関東大学対抗戦 10月25日 対筑波大 ユアテックスタジアム仙台

停滞からの爆発。仙台・ユアテックスタジアムにて行われた筑波大戦を表すならばこの一言に尽きる。関東大学対抗戦(対抗戦)はまさに群雄割拠であり、どのカードの対戦となっても熱い試合が繰り広げられるが、その中でも全国のラグビーファン注目の一戦となった今試合。前半は早大にとって非常に苦しい時間となった。自陣での戦いを余儀なくされると、筑波大に攻撃の機会を奪われ先制点を許してしまう。0ー5で前半を折り返すも、後半は試合情勢が一新。SO⽵⼭史⼈(スポ1=神奈川・桐蔭学園)のショートパントからの逆転トライを皮切りに、怒涛の快進撃が始まった。「ブースター」の活躍も光る中、テンポ感の良い早稲田アタッキングラグビーを披露し大きく点差を広げる一方で、CTB東佑太(スポ1=東海⼤⼤阪仰星)を筆頭にディフェンスの仕事もこなす。後半は無失点に抑え得点は29-5。対抗戦の白星4個目を上井草へと持ち帰った。

筑波大からのキックオフで火蓋が切って落とされた今試合、前半戦は両者ともに苦しく厳しい時間帯となった。6分に組まれたファーストスクラムでは、筑波大のコラプシングを誘ったもののその後のラインアウトではボールを奪われてしまう。お互いにペナルティーを重ね合い、攻守が激しく入れ替わる状況は続いた。さらに早大は中々自陣から脱することができず、テンポを掴み切ることが出来ない。31分、均衡を破ったのは筑波大。FB増山(筑波大)のランが光りゴール前まで攻め寄ると、今年度主将を務めるLO白丸(筑波大)がWTB⻄浦岳優(社3=東福岡)、FB池本晴⼈(社4=東京・早実)のタックルを引きずりながらインゴール隅にボールを置き、スコアを0-5とする。1トライでも返して前半を終えたい早大だが、タレント揃いの筑波大の細かなステップに翻弄され続けてしまう。自陣深くまで攻め込まれる苦しい時間帯が続くも、何とか堪えきりその後の筑波大の追撃を許さない。0-5というロースコアで試合を折り返すこととなり、早大に暗雲が立ち込めた。

気合いを入れ直したい後半。なんとしてでも先制点を獲得し、一刻も早くアタックの波を作り出したいところだ。その期待に応えるかのように、開始早々早大が動く。6分、筑波大のオフフィートを誘い陣地を得ると、ラインアウトから右にじわじわと展開。ラックから出たボールをアドバンテージを活かし竹山がショートパントで相手の隙を突くと、CTB島⽥隼成(スポ3=福岡・修猷館)がすかさずキャッチ。再び竹山の手の中へとボールが収まりトライライン中央に滑り込む。コンバージョンキックも沈み、7-5と反撃の狼煙を上げた。18分には池本との交代でFB服部亮太(スポ3=佐賀⼯)がBKラインの最後尾として出場すると、さらに早大はアタックスピードを加速させる。SH宮下羚(⽂構3=東京・早実)、竹山、服部から繋がったボールはWTB⼭下恵⼠朗(スポ3=早稲⽥佐賀)へと放られライン際を疾走。しばらくグラウンドを離れていた彼が駆ける姿に歓声が湧く中、インゴール隅にボールを置き、スコアを12-5とし差を広げた。テンポを取り戻した早大は、センタースクラムで猛進。BK陣へとボールが渡り、服部がカットインから大きく前進し敵陣へと切り込むと、筑波大のオフサイドを誘い出すことに成功した。さらに点差を広げるためにショットを選択すると、竹山が難なく成功させスコアを15-5とした。前半に苦しい時間が長かった分、早大は堰(せき)を切ったように攻め立てる。筑波大ボールのスクラムもアーリーエンゲージを誘い出し、ゴール前ラインアウトに持ち込む。モールを形成しHO堂薗尚悟(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が力強くトライラインを割った。なんとしても自陣へと食い込みたい筑波大に、「ディフェンスでチームに流れをつけようと思っていた」と語るCTB東佑太(スポ1=東海⼤⼤阪仰星)がナイスタックルで押し戻す。健闘虚しくキックという飛び道具で瞬く間にゴール前へと前進されてしまったが、この危機を救ったのも今試合数多の活躍が光った堂薗だった。見事にスティールを成功させて再び流れを掴むと、続く37分、白熱するブレイクダウンに筑波大が思わずシンビンを犯してしまう。数的優位を活かしたい早大は、ここにきてHO清⽔健伸主将(スポ4=東京・国学院久我⼭)を投入。早速スクラムを組むと猪突猛進しターンオーバーに成功し、すぐさまNO・8城央祐(スポ3=神奈川・桐蔭学園)が拾い上げると、ラックから宮下がフェイントをかけトライラインに飛び込みダメ押しのトライ。試合終了の笛が吹かれ、振り返ると得点は29-5と大逆転での勝利。セカンドハーフで試合を掌握した早大は、対抗戦連勝記録を守り抜く結果となった。

堪える時間が続いた前半から一転、後半は優勢となり逆転。この勝利にはリザーブ改め「ブースター」となる存在が一翼を担っていることは言うまでもないだろう。彼らが起爆剤として活躍すればするほど、背番号争いは熾烈さを増すと同時に、試合後半の推進力も高まっていく。対抗戦は残り3戦。誰がスターティングメンバーに名を連ねてもおかしくないほどに、多くの選手の存在感が光り続けている。火花散る戦いの中で互いに成長を続ける早大は、更なる強敵を見据え、昨季掴み取れなかった栄光を虎視眈々と狙う。
(記事:伊藤文音 写真:堀内遥寿、飯塚咲 取材:大林祐太、髙木颯人、吉田さとみ、池田健晟、吉田明日香)
コメント
◆HO堂薗尚悟(スポ1=神奈川・桐蔭学園)

ーー今試合のコンセプトを教えてください
やっぱり筑波さんに対して1対1で全員がコリジョンバトルしていくというところもそうですし、自分の中でも今日の試合は接点にこだわるというところを意識しました。ですが、前半負けてしまったところが今日の課題だったのかなと思っています。
ーー前半苦しい場面が続いたと思いますが、FWとしてどんなことを意識していましたか
基礎的な動きだったりとか、セットプレーのところ、特にラインアウトだったりリフトのところを上げ切ることだったり、投げるタイミングなど、1つ1つしっかりこだわっていこうというのも話し合いました。スクラムでもやはりコンディションもなかなか合わない中、そこを外的要因にせずに自分たちに矢印を向けて、自分たちの組み方をしっかりやっていこうというのを話し合ったので、しっかり改善して、後半も修正できていて、そこはいいところだったんじゃないかなと思っています。
ーーラインアウトの感触はいかがでしたか
本当に筑波さんには高く大きな選手がたくさんいて、自分もプレッシャーをたくさん感じたのですが、ラインアウトのメンバー全員のタイミング、そして高さのクオリティーが今日高かったので自分も投げやすく、ミスも多かったですが、自分なりには投げ切れたのかなと思っています。
ーー最後に帝京大戦への意気込みをお願いします
帝京大戦は本当に本質的なラグビー、1対1のところの体のぶつけ合いとか、基礎的なところがやはり絶対キーになってくると思うので、自分がそこで、先手を打って体をしっかり当てにいくこともそうですし、もっともっと自分がチャレンジ精神を持って、強気でいきたいと思っています。
◆SO竹山史人(スポ1=神奈川・桐蔭学園)

ーー今日の試合のコンセプトを教えてください
今日は「漢ブレイクダウン」っていうテーマがあって、ブレイクダウンの部分でも負けずにしていこうというテーマでやっていました。
ーー前半苦戦した中で後半に修正を見せられたと思うのですが、どういったところを意識しながら変えていきましたか
まず監督からハーフタイム中にブレイクダウンをしっかりやれという指示があったので、そこでみんな気合いが入ってブレイクダウンでしっかり入れるようになりました。さらに外に振るタイミングの部分で上手くまとまってきたのかなと思います。
ーー後半から服部選手とコンビネーションを組まれたと思うのですがいかがでしたか
やっぱり声をかけてくれていろいろな情報が入って安心感が生まれました。自分は長くボールを持って亮太さんは早いスピードでもらってくるので、そこのスピードギャップにいいアタックができたと思います。
ーー3試合で『赤黒』の 10 番を着られる中で、成長したポイントはどこだと思いますか
サインコールの部分で、毎試合や毎回の練習で先輩たちから結構指摘があったりしたので、毎回の課題を1日1日積み重ねていって、そこが少しずつ成長できているのかなと思います。
ーー帝京大戦に向けての意気込みお願いします。
そこでも自分がしっかり出場して勝利に関われるようにやっていきたいと思います。
◆CTB東佑太(スポ1=東海⼤⼤阪仰星)

ーー今試合のコンセプトを教えてください
今日の試合のコンセプトとしてはチーム全体として「遂行」っていうところがあって、すべてのプレーに対してしっかりやり切るっていうところがあったんですけど、前半の部分まだまだブレイクダウンのところであったり、個人としてもハンドリングエラーであったり、簡単なミスっていうところが多かったので、そこはまだまだ修正していかないといけないなと思いました。
ーー前半苦しい場面でもチャンスを作り出していましたが、前半のプレー振り返っていかがですか
個人としてもそうですし、チームとしても前に出るっていうアグレッシブな部分が足りなかったのもそうですし、ひとつひとつのプレーを完了するっていう部分もそうですし、やっぱりそこはまだまだ改善の余地があったので、後半しっかりそこを修正していい流れでラグビーができて今日の結果に繋がったと思うので、来週の帝京戦はしっかりと前半最初のファーストパンチから僕たちがアクションして、相手を圧倒していきたいなと思います。
ーー後半はご自身のプレーでどのように流れを変えようとしましたか
自分自身のプレーとしては、しっかりディフェンスの部分、タックルの部分でチームに流れをつけようと思っていたので、そこの部分が出せた部分があったのでそこは良かったかなと思います。
ーー帝京大への意気込みをお願いします
やっぱり今日の筑波大さんよりひと回りコンタクトだったりスピード感っていうのが上になる相手だと思うんですけど、その中で僕たちはチャレンジャーのつもりでしっかりと最初から、ファーストパンチから帝京大を圧倒して、勝ちに繋げたいなと思います。
◆PR前⽥麟太朗(スポ3=神奈川・桐蔭学園)

ーー今試合の個人のコンセプトを教えてください
18番だったんですけど、特にいつ出るとかはこだわらずに、出た時にしっかりセットプレーと接点のところでチームに勢いをつけられるようなプレーをすることを意識しました。
ーーブースターとしての登場となりましたが、どのように試合展開を変えようと思っていましたか
セットプレーと接点のところは今シーズン通して意識しているところで、特にスクラムでは組む時は出し切ることを意識して試合を動かそうと思っていました。
ーー前田選手が登場するとFWの推進力が変わりますが、自身の強みはどのようなところだと感じですか
スクラムのところなんですけど、個人としてもチームとしても組んだ時にしっかり出し切るマインドを持つことがいいところかなと思います。
ーー今後の意気込みをお願いします
昨年は3番を着ていたので、今シーズンも着るためにポジション競走に勝つところと、後から出てもしっかりチームに貢献できるように準備していきたいと思います。
写真ギャラリー
メンバー表





