全22試合の関東大学リーグ戦(リーグ戦)が幕を閉じた。前年王者の早大は11勝11敗の8位フィニッシュ。その中で一際目立つ存在がF松本秦(スポ2=京都・洛南)だった。

今季は自身初のリーグ戦得点王を獲得。1試合平均25.5得点は、直近10年で最多の数字だった。しかし、松本の自己評価は辛い。
「(今季の)自己評価は60点。3Pシュートの確率は落ちてしまったし、ターンオーバー数も1位です。今年からボールを預けてもらえるようになった分、その質を高めないといけないと感じます。」
3Pシュート成功率は33.6%。リーグの平均を上回る数字だが、松本からすれば納得のいく数字ではない。3P王を獲得した去年の成功率は44.0%だった。
松本秦のスタッツ比較
| 項目 | 1年生(25年) | 2年生(26年) |
|---|---|---|
| 得点 | 16.0点 | 25.5点 |
| リバウンド | 5.8本 | 7.4本 |
| アシスト | 1.0本 | 1.6本 |
| ターンオーバー | 1.7回 | 2.9回 |
| 3P成功率 | 44.0% | 33.6% |
松本はリーグ戦中盤にシュートスランプに陥っていた。しかし、確率悪化の原因は、一概に不調だけという訳ではない。
今季からオフェンスの役割が大きくなり、ディープスリーやタフショットの割合が急増した。3Pラインから大きく離れた位置からのシュートや、相手のチェックの上から決めるシュートは、毎試合のように見られる。
リーグ最終戦の東海大戦では、11本の3Pシュートを沈めた。しかも、その中の多くは厳しいシュートだった。観客やプロのスカウトまでも、松本のシュートセレクションと精度には驚きを隠せない。
松本秦のスタッツ比較(シュート中心)
| 項目 | 1年生(25年) | 2年生(26年) |
|---|---|---|
| 3P成功数 | 2.8本 | 3.8本 |
| 3P試投数 | 6.4本 | 11.2本 |
| 3P成功率 | 44.0% | 33.6% |
| TS% | 61.4% | 56.4% |
| USG% | 22.8% | 32.2% |
今季の1試合の3P試投数は11.2本。去年の6.4本から飛躍的に増えた。難しいシュートを打つ場面が増えた分、確率悪化も仕方がない部分があるだろう。
チーム内での役割の大きさを示すUSG%で、松本は32.2%を記録しており、去年からは約10ポイント増えた。これは松本が絶対的なエースとして多くのオフェンスに絡んだことを示す。今季USG%が30%を超えた選手は、松本と坂口大和(中大4年)だけであり、非常に稀な存在であることが分かる。
それでも松本は納得しない。「(3Pシュート)成功率40%は自分の中で一つの基準。味方のシュート機会を貰っている分、そこは決めないといけない」と語った。1試合10本以上の3Pシュートを放ち、それを40%の高確率で決める。にわかに想像し難い数字だが、松本ならその可能性を感じさせる。

また、自身の理想とのギャップについても語った。
「自分はやっぱり比江島慎さん(宇都宮ブレックス)みたいになりたい。クリエイトから自分が決めるし、アシストもできるようになりたいが、今では力不足です。シュートだけで役割が限られると、プレータイムも短くなるのでシューターはもちろんボールハンドラーもできるようになりたいです。」
自分でボールを持ち、起点となるシーンは昨季から増えた。しかし、未だセカンドハンドラーの役割には至っていない。シュートに依存しないマルチな得点力を目指す松本にとって、これは目下の課題だ。

得点王でも満足はしない。他の大学生プレーヤーとは一線を画す自信と野心が松本にはある。
「リーグ戦は悔しい、情けない結果だった。インカレは4年生とプレーできる最後の大会なので、4年生に笑顔で終わって貰えるように、自分が引っ張ります」
昨年のインカレでは得点王を獲得しながら、決勝の敗戦後は涙を流した松本。今季はAUBL(アジア大学リーグ)とリーグ戦で得点王に輝いた。その実績を引っさげ、2度目のインカレに挑む。
(記事 石澤直幸)