【連載】早慶定期戦直前特集 第2回 小川唯×鍬塚凛

特集中面

第2回は小川唯(スポ4=岐阜高)、鍬塚凛(慶大)のお二人によるアナリスト対談。チームの戦略を支えるアナリストに、チームのことや様々なお話を伺った。

※この対談は5月30日に行われたものです

ーー自己紹介をお願いします

鍬塚 慶應義塾大学4年で体育会バレーボール部でアナリストを務めている鍬塚凛と申します。最近ハマっていることとしては、親から土鍋をもらったので自炊にハマっていて、最近はもつ鍋を作ったり、ご飯を炊いたり楽しくやっているという感じです。よろしくお願いします。

小川 早稲田大学男子バレーボール部4年、アナリストの小川です。あまり趣味はそんなにないんですけど、最近は家の周りを適当に散歩することが好きです。

ーーアナリストになった理由を教えてください

鍬塚 自分のバックグラウンドのところからなんですけど、元々第一志望の大学が別であってそこに落ちて慶應義塾に入る形になったのですが、変なコンプレックスを抱きたくないという思いがあって、そうした時に第一志望の大学ではできなくて慶應ならできる何かをやりたくて、それは強いスポーツに関わって勝って喜びを経験するみたいなところだと思ったので、中高と経験してきたバレー部に入って。選手として貢献するのは難しいかなとスキル的に思っていたので、ならばデータでチームに貢献したいと思ってアナリストを始めました。

小川 自分も結構似ている部分があるんですけど、自分も第一志望の大学に入れなくて、早稲田で何か一つ頑張ることを見つけたいと思っていて。女子部に入ろうかも最初迷ったんですけど、男子部の方が強かったということと、男子部でしかできない経験があると思ったので男子部に入って、当時はアナリストしか女子スタッフが入る形がなかったので、自分はそのままアナリストになりました。

ーーアナリストの仕事をする上で意識していることはありますか

鍬塚 戦術を考えて終わりにしないというところはすごく意識しています。選手に実行してもらって初めてアナリストの役割が完了すると思っているので、自分の考えた戦術が合っているか合っていないかも当然大事なんですけど、それが本当にチームの選手の持っているスキルで実行できるかどうかというところだったり、これが選手に本当に受け入れてもらえる戦術かどうかっていうところは結構意識してアナリストをやっていますね。

小川 自分が意識していることとしては、試合前に対戦相手に関するミーティングを行うんですけど、自分はパワーポイントを作る上で相手がこういうチームなんだっていうことを把握しているんですけど、選手はあまり把握できてない状況もあると思うので、誰にでも理解してもらいやすいようにミーティングを作ることは意識しています。

ーーアナリストという役職の魅力について教えてください

小川 早稲田だったら、他にマネジメントをやってくれるユニットだったり広報とかのユニットがあって、スタッフはそのどこかに入っていることが多いんですけど、一番試合に勝つことには直結しやすいというか、仕事の頑張りが目に見えやすいのは魅力なんじゃないかなと自分は思います。

鍬塚 バレーボールのアナリストは他のスポーツのアナリストよりも結果に出やすい部分があると思っていて。セットプレーから始まるバレーボールだったら分析もしやすいとかいろいろあるんですけど、そういったところで、特にうちはアナリストに戦術の裁量権を結構もらっているので、自分の考えた戦術が試合に出て、失敗するときも成功するときもあるんですけど、成功したらチームを勝ちに導けるっていうところで、責任感だったり裁量を持ってスタッフをして、しかも直接的にチームの勝利に貢献できるっていうところはアナリストの魅力かなと思います。

ーーアナリストの大変な点はどのようなところになりますか

鍬塚 大変な点は、バレーボールの試合のデータを集めるっていうところの単純な労力面もそうなんですけど、自分の場合は監督と選手の中間管理職みたいな役割にアナリストが結構来がちだなと思っていて。お互いの意見のずれている部分を緩和して、うまいこと実行する戦術につなげて、チームの意識の統一につなげるっていうのは結構難しい部分があるなと思ってます。

小川 自分は結構わかりやすくタスク量が多いかなっていうのは感じていて、他の役職や他の大学がどうかっていうのを把握しきれてはいないんですけど、試合のスカウティングを確認するとかは結構時間はかかるのかなと思います。

ーー春リーグをアナリストの目線で振り返ってみていかがでしたか

小川 早稲田は今年に限らずシンプルなバレーをどこまで突き詰められるかが鍵だと思っていて、形としてリーグ戦優勝することはできたんですけど、大事な試合で負けてしまったりとか、チームのベストを出せていなかったり、試合によって差があったりするなと上から見ててすごく思うので、いかに質の高い練習を全カレまで詰め切れるかがこれからの勝負かなと思っています。

鍬塚 自分は今回の春のリーグを振り返って、結果としてはちょっと出来すぎな部分もあるぐらい上手くいったと思っています。15ー21からの難しい状況から逆転をしたりして今回一部昇格という結果につながったんですけど、それは数値では測り知れない部分もアナリストとしてはあるなと思っていて、今年は我々はしぶとさっていうのをテーマにしてつなぎを大事にして、先輩が引退してから半年弱練習を積み重ねてやってきた成果というのが出たと思っていて、選手の力に頼り切った春にはなってしまったんですけど、総じていいシーズンだったなとは思ってます。

ーー自分たちのチームの特徴について

鍬塚 しばらく二部でやってきたので一部においてどうかわからない部分もあるんですけど、高さというのはかなりあるかなと思っています。セッターの松田(慶大)であったり、他の選手も180後半っていうところが揃っていて、サイズであまり負けるってことはなくて、一部になったらまたわからないですが、二部においてはなかなかない高さが強みのチームかなと思っています。もう一つは先ほども挙げたんですけど、しぶとさっていうところで、一個上の先輩の山本(令8卒)先輩の代からずっとつなぎとしぶとさっていうところをテーマにしてやってきて、今年は監督も変わって、それに上乗せしてしぶとくリバウンドを取って、二次攻撃、三次攻撃で決めるっていうところをテーマにしてやってきて、だんだんそれが体現できてきたのかなと思っていて、慶應の高さとしぶとさっていうところが強みだと思います。

小川 自分はやっぱりすごくシンプルなバレーをしているとは思っています。例えば練習のメニューを見ても、すごく難しい練習とか複雑な練習をやっているわけではなくて、どれだけ簡単なことや当たり前のレベルを上げれるかっていうところを皆すごく選手たちは頑張ってくれていると思うので、そのレベルがどこまで上げきれるかっていうところだと思います。

ーーお互いのチームへの印象を教えてください

鍬塚 もう最強っていう感じで。言うとしたら横綱相撲みたいな感じですね。どんな相手にも自分のバレーをしっかりやって勝つっていうところで、オーソドックスなチームなのでやりづらさっていうのはあまり感じたりしないんですけど、気づいたら負けているみたいなのが多いのが早稲田だと思います。

小川 慶應が早慶戦の時だけめっちゃ強いと思っていて、その印象ですね。他が弱いということではないんですけど、早慶戦の時だけ特にすごいやりづらい印象がこちらはあります。

ーー早慶での直接対決は毎回一筋縄ではいかない試合内容になっている印象がありますが、何か秘訣はありますか

鍬塚 結構当たって砕けろ精神が大きいとは思うんですけど、早稲田っていうチームに胸を借りるぞって気持ちで、どんとぶつかっていた結果がやりづらさみたいなところにつながってるのかなとは思います。

ーー早慶戦はどのようなものですか

鍬塚 ありきたりにはなってしまうんですけど、お祭りみたいな部分を結構感じていて、勝った負けたをもちろん大事にはしているんですけど、リーグみたいなピリピリがない中で楽しく真剣なバレーボールができるのは一ついいかなと思っています。もう一つは、リーグ戦には来てくれない友達や家族だったりも早慶戦には来てくれるっていうところで、自分が4年間何をやってきたかっていうのを見せる一個の舞台なのかなとは思ってます。

小川 OBの方や保護者の方であったり、いろんな方が見に来てくださったりして、自分は早稲田でバレーボール教室をやっているんですけど、毎回ではないんですけどたまに参加したりしていて、その子たちも試合を見に来てくれたりする場なので、リーグ戦は複数試合があるのをいろんな観客の方が見に来てくださってると思うんですけど、早慶戦の一面だけのすごい大きいコートっていう場はやっぱり貴重だなと思うので、そういう場でバレーができるのは面白いなと思ってます。

ーーアナリスト同士でお互いに交流はありますか

鍬塚 交流は一応あるっちゃあります。早慶戦とかであったり、自分たちが一部だった時は試合会場で喋ったりっていうところはありました。

ーー秋リーグは慶大が一部に復帰しますが、対戦する際に何か意識はありますか

鍬塚 難しいですね。当たって砕けろって言っても無責任な感じがしちゃってあんまり言えないんですけど、オーソドックスなチームに慶應のバレーがいかにできるかっていうところを意識して秋は取り組むと思います。

小川 リーグ戦とかでも、早慶戦ではないですけどやっぱりちょっと違う意識というか、慶應を意識する感じはリーグ戦の時は勝手に思ってるので、慶應に対して自分たちのバレーをどこまでできるかは一つ楽しみではありますし、リーグ一部上がってきてくれることは自分としてはすごく嬉しいことだと思っていますし、楽しみです。

ーー早慶戦の注目ポイントを教えてください

鍬塚 注目選手でいうと2年生のオポジットの中村玲央(慶大)君で、去年1年間怪我をしていて試合に出られず、なかなか練習もできずもどかしい思いがあったと思うんですけど、今季はスタメンのオポジットとして目を見張るような活躍をしてくれた部分もあるので、きっと早慶戦でも大きく活躍してくれるんじゃないかと期待していて、本人も主人公属性みたいなものを持っていると思うので、大いに期待しています。あとはベンチの応援も今季気合が入っていて、後ろの吹奏楽やチアで応援がかき消される部分もあるかもしれないんですけど、余裕があればぜひ注目してもらいたい部分です。

小川 自分の注目選手はオポジットの中上烈(スポ2=京都・洛南)です。昨年はあまり出場機会がなかった選手ではあるんですけど、他の関東一部の選手と比べてもやっぱりパワーでは負けない強さを持っていて、ただパワーだけで打ってるわけではないので見ててすごく面白いと思いますし、決める時はすごい派手な決め方をしてくれると思うので、そこに注目していただければと思います。

ーー早慶戦への意気込み

鍬塚 自分は最後の早慶戦にもなるので、これまで迷惑かけたり支えてもらった親や友達だったりに、4年間自分が何をやってきたかというところをしっかり見せてある種の恩返しをしたいとは思っていますし、負けて当たり前とは別に思っていないので、当然早稲田を存分にビビらせて勝ちをつかめるよう頑張っていきたいと思ってます。

小川 アナリストは目立たない立ち位置ではあると思うんですけど、自分にとって最後の早慶戦になるので、これまで自分が頑張ってきたことを全部出せるようにしていきたいっていうのと、チームとしては自分がこれまでいた中で毎年セットを取られているので、今年はセットを取られないように頑張りたいと思います。

(取材、写真、編集 井口そら)

◆小川唯(おがわ・ゆい)※写真下

身長155センチ。岐阜高出身。スポーツ科学部4年。最後の早慶戦で全部出せるように頑張ります!

◆鍬塚凛(くわつか・りん)※写真上

身長169センチ。愛知・刈谷高出身。商学部4年。自分の4年間をぶつけて早稲田に一矢報います!