早大でエースを務める有原航平(スポ4=広島・広陵)が横浜DeNA、広島東洋など4球団から1位指名を受けた。くじによる抽選の結果、北海道日本ハムが交渉権を獲得。これまで輝かしい成績を残してきた最速156キロ右腕は北海道へと舞台を移すこととなった。
続いて指名の声が上がったのが中村奨吾主将(スポ4=奈良・天理)。千葉ロッテが単独1位で中村を指名。2010年ドラフト以来の2人同時1位指名となった。
――指名から少し時間が経ちましたが、改めてのお気持ちは
有原 まずは指名されてほっとしています。
中村 まさか1位で指名されるとは思っていなかったので驚いています。
――プロ野球選手になるという実感は
有原 早稲田大学の試合が残っているのでまだ実感はないです。
中村 自分もまだ試合が残っているので、それが終わってから実感が出てくるのかなと思います。
――有原投手にお伺いします。4球団からの1位指名となりましたが、球団の数の多さはどう受け止めていらっしゃいますか
有原 4つの球団から指名していただいて、必要とされているのだなと思うとうれしいです。
――抽選のシーンはテレビでご覧になっていたと思います
有原 どこになるかと思って、ドキドキしながら見ていました。
――北海道日本ハムが交渉権を獲得した瞬間のお気持ちはいかがでしたか
有原 どこに行っても頑張ろうと思っていたので、素直にうれしいと思いました。
――広島出身で北海道とは縁がないように思いますが北海道のイメージは
有原 1回も行ったことがないのでイメージはありませんが、行く機会があればその時にいいところを探したいと思います。
――北海道日本ハムの印象は
有原 毎年優勝争いをしていて、ファンも熱いので、素晴らしいチームだと思います。
――大谷翔平投手ともチームメイトとなります
有原 高校からプロに行って活躍しているので素晴らしい投手だなと思います。
――ライバルになってくる存在だと思いますが
有原 自分は自分ができることをやっていきたいと思います。
――即戦力の期待を受けて指名されましたがプロにはどう臨んでいきたいですか
有原 とりあえずは大学野球が終わってからしっかり考えたいです。
――プロで目指したい投手像は
有原 あまりイメージはわかないですが、最後までしっかり投げられるようになりたいです。
――速球が注目されていると思いますが、目指すところは
有原 速球は意識せずに勝てる投手になりたいと思います。
――目標はありますか
有原 目標はまだこれから考えます。
――プロ野球選手というのは小さいころからの夢だったと思いますが、その段階に入るということに関して改めてどうでしょうか
有原 小さい頃からたくさんの人に支えられてきたと思うので、これからも感謝の気持ちを忘れないで頑張りたいです。
――中村選手に伺います。1位で指名されたということに関して改めていかがですか
中村 まさか1位で指名していただけるとは思っていなかったのでうれしい気持ちと共に少し驚きです。
――呼ばれた瞬間というのは
中村 自分もチームメイトも驚いていました。
――改めて千葉ロッテの印象はどうでしょうか
中村 ファンの方がとても熱くて、温かい方が多い印象があります。
――チームとしては
中村 監督が伊東勤監督で捕手の方なので、しっかりとした野球をするのかなという印象です。
――プロに入るにあたってどのような選手になりたいというイメージはありますか
中村 ロッテの選手だと井口(資仁)さんのような選手に憧れがあるので、そのような選手になれるように頑張りたいです。
――井口さんのどんなところにあこがれますか
中村 走攻守そろった選手だと思いますし、メジャーリーグも経験されていて、選手として素晴らしいだけでなく人としても素晴らしい方なのでメジャーリーグでも活躍できたのかなと思っています。
――有原投手と同じパ・リーグです。また、それ以外にも対戦したい相手はいますか
中村 まだわからないですが、有原と対戦する日がくればいいのかなと。
――その時は打つ自信がありますか
中村 そうですね。
――プロに入っての目標は
中村 いまは早慶戦で連勝するということが目標なので、学生野球が終わった後にしっかり考えたいです。
――有原投手は春先から日本球界だけでなくメジャーリーグからも注目されていました。メジャーリーグについてはどんな印象を持っていますか
有原 日本人選手が活躍されていて、自分にとっても憧れで、夢でもあるのですが、いまは自分にできることをしっかりやりたいと思います。
――指名された後、誰かに報告されましたか
有原 (広陵)高校の監督である中井(哲之)先生に電話させていただいて報告しました。
――どのような感じでしたか
有原 まずはおめでとうと言ってくださって、ここからが勝負なので頑張れと言われました。
――有原投手からはどのような話をされましたか
有原 監督さんに育てていただいたので感謝していますと伝えました。
――中村選手はいかがですか
中村 自分は両親に電話をかけ、おめでとうと言ってもらって、これからがスタートなのでしっかり頑張るようにとも言われましたし、目の前に早慶戦があるのでしっかり努力して学生野球を締めくくるようにと言われました。
★有原略歴
有原は広陵高時、3年春に主戦投手として全国ベスト4に入るなど、本格派右腕として鳴り物入りで早大入り。斎藤佑樹(平23教卒=現プロ野球・北海道日本ハム)らが抜けた投手陣を1年生ながら支えた。2年春には救援として10試合に登板し日本一に貢献。同年秋からは先発転向すると3年からエース番号『11』を背負い投手陣をけん引。今春にはリーグトップの5勝を挙げるなど現在通算18勝を記録している。
★中村主将略歴
主将として部員119人の先頭に立つ中村。現時点で通算91安打、10本塁打を放つなど結果を残してきた。先発デビューした1年秋の東大戦で5安打7打点と大暴れ。早大では2年から二塁手として活躍してきたが、3、4年時に選出された大学日本代表では遠投115メートルの強肩を生かし中堅手を務めた。
(記事 盛岡信太郎、写真 芦川葉子、井上雄太、目良夕貴)
コメント
有原航平(スポ4=広島・広陵)
――4球団競合となりましたが
4つの球団から指名していただいてうれしい気持ちです。
――チームメイトと見ていたと思いますが、北海道日本ハムと決まったときの雰囲気は
みんな5時前から見ていてくれて、喜んでくれたので良かったです。
――北海道日本ハムの印象は
常に優勝争いをしていてファンが熱いという印象です。
――今朝は感謝の気持ちを伝えたいと話していましたが、今誰にどんな気持ちを伝えたいですか
丈夫な体に産んでくれた両親と、お世話になった全ての方に伝えたいです。
――どんなプロ野球選手を目指すか、また将来の夢は
まだワセダのリーグ戦が残っているので、リーグ戦頑張ってその後しっかり考えたいです。
――改めて意気込みを
ワセダで頑張ってきたことを上の世界でも出していけたらと思います。
中村奨吾主将(スポ4=奈良・天理)
――ロッテ単独指名となりましたがいまの率直な感想は
1位指名されるかどうかというのはわからなかったのですが、いまは素直にうれしいです。
――決まった瞬間は有原投手と一緒に見ていたと思いますが
僕が先に指名していただいて、有原が抽選になって指名が確定した後に握手をしました。
――いま、岡村猛監督(昭53二文卒=佐賀西)にはどんな報告をしました
ワセダでやってきて、やってきた結果指名していただいたのでありがとうございましたと伝えました。
――ロッテのイメージは
ファンの方がとても熱いという印象です。
――プロで対戦したい相手は
指名されたばかりなのでわかりませんが、有原と同じパ・リーグでやらせていただけるのでいつか対戦したいと思います。
――いまの気持ちは誰に伝えたいですか
まずは両親に伝えたいです。
――プロへの意気込みをお願いします
まだ自分は早大野球部主将としての仕事が終わっていないのでこのリーグ戦が終わったらしっかりプロへ向けての目標を立てていきたいです。
岡村猛監督(昭53二文卒=佐賀西)
――いまのお気持ちは
2人とも1位で指名されて僕も非常にうれしいです。
――有原航平投手の4球団競合という数については
複数球団だとは思っていましたがその数までは予想していませんでした。
――高い評価ということですね
そうですね。
――2人は同じリーグです
早く対決を見てみたいですね。
――斎藤佑樹選手(平23教卒=現プロ野球・北海道日本ハム)と同じ北海道日本ハムです
縁があったということだと思うので、切磋琢磨して2人でローテーションを担ってほしいと思います。
――2人は4年間でどこが成長しましたか
まず体がしっかりできたということと、精神的な面で最上級生になってチームの中心選手としてのたくましさ、強さが備わってきたと思います。合わせて、人間的にも後輩の面倒を見たり、周りに気を使ったりということで、人間的成長も大きなものがありました。
――有原投手のヒジは来季に向けて不安はありますか
大きな心配はしていませんが、リーグ戦の中で十分な働きができていないと。これはヒジの不安というよりも調整が十分できていない中で投げているので良い結果がでていないのですが、準備をしていけば来シーズンはプロの世界で活躍できると思います。
――中村主将の精神力には強いものがあると思います
立大3回戦でも決勝打を大事な場面で打っています。将来チームの中心として活躍できると思うし、走攻守にわたって高いレベルの能力を持っていますので、らいねんから即戦力として頑張ってほしいと、また活躍できると期待しています。
――中村選手を主将に選んだ要因は
チームの中心的な位置づけで頑張って活躍してくれる選手で、リーダーシップも口数が多いわけではないですが、常に先頭に立ってリードして鼓舞してくれるということを期待してキャプテンに指名しました。
――その成果は
チームの結果として今季は終わっていませんが、常に優勝を争える位置につけていますので十分成果を出してくれていると思います。