【連載】米式蹴球部 新体制特集『Set in Motion』第1回 RB長内一航主将

特集中面

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 第1回は、今季早大BIG BEARSの主将に就任したRB長内一航主将(文構4=東京・早実)が登場する。目標とする日本一へ向けての取り組みや主将としての意気込みを伺った。

※この取材は、4月18日に行われたものです。

ーー大学からアメフトを始めたきっかけを教えてください

 小学1年生から高校3年生まで12年くらい野球をしていました。甲子園を目指せる環境にある早実で日本一を目標にしていたのですが、怪我もあって思い通りにいかない部分があって。高校2年の時は一年間怪我をしていて、高校3年では主務兼選手という立場で活動していました。結局甲子園には出られなかったのですが、大学生になってからもう一度プレーヤーとして活躍したいという思いがありました。新しいスポーツでプレーしたいという思いと、毎年野球部の先輩がアメフト部に入っていたこと、試合を見に行ったり、甲子園ボウルもテレビで見たりして入部を決めました。

ーー始める前と後でアメフトの印象に変化はありましたか

 入部する時は本当に何も知らなかったです。かなり当たるし、野球にはないコンタクトもあってすごく激しいスポーツだというイメージがありました。でもしっかりアメフトを学んでいくと、力勝負だけの部分があっても、それ以上に戦術や一人一人がどのスポーツよりもプレーについて考えていて、それをどれだけ体現できるかっていうことが面白いところでした。これが始める前は知らなかったけれど、面白いと感じた部分ですね。

ーー実際に試合に出場し始めたのはいつ頃ですか

 2年生の春から出場させてもらいました。

ーーずっとRBをやられていると思うのですが、やってみたいポジションはありますか

 身長が高かったらDLとかやってみたいと思います。元々入部する前の高校3年生の頃、甲子園ボウルを見ていた時に当時大学3年生の花宮さん(圭一郎、令6文構卒)と安村さん(充生、令6文構卒)っていうすごくうまいRBの方がいて。それを見てこのポジションをやりたいなとなんとなく思って入部したので、あまりRB以外をやりたいと考えたことがなかったです。でもアメフトを知るとやっぱりラインが面白いなと思うので、体が大きかったらやってみたいかなと思います。

ーー昨年、試合にかなり出場されていたと思いますが、個人としてのパフォーマンスはいかがでしたか

 2年生から少し試合に出させてもらっていましたが、しっかりローテーションの中に入って試合に出るのは初めてでした。エースRBの安藤慶太郎さん(令8社卒)がいる中でしっかり1年間試合に出て、最後関西や法政戦とかで自分の良さを出せた部分はありましたが、最後の立命戦で慶太郎さんが怪我をして、自分がほとんど出ることになった場面でチームを勝たせる走りができなかったなという後悔がある1年でした。

ーー3年間で安藤さんからどのようなことを学びましたか

 0からRBの全てを教えてもらいました。慶太郎さんは身体能力も高いし、足も速いですが、何がすごいかというとかなり考えてプレーしているところです。こんなに才能があってすごい選手でも、試合前や練習中もすごく考えて取り組んでいる。それを知ってから、そこが一番すごいところだと思っています。準備や練習をしっかり考えてやるっていうところを学んだかなと思います。

ーー昨年をチームとして振り返っていかがですか

 去年、荒木さん(延祥監督、平10人卒=大阪・高槻)がヘッドコーチになってチームの練習の取り組みも考え方も全て変わった中で、去年が今までで一番現実的に日本一に近づいたと思います。去年の春に立命館に49ー0で負けてから、秋の試合では春に比べて関西との差はすごく縮まったことを実感しましたし、功能さん(誠也、令8教卒)中心でやっていた取り組みは間違っていなかったという風に思います。

ーー実際に関西勢と試合をして、どこが大きな差だと思いましたか

 やっぱり、結局フィジカル、スピード、パワーの部分で上回られていて、そこの差が一番大きいかなという風に思います。

TDを決めた長内主将

ーー主将になられた経緯は

 自分はそこまでわかりやすくリーダーシップがあるタイプではないですし、去年も全く主将をやろうとは思っていなかったのですが、秋の立命戦が終わって、自分が試合に出る中で勝たせることができなくて。ただ、去年からチームとしてすごく成長していて、日本一に近づく取り組みができている中で、今年もそれを誰かがリーダーになってやっていかないといけない。自分の4年間で甲子園に出ずに終われないと思いましたし、自分が背中を見せて引っ張ろうと。わかりやすくリーダーシップがあるわけではないけれど、背中を見せてチームを引っ張れるのではないかと思って立候補しました。

ーー昨年功能さんのリーダーシップを見てこられてどう感じていますか

 功能さんはリーダーシップのかたまりみたいな人です。メンバー全員が功能さんが引っ張るチームを信頼していましたし安心感のある主将だったので、自分にはない部分ですし結構プレッシャーです。功能さんはすごいなと思います。

ーー昨年の取り組みから引き継いでいきたいこと、または変えていきたいことはありますか

 去年やってきたことは間違えていないし、荒木さんに変わってからやってきたことを、今年も引き継いでしっかりやっていくことが大事だと思います。日本一になるために、急にこれをやったら強くなるっていうことはないと思っていて。毎日毎日日本一にふさわしい行動を重ねるしかないと思いますし、それによって去年は日本一にすごく近づいたのでそこをしっかり続けたいです。自分は今年、誰よりもフィールドに立って、日本一にふさわしい行動っていうのを示していくことが自分にできることだと思います。プレーでも引っ張って、リーダーとして引っ張っていくことを頑張りたいです。

ーー副将になった二人に期待することは

 自分は話がうまいわけではないし、リーダーシップがすごくあるわけではないので、そういう部分でサポートをしてほしいという風に思います。今年は日本一への取り組みをしていく中で厳しい言い方で周りに求めていくこともありますし、変えていく上で必要なことだと思っています。とはいえ、突っ走って行くだけではチームとしてまとまらないので、フォローアップしてほしいなと思います。

ーー副将の二人との関係性はいかがですか。特にDL北村副将(玲應音、文構4=東京・早実)とは中高も同じかと思います

 中高ともに毎年クラス替えがあって8クラスくらいなのですが、北村とは6年中4年くらい一緒のクラスで、部活も3年間一緒でした。大学でも同じ文化構想学部ですし、同じ寮に住んでいるので本当にずっと一緒にいます。一番自分のことをわかっていると思うので、一番信頼している部員かなと思います。WR平山(琢生副将、スポ4=千葉・県立匝瑳)も同じ寮に住んでいます。平山は誰とでもコミュニケーションをとれるし、後輩とも全員仲がいいという感じなので、フォローアップの部分で信頼しているし、アスリートの部分でも、日本一になる上でフィジカル面でチームを引っ張ってくれているので、そこも信頼しています。

ーーオフシーズンでチームとして主に取り組んできたことは

 去年負けた立命館に勝つには、フィジカルの部分で勝たないといけないっていう面が間違いなくあります。この3、4ヶ月くらいは技術というよりはフィジカルの部分を徹底的にやってきていて、去年のチームより強いフィジカルで春をスタートできていると思います。

ーーオフシーズンで一番成長したと思う選手は誰ですか

 本当にオフシーズンはウエイトばかりしてきて、OLがかなり体重が増えました。ウエイトの測定会があるのですが、4年のOL阿形(淳生、スポ4=早稲田佐賀)が1位で、体重も増えてきているし一番頼りになるOLかなと思います。

ーー個人としてオフシーズンに取り組まれたことは

 自分はスピードが武器で、そこは関西や強いチームに対しても強みだと去年思いました。スピードを保ったまましっかりフィジカルを上げていく。ウエイトトレーニングに取り組んで、去年の秋より体重も4、5キロくらい増えましたし、ウエイトの数値も伸びたので、ウエイト面をしっかりできたかなと思います。

質問に答える長内主将

ーー早慶戦が控えていますが意気込みはありますか

 慶應だからどうということはないのですが、自分たちが積み上げてきたものをしっかり出せれば勝てる相手だと思っているので、取り組んできたフィジカルを発揮して秋につながる試合にできたらなと思います。

ーー早慶戦以外の春の試合で重視している試合はありますか

 関西勢との試合ということで、早慶戦の次の次の週にある関大戦です。去年も一昨年も勝ち切れていないので、春の段階で関大相手にしっかり勝って春を終われたらなと思います。

ーー個人としての目標はいかがですか

 秋の甲子園でMVPを取ることです。日本一になるには最後に自分がMVPをとれるような活躍をしないと勝てないと思うので、そこを目標にやっていけたらなと思います。

ーーチームとしての目標もお願いします

 もちろん日本一が目標です。

ーーありがとうございました! 

(取材 吉川柊真 、大村谷芳 編集 河野紗矢) 

◆ 長内一航 (おさない・いっこう)

東京・早実高出身。168センチ。85キロ。文化構想学部4年。RB。本を読むのが趣味で、特に江戸川乱歩の本がお気に入りだそうです!