【連載】 早慶クラシコ前対談 第10回 木庭正太郎主務×中根大晴トレーナー×髙見真史マネジャー×伊藤未羽マネジャー×永戸彩花マネジャー

特集中面

対談第10回はア式を支える学生スタッフ陣から、四年生である髙見真史マネージャ(人4=埼玉・栄東)、中根大晴トレーナー(スポ4=愛知・豊田北)、木庭正太郎主務(商4=東京・早実)、永戸彩花マネージャ(商4=新潟・長岡)、伊藤未羽マネージャ(文構4=千葉・東葛飾)の5人。

――最初にお互いのことを紹介してください

 高見 大晴は学生トレーナーで、愛知県のみよし市出身です。ア式のトレーナー兼フィジカルコーチでア式の選手からも首脳陣からも信頼が厚いし彼がア式の選手の身体を作っていると言っても過言ではないかなっていう人です。人としてはリントコーヒーっていう、東伏見駅に向かっていって、鳥居のところの松屋の通りにカフェがあるんですけど、そこに入り浸ってます。そこの店主の人と仲良くなって店主の人がア式のことも好きになってくれて、この前もすれ違った時に面識ないのに、覚えててくれてそんぐらいア式のことが好きになってくれて。それは大晴がよく通ってるからっていうのもありますね。つまり、東伏見を満喫しているなっていう感じです。 

中根 じゃあ、僕は木庭君を紹介するんですけど、木庭君は今年主務として、チームをしっかり引っ張ってくれているっていうプラス、Iリーグ(インディペンデンスリーグ)のキーパーで、選手としても活躍をしていて、試合に応援に行くと毎回スーパーセーブしてるんで、試合見に行くの楽しくて、みんなも応援をめっちゃしてて、みんなから信頼が厚い、 選手であり、主務であるっていう2つの面があるスーパーな人っていう感じです。 プライベートのところは自分は、あまり選手とプライベート過ごさないのでわかんないですけど、ただ、木庭は、チームのベンチにスタッフチームとして入ったりとかっていう面があるんで、試合後、ご飯に行ったりはするんですけど、チームのことを第一に考えてくれていて、とても熱いなって思います。 

木庭 永戸さんは特に早慶戦のところで本当にすごい動いてくれるので、永戸が居ないと早慶戦できないぐらい、全方面で活躍してくれているし、1個聞けば全部返してくれるぐらい、本当に信頼できる感じだなと思います。 一方で学生としての、本分である学業のところはちょっとどうなのかなっていうのはあります。 

一同 笑 

木庭 なんかいろんな人に助けてもらっても単位取れないぐらいの、ちょっと怪しい感じになっているのと、卒研受かったのも何回も受けてようやく取れたみたいなことです。そういう面も含めて、人間味もあって、かつ信頼できるマネージャです。 

永戸 未羽の1番すごいのは、時間が1日24時間以上あるようにしか見えないっていうぐらいバイタリティがすごいし、時間の使い方みたいなのがすごいスッキリしてて、ア式の仕事もほぼ手出してるみたいな感じです。なんでも未羽に聞けばいろんなことがわかるとか、選手からの質問だったりもすごい信頼されてるなって思いますし、その他にも、授業ももちろんですけど、自分の興味関心あるインターンだったりとか、そういうところもしっかりやってて、大学生活の充実度っていうか、自分を成長させようっていう能力だったり、行動する心が本当にすごいなと。足りないところとしては、プライベートの時間があまりなくて充実はちょっとあんまりしてないかなっていうところですかね。(笑)

 伊藤 高見は去年単独で記事も出てるんで、動きとかは知る人ぞ知るになったと思うんですけど、個人的には審判部門の部長としてっていうところがあって、他のところは割と出てると思うんで、そういうところも含めて、そのピッチの中のこと、サッカーチームとして回していくみたいなとこで重要になってるかなと思ってます。

対談中の高見(左)、中根(中央)、木庭(右)

――改めて今の皆さんのお仕事を教えてください 

 高見  僕はチームのサッカーに関わるところを聞いて、練習とかであったりとか、試合とかの荷物の用意もそうだし、あとは遠征の手配とか、今年総理大臣杯なくなっちゃったんすけど、去年とか一昨年とかはその準備をしたりです。あとは、これはチームから言われてるわけじゃないんですけど、選手のスパイク準備したりとか、審判部として審判やったりとかっていう感じが多いですかね。

 中根 自分は学生トレーナーっていう役職なんですけど、主にフィジカルとかコンディショニングとかそういうところを将来的にもやりたいっていう風で、今はメインはフィジカルコーチっていう立場で見させてもらってて、仕事としてやってるのが、日々のウォーミングアップの全カテゴリーのテーマ付けだったりとか、どういう流れでフィジカルに関するトレーニングを進めていくかっていう予定を立てたりとか、筋トレの仕事をしたりとか、個別でトレーニングを見たりもしますし。 あとは、GPSのデータをまとめたりとか、そういうデータに関することをやったりとかをしてます。学生トレーナーっていうところで、両方見てはいるので、練習前にテーピング巻くとか、あとは、リハビリ見たりとかっていうのもしながらという感じでやってます。 

木庭  自分は主務っていう立場はあるんですけど、何やってるかって言われると、実働はみんながやってくれてることが多いです。例えば、早慶戦とか試合運営とか合宿の手配とか、夏合宿は自分の方でやったんですけど、遠征だったりとか、分担してもらってる分を全部まとめて監督に伝えたりとか、外部に話したりとかっていう、1番全部の分野の統括みたいな立場で、やってる部分が1番浅く広く見れている立場なのかなっていうところは自分的にも意識してますし、そういうところはちょっと考えながら主務という立場はやってます。 選手としても活動してるので、そこのメリハリとか、ピッチ内のイライラをピッチ外で話さないとか、逆もそうですしなんかそこの住み分けみたいなのはちゃんとやろうかなていうのは、意識してしてます。 

永戸 早慶戦は去年に引き続き突っ走らせていただいて、それ以外のところだと、大学に関わるところだったり、OB会だったりっていう硬い仕事がメインかなって。去年、一昨年は100周年事業とかで、2年間ぐらいは結構動いてやらせてもらってたんで、割と今は暇だなみたいな感じです。 

伊藤  試合的なところだと、関東リーグと大学の間に入ることが今1番責任の多いところはそこかなと思っていて。ただ、逆にそれ以外の部分は広報、画像編集だったりとか、社会貢献とかのスポンサーとかをマイナスにしないっていう、どれだけ自分が考えてプラスにしていけるかみたいなところを、割と自由に動かせてるのはあります。だから、試合というよりも、サッカーチームとして成立させるっていう部分と、チームの価値をどれだけ上げていけるかなっていうところです。 

 ――今季ここまでをそれぞれの立場、観点から振り返っていかがですか

伊藤 なんかすごくその4年生の立場っていうのは難しいなっていうのはあって。それこそよく集まってミーティングとかしてますけど、なんか優しさと甘さって紙一重だなとか、この今まで私たちが見てきた先輩とか、特に2個上の存在とか、すごく尊敬して見えていた中で、それを見て自分たちが下にどうそれを伝えていくかみたいなところが難しいです。監督からも4年生がどれだけ下に引き継げるかが、ラストイヤーは本当に至上命題でやってほしいことって言われてて、それをなんとかバランス取って、主導権持ってやってくところと下に引き継ぐところっていうバランスがすごく難しいなっていうのは思います。ここまでの感じっていう部分で、チームとしてはアミノ(アミノバイタルカップ)負けて、今現時点でリーグ2位で、折り返してますけど、元々日本一っていうのを目指してる中で、その大会に出られなくなってしまったっていうところは、引きずってはないですけど、それが悔しいなっていうのは思ってます。ただ、そこを負けてしまった以上はもう切り替えて、早慶戦、リーグに一丸となってやっていくしかないかなって思うので、それを選手だけのことにするんじゃなくて、4年のスタッフだけじゃなくて、スタッフ今25人以上いて、大所帯になってきたので、スタッフから雰囲気を作ってみんなで勝ちに行くっていうのは大事かなって思ってます。 

永戸  チームのところから行くと、学生スタッフが本当に年々かなり大きくなってきてるって中で、ア式の学生スタッフ像っていうのもなかなか引き継いでいけてないっていう現状があるところが、難しさをやっぱり4年としてすごく感じていると思ってます。マネージャに限った話だと、去年からこの3人でいろんな仕事だったりを回してきた中で、去年感じた反省点だったり、失敗、悔しさだったりっていうのも、今年どれだけ解決できるか、表現できるかっていうところを、自分自身思いながらここまでやってきて、早慶戦に限っては、当日を迎えてみないと正直何もわからないところはあるんですけど、その去年の自信も悔しさも全部生かして活動できたらいいかなと思います。さっきの続きで、なかなか伝えていくのが難しいっていう中で、後輩たちと1人1人ゆっくり話す時間を作ったりしながら、自分たちがいなくなっても強い学生スタッフ像っていうのを、繋いでいくのが自分たちの役割だと思ってるので、そこをうまくできるように頑張っていきたいです。 

木庭 なんか総じて4年生っていう期間が結構あっという間だなと感じてます。今まで下級生だった時に4年生を見てきて、もうちょっとこうすればいいのになとか漠然と思ってたことが、自分たちが今できてるかって言われると、ピッチ内の違いでもまだまだ全然できてないんだろうなっていうのは思っていて、そこに日々難しいなって、どうしたらいいんだろうっていう、その悩みは尽きないなっていうのは感じています。例えばサッカーのとこだと、前半はうまくいったけど、最後の方になってきて流れが崩れてきて、アミノみたいな形で負けるだったりとかで、振り返ってみると、ここ甘かったよねとか、ここが隙だったよねっていうのが出てきてしまってるのが、まだまだ弱いとこだなっていうのはピッチ内のところは感じていて、そこをどれだけ無くせるかっていうのは、やっぱり後期のその厳しい戦いになっていくためには、もっと4年生、特に今試合に出てるのメンバーもそうですし、下からの底上げもそうですし、客観的に見えているスタッフたちもそうですし、全員がもう少し手当たり次第やっていかないといけないかなっていうのは思ってます。で、ピッチ外とかっていうところだと、早慶戦とか大きいところに関しては、もっともっと形にできるところを多くして、自分たちは最後なので、いいものを作って自分たちが出ていくっていうのもそうですし、こういうものだよっていうのも、なんかうまく伝えていくっていうのも自分たちの使命だと思うのめ、そこをうまく両立しながらやっていくために、いい感じに8月17日を迎えられればなっていう常に思います。

中根  自分が振り返っていたところでは、色々と遠征行ったりだとかで、東伏見とは別の場所でたくさん活動したっていうのが、刺激をたくさん得られたプレシーズンだったっていうのは思っていて。特にドイツはほんとに海外遠征で初めて行ったところで、社会人スタッフがいないっていうのがあったので、自分1人で、しかもデンソー(デンソーカップ)組は次の日に合流するっていう中だったので、先に行ってる高見と彩花にも見てもらいながら、どう選手と合流するかっていうのはちょっと難しかったなっていうのはあるので、次行くとしたらどうできるかなっていう反省もできました。今後、自分としてはサッカーに携わり続けたいなっていうのがあるので、そういうことがあったら将来のそういうところで出していきたいです。デンソーカップでは今までやってきたことの応用を出すかだと思っているので、そこで自分が今まで学校の授業で学んだことだったりとか、社会人の方から学んだことを、どうやって自分が応用してチームに貢献するかっていうのを考えながらやったんですけど、できた部分もありましたけどなかなかできなかった部分も多いので、そこは前期で克服していこうってプレシーズンに考えて前期過ごしてました。前期のシーズンで言えば、リーグは調子が良かったと言えば調子が良かったなっていう風に思いますけど、勝てた試合、負けたけど勝てた試合だったりとかっていうのはあったんで。林先生が「勝ちに不思議あり、負けに不思議なし」とおっしゃってるように負けた試合には必ず原因が的確なものがあって、それは戦術だったりとか、選手のパフォーマンス以外にも、そのパフォーマンスに関わるコンディショニングだったりとかっていうものも必ず関わってくると思うので。自分は試合に勝っても負けても反省点をコンディショニングとかそういうトレーナーに関することで出すようにしていて、それが去年まではできていなかったことなので、今年自分として推進できたのはそこかなっていう風に思ってます。あとは来年以降自分がもういなくなるっていうことがあるので、去年、一昨年からフィジカルをメインでやらせてもらってる中で、自分が全部やっていたっていうのもありますし、自分も挑戦していかないと学びが得られない工夫で自分がメインになってたんですけど、それを来年以降残していくってなった時に、後輩たちにうまく伝えていかないといけないっていうのがあるので、そこをもっと前期にやりきれなかった分野でやっていかないといけないなっていうところです。 

高見 そうですね。自分がここに来て4年目、1番いいシーズンをしてもらっているなって。 2位で折り返してってそうだし、この4年間、前期でこんなに勝ったチームもなかったしそういう意味で本当に選手たちにはかなり感謝しています。きついことをやりながら戦ってくれていて、それで連勝もあったし、素晴らしくなったなっていうのは思ってます。プレシーズンあんまり結果が出なくて、そのままシーズンに入っていくっていうので、結構しんどくて、すごい不安だったし、それも少し話も出ましたけど、ドイツへ行くとか関西行くとかもあったので、ちょっと慣れないことも多くて、そのシーズン勝ててないことに対して、結局俺たちの準備が良くなかったんじゃないかみたいなことを気にすることはありました。実際うまくいかなかったこともあるし、選手の負担も結構多かったので、そこは非常に申し訳なく、ちょっと力不足だなって感じるところが多かったです。やっぱり3月とか結構きつかったんですけど、でもシーズン始まってみると、ほんとに選手が頑張ってくれました。2位ですけど、総合的には素晴らしいです。でも、負けた場面もありましたし、日本一を目指していた中で、総理大臣杯出られなくなったっていうところは、4年生として非常に責任を感じてるし、できたことはまだあったんじゃないかなっていう反省点はいっぱいあるんですけど、これを教訓じゃないですけど反省して、やることが(リーグ戦)1本になるので、2部優勝・1部昇格っていうところに向けて、本当にシンプルなんで、そこに向けてやっていくっていうところが定まったので頑張りたいです。 

対談中の永戸(左)、伊藤(右)

――今シーズン特に印象に残ってる出来事、何かあれば教えてください

永戸 年始の100周年祝賀会です。自分がすごく運営に携わったっていうのももちろんあるんですけど、偉大なOBの方々がたくさん集まられた中で、やっぱり早稲田が2部ではいけないっていうこと、厳しい言葉を本当にたくさんの来てた方からいただいたっていうところで、そこで選手も何人か幹部メインで出てたんですけど、そこの言葉がすごく本人たちにも刺さったのかなって思います。そこで1つチームの雰囲気が変わったことが、スタートダッシュうまくいった1つの理由なんじゃないかなって思っています。

伊藤 この間のアミノの国学院戦ですね。個人的にすごく悔しいなっていうのが、暖(FW瀧澤暖、スポ4=北海道コンサドーレ札幌)の1ゴール1アシストを、めでたい試合にできなかったことがすごく悔しいなって。あれだけ本人苦しんできた中で、ちゃんと結果が出たのにそれをなんかチームで祝福してあげられなかったのが、すごくなんか切ないなって思ってたのと、あとは、負けて帰ってきて、それこそ社会人組Iリーグ組とか、怪我で休んでるメンバー、アミノ杯から続いていく試合を望んでいたメンバーに良い報告ができなかったっていうのは、ある意味この3年半で一番悔しいなって思います。でも、そういうのも含めて、あの試合は忘れちゃいけない試合だと思うし、今後残っていくなっていうので、ちょっとまとめ方は難しいんですけど、すごく高い授業料はそこで払ったなと思ってるんで、もう後期で本当に1部昇格じゃなくて2部優勝するっていう、2位じゃなくて、ちゃんと優勝して、昇格して、後輩たちに1部の舞台を残すっていうのを改めて思わされたなっていう意味で、あの試合がすごく1番いい印象になったなっていう風に思ってます。 

中根 ドイツのビールがうまかったです。

ーー面白い遠征でしたね

中根  ドイツでホテルのランドリー借りたんですけど、乾燥機が2分で止まるんで全然乾かなかったです。あとシャワーですね。 ドイツの中で試合して、24時ぐらいに宿舎に帰ってきたんですよ。普通にシャワー入るんだけど、10分ぐらいするといろんなところから悲鳴が上がってきて、どうしたって聞いたらシャワー水しか出ない。 最初の方は多分タンクに、お湯が溜まっててあったかいんですけど、10分ぐらい使うと水になって、2月のドイツの中でコールドシャワーをあびるっていう事件がありました。そのホテルに言って、わかった対応するって言われて、対応してもらったんだけど、結局日付変わるタイミングでお湯の元栓を閉めるみたいで、結局ずっと冷たかったです。

木庭  マジでなんも出てこねえよ。みんな言っちゃったもん。

高見  ドイツ遠征だと、笹木大史(商4=早大学院)であります。「今のスパイク0.5センチぐらいでかいと思ってるんだけど、触ってみたらもっとでかくて、そのでかいスタイプをちっちゃくする方法はないか」と聞いてきた事件がありました。ないです。 

木庭 自分が印象に残ってるのはプレシーズン、自分はカテゴリーが違うんで、トップの試合は見てなかったんですけど、練習見て、試合負けて帰ってきて、トップのみんなに会って、今日駄目だったよみたいなことか、風呂とか飯とかで、どうすればいいかなみたいな。みんなで悩んで話してて、城西大との練習試合の山市(MF山市秀翔主将、スポ4=神奈川・桐光学園)の話を聞いてたし、そっから徐々に変わってたっていうのは知ってたんですけど、自分の目で関東の開幕戦(1節・神大戦)の舞台で、ああいう形で勝てて、そこでみんながほっとした顔してたのが印象に残ってて、そういう苦しい中で勝てたっていう体験ができたのが1つよかったかなっていう思います。 

中根 僕個人として今年1番嬉しいのは、江田くん(裕基、令4スポ卒・現ア式蹴球部トレーナー)が帰ってきたことですかね。江田くんは僕が1年生の時、4年生で、江田くんはその4年生の時に前十字靭帯を切ってしまって、手術をしたこともあってなかなか一緒になることができなかったんです。それでも去年ゼミでコミュニケーション取って、今年からア式に戻ってくれてくれるっていう風になって、僕はもうすっごく嬉しくて。江田くんと公式戦のベンチに入れたことに僕は感動しました。

――去年の早慶クラシコを振り返ってみてください

高見  4ー0じゃないですか。シンプルに国立で宿敵を倒したっていうのは大きかったです。前期負けてた中でその相手に大勝したのは最高でした。

中根 声が聞こえないレベルの歓声です。西が丘(味の素フィールド西が丘)は外じゃないですか。国立ってちょい中ぽくて音の迫力がすごくて、アップの時のその応援とか、声もすごいから、こっちの声が全然届かなくて、ほんとにそれはすごかった。

永戸 運営のところで行くと、さっきも言ったんですけど、自信と反省のところ両方得られたなって思って。自信のところでいくと、100周年の節目の時に国立競技場で開催できたっていうところ。すごく最初はいろんな要求があって開催が難しかった中で、まず開催までこじつけられたところ、そして1万人っていう1つの問題を自分たちの力で取ることができたっていうのは、自分にとっても大きかったですし、去年の主務公平くん(北村公平、令7文構卒)と、3人で本当に頑張ったので、そこが1つ形になったっていうのはすごく嬉しかったなって思います。ただ、やっぱり運営面でまだまだ自分の力が足りてなかったところだったり、観客数で1万人で止まってしまったっていう考え方も自分の中ではあって、そこでのいろんな得られた反省だったり学びっていうのをちゃんと今年に活かしていきたいなって。

伊藤 私はちょっと違う視点でいくと、早慶戦当日の船越嶺(令7人卒)と試合前のサッカー教室に出てたスタメン佐々木奈琉(副将、社4=新潟・帝京長岡)。これってなかなか外にないと思うので、あえて言うとコシくん(船越)が、みんなの期待を背負ってて去年今の2年生とかが船越くんの姿はBチームの選手に希望なんだよって言って、そこまで言わせる彼が運営陣の一番早い集合に来たりとか、奈琉もスタメンだったけど、その前のサッカー教室来てくれて、試合終わった後に、俺はあそこで試合してマネージャとか運営陣の頑張りが報われてよかったって、試合中に4ー0になった時に思ったって言われました。選手がそういう姿を見せてくれるっていうのが、そこに早慶戦をすることの価値、公式戦じゃないけど、全部かけてやった早慶戦の価値ってそこにあったのかな。私はそれを見てて、サイドメンバーがめちゃくちゃ当日悔しい思いをしながらもめちゃくちゃ動いてくれたりとか、そういうのも含めて、そういう姿がすごいって思うのもそうだし、中心になってやってきた人のこういう言葉とか行動とかが、みんなの中に現れてるんだなっていうのはすごく思う。なんかそれが見えたのは嬉しかったかな、なんかちゃんと伝わってるんだって、なんかちょっと不思議な感覚で。それを見られたのが、私もすごくその2人の行動含めて勇気もらいましたし、よかったなって思います。

木庭 自分は、主務として挑んだ中で、正直自分が何ができたかって、今振り返ってみるとほぼなんもしてなくて。確かに早慶戦のパンフレット作るために協賛の方々にお願いしたりとか、自分で電話かけたりとか、1年生の時に比べて自分の行動は変わったと思いましたし、それが形になって嬉しかったなっていうのもありますけど、まだまだなんかもうちょっとできたんじゃないかなっていう。それは自分の行動をもっとやっていれば、もうちょっとお客さん入ったとかの自分の後悔とか、なんか反省とかはかなり高かったかなっていうのは振り返ってみても思うところです。あとは、当日の2週間ぐらい前にも脳震盪になって、すごい頭痛い中で早慶戦、ベンチ入ってて試合途中で1万人っていう数字が出た時の公平くんの顔はやっぱ忘れられないな。なんかアップして、その観客数が出た時にみんながカオスになったんですけど、そこまでの熱い思いを自分も持ちたいと思いましたし、なんかそういう思いを持って1つの物事に取り組めるのが早慶戦だと思うんで、そこに自分はチャレンジしたいなっていう思いです。

 

――今のお話に結構重なる部分あると思うんですけど、皆さんにとって早慶クラシコとは舞台はどういう舞台ですか 

木庭 自分は早実出身なんで、高1の時に半ば強制的に早慶戦を見に行って、実際ただの試合だと思ってたんですけど、その試合を見て、ここでサッカーがしたいと思ったし、これを作りたいと思ったし、そういう夢とかなんでしょう、憧れみたいなものは。漠然とそこで、この部に対してとか、この早慶戦っていうものに対してのそういう思いは自分が見たときの等々力の早慶戦からあるかなと思ってて、それをもっと大きくして、今まで早慶戦を見たことない人だったりとか、一般の早慶の学生だったりとか、そういう人たちに見せたいですし、少しでも早稲田大学ア式蹴球部とかに入ってくれる人がいたらもちろんのこと、サッカーが好きになってくれたりとか、大学サッカーに興味持ってくれたりとかていう、いろいろな思いを膨らませられる空間っていうか、場所なのかなっていうのは思います。

中根 マネージャーとか、選手が早慶戦にかける思いとか仕事があって、早慶戦はマネージャは本当に運営とかで懸ける思いがすごくて、選手に関しては、やっぱり1万人が入るような試合っていう面でいくと、多分大学サッカーで1番見られる試合になるっていうところで、その中で結果を出すっていうのは選手としてもよいことだし、そうすることでマネージャとかみたいに、やってくれた人たちが報われるっていうすごい重要な試合だと思ってます。そうするためには自分たちトレーナーが、選手のその試合を、公式戦ではないですけど、最高のパフォーマンスができるようなことをしていくっていうのが求められるし、早慶戦に対して良い準備ができたら良い早慶戦になるので。僕に関しては、別に何かそこで成果として大きなものが見えるとかはないですけど、結果として早慶クラシコっていうものが、よいものができるように陰で支えていきたいなっていうような思いです。

高見 憧れとか、誰かの目標とされる場所です。木庭が言ったようなのもそうですし観にくる人たちに対して何か心を動かすような、届けられると思うし、多分そこに歴史があって、76回にもなった早慶戦になってるわけで、お互いの部の歴史を背負ってるし、プレイする人以外で、観客とかの見てる人の人生を変えてしまう試合って、多分Jリーグとかワールドカップとかそんなに多くないと思うんですよ。さらにサッカー、スポーツ全体に対してもそうですけど、そういう誰かの人生をずっと変えてしまうようにできるだろうっていう試合だと思うので、そこは学生スポーツの良さもあるし、ありきたりですけど特別な場所だなっていう感じです。

伊藤 私もなんか一言でまとまりはしないんですけど、私はチームのみんなの嬉しそうなところを見るのが好きなので、それがいろんなところで見れるのは早慶戦かなと。そういう意味で、私にとっても特別な場所だなと思ってますなんか個人的に将来わかりやすいことで言うと、プロでこれからのサッカー界で生きていく選手にとって人生で印象に残ってる試合の中で、早慶戦が上がってほしいなと思ってます。それこそ代表になった山市が1番印象残ってる試合は早慶戦ですって言ってくれたら、多分それが早慶戦で成功の1つの形かなと思って。例えばサッカーが好きで好きでたまらなくて、別に早慶戦も自分の長いサッカーの人生の中のほんの1試合でしかない。別にそんなに特別な思いはないっていうメンバーも入れていると思う。そのメンバーに早慶戦に出たいって思ってほしい。せっかく早稲田に来たんだから、そこに対して特別な思いを持っていってほしいし、そういう舞台を運営の一員として進めたいなと。ちょっとあんまりまとまりがないんですけど、だから、みんなにとっても特別な場所になってほしいなって思ってるのが、私の思いです。

永戸 一言で言うと、夢が2個があって、1個目が高校時代からの自分自身の受験生時代の話で、第2志望の合格が早稲田の受験よりタイミング的に前で、そこもずっとE判定で、第2志望なんですけど、受かっただけでも奇跡って感じで、ちょっと心がぷつっと切れちゃいそうなった日がありました。その時に、「それでも絶対私は早慶戦をやりたい。頑張れ。」って書き残してるものを、ちょっとこの前久しぶりに見返した時に読んで、あの時の自分の、本当にまっすぐな純粋な気持ちを思い出せたというか、その時の自分の夢の舞台でもあるし、ほんとうに擦り切れるぐらい見た等々力の早慶クラシコの動画があるんですけど、ずっと擦り切れるぐらい見たその夢をその場所で今年開催できるっていうのは、本当に奇跡というか、ありがたいこと。だからこそ、その夢の舞台で負けるのは嫌だなって。2個目が、次の夢の舞台が待っているという意味で、自分自身今後またサッカーの舞台で、1つかなえたい夢があるんですけど、そのためにもこの早慶戦を成功させる。自分自身精一杯でやりきって最大の成果を出すことがまた自分自身の人生にも繋がるんじゃないかなって思ってるので、本当にいろんな人が遊びに来てくれて、いろんな人のおかげで成り立って、早慶戦を自分の力を出しっ切って、後悔なくやってみたいなと思います。

――早慶クラシコとここから続く後期リーグ戦への意気込みを1人ずつお願いします

木庭 早慶戦とかリーグ戦を問わず、ほんとに全てが最後になるので、自分の中でもそうですし、みんなの中でもやりきったと思いたいです。おそらく後悔とか反省とかも出てくると思うんですけど、それでもやり切ったところの方が多かったと思えるような早慶戦にしたいですし、後期リーグ戦にしたいなって思ってるのと、やっぱり勝負の世界なんで、早慶戦もリーグ戦も勝って、今までのいろんな辛い思いとか厳しい練習とかがしっかりと報われるように、そこまでによい準備したいですし、本番とかリーグ戦の一戦にも、自分たちの努力が報われるような、試合をできるようにしたいなと思います。個人的にはもう絶対ケガしないで最後までちゃんと突っ走って、しっかりサッカーから引退していきたいなと思います。

中根 早慶戦に関してはプレーする人に関しては、多分サッカーを好きで始めたことだと思うし、運営とかを率先してやってくれる人も、それがやりたいっていう風で仕事してるし、見に来てくれる人も試合を楽しみに来てると思うんで、全員が特に運営の人とかはきついと思うけど、楽しんでほしいなって。その1日を楽しんでほしいなと思ってます。自分も最高に楽しむつもりでいるんで、早慶戦に関しては楽しむっていうことで。後期に関しては、本当にもう負けられないし、ここ2年間2部から1部に上がれてないっていう中で、絶対に今年上げなきゃいけないっていうところと、また日本一っていうのもない中で、ただ上がるだけではいけなくて2部優勝して、1部に上がることが絶対に必要だと思ってるんで、それに向けて、まずはあと2ヶ月ぐらいを、プレシーズンが1番フィジカルコーチの役割って意味では大事なところになると思うんで、まずはしっかりやっていきたいなっていうところと、試合が始まったらそこで落とさないように、自分は選手が最後までできるように、自分がやれることを続けたいなと思います。

高見 早慶戦プラス後期11試合全勝。これだけだと思いますという、勝てば目標達成できるしあと、それは普段からしても支援してくれている人たちに対する恩返しになると思うし、全部勝って優勝して昇格することが今4年生としてできる後輩への贈り物だと思うので、またこの一部という場所で、また新しいア式の歴史を作っていってもらえたらなという風に思うし、その最初の一歩になりたいです。

永戸 早慶戦は本当に自分の4年間の集大成なので、ここまで一緒に活動したり、いろんなことを支えてくださった先輩たちだったり、日々関わってくださる方たちだったり、自分をずっと支えてくれた家族だったり、友人たちへの感謝というのを最高の舞台を作り上げることで示せるように、最後まで本当にやり切りたいなと思ってます。後期については、自分はマネージャとしてサッカーに関わるのはこのクラブで最後って決めてるので、高校から続けてきた7年間の集大成として、本当に何一つ後悔が残らないように、何としてやっていきたいなと思ってます。

伊藤 色々あるんですけど、なんか私は最後、私の仲間はすごいでしょって、引退したいなって。それは同期に対しても、後輩に対してもです。同期もそうだし、後輩に対しても本当に思っててすごいなって言ってもらいたいなって思って。でもそれってここはサッカーチームである以上サッカーで勝った時に思えるし言えると思います。私はマネージャっていう立場で、直接勝利に貢献をするところはないんですけど、それ以外の部分だと、早稲田のマネージャっていうところの質っていうのは後輩たちに引き継いでいかなきゃいけない部分があるので、その先頭でその質を示すっていうところについてはこの4ヶ月手を抜くつもりはないので、 勝つ確率を上げるようなマネージャ像っていうのを改めて本当に4か月目指していきたいです。

♦︎髙見真史(たかみ・まさふみ)

埼玉・栄東高校出身。人間科学部4年。ア式を陰から支えるマネージャであり、審判部部長。

♦︎中根大晴(なかね・たいせい)

愛知・豊田北高校出身。スポーツ科学部4年。ア式のフィジカルを支えるトレーナー。

♦︎木庭正太郎(こば・しょうたろう)

東京・早稲田実業高校出身。商学部4年。ア式の業務を司る主務。

♦︎永戸彩花(ながと・あやか)

新潟・長岡高校出身。商学部4年。早慶戦の運営を引っ張るマネージャ。

♦︎伊藤未羽(いとう・みう)

千葉・東葛飾高校出身。文化構想学部4年。ア式の広報などを一手に引き受ける敏腕マネージャ。