【連載】インカレ直前特集『BREAK THROUGH』(男子部)第4回 渡辺航平副将×佐藤明咲花×外種子田崚汰×溝口憲次朗

特集中面

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 インカレ前対談第4回は、渡辺航平副将(人4=神奈川・桐光学園)、佐藤明咲花マネジャー(スポ4=福島・安積)、外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)、溝口憲次朗アナリスト(スポ3=長野・諏訪清陵)の4人。チームにさまざまな立場から貢献する皆さんに、今年度の振り返り、そしてインカレへの意気込みを語っていただきました。

※この取材は10月24日に行われたものです。

――簡単に自己紹介をお願いします

佐藤 スポーツ科学部4年の佐藤明咲花です。マネジャーをしています。

渡辺 人間科学部4年の渡辺航平です。ポジションはゴールキーパーです。

外種田 スポーツ科学部3年の外種田です。選手やっています。

溝口 スポーツ科学部3年の溝口憲次朗です。アナリストやっています。

――右隣の方の他己紹介をお願いします(佐藤→渡辺、渡辺→外種子田、外種子田→溝口、溝口→佐藤)

佐藤 航平はすごく賑やかです。声がとても大きいので体育館で叫び声がいつも聞こえてきます。すぐに航平だとわかります。楽しいあだ名で私のことを呼んでくれます(笑)。

渡辺 外種田くんなのですが、彼はとても素晴らしいサウスポーですね。去年、一昨年から試合に出てもらっているのですが、今年は特に頼りになる存在だなと思わせてくれる、とても成長した選手です。あと鹿児島出身です。

外種田 溝口さんは、最初入学したての時はすごく静かなのかなと思っていたら、そんなことは1ミリもなく練習後のはっちゃけ具合が素晴らしいなと思います。その点でギャップが人一倍なのかなと。練習試合とか試合で点数が入った時はパソコンを打ちながらのパフォーマンスに注目していただけたらいいかなと思います。

溝口 (佐藤は)よく喋って、よく笑っている人だなという印象が強いです。練習中も、練習後もよく笑い声が聞こえてきて、チームをすごく賑やかにしてくれる人だなと思います。

――次は逆回りで、第一印象をお願いします。また何か第一印象から変わった点があればそこも教えてください(溝口→外種子田、外種子田→渡辺、渡辺→佐藤、佐藤→溝口)

溝口 外種田くんの印象は、どちらかといえば静かで、運動神経がいいなという点で、そこは変わらないかなと思います。喋ると楽しいです。

外種田 渡辺航平さんの印象は入学する前からとても優しくしてもらって、すごい良い人だなっていう印象です。堅い部分もあるのかなと思っていたら、話してみてすごく話しやすくもあったという感じです。

渡辺 VASAKA、佐藤明咲花さんの第一印象は、ザ福島って感じです。その時から話すテンションは変わっていないです。でも歳を重ねていくごとに、仕事ができる、シゴデキという感じです!

佐藤 それはうれしい!さっきも崚汰が言った通り、憲次朗は静かな感じなのですが、入部2週間ぐらいしてから頭角を現し始めて、急にウエイト中にみんながいないところでサッカー始めたりしていて、これはすごい新人が入ってきたなと思いました。

渡辺 それは知らない(笑)。

溝口 他の先輩がウエイトに行っているのですが、僕がウエイトをやりたくなくて、仕事もない時は1人で、サッカーしていました(笑)。

佐藤 そしてすごくスポーツ神経が上手いのもびっくりしました。バスケとか、バレーボールとか。

「まだまだできる部分もある」(外種子田)

――秋季リーグ(関東学生秋季リーグ)全体を振り返っての感想をお願いします

佐藤 諸事情によりパリに行っていて3試合いなかったのですが、インスタライブで日大戦とかを見ていて粘り強く、早稲田らしく戦えていたのかなと思いました。負けてしまった試合もあったのですが、早稲田らしさを一貫して戦えていたのかなと思います。

渡辺 今回の秋リーグは結果だけ見ると2連敗から始まり、2連勝して最後負けるという春(関東学生春季リーグ)ほど追い詰められている感じではなく。負けてもすぐ切り替えられたから勝てた試合もあったのではないかと思います。チーム的にはディフェンスがある程度形になってきたかなと思います。あと今年の早稲田のチームの色というのが体現できたのではないかなとも思っています。

外種田 個人的に春リーグ思ったような活躍ができなくて情けないなと思いながら迎えた秋リーグで、得点力というのが表れてきたのかなと思いつつ、まだまだできる部分もあるっていう向上心もあるので、得点ランキングに入れたのはいいのですがまだまだ上を目指していかなければいけないと思っています。

溝口 リーグ戦の前に動画を作るというのと、試合中は上から見ていて気づいたことがあったらベンチに電話するというような仕事しかできていないのですが、自分の役割は最低限、果たせたのではないかと思います。ですがもう少しハンドボールに詳しくなってチームに貢献したいと思います。チームとしては苦しい時期もあったと思うのですがしっかり乗り越えられたのではないかなと思います。インカレまでしっかりと修正していけたらと思っています。

――印象に残っている試合はありますか

佐藤 負けたけど、中大戦は印象に残っています。ハンドボールをやったことがないので分からないですが、外から見ていてディフェンスがハードワークで、航平もよく止めるし印象的でした。インカレ前に、3連覇している中大を相手に最大限にぶつかっていて、接戦まで持っていけたところが印象的です。

渡辺 全部印象に残っているのですが、個人としては明治戦です。良いところで止められたし、序盤2、3点リードされた後に逆転してそこからリードを許さなかったという点としてはオフェンスとディフェンスが機能を果たせたのかなと思います。日大戦はそれ以降自分たちが力をつけられたのかなと思っていて。キャプテンの白築(琢磨主将、文構4=東京・早実)が退場してしまったところで、7点差から最大2点差まで詰められたのですが、オフェンス陣が点を取りにくい状況でも、即興で崚汰がセンターに入ったり、真大(所真大、社2=岡山・総社)と崚汰が中心となって点を取ったりして。(ディフェンスでは)3枚目の2人が中心となって相手のオフェンスを抑えられたというところではすごくチームがまとまったし成長した試合として印象に残っています。

外種田 チームとしては明治戦かなと思います。その前2勝していたのですが、まだ入れ替え戦の可能性が残っていて、状態としては天王山に近い感じで。

渡辺 そうだ、明治がその前の週に日大に勝っていて。

外種田 明治に勝たないと厳しいという状況で、勝ちきれたというのはチームとしては成長を感じられたと思います。個人的には中大戦ですかね。前半は何もできなかったのですが、後半自分もディフェンス入って、(ラインを)高く上げてボール奪って速攻という形が何本もあって。その中で自分のシュートが多くて、ほぼノーマークシュートだったので決めるのは当たり前だったんですけど、その当たり前のことができたっていうのと、あと安定感を出して自分がカットしたのを決め切ることができていたのは良かったと思います。

溝口 最終戦の中大戦は自分の中でも印象に残っています。負けても入れ替え戦ではないというような崖っぷちの状態ではない中で、優勝はもうすでに決まっている中大に対して、負けてはしまったのですが試合の部分部分を見たら良いところが早稲田として出ていたのかなと思います。それが一番印象に残っています。

「伝える能力を伸ばせた」(佐藤)

――秋リーグを通して成長できたところを教えてください

溝口 成長したところ、自分ではあまり感じられないポジションではあるので、いつか成長したなと思ってもらえるように頑張りたいです。

外種田 春リーグはミドルとか追い込まれながらのカットインとか、(シュートが)枠には行っても点数につながらないことが多くて。でも秋リーグは割と点数につながって、特に何かを変えたというわけではないのですが、結果を出せるようになってきたというのは成長かなと思います。

渡辺 終わって見たら成長できたかなというようなシーズンでした。メンタル面では落ち着いてできたし、9試合を通して楽しめたというのがあります。それは勝ち方、負け方というか、2連敗、2連勝というのがあったからだと思います。終始、楽しめたという点ではメンタルが強くなったなと思います。技術的な面ではミドルシュートを取りきれたのがよかったなと思います。勝負所でディフェンスが最後頑張ってくれたシュートを取りきれたのが、特に明治戦では良かったですし、東海大戦は序盤抜かれてしまうところもあったのですが、それも(ディフェンスが頑張ってくれた後のミドルを)取りきれたから勝ちにつなげられたのかなというところもあったので良かったです。

佐藤 マネジャー的なところで言うと私と真奈ちゃん(髙橋真奈マネジャー、教4=東京・拓大一)が引退したらマネジャーが1人になってしまうので、引き継ぎを意識していました。1年生だったり、次のマネージャーの代わりの存在になるような子たちにも、何をどう教えるか、伝える能力を伸ばせたかなと思います。

「モチベーション維持が難しい時もある」(溝口)

――スタッフの佐藤マネジャーと溝口アナリストに、やりがいを感じる場面を教えていただきたいです

佐藤 去年から引き続き変わっていなくて、私が今部活に居続けているのって、何よりハンドボールが好きだからというのがあります。それこそ中大戦はすごく頑張ったからこそ悔しかったし、東海戦はいろいろな選手が出てみんなが活躍できていて良かったし、少し上から目線な言い方かもしれないのですが、一人一人の成長やチームとしての成長を見れた時が1番かなと思います。

溝口 やりがいっていうものを感じられなくて自分のなかで結構悩む時や、モチベーション維持が難しい時もあるんですけど、ハンド部の人と話したりとかご飯行ったりとかお酒飲んだりとかするのが1番楽しくて1番好きな時間です。

――試合後のインタビューで選手から「あのプレーはアナリストの分析から準備していたことが発揮できた」というお話伺います!

溝口 えほんとですか。うれしい。ありがとうございます。

渡辺 対談とかインタビューで名前出してもらえるとうれしいよね。

――渡辺選手と外種子田選手はスタッフの存在をどのように感じていますか

外種田 マネジャーについては、見える仕事だけじゃなくて見えない仕事もやってくれている役職だと思うんですけど、自分みたいなバカみたいな人間ができない仕事を当たり前のようにやっていて、素晴らしいです。憲次朗に関しては、部活の時にも、部活外にも仕事があったりと忙しいと思うのですが、対策動画とかは絶対必要だし、動画がないと、良いイメージで試合に入れなかったりするので、チームが勝った時はアナリストの仕事が結果につながっていると思っていて。なのでこれからも動画づくり待っています。

渡辺 明咲花は入部から一緒にやってきていて4年目の終わりなのですが、日頃から感謝は感じていて。喧嘩や仲悪くなるということもあったのですが、選手とスタッフとして頼らなくてはいけないところは頼るし、支えてもらっているからこそ頑張らなきゃなと感じながらプレーできたから4年間すごく良かったなと思います。感謝しています。憲次朗は1個下の可愛い後輩です。アナリストとしては、入部した時から早稲田のアナリストとしての仕事の立ち位置が変わって難しかったと思います。先輩の言うことを聞いて、何が正しいのか、どういう立ち回りがいいのかなどいろいろ悩んだこともあると思うのですが、自分のやれることで部に貢献してくれて、そういうところで感謝しています。あと、だる絡みに対しても困らず対応してくれたのは僕の人生を充実させてくれたと思います(笑)。

――次にインカレについてお伺いしていたいんですが、まず渡辺選手と外種子田選手に。インカレに向けてプレー面で強化していることがあれば教えてください

渡辺 特別なことはなくて、どれだけいつも通りできるかっていうところを意識して、先週まで練習試合をやってきました。個人的には良い手応えがあったので継続していきたいなと思ってるんですけど、ちょっとけがをしてしまって休んでいて、今は集中して治していきたいと思っているところです。チームとしては、秋で固めたことをどれだけ継続できるかってところと、付け焼き刃ですけど新しいことをどれだけの精度でできるかってところを意識してやってるので、あと2週間それを継続していきたいです。

外種子田 秋リーグ個人的に目立ったのがオフェンスの簡単なミスで、そのミスから相手ボールになって逆速攻でやられたり。そういう失点が1番いらない失点なので、オフェンスミスを0に限りなく近づけたいですし、(インカレまで)残りの時間を使ってもっと自分から発信していかないといけないなと思ってるので。1つのミスが命取りになるので、そこはもっと突き詰めていかないといけないなとは思います。

――インカレは4年生最後の公式戦となりますが、この代になってからのチームカラーは

佐藤 今年の4年生は5人で本当に人数が少ないんですけど、それぞれの役割分担はしやすかったのかなって思っていて。琢磨がキャプテンにいて、航平が副キャプテン、速水(駿太、文構4=東京・巣鴨)が主務にいて、真奈ちゃんと私がマネジャーで。綺麗に役割が分かれたからこそ、それぞれの立場で発言できることが多くて。3年生の頃までは空中分解しかけた時もあったんですけど、結局必要なことは絶対ちゃんと話すし、うまく個々の役割が決まっていたのは良かったかなと思います。

渡辺 去年の今頃は(昨年の代が)終わらないでほしいなって思い続けて、気づいたら1年経ってたんですけど。今年に入ってからもどうなるかなと思ったし、始まってみて難しいこともあったんですけど、明咲花が言ってたみたいになんだかんだうまくいった部分も多かったし、まとまってこれたんじゃないかなっていうところが1つあります。この代始まってから今日まで、目を背けたくなるような決断とか、チームの事情とかに向き合いながらやってきて、早く終わらないかなとか思ってたんですけど、いざ秋リーグが終わって次インカレなんだなと思うと寂しい気持ちもあって。とにかく最後まで頑張れたらなと思います。

――インカレのキープレーヤーを挙げるなら

外種子田 憲次朗さんのタイピングにも注目したいんですけど、

溝口 試合中文字打ってないけど(笑)。

外種子田 憲次朗のタイピングにも注目してほしいんですけど、航平さんですかね。今までこのチームをファインセーブで救ってきたので、そのファインセーブは絶対注目ですし、セーブした後のジャンプしながらのガッツポーズを見てほしいから、航平さんで。あとパッションにも注目してください。

渡辺 ありがとうございます!

溝口 僕もまじで航平さんですね。1年間自分のことだけじゃなくて、チームのことも考えて行動していたなと個人的に思っていて。上から目線になっちゃうんですけど、すごく尊敬してる部分で。最後航平さんが、4年生が笑顔で終われるように頑張ってサポートしたいです。

佐藤 航平と崚汰を挙げたいと思います。分からないなりになんですけど、崚汰は年々得点力が上がってるかなと思っていて。そっち側(右側)からの得点が増えるとチームとしても良いのかなと。航平は、去年も私たぶん航平をキーマンに挙げたんですけど、

渡辺 言ってくれてたね。嬉しかったなあれは。

佐藤 やっぱりキーパーが止めるとベンチも応援もすごく盛り上がるので、航平に活躍してほしいなと思います。

渡辺 僕は崚汰を中心とした3年生にします。まず崚汰は、去年僕が試合で始めた時から、(キーピングに対して)「いいじゃないですか」ってよく声をかけてくれていて、やっぱり嬉しかったし一緒に戦おうって思ってやってこれたので。今年も2人で活躍できたなと思えるシーンがあって勝ちにつなげられたし、チームとしても個人としてもすごく感謝しているので、インカレでも頑張ってほしいなと思っています。あと3年生は、去年主力として試合に出ていた分、この1年たぶん苦しい時期で、チームの中での役割をよく考えながらもがいてたのかなと思っていて。最後チームとして戦い方ががらりと変わることはないですけど、与えられた時間で一緒に戦えたいたいなっていう期待を込めて、3年生を挙げたいと思います。

「感謝を伝えたかった。(中略)最後笑うために一生懸命やりたい」(渡辺)

――最後に一言ずつインカレへの意気込みをお願いします

溝口 さっきのと被っちゃうんですけど、チームを支えてきてくれた4年生のために自分ができることを精一杯頑張ります。

外種子田 組み合わせを見た瞬間、正直やばいなって思う気持ちもあったんですけど、やるしかないので頑張ります!

渡辺 今日のインカレ前対談をこの4人でできて、本当この3人には特別感謝を伝えたかったので、この機会にまずありがとうと伝えたいと思います。その上でインカレは4年生最後だし、3年生、2年生、1年生とこのメンツでできる最後の大会なので、最後勝って笑えるのは1チームなんですけど、最後笑うために一生懸命やり切りたいなと思います。

佐藤 自分もそうですけどやっぱり最後のインカレなので、まずは4年生、スタッフも選手も含めて全員が後悔のないように全力を出しきる。個人としてはインカレも4回目なので、そのインカレでマネージャーに何ができるかっていうことを考えて、全力でサポートしていくことが、自分が1番果たすべき役割なのかなと思います。

ーーありがとうございました!

(取材・編集 片山和香、大村谷芳、芦刈れい)

最後にインカレの意気込みを書いていただきました!

◆渡辺航平(わたなべ・こうへい)(※写真左から2人目)

2002(平成14)年4月18日生まれ。178センチ。神奈川・桐光学園高出身。人間科学部4年。色紙の写真、書いている間に天才的にうまいと評判だった「しんにょう」にも注目です!学年問わずチームメイトからの信頼が厚い渡辺選手のインカレの目標は『Last 進化』。最後まで進化を続ける姿から一瞬も目が離せません! 

◆佐藤明咲花(さとう・あさか)(※写真右から2人目)

2003(平成15)年1月3日生まれ。福島・安積高出身。スポーツ科学部4年。渡辺選手から「VASAKA」と呼ばれるようになったのは、レクリエーションの景品でプロテインを当てたことが由来だそうです。早スポハンド取材班が1人で取材におじゃました際にも明るく笑顔で声をかけてくださったことが印象的です!インカレでも佐藤MGの素敵な笑顔と献身的なサポートに注目です!

◆外種子田崚汰(ほかたねだ・りょうた)(※写真左)

2003(平成15)年5月1日生まれ。171センチ。鹿児島・国分高出身。スポーツ科学部3年。サウスポーで大活躍する外種子田選手ですが、ペンやお箸は右利きで器用な一面も。色紙に書いてくださった『チェスト!』は「頑張れ!」という意味の鹿児島弁とのこと。さらなる高みを目指す薩摩魂全開のエース外種子田選手にみんなでエールを、チェスト!!!

◆溝口憲次朗(みぞぐち・けんじろう)(※写真右)

2003(平成15)年10月8日生まれ。長野・諏訪清陵高出身。スポーツ科学部3年。『全部出す』は所属ゼミの先生がよくおっしゃっている言葉で、持っている力を全て出し切ることが1番大事だという意味が込められているそうです。選手のプレーを通して発揮され、直接は見えづらいアナリストの仕事ぶり。入念な準備のもと、インカレでもその真価を発揮してくれるでしょう!