吉納副将の2本塁打と伊藤樹の好投で慶大に先勝 完全優勝に王手をかける 

野球
TEAM
慶 大
早 大
(早)○伊藤樹、安田-印出
◇(二塁打)山縣 (三塁打)なし (本塁打)吉納(3回、6回)

 4月13日に開幕した東京六大学春季リーグ戦(リーグ戦)も、最終節・華の早慶戦を迎えた。ここまで全4カードで勝ち点を獲得し、首位を走る早大。このカードでも勝ち点を獲得すれば、東京六大学最多となる47度目の優勝が決まる。両軍のエースによる投げ合いで幕を開けた試合は、序盤から早大が小刻みに得点を重ね、慶大を引き離す。6回には吉納翼副将(スポ4=愛知・東邦)の今日2本目の本塁打などで一挙5点を奪うと、投げては伊藤樹(スポ3=宮城・仙台育英)が8回1失点の好投を見せ、8ー1で圧勝。慶大に先勝し、7季ぶりの栄冠に王手をかけた。

 早大の優勝が懸かっていることもあり、約3万人の観衆が詰めかけた明治神宮野球場。青空の下、エース・伊藤樹が初夏の陽光を浴びながら1回のマウンドに立った。2死から本間颯太朗(4年)に四球を与えたものの、4番・清原正吾(4年)を右飛に打ち取りスコアボードに0を刻む。2回も二者連続三振を含め、三者凡退と上々の立ち上がりを見せた。

先発の伊藤樹

 援護したい打線は2回、1死から前田健伸(商3=大阪桐蔭)が四球を選び、チームとして初めて出塁をする。続く小澤周平(スポ3=群馬・健大高崎)が犠打を決めると、梅村大和(教4=東京・早実)は死球を受け2死一、二塁。この場面で、打席に8番・石郷岡大成(社3=東京・早実)が入った。2球目を捉えて中前にはじき返すと、二塁から前田健が生還。目下売り出し中の男の一打で待望の先制点を挙げた。

先制の適時打を放った石郷岡

 3回は外丸東眞(3年)に簡単に2死を取られたが、3番の吉納副将が変化球をうまくバットに乗せると、打球はフェンスを越えて左翼スタンドへ。左越え本塁打で2ー0として、伊藤樹に大きな1点をもたらす。今季ここまで苦しむ場面も見られた吉納副将だったが、大一番で見事に主軸の役割を果たしてみせた。4回にも安打と犠打で1死二塁の好機をつくると、打席には梅村。ここで梅村は初球を三塁線へセーフティーバントを試みる。不意をつかれた外丸はボールが手につかず失策となり、さらに好機は拡大。試合を決定づける追加点を奪いたい早大だったが、後続の石郷岡、伊藤樹が倒れてこの回は無得点に終わった。

3回に本塁打で生還し、ほえる吉納副将

 しかし5回に印出太一主将(スポ4=愛知・中京大中京)の適時打で1点を加えて外丸を引きずり下ろすと、6回から登板した2番手・荒井駿也(3年)に早大打線が襲いかかる。先頭の小澤が四球で出塁し、犠打と石郷岡のセーフティー内野安打で1死一、三塁。ここで打席には、ここまで快投を見せている伊藤樹。追い込まれながらもうまく右中間へ流し打ち、小澤が生還。エースが自らを援護する適時打でリードを4点に広げた。さらに尾瀬雄大(スポ3=東京・帝京)の左犠飛でもう1点を追加すると、山縣秀(商4=東京・早大学院)が左中間へ二塁打を放ち、再び二、三塁の好機を演出する。迎えるは第2打席で本塁打を放っている吉納。カウント1ボールから甘く入った直球を完璧に捉えて、バックスクリーンへの3点本塁打を放つ。この回5得点の猛攻を見せ、試合を決定づけた。

 大量援護を受けた伊藤樹は、直球とカーブを中心に緩急を生かした配球で、相手打線につけ入る隙を与えない。6回まで毎回の、9三振を奪うなど圧巻の投球を披露。8回に2本の安打と死球などで1点を失ったが、エースとして早慶戦の舞台で堂々たる活躍を見せた。最終回は、初の早慶戦となったルーキー・安田虎汰郎(スポ1=東京・日大三)が三者凡退に抑えてゲームセット。投打がかみ合った理想の試合展開で、慶大に完勝した。

9回に登板した安田

 エース、そして打線の主力が共に躍動して勝利を収めた早大。悲願の賜杯奪還まであと一勝と迫った。しかし昨年は春秋共に1回戦で勝利しながらも2、3回戦で敗れて、慶大に屈していることから、油断はできない。特に昨秋は、あと一勝で優勝という状況から連敗を喫して、涙を飲んだ。主将の印出はそのときの悔しさを胸に刻み、今季のチームづくりに励んできたという。選手たちは入学して以来、いまだ優勝を経験していない。これまでの悔しさを晴らす準備は整った。まだ見ぬ景色へ、チーム全員であと一勝をつかみにいく。

(記事 廣野一眞、写真  沼澤泰平)

吉納翼副将(スポ4=愛知・東邦)

ーー今日の試合にはどのような気持ちで挑みましたか

 必ず勝つという思いと、個人的には少し打率が良くなかったり、チームになかなか貢献できていなかった部分はあったのですが、1回そういった気持ちをリセットして、ただただ、がむしゃらに優勝をつかみ取りに行くという大事な一戦になると思ってたので、なんとか今日取りたいなという気持ちで挑みました。

ーー今日の試合をチームとして振り返ってみていかがですか

 こういった攻撃ができて、ミスもほぼなく点を抑えてというのが本当に理想とした形なので、もっと明日は完璧を追い求めてやっていけたらいいなっていう風に思います。

ーー吉納選手ご自身は2本の本塁打を放ちましたが、ご自身の打撃を振り返ってみていかがですか

 法大戦が終わってからの2週間で自分なりにしっかりと修正ができた結果だと思うので、良かったかなという風に思います。

ーー2本目の本塁打を放った打席の前では、小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)から声をかけられていましたが、どのようなことを話されてましたか

 ここで打ったらひょっとしたらまだ挽回のベストナインもあるかもしれないし、ここでこの春一番の集中力を持って打てと言われたので、それ通りしっかりと打席に入る前から分析してできた結果だなという風に思います。

ーー明日への意気込みをお願いします

 優勝します!