1回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |||||
慶大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||||
早大 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | × | 5 | |||||
○吉野和、田中、柳澤−吉見 ◇(二塁打)石井、木田 |
---|
秋季リーグ戦閉幕から一夜明けた神宮では再び早慶戦が行われた。1、2年生のみで結成された新人戦だ。普段は出場機会の少ない下級生がこの日は躍動した。先発の吉野和也(社2=新潟・日本文理)が打たせて取る投球で7回無失点と好投すれば、打線も立花玲央(人2=千葉英和)などの活躍で5−0で快勝。準決勝へと駒を進めた。
投手陣のテンポの良い投球が流れを呼び込んだ。先発の吉野和は春季新人戦の3位決定戦以来の公式戦のマウンドとなったが、持ち味を存分に生かした投球を披露。下手から繰り出される球は100キロ台の遅球ながら、丁寧に低めを突く。立ち上がりから4イニング連続で走者を背負うも、2併殺などでピンチの芽を摘み取った。終わってみれば7回を投げわずか79球の省エネ投球に「いつも通りの投球ができた」(吉野和)と本人も納得の内容。危なげない投球で試合をつくった。後を継いだのは田中龍之介(人2=兵庫・滝川)、柳澤一輝(スポ1=広島・広陵)。変則左腕と快速球を武器とする右腕というタイプの違う二人が試合を締めた。
7回無失点の好投を見せた先発の吉野
打線は少ない好機での集中力が光った。初回、2死二塁の場面から、石井一成(スポ2=栃木・作新学院)の適時二塁打で先制点を挙げる。2回にも1死一、三塁から立花が適時打を放つと、守備の乱れに乗じて2人目の走者がかえり、序盤で3点差とした。その後は7回まで三者凡退が続くも、8回に再び立花と石井の安打でつくった得点機の場面で敵失から追加点を奪い、慶大を突き放した。
3安打を放つなど頭角を現しつつある立花
1番の立花は3安打で2得点とリードオフマンとしての役割を全うし、春季新人戦、2軍夏季オープン戦と、地道な努力の成果が表れてきている。その他にも各選手が役割を果たしつかんだ一勝に「うれしい限りです」(直原大典新人監督、人4=高知・土佐)と指揮官も手放しで喜んだ。あすの準決勝で戦う相手は春季にも準決勝で対戦し敗れた法大。雪辱を果たし、まずは決勝の舞台を手繰り寄せられるか。2008年(平20)秋季以来の優勝へ向け、ヤングワセダが猛者そろう法大に立ち向かっていく。
(記事 盛岡信太郎、写真 芦沢仁美、谷田部友香)
早大打者成績 | |||||||||||||||
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 | 率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (右) | 立花玲央 | 4 | 3 | 1 | .750 | 中安 | 右安 | 一ゴ | 左安 | |||||
2 | (二) | 真鍋健太 | 2 | 0 | 0 | .000 | 投犠 | 投ゴ | 左飛 | ||||||
打 | 江間拳人 | 0 | 0 | 0 | .— | 死球 | |||||||||
二 | 宇都口滉 | 0 | 0 | 0 | .— | ||||||||||
3 | (中) | 八木健太郎 | 2 | 0 | 0 | .000 | 空振 | 空振 | |||||||
打三 | 小形和義 | 2 | 0 | 0 | .000 | 見振 | 遊飛 | ||||||||
4 | (遊) | 石井一成 | 4 | 2 | 1 | .500 | 右2 | 一ゴ | 右飛 | 左安 | |||||
5 | (一) | 佐藤晋甫 | 4 | 1 | 0 | .250 | 左安 | 三ゴ | 二ゴ | 見振 | |||||
6 | (中) | 三倉進 | 3 | 0 | 0 | .000 | 右飛 | 見振 | 空振 | ||||||
中 | 相馬弘季 | 1 | 0 | 0 | .000 | 敵失 | |||||||||
7 | (三) | 木田大貴 | 4 | 1 | 0 | .250 | 右2 | 二ゴ | 遊飛 | 空振 | |||||
8 | (捕) | 吉見健太郎 | 3 | 1 | 0 | .333 | 三安 | 遊ゴ | 右飛 | ||||||
9 | (投) | 吉野和也 | 2 | 0 | 0 | .000 | 空振 | 三ゴ | |||||||
打 | 大森雄介 | 1 | 0 | 0 | .000 | 空振 | |||||||||
投 | 田中龍之介 | 0 | 0 | 0 | .— | ||||||||||
投 | 柳澤一輝 | 0 | 0 | 0 | .— |
早大投手成績 | ||||||||||
名前 | 試 | 勝 | 敗 | 回 | 安 | 四 | 振 | 責 | 失 | 率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
吉野和也 | 1 | 1 | 0 | 7 | 4 | 1 | 3 | 0 | 1 | 0.00 |
田中龍之介 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0.00 |
柳澤一輝 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0.00 |
コメント
直原大典新人監督(人4=高知・土佐)
――試合を振り返っての感想をお願いします
春も慶大に勝ったので秋も勝てるというような油断だけはしないようにということでみんなには春と同じく自分たちのプレーを伸び伸びやれるように思い切ってやれということを言いました。
――吉野和也選手(社2=新潟・日本文理)は春の新人戦以来の登板ながら球数少なく(79球)7回まで無失点でした
吉野は打たせて取る投球が持ち味なので、バックもしっかり併殺を取って、良いリズムで試合を運んでくれたと思います。
――もう少し投げられたようにも見られましたがいかがでしょうか
当初から7回まで吉野でその後ろはあす以降のこともあるので、リリーフに投げてもらおうと思っていました。なので予定通りです。
――やはりいろいろな投手を試したいという狙いもあるのでしょうか
そうですね。
――打者では立花玲央選手(人2=千葉英和)が3安打と春に続き目立っています
うれしい限りです(笑)。この学年(2年)はすごく打撃練習も自主練習でしっかり打ち込んだり、打撃が持ち味のチームなのでそれが結果として表れていて良いと思います。
――このチームの特色というのは
良い意味でも悪い意味でも打撃がカギになると思います。勢いとともにどんどん点を取っていくチームといった感じですね。守備面では新人戦のレベルとしてみれば安心して見ていられるレベルにあるので、特徴として挙げるならやはり打撃になります。
――特に期待を置いている選手や取り組みで評価したい選手はいますか
2年間2年生と練習を重ねてきて、頑張っている姿を見てきたので2年生は誰とは言わずに自分の役割を各自がしっかりやってほしいなと思います。1年生に関してはどんどんアピールしていかないといけない立場なので、三倉(進、スポ1=愛知・東邦)、佐藤(晋甫、教1=広島・瀬戸内)や吉見(健太郎、教1=東京・早実)は先輩を追い越すくらいの勢いでやっていってほしいなと期待しています。
――三倉進選手や八木健太郎選手(スポ1=東京・早実)は途中交代しました。やはり結果が出なければ代えるという厳しさも見せているのでしょうか
いえ、最初から相馬(弘季、スポ2=青森)は守備が良いのでセンターで使おうと思っていて、三倉を代えたのは予定通りなのですが、3番の八木に関しては元気がなかったのであしたに切り替えてもらおうということで少し早めに代えました。
――チームとして主軸のほとんどを占めていた4年生が抜けることで1、2年生への期待も大きいのではないでしょうか
そうですね。自分たちが抜けて次は新人がチームを引っ張っていかないといけないと思うので、そういう意味では新人戦だけではなくてリーグ戦を見据えたかたちで練習はしてきたと思います。なのでそこは期待しています。
――ご自身としても2年前に出場されたときと姿が重なる部分もあるのではないでしょうか
そうですね(笑)。まあ自分は1打席だけで最後三振に終わったのですが。みんな自分たちがやってきたことを打席やマウンドで必死で出していて、その姿は見ていて清々しいので最後は優勝させてあげたいです。
――あすの準決勝の法大戦へ向けての思いをお願いします
法大は春に負けているので、死にもの狂いで勝ちにいきたいです。あとはきょう結果が出なかった選手がしっかり切り替えて必死に結果を出しにいく姿を自分としては楽しみにしたいと思います。
木田大貴(商2=愛知・成章)
――ゲームキャプテンとして、どのように戦っていこうという方針を立てていましたか
守備は投手を中心に、取れるアウトをしっかりと取っていこうと話していました。打撃面に関しては、どんどん振っていくことを心がけようとしていました。
――チームへの声かけなどはしましたか
初戦で固くなりがちなので、バッターだったらしっかりと振っていこう、守備だったらどんどん前に出て行こう、という声かけをしていました。
――チーム全体を振り返って、きょうの試合ではどのような印象を持ちましたか
序盤に点が取れたので、試合の流れとしては良かったと思います。でもその後、中盤はなかなか安打が出ず、走者も出すことができない場面が続いたので、そこは反省しないといけないと思います。
――先発した吉野和選手の投球についてはどのように思いますか
走者を出すときもありましたが、しっかりと投げてくれました。守りやすかったです。
――ご自身の成績を振り返って、きょうは得点に絡む2塁打もありました
第1打席は最初だったので、しっかり振っていこうということができていました。それ以降は打つことができなかったので、明日は第2打席以降でも打ちたいと思います。
――明日以降はどのような試合をしたいですか
法大には前回負けているので、とにかく粘り強く、守備でしっかりとアウトを取っていこうと思います。きょうと同じように、いままでやってきたことをやりたいと思います。
――新人戦を通じてどのようなチームを作りあげていきたいですか
1年生主体ということで、どうしても若いチームなのでミスなどは多いのですが、常にしっかりと声を出して、雰囲気の良いチームとしてやっていきたいです。
石井一成(スポ2=栃木・作新学院)
――きょうは5-0と快勝でしたが、試合を振り返っていかがですか
終盤点数が取れておらず、何とか終盤点を取ろうということで2点取れたため、ものにできたかなと思います。
――きのうの早慶戦も快勝でしたが、いい流れは引き継いでいますか
そうですね。先輩たちがいい流れをつくってくれたのできょうは勝てたと思います。
――第一打席は2アウト走者二塁の場面で回ってきましたが、どのような意識で打席に立ちましたか
とりあえずランナーを返そうということを考えて打席に入りました。
――先制の適時二塁打となりましたが、打席を振り返っていかがでしたか
センター方向を意識していたため、結果的に振り切ったのでライトに行ったかたちとなって、悪くないと思います。
――第四打席では追い込まれてから粘って安打を打ちましたが、その打席を振り返っていかがですか
何とかつなぎたかったので、ファール、ファールで逃げて甘い球が来たら行こうと思っていたため、打てて良かったです。
――秋季リーグ戦では打率5割と高打率を残しましたが、好調ぶりは維持していますか
そうですね。一打席ごとにしっかりと振れているので、これからも続けていきたいと思います。
――ポジションは遊撃手と三塁手のどちらもやられていますが、どちらのほうがやりやすいなどはありますか
やりやすいというのは特にないですが、出るところでしっかり役割を果たしていきたいと思います。
――来季はことしの主力の4年生が抜けてしまいますが、その中でご自身の役割はどのようなものだと考えますか
自分も戦力に加わってチームを引っ張っていかなければいけない立場になると思うため、これからもっと自覚をもってやっていきたいと思います。
――新人戦では春から4番という打順で出場されていますが、4番という打順についてはいかがですか
そんなに考えてはいないです。
――あすの法大戦に向けての意気込みをお願いします
いい流れで来ているので、しっかり守るところは守ってチャンスは生かせるようにしていきたいと思います。
立花玲央(人2=千葉英和)
——新人戦、どのような意気込みで臨まれましたか
リーグ戦は出場していないため、この新人戦に向けて春季を終えてからずっと合わせてきました。結果が出て良かったと思います。
——ここまでどのような準備をされてきましたか
二軍戦には結構出させてもらっていたので、自分の力が出せるようにやってきました。
——ここを磨いたという点はありますか
初球をしっかりと仕留められるようにしました。
——きょうの試合を振り返っての感想をお願いします
春から準備してきて、良い形で結果が出たのは嬉しいです。
——1番打者として意識したことはありますか
一番はチームのイメージを与える打者だと思うため、初球からどんどん振りにいって相手にこわいイメージを与えたいと思っていました。
——3度先頭で打順が回ってきましたが
特にチャンスでも先頭でも変わらず、初球から振るということは意識しています。
——ご自身の3安打1打点という活躍をどう捉えていますか
嬉しいですが、これからもちゃんと出来るように準備していきたいです。
——広角に打ち分ける打撃が印象に残りました
狙っていたわけではないのですが、引っかけないように、球に逆らわないように打ちました。
——きょうの試合で得られたものはありますか
積極的に振るということが出来て、結果につながったことです。
——あしたの法大戦に向けて一言お願いします
春は法大に負けているので、あしたは勝って優勝決定戦に出られるように頑張りたいです。
吉野和也(社2=新潟・日本文理)
――久々の公式戦登板となりましたが、感触はどうでしたか
いつも通りでしたね。いつも通りに投げられたので良かったです。
――きょうの登板はいつごろに決まっていたのでしょうか
言われたのはきのうの朝です。
――投球全体を振り返って
本当にいつも練習していた通りに投げられたので良かったと思います。
――登板時に意識していたことは
9イニング投げるつもりでペース配分なども考えながら投げていて、1試合通じての球数を意識しながら投げていました。
――序盤は二つの併殺打もありました
内野ゴロになってくれればいいなと思いながら投げていて、その通りにできました。
――6回2死三塁のピンチでは一ゴロに打ち取りました。狙い通りでしたか
そうですね。点差もあったので、1点は仕方ないと思いながら、打者をしっかり打ち取ろうと考えていました。
――7回を79球で投げ終えての降板でした
3日間あるので、きょうだけではなくてこの後も試合があるということで降板しました。
――今季ここまでを振り返っていかがですか
夏に肩のケガをして、秋のリーグ戦では投げられる機会がなかったので。きょうの新人戦ではしっかり投げられたので良かったです。
――リーグ戦の期間もケガに苦しめられていたということでしょうか
そうですね。始まる前に肩のケガをして、途中で左太ももの肉離れをしてしまって、そこから登板機会は与えてもらえませんでした。
――投球練習を再開したのはいつごろでしたか
立大戦の時くらいからですね。
――次戦に向けての意気込みをお願いします
春はあす戦う法大に負けているので、あした勝って、決勝も勝って優勝したいと思います。