【連載】インカレ直前特集『体現』 第1回 駒谷理央✕岡本元喜✕荒川健祐

特集中面

 今回の連載で先陣を切るのは駒谷理央(国教4=米国・バッファローグローブ)、岡本元喜(商4=早稲田渋谷シンガポール校)、荒川健祐(スポ3=神奈川・柏陽)の外野手トリオだ。雌伏の時を経た今季、出場機会を大きく伸ばし、躍動する3人に主力として臨む初の全日本大学選手権(インカレ)を前にした率直な心境を伺った。

※この取材は8月11日に行われたものです。

――荒川選手の紹介を駒谷選手、岡本選手からお願いします

駒谷 スポーツ科学部3年の荒川健祐くんです。入部のきっかけとして高校の先輩が2人いらっしゃって、そこで彼が体験入部に来てくれて入ってくれました。小柄なのですが、パンチ力があり、はつらつとしたプレーを見せてくれる選手です。

岡本 自分からはプレー面以外を紹介します。彼は上級生と絡むのが上手いという印象があります。そういうところからチームを盛り上げてくれます。同じ外野手として常に外野から声を出しているところを見ますし、そういったところからチームを引っ張ってくれています。

――それでは岡本選手、荒川選手から駒谷選手の紹介をお願いします

岡本 国際教養学部4年の駒谷理央くんです。アメリカ帰りなので日本の文化に馴染むのに悩んでたみたいです(笑)。今ではすっかり馴染んで、後輩に常に声を掛けていて、プレー面でも引っ張ってくれる同期として頼もしい選手です。

荒川 後輩から見ても本当に話しかけやすいです。私生活からコミュニケーションを取ってくれるからこそ、プレーでもやりやすくさせてもらっています。打撃でもとても頼もしい存在で、自分の後ろを打ってくれることが多いのですが、駒さん(駒谷)につなげばという気持ちになります。

――最後に岡本選手の紹介を駒谷選手、荒川選手からお願いします

駒谷 商学部4年の岡本元喜くんです。見ての通りチーム一の体格です(笑)。チームで体力測定をやっているのですが、1位は全部元喜が持っていきます。1年の頃から何か練習するとなったら元喜とやっていて、お互い切磋琢磨(せっさたくま)して4年間やってきた仲です。プライベートでもよく一緒に遊んでいます。

荒川 駒谷さんからもあったように、体格が良くて、フィジカルモンスターという言葉がぴったりの方です。性格は本当に優しくて、接しやすいです。打撃でもものすごく飛ばしますし、自分は元喜さんほど飛ばすことができないので羨ましいです。

――外野陣のリーダーは誰になりますか

駒谷 自分が外野手リーダーを務めています。

――外野手を統率する上で意識していることはありますか

駒谷 去年試合に出ていたわけでは無いのですが、去年外野手リーダーを務めていた竹村(侑大、令4スポ卒)さんから教わったことを外野手全体に伝えていこうと、未熟ながら意識しています。試合中も声を掛けるなどして、コミュニケーションを常に取っていこうということはやっています。それによってお互いをより信頼できますし、そこは大事にしていこうと思っています。あとは団結力というのは意識しています。

――皆さんがソフトボールを始めたきっかけを教えてください

岡本 自分はシンガポールにいた高校時代に始めました。元々は野球をやっていたのですが、シンガポールではソフトボールが盛んで、高校に野球部が無く、ソフトボール部に入りました。大学のソフトボール部に高校の先輩がいらして、紹介してもらって入部して今に至ります。

駒谷 僕は高校までずっと野球一筋で、大学に入ってからも野球サークルに入ろうと思っていました。でも、体験に行った時に「なんか違うな」と思って(笑)。その時たまたまソフトボール部に出会って体験に行ったら先輩が優しかったりして雰囲気がよくてそのまま入部を決めました。自分は国教なので、体育会でやっていけるか不安だったのですが、よく続けたなと自分でも思います。

荒川 僕は高校の先輩がきっかけです。自分は浪人しているので、高1の時の高3の先輩が大学に入学した際に4年生でいらして、その先輩に誘ってもらいました。自分は高校の野球部が大好きだったのですが、体験に行った際のソフト部の雰囲気がとても似ていたので、即決で入りました。

――皆さん野球からソフトボールに転向されたとのことですが、感覚の違いなどはありましたか

岡本 打者からの距離が近いので怖いというのがありましたね。今は外野をやっているのですが、元々は内野をやっていて、その時はめちゃくちゃ打者が近いし、打球がすぐに自分の元に飛んでくるので、野球よりも怖いなという風に思っていました。

――いつまで内野をやられていたのですか

岡本 このチームになってからの秋くらいはまだファーストとかやっていたので、知らぬ間に外野のみになっていました(笑)。

――駒谷選手、荒川選手はいかがですか

駒谷 もともと野球で硬式やっていたのですが、打った時の感触が似ていたんですよね。それでいい感じだなと思って入ったのですが、いざ入ってみると、やっぱり全然ボールの大きさが違いました。一番自分が苦労したのは、打撃よりも外野の面で、捕ってから握りかえるのがめちゃくちゃ難しかったです。野球だったらどんな握り方でも投げられますが、ソフトボールはちゃんと握らないとあちこち行っちゃうので、そこが最初めちゃくちゃ苦労しました。だから、やはりボールの大きさが違うというのがひとつあります。自分手が結構小さいので、そこも苦労しましたね。あと打撃でも、野球と同じスイング、タイミングの取り方だったら間に合わないので、そこもいろいろ試行錯誤してやっていて、本当に全く違う競技だなと痛感しています。

荒川 駒谷さんと同じで、最初守備の方は、ボールの大きさで苦労しました。僕も結構手が小さいので、握りかえというところは苦労しましたし、野球だったらどんな握りでも指にかかるので投げられますが、ソフトボールは大きいので、どうしても縫い目に一切かからない握りのときがあります。そのときに投げるのはすごく苦労しましたね。あと打撃の方も、距離が近いので野球よりも全然速く感じます。野球にはないライズもあるので、すごく苦労しましたね。今は大分打てるようになったのですが、本当に最初はどうやったら打てるんだろうみたいな(笑)。そんな感じで毎日やっていました。

――お三方は現在上級生になられて、ソフトボールの経験を積んできたと思いますが、現在はソフトボールと野球のギャップをどのように感じていますか

岡本 逆に野球の方が難しいくらいのレベルでソフトには順応しているかなとは思いますね。

駒谷 僕は今までやってきたことがちょっとは生かされてきているかなという段階です。ここまで練習してきたからには、ある程度ソフトボールにも慣れたと思いますし、あと1カ月なのですが、やり切りたいなと思いますね。

荒川 僕も大分ソフトボールには順応できたかなと思っていて、打つ方も大分良くなりましたし、守備の方も大分慣れてきました。元喜さん(岡本)も言っていたのですが、野球の方がむしろボールが小さくて、打撃の時とか、「ちっちゃ」となるくらいになってきているので、ソフトボールにはこの2年で慣れたかなと思います。

「ソフトボールの楽しさが変わりました」(岡本)

チーム一の身体能力の持ち主だという岡本(右)

――試合の出場機会が増えて何か変わったことはありますか

岡本 そもそもソフトボールの楽しさが変わりました。ずっと試合に出ていない時は、練習試合や試合があっても、アップして準備して、あと声出して終わり、みたいな感じだったので、何しに来てるのかなという実感はありました。ですが、試合に出始めると、プレー面でいろいろ考えて、ここが駄目だったとか、この時もっとこうしようかな、みたいな改善にもつながるので、試合に出られるからこそ、ソフトボールの楽しさを感じられるようになりました。

駒谷 自分は下級生の時に試合に出られなかったときは、肉体的に結構しんどかったです。もともとアメリカでやってきて、練習時間とかもっと短くて。そういった面で、最初は2軍の練習に苦しみましたね。試合に出始めてからは肉体面はマシになったのですが、逆に精神面で苦労しました。結果を出さないといけないということに日々追い込まれた中でもどう結果を出すかというところで、メンタル面を自分で鍛え上げてきたというのは実感しています。試合に出るほど結構しんどい思いをするときが、下級生の時よりも多いのですが、そういった中でも結果を出すというところを日々心がけています。

――メンタル面の状態をどうやって上げていきましたか

駒谷 この1年間で僕的には変わったと思うのですが、この1年いままでで一番練習してきて、これだけ練習してきたのだから、絶対結果が出るだろうという自信にしました。あとはさっきも言ったのですが、音楽とかで気持ちを高ぶらせて、気持ちでは絶対負けないように、というメンタルを持って試合には毎回臨んでいます。

荒川 出場機会が多くなって、気持ちの面で変化があったなと思っています。2年生まではほとんど試合に出ていなくて、本当に1試合に1打席あるかないかくらい、ない時もありました。2年生までだったら、ただ思いっきり振るだけというか、その1打席で結果が出ようが出まいが、とりあえず思いっきり振って調整していく、という感じだったのですが、試合に出る機会が多くなってからは、考える機会が多くなりました。ただ思いっきり振っているだけでは駄目ですし、責任感みたいなものが生まれてきて、複数打席あるからこそ、1打席目駄目だったときに2打席目どうしようとか、そういう考えることがすごく多いです。試合に臨む上でも、アップとかも、前はどうせ代打だから、代打の前にしっかり体動かしておけば、という感じだったのですが、1試合目から、1イニング目から出るとなると、アップの段階からしっかりやっていかないといけないので、準備の部分もすごい意識が変わったのかなと思います。

――昨年の東京都大学連盟秋季リーグ戦(秋季リーグ)、関東大学選手権(関カレ)を振り返っていかがですか

岡本 このチームが始まってからだと、僕的には一番ピークかなっていう(笑)。その時は調子良くて4番を任されていて、今のところ自分のピークなので、そこをまた持ってこれるというか、戻せるように今は頑張っています。実際4番を任されて打てた実績を自信に、糧にして、この1カ月楽しく臨めればなという風に思います。

駒谷 秋リーグ、関カレは自分にとって、ひとつの転機という感じの時期でした。バッティングフォームを秋リーグがきっかけで変えた、というのがあったのですが、やっぱり去年一年通じてなかなか結果を出せなくて、秋リーグと関カレも同じようなフォームで臨んだのですが、あまり結果が出ませんでした。もともとスライドステップだったのですが、ノンステップという、そのまま右足を残して打つという感じに切り替えていく転機になったので、大きな自分のチャレンジを作った、そういったきっかけが秋リーグ、関カレだったなと感じます。

荒川 秋リーグ、関カレは本当に僕自身一番成長できた期間かなと思っています。それまで試合に出ていなかったのですが、秋リーグと関カレはほとんどスタメンで出させてもらいました。試合経験を積めたというところで、打撃の方もその期間でかなり打って成長することができましたし、自分としては、かなり収穫のある秋リーグ、関カレだったのかなと思います。

「もがいた中でも一つの光を見つけた」(駒谷)

外野陣のまとめ役を担う駒谷(中央)

――春の公式戦(東京都大学連盟春季リーグ戦、全日本総合選手権東京都予選会、全日本大学選手権東京都二次予選会)を振り返っていかがですか

岡本 自分自身としてもチームとしても大きな転機だったかなと思います。春季リーグ(東京都大学連盟春季リーグ戦)の中大戦に負けてしまい、チームとしても自分としても変わらなければいけないという試合でした。そこからその試合での不甲斐なさを払拭するために練習に取り組んで、その後の全総予選(全日本総合選手権東京都予選会)に臨みました。個人的にはあまりうまくいかなかったですが、収穫のある試合でしたし、チームとしてもそこからだんだんいい方向になっているので、そういった面で春季リーグの中大戦が逆に今となっては負けてよかったかなというくらいだったなと思っています。

駒谷 春季リーグはチーム全体でもどん底だった時期で、本当にリーグ戦4位で二次予選(全日本大学選手権東京都二次予選会)に進むというこれ以上ないような悪い結果でまず4年生全体でどういったことをしていくかという話をしました。そこから今となっては二次予選を勝ち進めてよかったですが、ひょっとしたらインカレに出れないということも頭によぎって、そこは冬にやってきたことが全然生かされなかった結果に終わったので、一言で言うと酷かったですね。その中で、全総予選で初戦国士舘大に勝ってそこから準優勝できてその後はチームも右肩上がりだと思うので、もがいた中でも一つの光を見つけたという感じの時期でした。

――個人としてはどうでしたか

駒谷 リーグ戦はあまり結果が出なかったですが、全総予選はチームの勝利につながるような一打は打てたので、そこは冬の練習が生かされたのかなと思っています。

荒川 春季リーグは個人としては肩の怪我をしていて守備に就けなかったので、代打だけといった感じでそもそもあまり出場機会がなかったですが、日体大戦で1本代打で打てたというのは僕としては自信になりました。その後復帰して全総予選ではスタメンで出させてもらって、初戦の国士舘大戦で対外試合では初めてホームランを打てたということもあり、バッティングではより成長を感じることができたと思いますし、今もそのまま成長を感じているので、そこは引き続きやっていきたいなと思います。チームとしてはお二方が言ってくれたことが全てかなと思います。春季リーグ4位になって二次予選に進むという時にはだいぶヤバいなと思いましたし、二次予選に勝ったからよかったですが、僕はかなり緊張しました。相手は春季リーグや全総に比べれば正直格下というところはありますが、インカレに出れなかったらということを考えた時に緊張したので、そこを乗り越えられたのは一つ良かったのかなと思います。

――東日本を振り返っていかがですか

岡本 1回全総予選で国士舘大に勝って、勝てるだろうという自信みたいなものはあったと思うのですが、その上で負けてしまって、しかもコールド負けというところだったので、そこで現実に引き戻されたというか、もっとレベルアップして国士舘大にコールド勝ちするくらいのチーム力がないと日本一にはなれないなということを改めて実感させられた大会でした。

駒谷 やっぱり準決勝で国士舘大にコールド負けしたというのが一つ大きな課題の残った試合だなと感じました。自分も含めて国士舘大のエースを打ち砕けなかったというのがあり、打力が全然通用しなかったなというのが課題として挙がりました。国士舘大は打力で稲垣(拓朗、スポ2=群馬・新島学園)とかを打ち砕いて勝ったという感じで、やっぱりもっと打って勝たないといけないという課題が見つかった東日本なので、今は打力に力を入れて、いかに得点につなげるかというところを徹底的に追求して練習をしています。

荒川 東日本はチームとしても個人としても課題が出た大会だったなと思っていて、個人としてはあまり調子が良くなくて、ヒットは多少出てはいましたが打席の内容も良くなかったですし、現に国士舘大戦でもヒットらしいヒットは出ていなかったので、そこはすごい申し訳なかったなと思います。特に国士舘大戦は3番を任されて、チャンスで回ってきた場面で自分が凡退してしまったというのがあったので、そこは自分の責任というのも痛感しましたし、任されている打順の重要さというのを改めて感じた試合だったなと思います。チームとしては駒谷さんが言ってくれましたが、打力の弱さというのが露呈してしまったので、今はそこをもう一度強化しようということでチーム全体としていい方向に向かっていると思いますし、なんとかインカレに間に合わせていい状態でインカレに挑めればなと思っています。

――2日間で3試合というハードな日程だったと思いますが、体力面ではどうでしたか

荒川 そこは別に(ハードには)感じなかったですね。ただ、一回現地に向かったのですが雨でホテルに帰って、その後に「試合何時からやります」ということでもう一回ホテルから向かうというイレギュラーな試合前だったので、そこに関して少し難しさがあったのかなとは思います。体力面に関してはそこまで僕は感じることはなかったですね。

駒谷 インカレで3日間で5試合というのを自分たちは想定していて、そこに向けて体力面は強化しているつもりで練習試合では2試合通しでやるということもあるので、普段の取り組みがそういった大会に生かされたのかなと思います。

――自分の強みと課題はどのような点だと思いますか

岡本 強みはやっぱり僕はフィジカルだと思います。外野からの送球やバッティングだと多少詰まってもパワーで押し返して外野までもっていけるというようなフィジカルを生かしたプレーをしていきたいと思っているのですが、バッティング面ではなかなかボールに当たらないということもあってそこが今1番の課題なので、そこを潰すためにいろいろ試行錯誤をしながらやっているというところです。

駒谷 自分の強みはここぞという場面で一本を出せるということだと思っていて、全総予選の国士舘大戦でタイムリーを打ってそこから勝ちにつなげたということもありますし、最近の試合でも得点圏で結果が出ているので、そこは自分の強みかなと思っています。課題としては、レベルの高いピッチャーになってくるとなかなか1球で仕留められないというのがあるので、国士舘大や日体大のレベルの高いピッチャーをいかに崩せるかというのが課題なので、1球で仕留めるというのを今追求してやっています。守備面では送球をもっと磨けると思っているので、捕殺などをいかに一発で刺せるかという部分も今課題として取り組んでいます。

荒川 強みとしてはパンチ力のある打撃だと思っていて、体は小さいですがしっかり飛ばせますし、外野の間を抜いたり頭を越したりといったバッティングができるので、そこは最大の自分の強みかなと思っています。課題としては打席内でのオプションが少ないかなということがあって、簡単に言うと打つだけというところになっているので、バントであったり、一、二塁間が空いてるからそこを狙おうといったような打席内の考え方がまだ未熟なので、そこは後1カ月で詰めれるところまでしっかり詰めていければなと思いますし、練習試合もまだあるので実戦の場で試していければなと思います。

――チームとしての強みと課題は

荒川 稲垣、佐藤慶弥(スポ3=静岡・飛龍)筆頭に投手力は揃っているのかなと思いますし、他のチームを見てもここまで2枚揃っているところは全国でもなかなかないので、そこは早大の強みかなと思います。

駒谷 結構部員が少ないですが、その中でもこれだけ個の力が強いというのは強みではありますね。一人一人レベルを上げていってその中で全国で戦っていくというのが一つ早大の魅力かなと思います。

荒川 課題はたくさんあって、まずは打力かなと思います。さっきも言いましたが東日本でも打てずに負けて、スコア見れば一目瞭然ですが相手はすごく打っていてこっちは打てずに完全に力負けという試合でしたし、他の大会を見ても日体大戦ではピッチャー陣はある程度の失点で抑えてはくれていましたが、こっちが打てずにロースコアゲームで負けてしまっているので、打撃力は一つ課題なのかなと思います。

駒谷 つないで一本を出すというのがなかなかできていなくて、ランナーをためてワンチャンスで一本を出すというのが勝ちにつなげるには必要だなと思っています。

岡本 打撃が振るわない時のチームの雰囲気が一本が出てからじゃないと盛り上がれないというところがあって、打てないとどんどん沈んでいくだけなので、インカレ本番になると違ってくると思いますが、現状試合をやっている中ではどんどん盛り下がっていってそのまま何もできずに負けてしまうということが多いので、そこは改善すべき課題の一つかなと思います。

――続いて個人への質問に移ります。最初は岡本選手からお願します。内野から外野にポジションが移りましたが、守備や打撃にどのような影響がありましたか

岡本 守備では安心感というかプレッシャーは外野の方が少ないなとは思いますね。ファーストを守っていたので、常にバントを警戒したり内野を抜かれて1点取られたりするというプレッシャーは感じていましたが、外野だと二塁を刺すとかタッチアップとか、ミスってもそんなに大事故にならなかったり、なかなか飛んでこなかったりというのが外野はあるので、そういったところでは違いは感じていますね。打撃面ではコンバートしたからこそバッターの見方が変わりました。ファーストだと余裕がなかったのですが、外野になってバッターをよく見ながら守備をするので、その感覚みたいなものを自分の打撃にも取り入れることもできたので、打撃面ではプラスに働いているのかなと思います。

――バスターをしていることがありますが、バスターに関してはインカレではどのように考えていますか

岡本 自分はパワーはあるのでバットに当たっちゃえばいいというのはあります。チームの中で1から10のバッティング、1がバントで5がバスターで、5くらいのバッティングだとバットに当てやすくなるという考え方があって、その中で5くらいのバッティングでも全然自分は飛ばせるので、当てることが大切ということでバスターを始めてある程度結果も出ているので、バスターを引き続き続けているという感じですね。

――続いて駒谷選手です。着実に長打が出ていると思いますが自身ではどのように捉えていますか

駒谷 4年間の中で一番打撃面で調子がいいというのはあります。もともと僕の持ち味の一つが長打なので、ホームランはもちろんですが、三塁打も今季は結構打てているのかなという感じはします。その中であまり体を開かないようにして左バッターで左中間に強い打球を打つというのを意識していて、それが結果に結びついているので、インカレでも継続して結果を出せたらなと思います。

――チームの中で外野の守備機会が多かったり、外野のさまざまなポジションを守っていたりしていますが、守備面ではどのように考えていますか

駒谷 個人的にはどのポジションについても関係ないと思っていて、とにかくどのポジションについてもそこで精一杯全力でするようにという準備は日々の練習から積み重ねています。外野リーダーとしてみんなをまとめるという役割があるので、そこは常に試合中も声かけてまとめていって、フィールド全体を盛り上げるというのを意識して試合に臨んでいます。

「2番に恥じないプレーを」(荒川)

外野陣唯一の3年生の荒川(左)

――続いて荒川選手です。背番号が34番から2番に変わりましたが、その経緯と影響は教えてください

荒川 昨年の主将の澤(優輝、令4人卒=現東京SC)さんと、鈴木涼介(スポ4=福島・安積黎明)さんと食事する機会があって、その時に「試合出てるのになんで34番なんかつけてるの」「もっといい番号付けろよ」と言われ、ちょうど澤さんが3年生の時に付けていた2番が空いていたのでそれで2番をつけさせていただいたという感じですね。背番号が変わって特に変わったことはないですが、2番に恥じないプレーをできればなと思っています。

――昨年の秋のことですか

荒川 冬ぐらいですね。秋34番でプレーをして、冬くらいにたまたま食事をする機会があってその時に言っていただいたという感じです。

――上位を打つことが多いですが、意識していることはありますか

荒川 特に3番を任せていただくことが多いですが、やっぱり打席数が多く回ってくるということでチームが勝つためには結果を残さなければいけないので、そこは責任感を持ってやっています。その上で、このチームに求められている3番にはまだ近づけていないと感じているので、そこはまだまだ練習をして考えてやっていかなければいけないと思っています。

――皆さんへの質問に戻ります。外野は昨年からメンバーがガラリと変わりましたが、昨年と比べて現在の外野陣はどのように感じていますか

駒谷 去年は4年生が竹村さん1人であとは下級生という感じでしたが、今年は荒健(荒川)も言ったら同い年ですし会話も結構しやすいなというのはありますね。先輩後輩の上下関係はあんまり外野にないという感じです。

荒川 外野内での会話はかなり多いかなとは思います。去年がどんな感じかは試合に出ていなかったのでなんとも言えないですが、守備位置などの試合中のコミュニケーションはかなりとれているのかなとは感じていますね。

――今年の外野陣の強みはコミュニケーションという感じですか

一同 そうですね。

駒谷 例えば盛り上げ力とか結構あるかな。

荒川 常々この3人で外野守る時は後ろから盛り上げようという声掛けは結構できていますし、そういう意味では盛り上げるということに関してはすごいよくできているのかなとは思っていますね。

――今までのインカレをどのように見ていましたか

岡本 1、2、3年生で全部違う印象を持っています。1年生の時はペーペーで、しかも準優勝だったので、先輩方本当にすごいな、自分たちはこんな選手になれるのかなみたいな感じがありました。2年生の時は初戦敗退だったので、その時はこんな先輩方でも1回戦で負けてしまうインカレだけは騒々しい場所なんだなという印象でした。逆に去年だと、自分たちはベンチで見ながらも同期で試合に出場している人も多かったので、その面では悔しさが一番強かった感じですね。今年は試合に出れるとしたら悔いなく、自分が1年生の時に憧れた先輩のようなプレーをインカレの場でできればいいなと考えています。

駒谷 自分も元喜(岡本)と同じで毎年違う思いがあって、1年の時自分は太鼓を持ってベンチ街から応援をしていて、インカレという場を初めて体験して印象に残っています。2年生の時はコロナで十分に練習できない中臨んで負けてしまったというところで、そう言った中で先輩の思いを引き継いで頑張らないといけないなという思って3年生で臨みましたが、あんまり調子も上がらず終いには8月の練習中にボールが直撃して鼻を折ってしまって、散々な中でインカレに臨んでチームとしてもベスト8という結果でした。正直自分の中で一番しんどかった年が3年生だったので、そこから1年経ってとにかく最後は悔いのない結果を残して終わりたいなという思いがあります。やっぱり3年半ソフトボールに捧げてきて4年生にとって最後の舞台だと思うので、そこで今までやってきたことをまず結果として残して勝ち進んでいけるようにこの1カ月必死こいて練習していきたいです。

荒川 1年生の時は何が何だかわからないまま1回戦で負けてしまったということで、僕自身入部して2カ月くらいでインカレがどこまで重要なのかもそこまでわかっていなかったですし、ただ先輩方強いから決勝までは絶対にいくだろうという雰囲気だったので、その中で1回戦負けというのはすごい衝撃的だったというか何が起こったのかわからないまま終わってしまったなという感じでした。2年生の時は特別な場所なんだなと思って、大会の規模やベンチの盛り上がり方を見ても明らかに他の大会とは違いますし、そういう意味ではすごい場所なんだなというか特別な大会なんだなというふうに思いました。今年は僕がというよりは4年生の集大成の場だと思うので、4年生が勝てるようにというか4年生のためにという思いでやっていきたいなと思いますし、そのためには自分が結果を出すというのは最大の貢献だと思うので、その場でしっかり結果を出せるようにラスト1カ月しっかり準備してインカレに臨みたいなと思います。

――インカレに向けて意識している選手や大学はありますか

岡本 日体大ですね。2回戦でいきなり当たるので。

駒谷 正直そこがピークですね。

荒川 この選手っていう感じは特になくて、インカレの2回戦でどう考えても日体大がくるというのはほとんどわかっているので、ずっと意識はしていますがより一層意識していますね。

駒谷 早大が最後に日体大に勝ったのが僕がちょうど入部した時の春リーグで1ー0で勝ったんですよ。それ以来勝っていなくて、総合的にもやっぱり日体大は全然僕らより上ですし、そう言った中でも日体に勝てたという経歴はあるので、最後日体大に勝って最高の形で終われるように準備していきたいですね。

岡本 日体大に勝つというのがチーム目標というか、日体大に勝ったら日本一間違いないというイメージでやっているので、練習の中でも日体大をイメージしたメニューをやっているので、僕だけじゃなくてみんなが日体大を意識していると思いますが、やっぱりそこに勝って最後優勝するという終わり方が4年生の僕らからしたら一番だと思うので、そこを目指してあと1カ月やっていきたいなと思います。

――最後にインカレへの意気込みをお願いします

岡本 日本一ソフトボールを楽しんでいるというのを目標として掲げていて、インカレという場ではどういう立場でも一番楽しんでいる姿を発揮できればなと思っているので、そのためにも残りの1カ月は苦しい思いをいっぱいしながら、最後はいい意味ではっちゃけて、泣いても笑ってもラストなのでそういうことを意識して臨もうかなと思います。

駒谷 自分の場合はここぞの場面で打てるという選手像を目標にしているので、そこをインカレでも引き続き目標にしてやっていきたいなと思っています。また、最後の舞台ということでこれが終わったら全力でスポーツに取り組む機会は今後ないので、そういった中でも1年間やってきたことを結果で残すという目標を持ってこの1カ月間必死こいてやって最後優勝を成し遂げたいなと思います。

荒川 さっきも言いましたが、4年生のためにという思いでやりたいと思っていて、今まで本当にお世話になりましたし、その4年生の最後の大会なので、そこで優勝できるように少しでも自分が結果を出して貢献できればなと思っています。

――ありがとうございました!

元気いっぱいの3人が外野からチームを盛り上げます!

◆駒谷理央(こまたに・りお)(※写真中央)

2000(平12)年2月6日生まれ。175センチ、77キロ。アメリカ・バッファローグローブ高出身。国際教養学部4年。外野手。帰国子女で英語が堪能な駒谷選手。試合前は洋楽を聞いて気持ちを高めるそうで、お気に入りの一曲は「Hall of fame」「Centuries」「Just like fire」だそうです!

◆岡本元喜(おかもと・げんき)(※写真左)

2000(平12)年8月3日生まれ。174センチ、80キロ。早稲田渋谷シンガポール校出身。商学部4年。外野手。ベンチプレスで右に出る者はいないという岡本選手。最高記録は驚異の125キロとのことです!

◆荒川健祐(あらかわ・けんすけ)

2000(平12)年4月26日生まれ。163センチ、67キロ。神奈川県・柏陽高出身。スポーツ科学部3年。外野手。神奈川県藤沢市出身の荒川選手。地元の自慢はズバリ江の島だそうです。「江の島は藤沢だということを強調して書いてください!」とのことでした!

(取材・編集 田中駿祐、矢彦沢壮真、星野有哉、写真 田中駿祐)