【連載】インカレ直前特集『体現』 第2回 安孫子徹副将✕鈴木涼介✕畠山陸✕齋藤向陽

特集中面

 第2回に登場するのは、安孫子徹副将(スポ4=東京・昭和)、鈴木涼介(スポ4=福島・安積黎明)、畠山陸(スポ2=高知西)、齋藤向陽(社2=群馬・新島学園)内野手カルテットだ。準々決勝敗退に終わった昨年の全日本大学選手権(インカレ)にも主力として出場した4人。その悔しさを胸に、雪辱を期し、過ごした1年を振り返るとともに、1か月後(取材当時)に控えた今年のインカレへの決意を伺った。

※この取材は8月11日に行われたものです。

「(安孫子は)プレーもかっこいいんですけど、顔もかっこいい」(齋藤)

対談中、笑顔を見せる齋藤

――他己紹介をお願いします

安孫子 スポ科4年の鈴木涼介です。彼は、一番最初にあった時に「よっ!」と声をかけてくれました。夏は熱中症ですぐ倒れるので、そこらへんを気をつけながら今練習を頑張ってます。はい、インカレではファーストを守るでしょう、鈴木涼介です。

鈴木畠山陸。高知県出身でセカンドを守っている2年生です。実家は梨農家をやっていて、去年の夏、ソフトボールよりも大きいサイズの梨をくれて、非常に美味しかったので、是非買ってもらいたいなと思います(笑)。日本代表にも選ばれた経歴もあって、本当にこれからも楽しみな選手だなと思っています。ぜひ、注目してあげてください。

畠山群馬県の新島学園高校出身の齋藤向陽君です。ポジションはサードで、彼にはあだ名がありまして、さいておうというものです。主に涼介さんが呼んでます。

齋藤スポーツ科学部4年の安孫子徹です。東京都立昭和高校出身で、東久留米市在住ですね。ポジションはショートでプレーもかっこいいんですけど、見ての通り、顔もかっこいいんですよね。みなさん、注目していただければありがたいです。以上です。

――この中で、リーダー的な存在の方はいらっしゃいますか

一同安孫子を指す。

――やはり、安孫子選手になるのでしょうか

安孫子になるんですかね(笑)。

――それはどのような理由があるのでしょうか

鈴木それはもう、内野で一番怖いですし、ミスすると怒ってきますし、言ってることも端的ではっきりとパッて一発で言ってくれるのでそういう意味でも非常に副将らしいですし、リーダーみたいに感じますね。

――秋のリーグ戦を振り返っていかがですか

安孫子 新チームになってから初めての公式戦ということでちょっと何もわかんないままスタートしたていうのが正直なところで。まあ前のチームのときから考えてたら良かったんですけど、新チーム始まってから1から考え始めたので、探り探りな感じだったので何か一つ形を掴めたかなって言われたらそうでもないですし、今振り返るとちょっともったいない秋だったかなと思う印象でした。

鈴木 秋に関しては僕らが結構強みとしてるバントっていう小技みたいなのを一切封印して、打つ一本でやっていくっていうテーマでやっていたんですけど、やはりその中でもなかなか結果が出なくて、それだけじゃやっぱりキツいよねっていうのも出たり、それも打つのもやっぱり足りないよねってところで、どっちつかずになってしまった秋だったかなと思っています。

――どういう意図で小技を封印しようとなったのですか

鈴木 去年のインカレの時にバントが一切決まらなくて、そうなったときにそこ封印されたら負けるじゃん、弱いよねってなったときに一回それを取っ払ってみてやってみたら良いんじゃない?となって、打撃だけで勝負してみようとなりました。

――畠山選手はいかがですか

畠山 去年の秋は個人的な話になるんですけど、怪我の影響で守備をする機会もなく、打席にも少ししか立つことが出来なくて、その中でもヒットが出ずに終わってしまった秋で、本当に悔しい秋だったかなと思っています。春から試合に出ることが出来て徐々に良い感じでは来ているので夏はヒット出るように頑張ります。

――齋藤選手はいかがですか

齋藤 秋はチームとして結構苦しい時期だったんですけど、個人的にはいろんな守備位置を練習できてそこは楽しかったんですけど、結果が出ないとどうしても苦しかったので、そうですね、秋は苦しかったですね。

「春の中大戦がターニングポイントだった」(安孫子)

副将として尾松主将を支える安孫子

――春のリーグ戦はいかがでしたか

安孫子 春のリーグ戦自体はなんか秋と変わんないのかなって感じがして、チームとしてもどうやったら勝てるのかあんまり定まってなくて、探り探りで、中大戦で負けて、そこからもう一回幹部とかで話し合って、チームでも話し合って、どうしていこうっていう話をして、その後の慶應と日体の試合の日から打順を4、8がポイントゲッター役、他を出塁役と定めて、そこからやっと得点パターンみたいなのが見えてそれを枠がある中で各自の役割を徹底しているっていうのが今の流れになります。

――そこである程度、型は決まってきたかなという感じですか

安孫子 そうですね、秋に比べたらっていう感じではあるんですけど。まあ春の中大戦がターニングポイントだったかなって思います。

――鈴木選手はいかがですか

鈴木 僕も春の中大戦がかなりターニングポイントだったと思っていて、やっぱりこの力も結束力も、総合力としても弱いなっていうところが出てしまっていて、中央戦負けた後、主将、副将がどちらも涙を流してしまうというような本当にチームとしてまずいなという状況ではあったんですけども、そこからどうしようかなと考えてなかなか上手くいかないこともあったんですけれども、そのままの流れで二次予選(全日本大学選手権東京都二次予選会)に行ってしまったんですけど、ようやく二次予選あたりからある程度の形は見えてきたのかなと思ってます。

――そこで高杉聡監督(平10人卒=群馬・前橋育英)からの話はありましたか

鈴木 そうですね、っていうよりかはやっぱり4,8の打順、さっき安孫子も言ってたんですけど、打順決めて、その打順に置かれた役割が見えてきたっていうのが大きいかなって思います。

――畠山選手はいかがですか

畠山 そうですね、春に関してはなかなか上手くいかなくって、チーム的にも上手くいってなかったですし、自分のプレーでチームに迷惑をかけてしまう場面が結構多くて、やっぱり自分の任された役割を徹底できないと、やっぱりこういう風になってしまうのかなって。自分はセカンドを守らせてもらって、打順はまだ分からないですけど繋ぎの選手として役割があるので、しっかりそれを全うしていきたいと思います。

――齋藤選手はいかがですか

齋藤 リーグ戦では二次予選に進むことが決まってしまったんですけど、逆にそのあとの一週後が早く感じて、ページシステムに進めないってなった後から二次予選にかけての期間で逆にチームが良い感じになったというか。

――そこで結束力が高まったという感じですか

齋藤 そうですね。

――東日本大学選手権(東日本インカレ)を振り返っていかがですか

安孫子 そうですね、明確な課題が出た東日本だったかなと。チームの話ばっかりになっちゃうんですけど、やっぱり秋に思っていた「打たなきゃ勝てない」が東日本で明確になったかなと、ある程度形には出来て、バントで仕掛けて、で、ランナー止めて打つっていう形は出来たんですけど、やっぱり内容が伴ってなくてやっぱり失塁するにもバントしかないみたいな。それで前潰されて終わり、さっき鈴木が秋に懸念してたことを言ってたと思うんですけど、やっぱりそこが足りないよねって感じる場面だったので、もう一度今は強打でどこまでいけるかっていうのはやっている途中ですね。

――東日本インカレでは投手陣が少なかったと思うのですが

安孫子 そうですね、怪我の影響でピッチャーが一人しかいなかったていうのがあるんですけど、このチーム自体まだ一回も怪我ゼロで大会を迎えられてないので、秋から今まで誰かしら怪我しているので、しょうがないっていったらしょうがないんですけど、まあそういう事態も含めてどこまで勝てるかっていうのは・・・。稲垣(拓朗、スポ2=新島学園)が一人で投げたんですけど、それもまあ稲垣にとっては大きな成長になるポイントだったかなって思いますね。

――鈴木選手はいかがですか

 東日本に関しては、やっぱりメリハリが大切かなって思っていて、バントがあるけれども強打もあるので、それを両方使い分けることによって相手が嫌がるっていう攻撃方法を僕たちは理想としているんですけども、バントも微妙で強打も微妙で0、100というよりかは0,20という感じで、全然それだったら常にワンパターンの攻撃だよねってところが出てしまったのでやはりバントでしっかりやるし、強打は強打でとてつもない速さの打球打つっていうのが必要かなって。

――どちらも強化していかなければならないなという感じですか

鈴木 そうですね。

――畠山選手はいかがですか

畠山 そうですね、さっき二人が仰ってた通りなんですけど、やっぱり強打っていう部分が足りないなっていうのに気付いた試合で、やっぱバントだけだと、どうしても攻めづらいというか、点が入らないという感じで、いかに強打で、強打を使って、ここぞという場面でバントを使えるかにかかっているので、そこをまああと一ヶ月なんですけど、強打をとにかくやっていかなきゃいけないですね。

――強打があってこそのバントということでしょうか

畠山 そうですね、はい。

――齋藤選手はいかがですか

 バッティングに関しては3人が言った通りで、僕は守備について言うと守備に関しては内野で言うとエラーそのものはあんまなかったのかな、前より減ったのかなと思っていて東日本終わってから次の段階というか、前のランナーを刺そうっていう感じで最近練習をしてて守備に関してはステップアップで出来てるというか、東日本を通して良かったのかなと思いました。

――着実にレベルアップしているという感じですかね

齋藤 そうですね。

「俺と齋藤はいつでも(ショートを守る)準備できている」(鈴木)

対談を明るく盛り上げた鈴木

――守備位置が変わっている印象を受けますが、意図はありますか

安孫子 いや、ないですね(笑)。冬に自分が肩を怪我して、遠く投げられないので、陸がショート入ってっていう形でやって、そしたら今度、陸が怪我してショートいないってなって、自分がショートやることになってっていう感じです。

鈴木 ちなみにな、俺と齋藤はいつでも準備できているよな。

齋藤 そうっすね(笑)。

――今は怪我の状況はいかがですか

畠山 今はもう大丈夫です。

――今はチーム内に怪我人はいますか

安孫子 チーム内にはいっぱい居るんですど、内野はとりあえず大丈夫です(笑)。

――強みと課題を教えてください

安孫子 強みは守備になるのかなって、去年もしゃべったような気がするんですけど、守備にはちょっとこだわりがあるんですけど、その中で佐藤さんっていうOBの今はバレーボールのコーチをやっていらっしゃる方から、色々教えて頂いて、ストレッチとかを内野全員教えてもらったんですけど、それをやるようになってちょっと良くなってきているので守備でインカレでも貢献できれば良いなと思っています。課題としては強打という部分、バッティングになるんですけど。東日本では結構バントばっかりしていて、バントで良いところに転がせばセーフっていうのは分かってきたんであと強打っていうところ、上位打線を任せられることが多いので、やっぱり一打席目は打てないとチームは勝てないっていうのを東日本で痛感しましたし、そのためのオプションとして強打はまだまだ課題かなって。

――バントは大体コツは掴めてきているなという感じですか

安孫子 そうですね、まだ決め切れてはいないんですけど、バントと強打で言ったら強打の方が全然だめかなって思ってます。

――鈴木選手はいかがですか

鈴木 去年全く同じこと言ったと思うんですけど、バントと走力は自分の持ち味というか、それを持ってるからこそ7番という打順においてもらっていると思っていますし、多分自分が出たらほとんどの確率で得点に繋がってるかなと思うので、やはり自分のバントで失塁するっていうのはチームのほぼ1点に繋がるんじゃないのかなって、大きな武器かなって思ってやっています。

――バントをやることは、チーム内の役割ですか

鈴木 役割というかそれが一番自分が活躍できるものなのでそれを選択して、徹底してやっています。

――畠山選手はいかがですか

畠山 自分は東日本終わってから強打という課題に取り組んできて、最近結構そこが良い感じに仕上がってきてるのでこのまま順調にいけば強打もしっかり打てて、ここぞというときにバントも使えるかなって思うので、自分の今の強みかなと思います。逆に課題で言ったら守備の部分に課題が結構あって、特に安孫子さんも仰ってたんですけど佐藤さんから教えて頂いたステップに取り組んで1歩目の速さというところに取り組んでいて、順調には来てるんですけどまだ課題があるので、そこを潰していければ結構良い感じになるんじゃないかなと思っています。

――齋藤選手はいかがですか

齋藤 去年よりは守備は良くなったのかなと思っています。というのも去年は何にも考えずに守備やっていたので。それでインカレでエラーしちゃって、まあやっぱり変えなきゃなと思って冬とか結構守備を重点的にやって、今は去年よりも良くなったかなと、強みではないですけどまあ頑張ったかなと思っています。課題はバッティングですかね。5月とか6月くらいは結構調子良かったんですけど、今はそんな何でもう一回調子戻せるように、一ヶ月頑張りたいです。

――打撃の不調の原因は何ですか

齋藤 二次予選終わって肉離れして、一週間くらい振らなかったらおかしくなっちゃって。夏休みいっぱい練習できたらなと思います。

「僕はもちろん安孫子さん」(畠山)

安孫子への愛を語る畠山

――尊敬しているスポーツ選手はいらっしゃいますか

安孫子 そうですね、この部活に入部してからずっと尊敬しているのは丹野(太郎、令2スポ卒)さんっていう自分が1年生の時の4年生の先輩なんですけど、ずっとプレーを追っかけてるという感じでずっと同じポジションだったというのもあるので丹野さんが現役だったときはずっと教えてもらってましたし、宗教みたいな感じで丹野さんの話を聞いてやってていう感じです。

――守備とかで尊敬されている部分が大きいという感じですかね

安孫子 そうですね、守備は技術的なことを聞きますし、あとは考え方の部分でずっと会話しているとやっぱりキャプテンはすごいなと一年の時から感じてたので、新チーム始まるときの運営とかも相談させていただきましたし、このユニホームも丹野さんから貰った物ですし、グローブも丹野さんからもらった物ですし・・・。

――大好きですね

安孫子 はい、そんなかんじです(笑)。

――鈴木選手はいかがですか

鈴木 自分は二つ上の先輩に吉原陸(令3スポ卒)さんという方がいるんですけども、同郷の福島県郡山市出身で自分と同じバントを強みとしているプレーをされる方で、本当に普段バントで悩んでいる時はその人のプレーを動画で振り返ってみて、どうやったら良いかなって研究したりしてます。この記事を読んで、僕に喜んでラインしてくると思います(笑)。「書くなや!」とか言って、めちゃくちゃ喜んでると思います。

――見てくれているんですね

鈴木 多分見てくれてると思います。

――畠山選手はいかがですか

畠山 僕はもちろん安孫子さんなんですけど。

一同 (笑)

畠山 そうですね、守備に関して聞いたら何でも答えてくれるというか、しかも一緒に取り組んでくれて、課題に対してああじゃないか、とかこうじゃないかとか。安孫子さんも一緒に考えながら取り組んでくれるところを本当に尊敬してますね。

――安孫子選手いかがですか

安孫子 (畠山は)舐め腐ってるんで(笑)。

一同 (笑)

――齋藤選手はいかがですか

齋藤 そうですね、この流れだと涼介さん・・・。

一同 (笑)

鈴木 また奢ってもらおうとしてるやん(笑)

齋藤 まあ涼介さんももちろん尊敬しているんですけど、あえて誰だろうなと考えた時に僕は高校の時の監督かなと思っていて、このチーム入ってから、学生主体のチームなので自分達で結構メニューとか戦術とか考えたりしてるんですけど、高校の時に教わったことが結構自分の中では、一番ベースになっていて、今色々なことを判断しているので。やっぱり高校の時の監督にいろいろ教えてもらえたのが大きかったのかなと思います。

――ソフトボールをやっていなかったら何をしていたと思いますか

安孫子 なんでしょうね(笑)。大学だったらラクロスやってたんやないですかね。

――なぜラクロスなのでしょうか

安孫子 高校まですっと野球で、そもそも大学でここの部活に入るって決めてなくて、ラクロス、準硬とか見ていて。ここじゃなかったらラクロスかなと思います。

鈴木  僕は陸上をやっていたかなと思います。僕は中学校も本当は野球をやる気がなかったんですけど、陸上部の体験に行ったときに10キロくらい走らされて、それでもういいやってやめちゃったので(笑)。それがなければ陸上をやってたかなと思います。

――長距離ですか

鈴木 自分は短距離が好きですね。短距離は自信があります。

畠山 僕は小学校の時からソフトボールしかしてなくて。兄もソフトボールで地域もソフトボールという感じで、ちょっとイメージしづらいんですけど、バトミントンが好きなので、バトミントンかなと思います。

――普段やられたりしますか

畠山 全然しないです。

――授業でとられたりはしていますか

畠山 とってないです(笑)。

鈴木 とってないんかい(笑)。

齋藤  なんだろうな、僕はサッカーですかね。ソフト以外のスポーツと考えて一番なじみがあるのはサッカーかなと思います。高校のころとかはフットサルに行ったこともありました。

――チームとしての強みと課題を教えてください

安孫子 結構考えるソフトボールをしているというのが強みかなと思います。そもそも打線の組み方とかそこでおかれる自分の役割とかを結構考えているかなと思います。打席に入るにしても何を狙うか、走塁においての何を意識するかというのをしっかり考えられているチームかなと思います。

――それはミーテイングなどで話し合われるんでしょうか

安孫子  そうですね。この前も走塁のミーテイングをやりましたし、あとは各自尾松とかからここはこういう風にした方がいいとかいうのを伝えられているかなと思います。課題としては、考えはだいぶできているんですけど、あとはそれに追いつくことができる体をつくることが課題かなと思います。ケガが多いのもそうですし、技術という部分でも体が大事になってくるかなと思います。

鈴木 発言の質がいいというところがチームの武器かなと思います。ミーティングでも「そういう意見もあるんだ」という意見が飛び交うことが多いですし、あとは感じたことを言うだけではなく、解決策とかその場で感じたときにどうしたらいいかというところまで発言することができていると思います。

――意識の高さを感じますね

 むしろ高すぎて実行に移せていないという感じで、そこは逆に課題かなと思います。

畠山  チームの強みはやっぱり投手陣かなと思います。素晴らしいピッチャーが何人もいるので、しっかり抑えてくれています。逆に課題は得点力というところだと思うので、いかにピッチャー陣を助けられるか、楽に投げさせてあげられるかというところですな。

齋藤 僕もチームの強みは投手陣だと思います。課題は打撃と守備だなと思います。今年日体大や国士舘大などの強い相手に対し完封をできている試合は少ないので、点を取れなくてもまずは守備を固めて失点を防ぎたいと思います。

――昨年とのチームとの違いは何だと思いますか

安孫子 さっき考えるチームって言いましたけど、「会話力」というところで細かいところの会話量は増えたかなと思います。内野手で話すときも去年は「エラーはなしで行こう」という話をしていましたが、「じゃあどうすればエラーが無くなるのか」というところまでは話せていなかったなと思います。今年はそれぞれ課題があるんですけど、畠山はさっき一歩目って言ってましたけどそれで少し守備範囲が広がったりとか。鈴木齋藤に関してもサードファーストなんで近い距離でいかに早く動けるかというところを話していて、そういう細かいところまで話せていると思います。

鈴木  去年は澤さんというキャプテンが4番でキャッチャーで大黒柱の人がいましたが、今年はこいつだけにしか頼れないという人がいないので、今年はいい意味で責任が分散しているなと思います。完全に個で強くして集団で強くしなければいけないというところは逆にいいのかなと思います。

畠山 個人一人ひとりが考える量が増えているかなと思います。特にバッティングの話なんですけど、質のいい打席にするためにしっかりイメージをしてから入れるようになっていると思います。

齋藤  似たようなことなんですけど、去年に比べてチームメイト同士でそれぞれのプレーに対して強く求めあっているように思います。練習内では結構厳しい言葉とかもとんでいます。

――下級生のお二人にお聞きしますが、4年生はどのような存在でしょうか

畠山 やっぱり新チームになってから秋とか苦しい時期があったと思うんですけど、それでも4年生はあきらめずに課題を一つずつつぶしていくために、首脳陣の人と話し合って動いてくれていたなと思います。就活とか自分のプレーもあるはずなのに、チームのことを第一に考えてくれていて尊敬しています。

――4年生のお二人は今のを聞いてどうですか

安孫子 いやいや、これは外に出す用の発言なので(笑)。

齋藤 4年生はすごくチームのことを第一に考えてくれているなと思います。下級生が無駄に反抗したりするのも、受け止めてくれて。常にチーム全体を見ていて、何か意見を採用するときも、「その意見で嫌な人もいるよね」という感じでいろんな人のことを考えているように思います。

――4年生のお二人は下級生をどのように見ていますか

安孫子 それぞれ個性が強いかなと思います。自分のやり方を持っている選手が多くて、その分秋とかはチームとしてまとまるのが難しかったです。考えも持ってて、違うと思ったとこは違うと言ってくれますし、自分たちが間違った方向に行きそうになった時に下からの意見で戻してくれるのはすごいありがたいです。

鈴木 僕も同じなんですけど、やはりいい意味で自分を持っているかなと思います。去年は1年目でチームがどういう感じかもわからなかったと思うんですけど、今年になって練習中に僕とか安孫子にも普通にいろいろ言っていきます。そこは自分としてもうれしいです。あとは自分の考えをもってプレーしてくれているので、頼もしいなと思います。

――畠山選手は去年は上級生の中でプレーをされていた中で、今年は齋藤選手など同級生もいる状況でプレーされています。何か気持ちの部分などで変わったところはありますか

畠山 そうですね。正直あまりないかもしれないです。

――齋藤選手は今年は内野も外野も様々なポジションを任されていますが、気持ち的には

 やっぱり新しいポジションを守るときは悪いイメージが大きくて「どういう打球が来るんだろうな」「エラーしたらな」という感じで、守りなれていないところだと不安な部分も大きいかなと思います。

――やはり一番サードがしっくりくるのでしょうか

 そうですね。一番長く守っているので、サードが一番ですね。

――ここからはインカレについての質問になります。まずインカレを控えた今の気持ちを教えてください

安孫子 自分にとって出るのは3回目になるんですけど、振り返ると一昨年、去年は、自分の結果を出せばチームに貢献できると思って自分のことだけを考えて臨んでいたインカレだったなと思います。今年はチームのことを考えて臨むインカレで、自分でもどうなるかわからないんですが、ただやることは変わらないので、ひとまずインカレの試合自体は自分のプレーに集中しようかなと思います。インカレまでに周りのことを考えて準備していきたいと思います。特に最後だからというのはないかもしれないです。

鈴木 去年福岡大学に7回あわやノーヒットノーランというところまでぼこぼこにされて、自分がやりたいことも全くやれずに終わってしまったインカレだったので、今年は最後ということで、この4年間やってきたことを全部発揮するインカレにしたいと思います。

畠山 去年はケガで守備はできなくて、打撃もなかなか結果がでなくて、悔しい思いでしかないです。今年は自分がしかり結果を出してチームを勝利に導けるようなプレーが出来たらと思います。

齋藤  僕も去年のインカレはバッティングも守備も力不足でした。今年は少しでも自分の1年間成長を見せられたらなと思います。

――意識している大学や選手はいますか

安孫子 おそらく2回戦であたる日体大ですね。毎年決勝が日体大なんですけど、今年は2回戦が日体大でいつもと違くて。早めに日体大にピークを合わせられるので、そこで勝てればいけるのかなというのが正直な気持ちです。いろいろ日体大に向けた練習もしています。

鈴木 僕も同じで日体大ですね。僕が1年生で入ったときに勝った以来、ここ3年間くらい1回も勝てていないので、ここ3年間のリベンジをしたいとと思います。

畠山 僕もやっぱり日体大を意識しています。2回戦で当たるのはいいかなと思っていて、春李リーグでも負けてしまったんですけど、いい試合ができたので、ああいう感じで試合ができれば勝てるのではないかと思います。

齋藤 日体大ですかね。2回戦が日体大というところで、客観的にはちょっとどうかなと思うかもしれないんですけど、自分的には全く知らないチームとやるより、情報がいっぱいあるチームとできるのはいいかなと思います。

――インカレへの意気込みを力強くお願いします。

安孫子 このチーム最後の戦いになるので、これまでやってきたことを出し切りたいですし、副将としても良い形で終わりたいなと思います。結果としては優勝。チームの目標である日本一を必ず達成したいと思います。

鈴木  4年目に関しては頭がちぎれるほど幹部でミーティングして。大会負けたらそのあと5時間くらい話し合ったこともあって。本当に苦しい時間を過ごした時間だったと思うので、その思いを晴らせるインカレにできたらなと思います。

畠山 打ってしっかり守りたいと思います!

齋藤  今年は1年間苦しい時間が続いたので、最後楽しく終われるようにしたいと思います!

――ありがとうございました!

笑顔の絶えないにぎやかな対談となりました!

◆安孫子徹(あびこ・とおる)(※写真下段)

2000(平12)年11月6日生まれ。171センチ、64キロ。東京都・昭和高出身。スポーツ科学部4年。内野手。強いリーダーシップで個性豊かな内野陣を束ねる安孫子選手。そんな安孫子選手の息抜きはバイクの運転とのこと。バイクを運転する時は何も考えずにいられるそうです!

◆鈴木涼介(すずき・りょうすけ)(※写真上段左)

1999(平11)年11月19日生まれ。177センチ、68キロ。福島県・安積黎明高出身。スポーツ科学部4年。内野手。試合前には「マツケンサンバ」を聞いているという鈴木選手。どんなに気持ちが沈んでいても気持ちが軽やかになる魔法の一曲なのだそうです!

◆畠山陸(はたけやま・りく)(※写真上段中央)

2002(平14)年4月23日生まれ。166センチ、65キロ。高知県・高知西高出身。スポーツ科学部2年。内野手。周囲から付き合っているのではないかと疑われるほど安孫子選手と共に過ごしているという畠山選手。練習後は行きつけの居酒屋「藹々亭」にて安孫子選手の熱い話に耳を傾けているそうです!

◆齋藤向陽(さいとう・こうよう)(※写真上段右)

2002(平14)年12月26日生まれ。166センチ、65キロ。群馬県・新島学園高出身。社会科学部2年。内野手。積極的な打撃が持ち味の齋藤選手。打撃同様、先輩とのコミュニケーションも積極的で、多い時は週に3回ご飯に連れて行ってもらっているという情報が鈴木選手から寄せられました!

(取材・編集・写真 玉置理沙子、宮下幸)