春季早慶戦コメント集

野球

 7季ぶりの東京六大学リーグ戦(リーグ戦)制覇の懸かる早慶戦を2連勝し、勝ち点5の完全優勝を収めた今季の早大。今回は早慶戦のコメントと、2015年以来の全日本大学野球選手権優勝に向けての意気込みをお届けする。

小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)

ーー7季ぶりの優勝おめでとうございます。早慶戦から1週間ほど経ちましたが、改めて優勝の瞬間を振り返っていかがですか

大勝という感じの試合でした。試合の映像を2試合とも見返して、こうすればよかったなと思うようなことはいくつかあったので、その辺のところの反省はしてます。もちろん勝ったは喜びありますけど、 本当に万全、完璧だったかというとそうではないので。もうちょっとやりようがあったなという反省はしています。

ーー慶大1回戦を振り返っていかがですか

もちろん(勝ちを)取れば優勝に大きく前進する試合でしたから、何がなんでもという思いで臨んだ試合でした。特にやられてた外丸(東眞、慶大3年)をいかに攻略するかというところで知恵を絞ってました。そんな中、石郷岡(大成、社3=東京・早実)の最初のタイムリーがチームに勇気を与えてくれたと思いますし、その後の吉納(翼副将、スポ4=愛知・東邦)が反対方向にホームランを打って。やっぱあれはピッチャーにとって一番ダメージがあるので、大きな1本でした。ダメ押しのバックスクリーンへのホームランに関して言えば、もう本当に完璧な当たりで見事なバッティングでした。今までちょっと思うようになってなかった3番バッターが本当に大事な試合で爆発してくれたということで、ほぼ優勝を確信する試合でした。

ーーエースの伊藤樹選手(スポ3=宮城・仙台育英)が8回1失点に抑えましたが、どのようにご覧になっていましたか

ある程度は抑えられるだろうという風に思ってましたので、安心して見ていられたのは見ていられました。ですがやっぱり、8回の1点がやっぱ悔やまれます。7回で変えてあげれば防御率のタイトルも取れたと考えると、本人が完封したい、慶応相手にシャットアウトしたいっていうという気持ちで続投志願ですから。投げたいというならと思って投げさせましたけど、今思えばタイトルのことを考えれば我慢しろと言ってやるのは監督の仕事だったのかなという風に思います。

ーー続いて2回戦を振り返っていかがですか

試合前に総長がダグアウト裏まで来てくれて、選手に檄(げき)を飛ばしていただきました。その内容が「諸君、間違いなく優勝だ」と。「どんなことがあっても普通に試合をすれば勝てる。仮に先制を許しても、慌てることなくしっかり早稲田の野球をやってくれ。そうすれば間違いなく勝てる」と、そんな熱いメッセージを選手たちに残していただきました。(先制点は)一番打たれちゃいけないバッターに打たれて先制されてますから、嫌な感じの点の取られ方ではありましたけど、 やっぱその裏に選手たちがなんとかひっくり返してくれました。尾瀬(雄大、スポ3=東京・帝京)のタイムリーツーベースでほぼ勝ちを確信。さらに言うと印出(太一主将、スポ4=愛知・中京大中京)が難しいボールをヒットエンドランでライト前に運んだヒット。 あの瞬間に(勝利を)ほぼ確信したので、あとはもう試合再成立してくれという思いで見てました。

ーー小宮山監督自身は監督として、2020年秋以来2度目の優勝になりました。当時と比べて優勝というものに違いはありますか

優勝ということで言うと、今シーズンの優勝が本当の優勝だと思ってます。前回の優勝はレギュレーションに助けられてますので、7勝3分けということで、2試合しかやらない対抗戦でしたので。今回は通常通りのリーグ戦で勝ち点を奪って完全優勝なので、気分よく優勝を喜んでいます。

ーー祝賀会やパレードはいかがでしたか

生憎(あいにく)の天候でパレードは可哀想な感じでありましたけど、ただ、あれだけ多くの方々が一緒に喜びを分かち合ったということは、もうなんとも言えない感無量です。 早稲田アリーナができて、優勝報告会をぜひと言われ、ようやくそれが達成できたので良かったと思っています。

ーー全日本大学野球選手権の開会式もありましたが、どのような気持ちで初戦を迎えたいですか

我々は東京六大学野球連盟の代表なので、代表として恥ずかしくない野球をしたいなと思っています。さらに言えば、1つ1つ丁寧にやっていけば負けることはないという風に思ってますので、最後の最後まで全力で優勝を勝ち取りたいという風に思ってます。

ーー最後に全日本大学野球選手権への意気込みをお願いします

とにかく勝ち点5で完全優勝で選手権出場になったわけですから、連盟の他の5大学のためにも日本一を勝ち取って、東京六大学連盟こそが日本で最高の大学野球連盟なんだということを証明したいと思っています。

印出太一主将(スポ4=愛知・中京大中京)

ーー7季ぶり、ご自身にとっても初の優勝となりましたが、お気持ちを聞かせてください

ようやく優勝できたことは、個人としてもチームとしても大きかったとは思いますし、ここまであと1試合というところで優勝を逃すことが多くて、最後勝ち切るために足りないものは何なのかを探しながらスタートしたチームだったので、こういったかたちで最後は慶大を圧倒して優勝することができたので、すごく良かったかなと思います。

ーー高校時代のチームメート、先輩などからお祝いの言葉はありましたか

いろいろな今までお世話になった方だったり、チームメートだったり、後輩、先輩、さまざまな人から連絡をいただきました。

ーー閉会式で天皇杯が授与された時を振り返っていかがですか

日野愛郎部長(平10政経卒=東京・早稲田)が「私から印出主将に天皇杯を渡したいです」というお話をリーグ戦が始まる前にされていて、本当にそうなったので、部長先生に日頃からお世話になっているので、恩返しというかたちで天皇杯をいただくことができて良かったと思います。

ーー早慶戦は2試合共に大勝を収めましたが、振り返ってください

永遠のライバルである慶応から勝ち点を取れば優勝という早慶戦でしたが、全員が本当にいい意味で緊張感というか危機感を持ちながら2週間準備できましたし、試合の中でも流れを渡さずに終始早稲田のペースで試合ができたので、すごく良かったかなと思います。

ーー早慶戦前インタビューでは、キーマンに吉納翼副将(スポ4=愛知・東邦)を挙げましたが、1回戦では2本塁打の大活躍と見事的中しました

絶対やってくれる存在だとは思っていたので、ずっと信じて待っていたかいがありました。結局どこで打つかが大事だと思うので。何本打つかも大事ですけど、どこで打つかが大事だと思うので、吉納の2発は優勝を大きく手繰り寄せる、勢いをつけてくれる2発だったかなと思います。すごくありがたかったです。

ーー慶大2回戦、5回の攻撃時に雨で中断になった時はどんな心境でしたか

5回までやっているので、雨が止んだタイミングで試合をやるだろうなっていうつもりでした。別に気持ちは全員切らしていなかったですし、すぐやると思うからっていう話で準備はしていたので、少し休憩が入ったぐらいのイメージで待機していました。

ーー今季はベストナイン、打点王に輝きましたが、改めてご自身の成績を振り返っていかがですか

4番という打順を打っているので、やっぱり自分の数字がチームの勝利に直結してくるのは間違いないので、そういった責任、自覚を持ちながら新チーム始まってからずっとやってきたので、ベストナイン、打率もリーグ3位、打点王ということで、これもみんながつないでくれるから出る数字であって、全員でつかんだ勝利なのは間違いないので。その中で自分が数字でチームに貢献できたのは良かったかなと思います。

ーー日本代表選考合宿に選ばれましたが、ご自身のどんなところをアピールしていきたいですか

勝負強い打撃ももちろんですし、インサイドワークの部分で不慣れなピッチャーにはなりますけど、しっかりとコミュニケーションを取って、ピッチャーを気持ち良く投げさせてあげられるキャッチャーであるということをアピールしていきたいと思います。

ーー選考合宿で交流してみたい選手はいますか

東都リーグの選手や地方の選手はあんまり関わることがないので、各リーグを代表するような選手が来てるいるので、積極的にコミュニケーションを取って何か得られるものがあればなと思います。

ーー全日本大学選手権では青学大、早大が注目されると思いますが、特に意識する対戦校はありますか

やっぱり9年ぶりの出場ですし、リーグ戦自体も7季ぶりの優勝ということでしたが、全然そこで日本一が決まったわけでもなんでもないですので。挑戦者という気持ちを大事にしてというのはリーグ戦の時からずっと言ってきているので、目の前の一戦一戦当たるところに全力でいきます。それでも東都王者の青山学院大学は、「戦国東都」と呼ばれているだけあって、かなりレベルの高いリーグなので、東京六大学野球連盟の名に懸けて負けられないので、まずはもちろん一戦一戦勝っていってというところですけど、決勝は青学とやれればなと思っています。

ーー全日本大学選手権への意気込みをお願いします

リーグ戦と変わらず粘り強い泥臭い野球で、一戦一戦戦っていって、必ず六大学の代表として日本一を勝ち取れるように頑張りたいと思います。

吉納翼副将(スポ4=愛知・東邦)

――優勝されてから一週間はどのように過ごしていましたか

優勝したときの喜びというのはその日で切り替えて、次の日からは日本一を本気で取りに行くという気持ちで練習や普段の生活を送っています。

――早慶戦当日はどのような気持ちで試合に臨みましたか

チーム全員で本当に優勝をつかみ取るという気持ちだけを持って臨みました。

――1回戦では2本の本塁打を放ちましたが、それぞれの打撃を振り返ってみていかがですか

1本目は自分でも捉えた感覚は良かったですが、正直(スタンドに)入ったのはびっくりしました。ただ、冬からトレーニングを積み重ねてきたものがしっかりと出たのではないかと思います。2本目は本当に完ぺきな本塁打で、センターにも長打が打てるという自分らしさというか、自分のできることをやっただけという感じです。

――2本目の本塁打を放った際には、小宮山監督とハイタッチを交わしていました。試合中の小宮山監督のうれしそうな表情はあまり見られない印象を受けたのですが、そこに関していかがですか

僕も初めて見ましたし、僕の打撃で監督をあのような笑顔にしたかったというのは心のどこかにありました。前回優勝したときの、蛭間さん(拓哉、令5スポ卒=現西武)が逆転本塁打を打ったときのあの笑顔をもう一度自分の打撃で、と思っていたので。監督が、自分がベンチに戻ってきたときにタッチを求めてくれたのは非常にうれしかったです。

――早慶戦前の対談では「ヒーローになりたい」とおっしゃっていた中で実際にヒーローになりましたが、ヒーローインタビューの景色はどうでしたか

ヒーローインタビューのときにいろいろな人が声をかけてくれたのは本当にうれしかったですし、あの景色を忘れることはないと思います。ただそれ以上に、本塁打を打ちダイヤモンドを回っていたときのあの歓声というのは、本当に自分だけしか味わえない最高の時間でした。

――2回戦に勝利し、優勝したときの気持ちを教えてください

あの日だけは本当に解放されたというか。いろいろ悔しい思いをしてきた分、それ以上にうれしいものがありましたし、自分が最終学年にこういった形で後輩たちに良い思いをさせてあげられたことにうれしく思います。

――初めての優勝パレードも経験されましたが、いかがでしたか

パレードに関しては、応援部の方々のサポートや事前から準備されていたものに本当にありがたく思います。また、早稲田キャンパスの近所の方からは「おめでとう」と声をかけてくれたときに改めて優勝したんだなという実感が湧きました。みんなで校歌や紺碧の空を歌ったり、応援部の方々から直接「野球部ありがとう」や「優勝おめでとう」と言ってくれたりしたのは本当にうれしかったです。

――今週から全日本大学選手権が始まりますが、意識している選手や大学はありますか

リーグ戦とは違い、負けたら終わりなので。もちろん青学や、いろいろな地区から強い大学が集まるとは思いますが、まずは目の前の一戦一戦をしっかりと戦い、勝てるようにやっていけたらと思います。

――全日本大学選手権への意気込みをお願いします

日本一を取ることしか考えていないので、チーム一丸となって東京六大学代表としての意地を見せて、今年の早稲田の団結力というものをしっかり体現したいと思います。

伊藤樹(スポ3=宮城・仙台育英)

ーー1戦目の投球を振り返っていかがですか

明治の3戦目のような息のあった配球を組めたことが良かったと思います。テンポよくストライクを取り、三振を奪えたことが好投につながったと思います。

ーー投球時に意識していたことを教えてください

テンポと間です。コントロールや球の強さは意識せずともある程度大丈夫だなと投げていて感じたので、テンポの良さと間で打者のタイミングや間を作らせないことをとにかく意識してました。

ーー6回の自らの適時打を振り返っていかがですか

ボールがいつもより見えている気がしたので積極的に振ろうと思ってました。得意なコースにボールがきたので、素直に打ち返した結果です。

ーー6回まで毎回の9奪三振と三振が多かった印象です。良かった要因は

スプリットの精度とインコースのストレートに要因があります。とにかくインコースを効果的に使えたことが全ての結果につながっていると思います。

ーー第2戦でマウンドに上がった気持ちと、最後三ゴロに打ち取った瞬間はいかがですか

ここまで春リーグ頑張って投げて良かったなと思いました。マウンドに上げてもらったことに喜びを感じましたし、高1の夏ぶりの胴上げ投手だったのでとても感慨深いものがありました。

ーー改めて今季を振り返っていかがですか

自分はこのくらい投げられるんだという自信と示しがついたと思います。もちろん、まだまだ課題はありますし物足りない点ばかりですが、この成績を数字として残せたことは良かったと思います。

ーー小宮山監督も今季のMVPと評価されていますが、いかがですか

とても喜ばしいことです。監督さんに発破をかけられて臨んだシーズンだったので、このぐらいの成績は残さなければこの先上がっていくことは難しかったと思います。そういった勝負の春で結果を残したということに監督さんは評価してくれたんだと思います。

ーー全日本大学野球選手権の意気込みをお願いします

野手の皆さんの助けもあり、負け0で春リーグを終えられたので、全日本でも負けるつもりはありません。勝ちにこだって必ず優勝したいと思います。

ーーこれから先の大学生活やその先の世界を見据えてどういった選手になりたいですか

早稲田の学生である以上、節度ある生活と模範になるような選手になっていきたいと思います。皆さんが、思うエース像というのは様々あると思いますが誰がどう見ても伊藤樹はこのチームの柱だなエースだなと言っていただけるような投手になりたいと思います。そのためには、能力や立ち振る舞いなど必要なことは多々あると思いますので、人としても大きく成長したいと思います。

宮城誇南(スポ2=埼玉・浦和学院)

ーー優勝おめでとうございます

ありがとうございます。

ーー1週間経ちましたが、慶大2回戦の投球を振り返っていただけますか

優勝することはできましたが、個人的には悔しさが残る試合でした。

ーー調子はいかがでしたか

調子は決して悪くなかったですが、早慶戦特有の緊張感だったり、今までのリーグ戦とは違うものが多少あって、それが少し硬さにつながってしまったのかなと思います。

ーー試合に入る前から緊張はあったのでしょうか

試合前からお客さんもたくさん入っている中で、多少の緊張はありました。

ーー3回を投げて、すべての回で得点圏に走者を背負いましたが、その中でどういった心持ちで投球していましたか

味方が打ってくれることを信じて、ランナーをどれだけ出しても、ホームを踏ませなければいいなくらいの気持ちで投げていました。

ーー走塁時に転倒がありましたが、現在痛みなどは残っていますか

今は問題なく、大丈夫です。

ーー全日本選手権が目前に迫っていますが、準備はいかがですか

はい。万全です。

ーー全日本選手権の意気込みをお願いします

六大学の代表として全国大会に出場させていただくというのももちろん(頑張らなければならないなと思うところ)ですし、個人として、大学生になってから初めての全国大会っていうところで、全国から勝ち上がってきた各大学の選手に対して、今持っている力を全て発揮して、どれだけ通用するのかチャレンジしたいという気持ちでいっぱいです。

香西一希(スポ2=福岡・九州国際大付)

ーー春季リーグ戦優勝おめでとうございます。優勝した感想を教えてください

昨年の秋は本当に悔しい結果で終わってしまったので、今はすごく嬉しい気持ちです。

ーー早慶戦第2戦では、8回をほぼ完璧な投球で抑えましたが、振り返っていかがですか

野手のみんながたくさん点を取ってくれて、前のピッチャー陣が最少失点でつないでくれていました。いつも通り自分の仕事をするだけと思って、楽な気持ちでマウンドに上がれました。

ーー7点リードしての8回の投球、優勝が見えていたと思いますが、投げている時に優勝は意識していましたか

はい。あと2回抑えたら勝ちという中だったので、しっかり自分が良いピッチングをして後ろのピッチャーにつなごうということを意識していました。

ーー第2戦では天気が良くありませんでしたが、投げにくいといったことはありましたか

マウンドがだいぶぬかるんでいて、投げにくさはありました。ただ、しっかり自分のパフォーマンスは出せたかなと思っています。

ーー早慶戦第1戦では登板がありませんでしたが、どのような心境で試合を見ていましたか

点差はありましたが、しっかりマウンドに上がる準備はしていました。出番がなかったので、2戦目にしっかり備えようという感じでした。

ーー以前、昨年秋のリベンジを果たしたいとおしゃっていましたが、リベンジは果たせましたか

もう十分果たせたと思います。秋は慶応に負けていたので、2連勝でやり返すことができたというのは、チームとしても自分としても昨年秋の雪辱を果たせたかなと思います。

ーー優勝してから様々なお祝いがあったと思いますが、印象に残っているものはありますか

高校時代の監督から「おめでとう」と言ってもらえたのが嬉しかったです。

ーー全日本大学野球選手権が始まりますが、意気込みをお願いします

六大学の代表としてしっかり戦い抜きたいです。負けることは許されないと思うので、優勝のための1つのピースになれるように、しっかり腕を振って投げたいと思います。

安田虎汰郎(スポ1=東京・日大三)

――春季リーグ戦優勝おめでとうございます。まずは、早慶戦のマウンド、振り返ってみていかがでしたか

やはり他のカードとは全く違った雰囲気でした。神宮球場がいつもと違う様子だった中で、あのようなマウンドに立たせてもらって、本当に幸せだなと思いました。1年生の春からあんな経験させてもらって、本当に幸せでした。

――早慶戦前のインタビューでは「(早慶戦が)楽しみ」とおっしゃっていましたが、実際はどうでしたか

すごくワクワクしていたのですが、(試合が)近づくにつれてだんだんお腹が痛くなってきて(笑)。いつも通り緊張していました。マウンドに行く前にいつも水を飲んでから行くのですが、水筒を受け取る手が震えていて。自分の中ではへっちゃらだったのですが、多分相当緊張していたのだと思います。

――対策しているとおっしゃっていた(慶大の)応援団や観客の歓声などはどうでしたか。

もう全く。早稲田の方がすごい応援だったので、全然応援は気にすることなく、大丈夫でした。

――(早慶戦での登板は)9回のマウンドで二死をとって、伊藤樹(スポ3=宮城・仙台育英)投手に託す形になりましたが、あのマウンドに上がることを告げられた時の心境を教えてください。

最後は絶対樹さんだろうなと思っていた部分と、樹さん最後に行くよということを言われていた部分がありました。変にランナーを出さないように、しっかり二死をとって、綺麗に樹さんにつなごうという思いでした。最後1つは、優勝としては樹さんという風に言われていたので、そんな中でも9回、最初自分をマウンドに上げていただいたということは本当にうれしいことです。

――マウンドを降りる際に小宮山監督が肩を叩いて出迎えていらっしゃったように見えたのですが、何か言葉はありましたか。

あの時は「次はお前に、そこに立たすから」という言葉をもらって、すごくうれしかったです。

――優勝が決まった瞬間の心境を教えてください

うれしいという気持ちとほっとした気持ちとが半々でした。やはり 7季ぶりの優勝というところで、小宮山監督も相当プレッシャーかかっていたと思いますし、4年生も目の色を変えて戦っていました。そういった中で、下級生である自分が邪魔しちゃいけないですし、 緊迫した状況で、苦しい試合をみんなで乗り越えてきて、最後、結果として優勝できたということが、少しほっとしたところにつながっているのだと思います。

――少し早慶戦の話題からは離れてしまいますが、リーグ戦中、ベンチでメモを書いている様子を拝見しました。差し支えなければ何を書いていたのか教えていただけますか

あれは毎回付けていたのですが、バッターの特徴や相手ピッチャーがカウントで変化球なのか、まっすぐを投げるのかを軽くメモをしていました。 やはり情報戦にもなってくるので、その隙がないようにしています。できる準備は100パーセントしてから試合に臨みたいので、高校の頃からもずっと、情報ということに関しては、偵察とか相手のことを知ることは絶対怠ったことがないので、大学でも続けてやっています。もちろん、準備をしっかりしようっていうことは小宮山監督も言っていますし、絶対それは大事なことです。ですが、メモを取るというのは独自でやっていることです。

――春季リーグ全体を振り返って、 何か得られたものはありましたか

精神的な面で一番強くなれたかなと思っています。緊迫した場面で何度も登板させてもらって、ピンチでも平常心で打者に向かっていけるというところで大きく成長できたかなと感じています。

――最後に、全日本選手権に向けて意気込みをお願いいたします

いつも言うことは変わりませんが、任されたマウンドを、しっかり自分の仕事ができるように、最高のパフォーマンスをできたらなと思います。

前田健伸(商3=大阪桐蔭)

ーー早慶戦から約1週間経ちましたが、今の心境を教えてください

やっぱり優勝したことはうれしいのですが、ここからが大事だと思うので、日本一になれるように切り替えて頑張っているところです。

ーー主力として出場した初の早慶戦でしたが、雰囲気はいかがでしたか

最初は緊張するところもありましたが、後半になるにつれ、落ち着いてプレーできるようになったのかなと思います。

ーー第1戦では、四球でチーム最初の出塁をされ、これが先制点につながりました。あの打席を振り返っていかがですか

やっぱりランナーが出ないと始まらないので、頑張って出ようと思っていました。それが点につながったのでよかったなと思います。

ーー優勝した瞬間のことで何か印象に残っていることはありますか

やっぱりみんなでマウンドのところで輪になれたことが一番印象に残っています。

ーーパレードはいかがでしたか

いろんな方に応援されているということがわかったので、日本一になってまた報告できるように、あともうちょっと頑張りたいと思いました。

ーー春季リーグ戦全体を振り返っていかがですか

前半戦は自分の思うようなバッティングができませんでしたが、後半は自分のバッティングができるようになっていったので、この経験を秋に生かしていきたいです。課題もたくさんあるので、それを潰していって、もう一度リーグ優勝できるように頑張ります。

ーー最後に全日本大学野球選手権の意気込みと、ご自身の今後の目標を教えてください

チームとしても個人としても、日本一を目標に頑張ります。個人の目標としては、やっぱりチャンスで回ってきた時に返せるバッティングができる選手になりたいです。

梅村大和(教4=東京・早実)

ーー慶大1回戦は二塁手としてスタメンでした。どんな気持ちで臨みましたか

とにかく初戦を取ることをまず一番に考えていて、また(先発投手が)外丸投手だったので、どうやって打ち崩していこうかというところはずっと対戦前から考えていたことだったので、その中で自分としては足を生かしてなんとか崩していけたらという風に思っていました。結果として、そういう面では役割は果たせていたのかなとは思いました。

ーーチームとしては試合前どんな話をしましたか

優勝の懸かった早慶戦だったので、たくさん見に来る人もいますし、特別な試合なので、勝ちにこだわるのもそうですけど、まずはとにかく楽しんで、この舞台に立てることを楽しんで、思い切ってやっていこうという風な話をしてました。

ーー2回戦でも5回途中から出場し、9回には外丸選手から適時打を放ちました。ご自身のパフォーマンスを振り返っていかがですか

途中出場だったので、途中からでもなんとか役割を果たそうと思ってたんですけど、個人的にバッティングの面では思うようにはならなかったので、悔しい気持ちは大きいです。でも守備に関しては雨が降ったり止んだりして、芝も濡れているという難しいコンディションの中で、しっかりと、来た打球を全てアウトにすることができたので、そこの面ではやってきたことができたかなとは思います。

ーー早慶戦前にも言及されていた盗塁については、1、2回戦で1回ずつ決めました。それについてはいかがですか

なんとか盗塁はしたいと思っていたので、良かったかなとは思うんですけど、もっとしたかったですね(笑)。

ーー優勝が決まった瞬間、どんな気持ちでしたか

やっぱりここ3年間優勝できずにいたので、うれしい気持ちが一番ありました。また自分たちの代でこういう経験ができたのは、とても思い出に残ったので、本当にうれしい瞬間でしたね。

ーー慶大戦全体を振り返って、どちらも大差での勝利となりました。勝敗を分けるポイントはどんなところだったでしょうか

やっぱり序盤から点を取れたということが大きかったんじゃないかなとは思います。初戦もそうですけど、2戦目も序盤に点を取られた後、すぐ取り返すという風なゲームができて、前半の方から主導権を握ってゲームを進められていたので、そこ(がポイント)かなとは思います。

ーー慶大の投手陣、特に外丸選手をチーム全体で打ち崩すことができたということについて、何か要因はあるのでしょうか

一番は本当にデータをしっかり取って、外丸投手の変化球だとか球筋というのをイメージしながら練習をしてきていたことだと思います。だから打席に立った時にあまり後手に回らず、どんどん全体で仕掛けていくことができて、それがすごく大きかったかなという風に思います。またピッチャーの足元への打球や、強くて速いゴロやライナーを打っていけたのが、やっぱり相手の守備側にもプレッシャーになったと思いますし、 早慶戦までの2週間での準備が勝てた要因かなと思います。

ーー試合後、選手の皆さんがマウンドで談笑していらっしゃった時間があったと思うんですが、梅村選手はどんなことをしていましたか

試合が終わってもなお、その早稲田側のスタンドには本当にものすごい数の人がいて、試合中はそんなにスタンドをじっくりと見るタイミングはないので、そうやって見た時に、すごい人が応援してくれていたんだなという風に感心をしたりとか。あとは、やっぱり知り合いとか仲間で見に来てくれてる人がいたので、そういう人を見つけてたりしていました(笑)。

ーーこれから始まる全日本大学選手権に向けて意気込みをお願いします

全日本を優勝するまでがやっぱり目標なので、そこに向けてしっかりと、優勝するっていう目標をぶらさずに、個人としても良いパフォーマンスを残して 、日本一になりたいと思います。

山縣秀(商4=東京・早大学院)

ーー大学入学後初めての優勝となりました。早慶戦2試合を振り返っていかがですか

優勝がかかっている早慶戦でしたが、去年の悔しさをチームとして晴らすことができて、良かったと思います。

ーー2回戦は感極まり、泣いている姿が印象的でした。優勝の瞬間の思いを教えてください

優勝が決まる前に樹がマウンドに上がっていくところでもう泣いてしまっていたのですが(笑)。優勝できてよかったとほっとした気持ちが一番強くありました。

ーー優勝後にOBやお世話になった方からの連絡はありましたか

ありがたいことに、今までにないくらいの通知の量で驚きました。

ーー今季はどのようなシーズンでしたか

チームとしても個人としても良い結果が出たのでよかったと思いますが、個人としては課題も出てきたので、またそれを潰せるようにしていかなければならないと感じるシーズンでした。

ーー優勝パレードや祝賀会はいかがでしたか

初めての経験でとても楽しかったです。

ーー全日本大学野球選手権の意気込みをお願いします

全日本選手権はさらにチームに貢献できるよう、全力でプレーします。

ーー今季の活躍でプロや社会人からの注目度も高くなったと思います。これからどのような選手になりたいですか

これからも、相手が嫌がるような選手を目指して精進します。

小澤周平(スポ3=群馬・健大高崎)

ーー早慶戦が始まる前の気持ちは

優勝が懸かっていたのですが自分の仕事をしっかりして、チャンスで打てるようにしようと思ってました。

ーー試合が始まる前に選手同士でどんなことを話してましたか

自分は印出さんや吉納さんと結構話すのですが、 絶対にちゃんとやれば勝てるって言ってたので、平常心で行こうという風にみんなで話してました。

ーー2日とも多くのお客さんが入ってましたが、応援はいかがでしたか

応援は本当に最高でした。1球1球盛り上がっていて、早大の応援が慶大よりもずっと大きかったと思います。

ーー第1戦は犠打と四球、打席内容を振り返ってみて

犠打や守備もそうですが、そういうチームプレーができたことが大きかったです。四球も今季で7個ぐらいとったので出塁率とかで貢献できてると思います。

ーー第2戦は今シーズン初本塁打を含む4安打猛打賞、打席内容を振り返ってみて

最初の打席で良い感じでセンター前にインコース低めの球を打ち返したので、状態は良いなと思いました。2打席目には、今までフルイングを控えてたわけではないのですが、コンタクト重視で振っていて、2打席目には大きいのを狙いに行った結果、甘い球が来てくれて(本塁打を)打てました。その後に2本安打が出たのが本当に大きくて、全日本にもつながるかなという感じです。

ーーホームランを打った時には吠えていましたが、打った瞬間の気持ちは

打った瞬間いったと思ったので、高校の時の夏の大会のホームランをちょっと思い出しました。

ーー2日目は大雨で5回には中断もありましたが、試合成立への心配はありましたか

印出さんがベンチ裏で絶対試合再開するから、気を引き締めて気を抜くなよっていう風にみんな言っていたので、雨とか関係なく集中してやった結果が大量得点につながったと思います。

ーー昨年の早慶戦ではサヨナラ打、今年は猛打賞と早慶戦に得意という意識はありますか

最終戦ということもあって慣れもあると思うのですが、大きい舞台になると体も良く動きますし、自分の力以上のものが早慶戦では出てる気がします。

ーー試合後のパレードは初めての経験だと思いますがいかがでしたか

最高でした。ちょっと寒かったですけど。多分最初からパレード歩いてた人は多分足疲れていて、倒れちゃうよってなっていたので途中からで良かったです(笑)。

ーー最後に全日本に向けて意気込みお願いします

今まで以上に良いピッチャーやバッターがいると思うので、楽しみながらも自分のやるべきことをしっかりとこなして勝利に貢献できたらなと思います。

石郷岡大成(社3=東京・早実)

ーーまず早慶戦全体の振り返りをお願いします

まず1戦目は、常に早稲田の流れで試合を進めることができ、点差が離れても隙を作らない野球を最後まで徹底できたことがよかったです。2戦目では、慶応にリードされてもすぐ取り返すことができ、雨という悪条件の中でもいつも通りのプレーを全員ができたというところが優勝につながり、良かったと思います。

ーー1回戦の先制適時打を振り返っていかがですか

上位打線が厳しいマークを受ける中で下位打線でチャンスを作り点を取ることができたのでよかったと思います。来た球を素直に打ち返すことだけを意識してやってきたのでそれがあの場面でいい結果として現れてくれたかなと思います。

ーーセーフティーバントの成功もありました

セーフティーは自分の武器としてずっとやってきていることなので、法政戦、慶応戦と大事なところで決められてよかったと思います。

ーー尾瀬選手の犠飛で生還するなどご自身の足を生かしたプレーについて振り返っていかがですか

早慶戦までは正直足を使った走塁というのがあまりできていなくて、早慶戦であの走塁で1点取れたことは大きな1点になったのではないかなと思います。

ーー優勝した瞬間を振り返っていかがですか

大きな大会で自分がメンバーとして優勝するというのは初めてだったのでマウンドに集まる瞬間はとても楽しくて幸せな気持ちでした。

ーー優勝した実感はありますか

試合直後は実感がわかなかったのですが、優勝パレードのときにたくさんの人に沿道から祝っていただいて優勝を実感することができました。
ーー今季を振り返っていかがですか

リーグ戦が始まる前に想像していた自分よりはチームに貢献できたのではないかなと思います。この結果に満足することなく、これ以上の結果を秋以降毎シーズン残せるように努力していきます。

ーー全日本大学野球選手権の意気込みをお願いします

あと4試合勝つと日本一ということで、なんとしても日本一になりたいという気持ちがみんな強いと思うので、その気持ちを前面に出して今まで通り一戦必勝、死に物狂いで目の前の勝利を勝ち取ります。日本一に相応しいチームとなれるようにさまざまなところで準備などを怠らず必ず優勝します。

寺尾拳聖(人2=長野・佐久長聖)

――完全優勝となりました。今の気持ちを教えてください

素直に嬉しいです。

――慶大2回戦で試合を決定付ける二塁打を放ちました。打席を振り返っていかがでしょうか

初対戦の投手だったのですが、監督さんからは「スライダーだけは引っ掛けるな」と言われて打席に入りました。結果的に真っすぐを引っ掛けてしまったのですが、良い所に飛んでくれてよかったです。

――主に左投手との対戦時に起用されてきたなか、右投手からの長打となりました。手応えは感じていらっしゃいますか

良い当たりではなかったので。本当に良い所に飛んでくれたなという感じです。

――小宮山監督は今季の優勝を「守備でつかんだ優勝」と評価されました。寺尾選手も明大3回戦でビッグプレーがありましたが、守備ではどのようなことを意識してきたのでしょうか

自分は(守備が)得意ではないのですが、取れるボールを取る、というところを意識しています。

――シーズン通じてフルスイングが印象に残りました。打席で強く振ることは意識していらっしゃいますか

自分の持ち味は打撃だと思っているので、打席に入ったときは強く振ることを意識しています。

――全日本選手権では世代屈指の左投手と対戦する可能性があります。それらの投手との対戦に向けて意気込みをお願いします

良い投手だからといってこれまでやってきたことは変えずに、センター中心に強い打球を飛ばせるように頑張ります。

――最後に全日本での目標を教えて下さい

リーグ戦では結果が出せなかったので、全日本では結果残せるように頑張ります。

尾瀬雄大(スポ3=東京・帝京)

ーー優勝が決まってから1番うれしかったことは何ですか

一番嬉しかったことは、いろんな人におめでとうと言われたことです。家族とか友達とかいろんな人からメッセージが届いたので、それがうれしかったです。

ーー9回裏の伊藤樹選手の登板はどのように見守っていましたか

樹は本当にシーズン通してすごく頼もしいピッチングをしていて、樹が最後楽に投げられるような展開にできたので、いいところ持っていけという感じで見ていました。

ーー優勝が決まって、マウンド上にみんなで集まった時の様子を教えてください

自分は人生で初めて優勝してマウンドに集まったのですが、他の周りの音が聞こえなくなって、自分たちだけの空間ですごく気持ちよかったです。

ーー個人としては、首位打者獲得、2度目のベストナイン受賞おめでとうございます。閉会式でトロフィーを授与された時はどのようなお気持ちでしたか

トロフィーが欲しくて頑張ってきたので、頑張ってきてよかったなと思いました。

ーー昨秋も優勝が懸かった早慶戦でしたが、比べてみると今季の早慶戦はいかがでしたか

去年は勝ったら逆転優勝という感じでしたが、今回はもう向こう(慶大)に優勝はなくて早稲田が勝ったら優勝だったので、自分たちがやるべきことをやれば絶対負けないなという自信はありました。

ーー2試合通して6安打と大活躍でした。一番忘れられない打席はありますか

一番忘れられないのは、やっぱり(慶大2回戦での)ホームランです。練習でもほとんど打つことがない1年ぶりのホームランを早慶戦で打てて、ずっと頑張ってきたことが良いところで出てくれたと思います。

ーー足元が悪い中ではありましたが、大勢の方と早稲田を歩いた優勝パレードはどうでしたか

いろんな人から、優勝するとすごいことになるみたいなことを言われていましたが、やっぱりすごいことになったなと思いました。日本一になってもう1回やりたいなと思います。

ーー優勝後、周りの方々から声をかけてもらった中で心に残っているものはありますか

帝京高校時代の前田三夫監督から、電話をもらっておめでとうと言ってもらったことがすごく心に残っています。

ーー全日本大学選手権に向けてどのように調整していますか

リーグ戦と同じようにできれば結果は絶対ついてくると思うので、リーグ戦の時とやることは変わらないです。

ーー最後に、全日本大学選手権の意気込みをお願いします

六大学の代表として出る以上優勝しないといけないと思うので、 絶対勝って優勝したいです。

(取材・編集 近藤翔太、丸山勝央、沼澤泰平、廣野一眞、石渡太智、栗原礼佳、富澤奈央、長屋咲希、梶谷里桜、小島大典、田島凜星、林田怜空、本田里音)