第102回関東大学リーグ戦(リーグ戦)8月29日 東京・日体大世田谷キャンパス
昨年、「早稲田旋風」を巻き起こし20勝2敗で57年ぶりの優勝を果たしたリーグ戦。誰もが早大の優勝を予想し得なかった昨年度に比べ、今年は優勝候補筆頭として期待がかかる。本日の相手は、一昨年、一部昇格を決めた試合で早大が撃破した山梨学院大だ。2年ぶりのマッチアップは、両校を代表するスコアラー、F松本泰(スポ2=京都・洛南)とイゴール(山梨学院大3年)を中心に互いに点を取り合う展開に。前半途中から早大守備陣が山梨学院大のオフェンスを見事に封じ、点差を大きく広げたが、後半は反撃に遭う場面も。最後は前半で稼いだリードを守り切り、91-75で勝利した。

第1Qは互いに点を奪い合う拮抗した状態が続いた。良いディフェンスから速い攻撃へと繋げたい早大は、山梨学院大のスクリーン攻撃にスムーズなスイッチで対応するも、イゴールにおよそ3分で4ゴールを許す。対して「平均30得点男」でお馴染み松本は3Pシュート、1on1からのターンシュートと連続得点に成功。さらにアジアの舞台で”Mr. Ninjya”と呼ばれたG下山瑛司(スポ4=愛知・中部第一)のバスケットカウントと、キーマンとなるF藤山拓翔(スポ3=新潟・開志国際)のブロックで流れを掴みリードする。しかし残り1分の場面で鮫島颯介(山梨学院大1年)の3Pシュートを被打。26-23で第1Qを終えた。

第2Qは、山梨学院大のインサイドからの攻撃に素早いヘルプで応じ、外角からタフショットを打たせ速い攻撃へとつなげる場面が多く見られた。また、積極的にインサイドへのパスをカット、スティールすることによって山梨学院大がやりたいバスケを封じ、試合の主導権を少しずつ掴み始める。特にU18代表に選出された菅野陸(山梨学院大1年)を、プレータイム22分ながら無得点に抑えたことは、早大守備陣の集中力の高さを象徴している。しぶといディフェンスが持ち味のG嘉手川太智(商4=沖縄・開邦)が、ドライブで切り込みターンショットを沈めるとベンチは大盛り上がり。ここでエースF三浦健一(スポ4=京都・洛南)が2回目のファウルを犯し、一度コートから下がるが、藤山の3Pシュートを含む8ー0のランを見せるなど早大がペースを掴んだ。53-33で前半が終了した。

第3Qは前半に比べて時間をかけての攻撃が増加。三浦が下がった時間はオフボールの動きが乏しく、松本はスペースを作れずマークされたままパスコースを読まれてカットされる場面が目立った。ゴール下の藤山へ展開するも、味方のパスをキャッチしきれず落球する場面が続き、その間に相手の守備陣形が整ってしまう悪循環に。それによりオフェンス効率が下がった早大は得点を伸ばせなかった。松本がなんとかファウルをもらいながら得点するが、本Qのスコアは18-27と相手にペースを握られ、11点差まで詰められた状況で最終Qを迎えた。

第4Qの出だしは24秒間守り切られ好発進は叶わず。両者無得点で時間が過ぎていく中、残り6分を切ったところで松本が悪い流れを断ち切る3Pシュートに成功。そこから、期待のルーキー・F野津洸創(スポ1=静岡・藤枝明誠)、安定したプレーを見せる下山がコンスタントに得点を重ね82-65となる。途中イゴールに連続得点を許したが、早大は最後まで逃げ切り91-75で試合終了。2年越しの再戦は早大に軍配が上がった。

これから続く長いリーグ戦の中で、第3Qで得点が止まってしまった場面のように、早大が望む速い展開に繋げられず我慢しなければならない時間帯が出てくるだろう。特に、早大と同様に優勝争いの一角として挙げられる白鷗大は、ウィリアムジョーンズカップで活躍をみせた境アリーム(白鷗大4年)やオカプ(白鷗大2年)といった強力なビッグマンに加え、大学日本代表に選出された小川瑛次郎(白鷗大3年)・内藤晴樹(白鷗大4年)など外からの攻撃も可能なガード陣を擁するチームだ。そういった相手に対して、スピードを生かしづらいハーフコートオフェンスを強いられる時間、徹底的なマークを受けるエースの3Pシュートにだけ頼れない状況の中で、いかに苦しい時間を打破していけるかが鍵になるだろう。特に、留学生とのマッチアップが予想される藤山と野津がキーマンと言える。AUBL3位決定戦の重要な局面でブロック・3Pシュートを成功させ成長をみせた藤山には、松本・三浦にかかる厳しいマークを分散させるオフボールの動きと、3Pシュートの確率アップが求められる。また同試合でスタメン出場した野津は、ファウルトラブルを避けながら効果的なディフェンスを遂行する力と、昨年度副将として活躍した堀陽稀(令8スポ卒=現越谷アルファーズ)のような突破力が身につけば、一気にプレーの幅が広がるだろう。

明日のマッチアップは、青学大・中央大に最終Qで逆転勝利を収めた東海大だ。5月に行われた関東大学新人戦では、松本に対する徹底的なマークで早大の攻撃力を封じ、大会3連覇を果たしている。代々受け継がれる組織的ディフェンスを軸に攻撃を展開しペースを掴みにいく東海大と、今シーズンから攻撃だけでなくディフェンスも課題として捉え磨いてきた早大。どちらが各々のカラーをより濃く出せるのか、最後まで目の離せない一戦になりそうだ。
(記事 北郷美結 写真 石澤直幸、吉田真悠)
早大 スターティングメンバー
| Pos. | # | 選手名 |
|---|---|---|
| G | 0 | 下山瑛司(スポ4=愛知・中部第一) |
| G | 3 | 嘉手川太智(商4=沖縄・開邦) |
| G | 4 | 城戸賢心(スポ4=福岡第一) |
| F | 6 | 三浦健一(スポ4=京都・洛南) |
| F | 12 | 松本秦(スポ2=京都・洛南) |
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
| 早大 | 26 | 27 | 18 | 20 | 91 |
| 山梨学院大 | 23 | 11 | 27 | 14 | 75 |
コメント
G嘉手川太智(商4=沖縄・開邦)

ーー本日の試合を振り返って
前回の試合が自分たちのチームのペースに乗せることが全然できなかったので、しっかり今日の試合で立て直して明日の東海戦に向かいたいという気持ちで試合に臨みました。第3Qは良くなかったですが前半は良かったですし、割と掴めたという点で良かったと思います。
ーー後半に点差が詰まる部分もありましたが反省点は
点数が離れていた中で気持ちを緩めないようにしっかりやらないといけなかったのですが、自分たちが前半にどこでうまくいったのかをみんなで共通認識を持ち、そこを徹底するのが弱かったところが課題だと思います。
ーーイゴール選手(東海大)に大量得点を許しましたが、留学生相手のディフェンスについて修正点は
留学生に対してはどうしても誰がついてもミスマッチは出てくるので、1人で守るのではなく複数人で守ること、あとは相手がやれることを限定させることが大事だと思います。明日の相手の東海大にも留学生であるムスタファ選手がいるので、今日の課題を踏まえて明日に繋げたいと思っています。
ーー菅野選手(東海大)を0点に抑えましたが振り返って
基本的に山梨学院大のプレースタイルがイゴール選手に渡して、そこからハンドオフで攻めていくスタイルだったのですが、そもそもそのピックに行かせないという部分で(下山)瑛司や自分が体を張ったのが相手に結構ストレスかかったんじゃないかなと思ってます。
ーーAUBLの期間からプレータイムが伸び始めましたが、そこで何か掴めたのか
メンタル的な部分が大きくて、今までは(松本)秦、(三浦)健一にボールを回して頼ることが多かったですが、ディフェンスやリバウンド、ルーズボール、得点とかも含め、自分がチームを勝たせるっていう意識を持ち始めてからプレータイムが伸び始めました。
ーーラストイヤーとなるこの1年の目標は
チームとしてはリーグ戦優勝、インカレ優勝っていうところをやっていきたいですし、そこに自分がプレーヤーとして貢献したいです。
ーー明日の東海戦、早くも山場ですが意気込みをお願いします
自分たちがやることをしっかりやって気持ちで負けなければ勝てると思うので、みんなで集中して気を引き締めて頑張っていきたいと思います。
F野津洸創(スポ1=静岡・藤枝明誠)

ーー試合を振り返って
第2Qのように、自分たちのペースの時間は点差を離すことができました。そうではない時間帯に我慢しきれず、5点差まで詰められてしまったので、そこは反省したいです。反省点が見えて、成長につながるゲームだったと思います。
ーー松本選手にマークが集中する中、オフェンスのバリエーションに対する意識は
(松本)秦さんに頼りすぎてしまっている時間帯があります。倉石さん(倉石平ヘッドコーチ、昭54教卒=東京・早実)も、自分たちが手伝った時に得点力が皆無になるとおっしゃっていました。そこは今日の反省点ですし、ドライブなど、相手をかき乱すプレーができたらと思います。
ーーオフェンス面で感じている課題は
もっと外のシュートのバリュエーションを増やさないといけないと思います。自分が中に張る時はどうすればいいか分かりますが、外を攻める時はどのように動けばいいか分かっていません。もっとコミュニケーションを取って、早稲田のスタイルを自分の体の中に入れていかなければいけないと思います。
ーー本日のプレーで良かった点は
ディフェンスですが、相手の留学生をある程度抑えられたことは良かったと思います。
ーー留学生とのマッチアップが多いですが、意識したい面は
リバウンドの部分で、単純なパワーでは勝てません。頭を使って、タイミングをずらすなどして勝っていかないと、どうしても自分たちは身長がないので。頭の部分で相手に勝って、やりたいことをさせないプレーをしていきたいです。
ーー活躍を見せたアジア大学リーグ(AUBL)から意識の変化などは
AUBLは自分たちのバスケットが知られていなかった分、やりやすかったです。自分たちは頭を使うバスケですが、他の国は決められた事をやる機械的なバスケットだったので。その違いが今回の結果に出たと思います。
ーー今季の目標は
リーグ戦でコーチの信頼を得て、今は3番手ですが、もっとプレータイムを貰えるようにしたいです。チームでは優勝することを第一に、その覚悟を持って、優勝できるように頑張ります。