカバーであったりというのを頭の中で整理しながら中継プレーも入ります。そういったことをプレーの中でとっさに判断しなければならないという難しさがありましたね。
――サードを守っている際には一歩目とポジショニングを意識されているという話を以前されていましたが、セカンドではどのようなことが大事だと考えられていますか
セカンドも最終的にというか根本的な一歩目、ポジショニングというのは大事だと思うのですけれど、その中でもいろいろなプレーを想定するといいますか、ここに打球が飛んだら自分はどんなプレーをしなければいけないというのをとっさに判断してプレーするという能力が大切なのかなと思います。
――セカンドを守るにあたり、昨年セカンドを守った中村さんやチームメイトでもセカンドの経験者はいると思いますが、何かアドバイスをもらったりということは
正直なところやってきた人の体験談を聞いても、自分の色のセカンドというものを出さなければいけないので。ある程度のセカンドの動きというのはいろいろな人に教わりましたけど、その中で自分の色というのを出せるように練習はしてきました。
――オープン戦の際には(二塁守備を)無難にはこなせるようになってきたと話されていましたが、最終的にセカンドとしてどのような自分の色を目指していきたいと考えていますか
中村さんみたいに守備範囲が広くて、球際に強く大事な場面で守備から(チームを)救うといったプレーというのは(二塁を)始めたばかりの自分には求められてないことだと思うので、自分の守備範囲の中に来た球を、当たり前のプレーを当たり前にこなせるような守備を目指してやりたいなと思っていますね。
――以前から茂木選手のこのような対談から守備を非常に大切にされている印象があるのですが、守備に関してはどのような思いを持たれていますか
バッティングに関してはやはり打てる日と打てない日が絶対あると思いますし、相手のピッチャーがよかったら打つことも難しいと思います。そこに関しては割り切りというのはあると思うのですけれど、守備に関しては調子の波があってはいけないと思いますし、点を取られなければまず負けないので。そういう守備の面でチームの足を引っ張らないようにというのをずっと考えてきたので、守備に対する意識というのはすごく高いものにはなりました。
チームを勝たせる一打を
昨季は5割を超える打率を残し、首位打者を獲得した
――続いて打撃のことについてうかがっていきます。昨季は非常に逆方向への打球が多かったように思います
逆方向に打とうと思って打っていたわけではないのですけれど、コースがアウトコースであったり、ただ自分のタイミングが少し遅れて逆方向に飛んだという打球なので。狙って打ったというより、打った打球がたまたまレフトに飛んだという感じです。それに関してはタイミングを一つ差し込まれていたのか、アウトコースを攻められていたのかというのは分からないのですけれど、別に狙って打てた結果ではなかったので、本当に運がよかったなと思います。
――あくまで結果だけかもしれませんが、一方で今季はここまで引っ張った当たりが目立ちますがその点に関してはいかがですか
自分の中で今季のテーマとして甘い球を長打にしたいという気持ちがとてもあります。強引にではないですけれどやはり力強い打球を打つためには引っ張った打球の方が強い打球が打てるので、必然的に引っ張りの打球がいまは多くなっていると思います。
――ご自身の打撃の調子のバロメーターを考えたときに、どのような打球が飛んでいくことが理想なのでしょうか
右中間に強い打球がいっているときは、すごく状態はいいと思います。
――以前の対談で理想の打撃について1球でボールを仕留めることと話されていましたが、その考えはいまも変わっていませんか
そうですね。基本的に甘い球というのは1球しか来ないと思っているので、その球を確実に捉えるというのは大切なことだなといまでも思っています。
――それを実行していくために最も重要だと思うのはどのようなことでしょうか
タイミングだと思うのですが、そのタイミングを取る中で準備をするというようなことですね。その準備が1番大切なのかなと思います。甘い球を1球で仕留めるような準備を打席の中でどうできるか、というのを一番念頭に置いています。
――準備という点では各投手の持ち球や得意な球種も違うと思いますが、練習の段階から対戦が予想される投手それぞれへの対策、対応といったものを考えて練習されているのですか
いや、特には考えていません。でもある程度の球種というのは自分の頭の中には入れてはあるのですけれど、その時のピッチャーの調子によっても、自分の打撃の調子によっても日々変わってくると思うので。そこはその日の自分の調子と相手に合わせて、その日その日でいろいろな意識するポイントとかは変えるようにしています。
――狙い球に関しても直球や変化球というのは、その日のご自身の調子から相手の投手に合わせていくのでしょうか
狙うというよりかは、打席の中でタイミングが合ったら振るというようなスタンスなので。狙い球とかは基本的には決めてはないですね。
――1人の打者としてこれまで対戦した中で最も印象に残っている選手はどなたかいらっしゃいますか
明治大学の上原(健太、4年)というピッチャーがいるのですけれど、そのピッチャーから自分はヒットを打ったことがなくて。打ちたいなという意味ではすごく印象に残っているというか、やはり良いピッチャーだなと思いますね。
――上原投手のどのような点が打つのが難しいと感じる要因なのでしょうか
角度のあるストレートが1番打つことが難しいなという風に思いますね。
――同じ明大では昨年ドラフト指名を受けたこちらも身長の高い左腕の山崎(福也、現プロ野球・オリックス)選手から秋の明大1回戦で3安打を放たれましたが、山崎選手とはまた違うのでしょうか
そうですね。でも福也さんも3年の時はすごいストレートがきていて、そのときはすごく打ちずらいなと思ったのですけれど、4年生になってからはストレートがあまり走っていなかったので。その分打ちやすさというのはありました。ただ上原はすごいストレートがよくてその球に差し込まれてしまうことが多いので、そこは改善点かなとは思います。
――ここまでオープン戦では3番を任されていますが、この点に関してはいかがでしょうか
自分が3番を打っているようでは正直このチームはあまり強くないなと思っているのですけれど、でもその与えられた中でどういう結果を出すのかということは絶対大切になってくると思います。与えられた打順というのは意識を持ってやりたいなという風には思います。
――本来自分は何番を打つべきだ、といったような像が何かあるのでしょうか
自分のレベルでは5番、6番ぐらいが一番妥当なのかなという風に感じています。やはり自分が3番といった主力を打っているうちはまだまだチームの状態、力はあまり高くないのかなと。
――昨季までは先ほど挙がった5番や6番を打つことが多かったですが、3番に移ったことでご自身の中で意識的な変化などは何かありますか
そうですね。5番、6番より自分の中で意識してしまうといいますか。そういったことがあるので、自分本来の打撃はあまりできていないなと感じています。
――3番打者としてご自身に求められる役割や目指す働きという点ではいかがでしょうか
多分いろいろな場面で打席が回ってくると思うので、その中で臨機応変なバッティングが求められているのではないかなという風に感じます。
――これまでは小野田さん、中村さん、武藤(風行、平27スポ卒)さんといった実績のある選手が多くいたわけですが、今季は実績のある選手が多くはなくワセダの中でも茂木さんへの警戒はより強くなるのでは
どうなんですかね。でも多分そこまでは警戒はされていないと思います。いつも通りやれば自分のプレーはできると思うのですけれど、自分が変に3番になったからと意識してしまうと自分のバッティングができなくなってしまうので。そこは意識せずに臨めたらいいなと思います。
――3番という中軸に座る中で、勝負を避けられる場面や相手投手が簡単にストライクを取りに来るといったことも多くはなくなると思いますが、その中でも初球から積極的に甘い球を振っていくというご自身のスタイルは貫いていこうと考えていますか
はい、自分が打てると思ったボールは積極的に打っていきたいと思っているので、そこはやはりそこにタイミングを合わせて、常に準備をして打席には入りたいなと思っています。
――先ほども少し触れさせていただきましたが、今現在夏のユニバーシアードの代表候補メンバーに選ばれていますが、日本代表への思いといったものはいかがでしょうか
そのレベルの高いメンバーの中に並ばれるということはすごく誇らしいことなので、そこに対して(最終メンバーに)選ばれたいという気持ちはとても強くありますね。
――昨年も大学日本代表に選ばれていますが、代表チームで戦って何か感じたことなどはありましたか
やはり個々のレベルがすごく高いなと思って、自分もまだまだやらなくてはいけないなとすごく感じさせられました。
――昨年の代表チームには茂木さん含めてワセダから3名の選手がいたわけですが、ことしは候補の時点でお一人ですがその点で不安などはありませんか
先輩についていったという面がかなりあったので、正直不安というのは強いです。ただ少し寂しい気持ちもありますね。
――ただ昨年のチームには下級生も比較的多かったという点では、きょねんともに戦った仲間も多く選ばれるのではないでしょうか
そうですね。
――特に仲良くされた選手はいらしたのですか
明大の坂本誠志郎(4年)や、今回は選ばれなかったのですけれど、東海大の田中俊太(4年)という選手がいたのですけれど、彼らとはすごく仲良くしていました。
――田中選手は今季移るセカンドの選手で参考になる点も多かったのではないでしょうか
そうですね、かなり参考になる面が多くて。参考になる面と負けたくないという気持ちはすごく強く芽生えましたね。
――いよいよ4年生となるわけですが、前の4年生が抜けられてから最上級生として意識されていることは何かありますか
自分は役職とかに就いていないので、プレーでチームを引っ張るということを一番に考えてプレーするようにしています。
――新体制のチームになって数ヶ月経ちますが、ことしのチームはどのような雰囲気ですか
監督も変わったこともありすごく緊張感があって、よくまとまってきているとは思います。
――茂木選手から見て新監督はどのような方ですか
野球の面も野球以外の面もすごいきっちりされている方だなぁと思って、勉強になることがたくさんあります。
――ことしもたくさんの1年生が入部してきましたが、お話などは誰かとされましたか
いや、あまり1年生とは話す機会がないですね。
――茂木選手自身1年生の頃からレギュラーを捕まれ下級生の頃から活躍されたわけですが、今の下級生を見て茂木選手が良いなと思う選手はどなたかいますか
小島(和哉、スポ1=埼玉・浦和学院)が良いピッチャーだなという風に思いますね。
――それは具体的にどのような点から
打席に立ったことがあるのですけれど、腕の振りより球がすごく来ているイメージがあるので。リーグ戦でも戦うときには、すごく厄介なピッチャーになるのではないかなと思います。
――今季を戦っていく上でワセダのキーマンを挙げるならば誰だと思いますか
やはり先発するピッチャーですかね。いままでオープン戦もピッチャーがすごくよくて勝ってきているという試合が何試合もあるので。そこは継続して試合を作る、0に抑えるなり最小失点で抑えるなり、いい形でピッチャーが試合を作ってくれたら野手も奮起するのではないかなと思います。
――先ほどプロのお話もありましたが、昨年は2人の先輩がプロに進まれましたが卒業後の進路に関して、現在はプロに進みたいというお考えですか
(プロに進みたい)という気持ちが強いです。
――昨年プロに進んだお2人とプロの指名を受けたあと、そのようなことに関して何かお話はされたのでしょうか
中村さんとは話す機会がありまして、いろいろな話をしました。
――ご自身の選手としての1番のアピールポイントは何だと思いますか
思い切りの良さですかね。
――今季のチーム全体での目標についてはどのようなお話がされているのでしょうか
それはもうリーグ戦優勝というのを最初に監督さんから話されているので、そこに向かって突き進んでいます。
――1年次の優勝をレギュラーとして知る茂木選手の立場から見て、当時のチームにあっていまのチームにないもの、優勝する上で1番大事なものは何だと考えていますか
やはりみんなが負けない、負けたくないという思いというのは多分自分が1年のときの方がはるかにチームとして、個々人としてではなくチームとしてありました。その面が自分たちにももう少し出てくれば、多分競った試合でも最後に粘って勝てたりという試合が多く出てくると思います。
――優勝を狙っていく上で特に意識されるライバルというのはいますか
どこもキーとなる試合だとは思うのですけれど、どうですかね。きょねんはみんなが明大と言って明大には勝ったのですが、慶大に勝てなかったというのがあるので。どの大学もマークはしなければいけないなとは思います。
――一方で個人としての目標は何かありますか
試合を決める一打というのが打てたらいいなと。それを目標にずっとこの冬は取り組んできたので、チームを勝たせる一打を打てれば何も言うことはないなと思います。
――最後にラストイヤーとなる今季への意気込みをお願いします
1年から試合に出してもらっていて、優勝も全然だめなときもあと一歩ということも経験してきているので、その経験というのをチームに生かして、チームが優勝できるようにしたいですね。何としてもチームの勝利に貢献したいなと思っています。
――ありがとうございました!
(取材・編集 三井田雄一)
◆茂木栄五郎(もぎ・えいごろう)
1994(平6)年2月14日生まれのO型。171センチ75キロ。神奈川・桐蔭学園高出身。文化構想学部4年。内野手。右投左打。 昨年の日本代表チームで最も印象に残った選手は、という問いにすぐさま国学院大の柴田竜拓選手を挙げた茂木選手。アマチュアながらワールドカップのメンバーにも選ばれた同世代屈指の守備職人のプレーに、驚きを覚えるとともにさらなる向上心を刺激されたようです。