【ラグビー】今季帝京大に3連敗 冬にリベンジを誓う

ラグビー男子

関東大学対抗戦 11月1日 対筑波大 秩父宮ラグビー場

 「負けは負け」、最終スコアは13ー15。夏に続いての連敗となった今試合、関東大学対抗戦(対抗戦)第5節、帝京大戦をNO・8松沼寛治(スポ4=東海⼤⼤阪仰星)はそう振り返った。両校ともに決勝戦さながらの集中力を見せた一戦。その幕は帝京大によるペナルティーゴールによって下ろされた。前半、互いにハンドリングエラーが続く中、帝京大が1トライを取り切る意地を見せる。早大はショットで3点を追加し、前半は3ー7とロースコアのままハーフタイムに突入した。迎えた後半、早大の追随を許さんとばかりに帝京大が開始早々に5点を追加。早大陣営に不穏な空気が漂うも、HO清⽔健伸主将(スポ4=東京・国学院久我⼭)が再びチームを締め反撃に出る。後半6分、ブースターとして投入された松沼がお返しの5点を叩き込み早大は息を吹き返す。さらに14分、松沼がまたも自らのトライで早大の逆転劇を演出し、スターの帰還を会場に知らしめた。試合終了間際ノータイム、この試合の決定打を決められてしまい、ノーサイドの笛が秋晴れの空の下に響き渡った。

後半からチームにエナジーをもたらしたNO・8松沼

 FB服部亮太(スポ3=佐賀⼯)が右サイドに蹴り上げ激闘の80分間が始まった。試合開始早々に注目のファーストスクラムが組まれると、早大が反則を犯し、まずは帝京大が自慢のフィジカルで優位に立とうとする。しかし早大も今季PR前⽥麟太朗(スポ3=神奈川・桐蔭学園)を筆頭に、スクラムを武器としてきたチームだ。その後すぐに組まれたマイボールスクラムでプレッシャーをかけ、相手ペナルティーを誘発し力関係を五分に引き戻す。序盤からディフェンスはまさに鉄壁、ゲインラインを何度も押し戻し、相手のミスを誘い続ける。帝京大はたまらずキックを選択するも、そのボールはエンドラインを割りグラウンド中央でマイボールスクラムを獲得。前半10分、アクシデントにより早々の出場となったPR平⼭⾵希(スポ2=⼤分東明)が安定したスクラムで前半初のビッグチャンスを作りだす。スクラムから出たボールはSO⽵⼭史⼈(スポ1=神奈川・桐蔭学園)からCTB島⽥隼成(スポ3=福岡・修猷館)にわたり、そのままオープンサイドへのアタックかと思われた次の瞬間、インサイドに走り込んできたのは韋駄天・服部だ。瞬く間にラインブレイクし、サポートに走る竹山へボールを託す。相手ディフェンダーのペナルティーを誘い、一気にゴール前5メートルのラインアウトまで陣地を押し込むと、今試合初のモールが組まれた。先制点が欲しかった早大だが、ここは流石の帝京大。得点までこじつけることはできずに早大はノックフォワードでボールを失う。先制のチャンスを逃した早大だったが次は守備で魅せる。15分、「1試合1ジャッカル」を掲げるFL久我真之介(⽂構3=東京・早実)が左サイドでジャッカルを成功させ、早大は再び攻勢に。服部の卓越したキックからマイボールラインアウトをゴールライン前で獲得。竹山がディフェンスギャップにしかけ、ブレイクするかと思われたがボールが手につかず得点チャンスを逃してしまう。その後も今試合キーマンとして注目された竹山、服部のコンビや、確実なゲインを重ねる島田らBK陣が好機を作り続けるが、早大は自分たちのミスに苦しめられる展開から抜け出せない。なんとか先制点が欲しいところであったが、前半戦の均衡は悔しくも帝京大に破られることとなる。自陣での相手ラインアウトから早大ディフェンスのわずかな綻びを突かれ、ゴール中央へのトライを献上してしまいスコアは0ー7。背を追う形となった早大は、その後もスクラムやBKのラインアタックから果敢にインゴールを狙い続ける。33分、敵陣でのマイボールスクラムから左サイドへとボールが放たれると、島田の絶妙なパスをCTB東佑太(スポ1=東海⼤⼤阪仰星)が受け取りゲイン。1フェーズを挟み、竹山に渡ったボールはインコースに待ち構えていた平山へと渡る。ミスマッチを誘ったこのプレーから平山が大きくゲインし帝京大からペナルティーを獲得すると、早大はショットを選択した。これを竹山が確実に決め切り、3ー7と一発逆転を射程圏内におさめて、緊張のファーストハーフを終える。

スクラムで強みを発揮したPR前田

 ハーフタイムの間に早大ベンチが動く。待望の松沼がグラウンドに足を踏み入れると、ファンからの歓声が会場を包んだ。万全の態勢で迎えた後半開始直後、華麗な逆転劇を期待した早大ファンの想いはたったの2分で打ち砕かれた。後半2分、帝京大がスクラムペナルティーからクイックでスタート。ゴールライン間際まで迫られ、最後は相手の屈強なコリジョンを止めきれずにインゴールを明け渡してしまう。なんとか反撃の糸口を探す早大は6分、キックチェイスに走った島田が鋭いタックルでレシーバーを仰向けに倒すと、カウンターラックからマイボールを獲得する。そこで得たペナルティーから、ゴール前5メートルの位置でのラインアウト。モールに備える相手の虚をついたサインプレーから飛び出したのは『赤黒』の雄、松沼だ。トライを防ごうとする相手ディフェンダーを吹き飛ばし、鮮烈な復帰トライをゴール右隅に叩き込んだ。スコアは8ー12、再び逆転圏内へ侵入した早大はここから勢いに乗る。14分、相手ボールスクラムを早大が押し切り反則を誘うと、勝負の場面は再び敵陣ゴール前ラインアウトへと移る。今度はモールを形成したがトライまではあと一歩届かない。ピックアンドゴーで清水がゲインすると、次に待ち構えていたのはここでも松沼。立ちはだかる真紅の壁に、正面からボールをねじ込み値千金の逆転トライをあげてみせた。13ー12、一点差のリードを守るのではなく、尚も勇猛に攻め込む早大にはもう一人頼りになる副将がいることを忘れてはいけない。29分、ハイボール争いに定評のあるWTB林宙(帝京大)をWTB池本晴⼈(社4=東京・早実)が空中戦で完全に制すると、続く32分、ボックスキックを再獲得した早大は左サイドへ大きく展開する。それを池本が逆足で正確なキックを放ち、陣地を大きく獲得。帝京大も負けじと強靭なフィジカルで反撃を試みるが、これをFL牧錬太郎(スポ3=神奈川・桐蔭学園)がことごとく封じる。さらにはノックフォワードを誘うタックルも炸裂し、今季の早大の鉄壁ぶりを見せつけた。試合終盤、一つのミスが敗北につながる極限の緊張状態の中、会場は静寂とも熱狂とも言えぬ異様な雰囲気に包まれ始めた。いよいよノータイム、泣いても笑っても最後のスクラムが組まれた。両校FW16人の意地と誇りが「セット」のコールと共に激しくぶつかる。レフェリーの手が帝京大陣地に上がり、いくつかの攻防の末、長い笛が鳴り響く。帝京大はショットを選択し、その一撃を決定打として決め切り13ー15でノーサイド。再び2点差、夏と同じ点差での敗北で幕は下ろされた。

セットプレーでチームに貢献したLO米倉

 帝京大に勝ちきれなかった。その結果が早大の現在地であることは確かだ。しかしながら、早大は現状からの大きな伸び代を示してみせた。「一貫性」、選手がシーズン当初から口々にしてきたこの言葉の重みが、日に日に増して彼らの両肩にのしかかってくることだろう。今試合のペナルティーの数、被ラインブレイクの数、失点の数は全て飲み込んで己が糧とするほかない。これから控える慶大、明大戦を前に上井草でどのような積み上げができるか。優勝への希望は未だまばゆいばかりだ。まずは次節、待ち受ける慶大も簡単な相手ではない。伝統の早慶戦で猛虎を沈めてみせろ。

(記事:堀内遥寿 写真:大林祐太、伊藤文音、髙木颯人)

コメント

◆HO清⽔健伸主将(スポ4=東京・国学院久我⼭) 

ーー今日のゲームテーマを教えてください

   今日は闘争というテーマで臨みました。

ーーハンドリングエラーが多く見られましたが、チーム内でどのようなコミュニケーションをとりましたか

 パニックにならない、ということを常々話していました。

ーーセットプレーの出来はいかがでしたか

   まだまだ五分五分というところがあったので、精度を高める必要があると思います。

ーー今後上井草でどういう積み上げをしていきたいですか

    今日の負けから多くの学びがあったので、自分たちがどうやって向き合い、残り少ない日数を全力で取り組むか、というところに懸かっていると思います。

ーー今後の意気込みをお願いします

 残り少ない試合と日数しかなく、今日の負けからどれだけ学んでいけるかだと思うので全力でやっていきたいと思います。

◆PR平⼭⾵希(スポ2=⼤分東明) 

ーー今日の個人のゲームテーマをお願いします

 迷わずやり切ることです。

ーー前半序盤で急な出場だったと思いますが、どういう気持ちやモチベーションでグラウンドに入りましたか

 もうやり切るしかないので、心を込めて入った感じです。

ーー1番としては初めての出場だったと思うのですが、ご自身のプレー振り返ってみていかがですか

 まだまだ成長できるところがあるので、そこをもっと追求して次の試合に生かしたいと思います。

ーーゲインが複数回見られましたが、そこはご自身の成長とか振り返ってみていかがですか

 まだ納得できるようなものじゃないので、練習でもっともっと突き詰めたいなと思います。

ーー帝京大を相手に、スクラムの手応えはいかがでしたか

 うまく組めた時もあったんですけど、最後の方は相手にうまく組まれた感じだったので、もっともっとスキルを磨いてどんどん頑張りたいと思います。

ーー今後の意気込みをお願いします

 プレー時間をもっと長く出場したいので、頑張ります。

◆NO・8松沼寛治(スポ4=東海⼤⼤阪仰星) 

ーースクラム全体はいかがでしたか

 ドミネートされてる感じはなかったんですけど、スクラムは五分五分だと思うので悔しさが残ります。

ーー個人としてのパフォーマンスはいかがでしたか

 今日はリザーブからの出場で流れを変えるのが自分の役割だったので、そういう面ではトライという形で貢献出来たと思うんですけどチームとして勝てなかったのが一番悔しいです。

ーー帝京に3連敗して悔しさはいかがですか

 実力はそんな変わらないと思うんですけど、自分たちが大事にしている際の部分の勝負は帝京大に春、夏、そして今日と負けてしまっていて、悔しいです。

ーー次がもしあったら改善したいところはどこですか

 策に溺れずにラグビーの本質のフィジカルのところ、そこから逃げずに真っ向から戦っていきたいです。 

ーー試合終盤、スクラムになる前のプレーはなぜミスをしてしまったと思いますか

 点差のプレッシャーや帝京大の圧、対抗戦を経験したメンバーが多い訳ではなかったので、焦ってしまったのかなと思います。

ーーこのメンバーでこの試合を経験できたことは大きいのではないでしょうか

 この負けをどう活かすか、この後の対抗戦の2戦は必ず勝利を収めたいと思います。

ーー次の対抗戦への意気込みをお願いします

 少し時間が空くので、もう一度自分たちの土台を積み重ねてしっかり勝利できるように頑張ります。

◆WTB池本晴⼈(社4=東京・早実) 

ーー個人のゲームテーマお願いします

 ゲームテーマはバトルというところで、目の前の一個一個の勝負に常に勝ち続けることを自分のテーマとしてやっていました。

ーーハイパントキックの攻防を振り返ってみていかがですか

 相手の選手がすごく高く、フィジカルのある選手というのは分かっていて、普段の練習からすごく練習してきた部分ではあるので、いいところが出せたのかなと思います。

ーーBKのディフェンスコントロールの部分は振り返ってみてどのように評価していますか

 スクラムから一つ取られたところや、帝京大は回しながらキックを蹴るというところで、ペンデュラムワーク(振り子のような動き)の部分が少し課題に出たかなと思います。

ーー今後の意気込みをお願いします

 今日の負けは僕たちが優勝するためにいい負けだったと言えるように、上井草の練習から頑張っていきたいと思います。

写真ギャラリー

ライン際を駆け抜けるWTB山下
力強いキャリーをみせるNO・8城
スペースに走り込むSO竹山
ゲームをコントロールするCTB島田
試合後にハドルを組む選手たち

メンバー表