再生への一勝

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 28 21 57
学習院大 GENERALS

 夏合宿中に起こした不祥事の報道後初となる公式戦、対学習院大戦が、9月29日、東京・アミノバイタルフィールドで行われた。不祥事に対する出場停止処分により未だ大きく戦力を欠くなか、57-7で学習院大に勝利。リーグ戦を2勝1敗とした。

パス8/12成功、141ヤード
をマークしたQB政本

 試合会場にはどこか緊張した空気が張りつめていた。学習院大のキックオフで幕を開けたこの試合、早大は立ち上がりに苦戦する。第1クオーター(1Q)3分34秒に学習院大の最初の攻撃で先制TDを許してしまう。続く早大の攻撃シリーズはランプレーを押し込まれ、43ヤードのFGを試みるも失敗。攻守ともに不穏な立ち上がりに「ここで負けたらだめなんだ。1プレーに気持ちこめろよ」――そんな選手の言葉がサイドラインに響いた。

 迎えた2Q、嫌な流れを断ったのはDB田中慶行(政経2=東京・早大学院)だった。相手QBの不用意なパスを見逃さず42ヤードのインターセプトリターンTD。この1プレーがチームを奮起させた。ここから反撃を開始した早大は、課題だったパスオフェンスがQB政本悠紀(創理1=東京都立大付)を中心に機能する。QB政本の脚力を活かしたスクランブルランが有効的に決まり、WR清水隆博(社4=東京・早大学院)をはじめとするターゲットに4TDパスをヒット。走ってもWR橋本嵐(創理4=千葉・東葛飾)を中心に合計262ヤードを稼ぎ、パスとランのバランスがとれた攻撃で開幕2勝目を手にした。

選手たちは試合後観客席へいつもより長く頭を下げた

 2010(平22)年、早大米式蹴球部は甲子園ボウルで完敗し、負けた者だけが知る悔しさを知った。そして「必ずリベンジをし、日本一になる」と心に誓った者が上級生になった今夏、不祥事が起きた。体育会部員として、一社会人としてふさわしくない行動を50人以上の部員がとった以上、チームとして問題を抱えていたことは否めないだろう。社会的信頼を失墜させたいま、当事者全員が不祥事の問題性を認識し、再発防止に努める責務がある。一連の不祥事について「全ての方々に申し訳ないという気持ちでいっぱい。フットボウラーとして、人としての原点に立ち返り、日々を大切にしていくしかない」とLB小松原健主将(政経4=東京・早大学院)はその責任の重さを述べた。しかし、不祥事を起こしてもなお、早大米式蹴球部の再生に期待し、応援を続ける人の姿がきょうもスタンドにはあった。その存在を忘れず、改めてアメフトに対して真摯に取り組む姿をもって信頼回復に努めてほしい。

(記事、写真 生川花子)

★特集

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  • ★得点経過

    TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
    学習院大 1Q RUSH #28 和田 #80 塩津 0-7
    早大 2Q INT #36 田中慶 #4 佐藤敏 7-7
    早大 2Q PASS #5 政本
    →#7 清水
    #4 佐藤敏 14-7
    早大 2Q RUSH #21 橋本嵐 #4 佐藤敏 21-7
    早大 2Q PASS #5 政本
    →#7 清水
    #4 佐藤敏 28-7
    早大 3Q RUSH #49 藤井 #4 佐藤敏 35-7
    早大 3Q PASS #5 政本
    →#21 橋本嵐
    #4 佐藤敏 42-7
    早大 3Q PASS #5 政本
    →#25 仁後
    #4 佐藤敏 49-7
    早大 4Q RUSH #28 井上広 #4 佐藤敏 57-7

    ★スターティンングメンバー


    オフェンス
    ディフェンス
    背番号 ポジション 氏名 学部

    学年
    出身校 背番号 ポジション 氏名 学部

    学年
    出身校
    75 OL 福留悠斗 創理4 東京・早実 55 DL 石井佑樹 人3 大阪・清風
    57 OL 日高英祐 文4 神奈川・鎌倉 90 DL 庭田和幸 創理1 東京・早大学院
    70 OL 長瀬 彗 創理4 東京・早大学院 44 DL 岩谷享右 創理4 東京・早大学院
    56 OL 菅原大蔵 人3 長野吉田 91 DL 早川翔吾 基理3 大阪・明星学園
    69 OL 大町慎太郎 社2 東京・西 40 LB 石川 翔 スポ3 東京・早大学院
    87 TE 柳川 亮 政経3 埼玉・早大本庄 LB 峯 佑輔 教2 東京・早大学院
    28 RB 井上広大 教2 東京・早大学院 42 LB コグラン・ケビン 商1 東京・早大学院
    26 RB 井本浩平 商2 東京・早大学院 36 DB 田中慶行 政経2 東京・早大学院
    WR 清水隆博 社4 東京・早大学院 31 DB 島川秀人 創理3 東京・早大学院
    80 WR 金澤秀明 教2 東京・早大学院 23 DB 河口友樹 商3 東京・海城
    15 QB 佐藤雅哉 政経1 大阪・箕面 32 DB 嶋田幹之進 政経1 東京・早大学院
    佐藤敏基 社1 東京・早大学院 42 コグラン・ケビン 商1 東京・早大学院
    秋季リーグ戦1部Bブロック星取表
       法 大 中 大 早 大 慶 大 専 大 関学大 都市大 学習院 勝-負 順位 勝点
    11/11 10/28 10/21 10/7 9/30 ○79-0 ○99-0 2-0  
    横浜 10/20 10/28 9/30 10/7 ○87-0 ○115-14 2-0  
    アミノ アミノ 11/11 ●12-17 ○39-12 10/7 〇57-7 2-1  
    アミノ アミノ 横浜 ○35-18 〇24-10 〇70-7 10/6 3-0  
    アミノ アミノ 〇17-12 ●18-35 11/11 10/28 10/20 1-1  
    アミノ アミノ ●12-39 ●10-24 アミノ 10/20 10/28 0-2  
    ●0-79 ●0-87 アミノ ●7-70 アミノ 夢の島 11/10 0-3  
    ●0-99 ●14-115 ●7-57 川崎 夢の島 川崎 アミノ 0-3  

    ◆コメント
    朝倉孝雄監督(平3商卒=東京・早大学院)
    ――きょうの試合を振り返って
     専大に負けてから、あれが自分たちの実力だということで、日々の練習の1プレーからもっと闘争心を持って気持ちを出してやるべきだと考えてきました。2週間取り組んできて、日々の練習ではまだムラがありますし、そういう所が立ち上がりの悪さに出たのかなと思います。。
    ――試合前選手たちにはどのような声をかけましたか
     フットボールというのは走って、当たってタックルするというシンプルなものに尽きるので、素直に思いっきりやると。そして学習院大に勝つと言いました。
    ――序盤は浮足立っているように見えましたが
     今は若い選手が多いので、浮足立つとドライブされますし。途中からは落ち着いてできました。
    ――この度の不祥事について
     フィールド上だけではなく、オフフィールドでのモラルについてや、日々の甘さが出てしまったと考えています。どこかでフットボールだけよければよいという考えがあったのかもしれません。
    ――今後の具体的な取り組みは
     挨拶をはじめとする礼儀など、人としてまずは一人一人が取り組むことなど、オフフィールドの所からあいさつなどを徹底していこうと考えています。そしてフィールドできっちりやるとだと思っています。そのために部員との面談や、外部の方を招いた講習などを継続していこうと考えています。
    ――次の試合に向けて
     こうしてフットボールをできているだけでもありがたいことなので一歩一歩やっていきたいです。