早大投手陣の柱を担う宮城誇南(スポ4=埼玉・浦和学院)。抜群の制球力を武器に昨年は大学日本代表に選出されたが、今季はここまで0勝3敗と苦しんでいる。最終節の早慶戦に向け、ここまでのシーズンと意気込みを伺った。
※この取材は5月21日にオンラインで行われたものです。
あと「もうひとつ」まで来ている

――今季のチーム全体振り返って
なかなか苦しい試合が続いています。昨年までは苦しい試合を何とかものにすることができていたのですが、今年はあと一歩というところで、力及ばず負けてしまうことが多いです。チームとしても、個人としても、思うような結果が出せていない状況かなと思います。
――シーズン前に「ピッチャーリーダーとして広く視野を持ちたい」とおっしゃっていましたが、実際に意識したことや取り組んだことは
今年は特に、今までよりピッチャーが頑張らないといけない、と思っていました。野手が寺尾(拳聖、人4=長野・佐久長聖)以外は総入れ替えという中で、ピッチャーの方がリーグ戦を経験している選手が多かったので、ピッチャーがチームを勝たせよう、とずっと香西(一希主将、スポ4=福岡・九州国際大付)と話していて。4年生を中心に、ピッチャーが0に近い数字で抑えてロースコアの展開で勝っていきたいと話していたのですが、それが思うように行っていない部分もあり、野手には少し申し訳ないなと思っています。
――実際に香西選手とはどんなことを話されましたか
ピッチャーが勝たせたいね、ということです。昨年の秋、明大が圧倒的なチーム防御率で全勝優勝を達成したので、昨年の明大のような感じを目指したいね、と話したことがあります。
――冬からオープン戦にかけて、どのようなことに意識して練習や試合に取り組みましたか
昨年の秋が自分の中でとても悔しいシーズンだったので、冬はその反省を生かして、自分がどういう風なピッチャーでありたいか、を改めて考えました。その時に、自分は150、160キロを出せる剛腕ではなくて、真っ直ぐのキレ、変化球、コントロールなど、バランスが良くて全部のレベル、完成度が高いピッチャーを目指すべきだな、と再認識することができました。そこの精度を高めよう、と思ってこの冬から春先にかけてずっとやってきました。

――個人として今季を振り返って
昨年の秋はピッチングもままならない状況だったのですが、そこから冬の練習やオープン戦で自分の中でやれることはやってきたつもりでした。このリーグ戦でも、うまく成果としてはつながっていないのですが、昨秋の状態とは違って、「もうひとつ」というところまで来ています。その「もうひとつ」が何なのかを自分でしっかり考えて、向き合ってやっていかなければいけないと思います。抑えるのがピッチャーの仕事なので、今抑えられていない原因をしっかり分析して、良くなるように考えていかなければいけないなと思ってます。
――「もうひとつ」とは具体的に
ここぞというところでの一球です。今シーズンはここぞというところで投げきれずに失点したり、味方のミスが起きた後にカバーしきれずにエラー絡みで失点してしまったり、ということがありました。そういった場面で相手の流れに捕まって1イニングで複数得点を与えてしまう場面が増えてしまったので、そこを0点、もしくは点を取られたとしても最小失点で切ることができていれば、また結果は違ったのかな、と思っています。そういう爪の甘さを直して、勝負どころの一球を決める、というのが自分ではあと一歩かなと思っています。
――自分自身やチームとの向き合い方で意識していることは
チームとしても、個人としても思うようにいかないことが多い中で、あまり個人と向き合いすぎない、一喜一憂しすぎない、ということを意識しています。良くない時は個人に向き合いすぎてしまうことが多いのですが、あくまで(野球は)チームスポーツなのでそうならないように気をつけていました。
なるべく自分から話しかけるように

――今季印象に残ってる試合は
法大3戦目です。あそこで勝っていれば、リーグ戦の流れやその先の結果が今とは違うものになっていたのかなと思うので、一番悔いが残っています。雨の中の試合でコンディションが決して良いとは言えない状況でしたが、あそこで抑えてこそ、という思いもあるので、抑えられなかった悔しさが一番大きかった試合でした。
――四死球が少なくなっていることに関しては
四死球については、新チームが始まった時に、チームとしての課題、テーマに挙げていた部分だったので、少しずつですが個人として減らして成果を出せていて、この冬やってきたところが出せているところです。でも、そこからワンランク上げることが必要だと思っています。監督(小宮山悟監督、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)からもストライクを投げるのがゴールではなくて当たり前で、狙ったところに投げる、という面で精度を上げて行ければより良くなるのかなと思います。
――今季から尾形樹人選手(スポ3=宮城・仙台育英)とバッテリーを組まれていますが、いかがですか
まだ慣れない部分が多くて、コミュニケーションがうまくいくこともうまくいかないこともありますが、尾形のキャッチャーとしての能力は、印出さん(印出太一、令7スポ卒=現三菱重工East)や瑞樹さん(吉田瑞樹、令8スポ卒=現明治安田)を超えるものがあると思っています。年下ではありますが、頼れるキャッチャーなのかなと思います。
――バッテリー間のコミュニケーションで意識していることは
今までは自分が年下の立場だったので、印出さんや瑞樹さんといったキャッチャーの方から気を遣って声を掛けてくれることが多かったです。でも今はキャッチャーが後輩という形になったので、待っているばかりではなくて、なるべく自分から話しかけるようにしています。野球の話も、そうでない話も、より多くコミュニケーションを取るように意識してやっています。
――具体的にどんな場面でお話ししますか
試合途中に、前のイニングの振り返りを一言二言でぱぱっと話したり、客観的に自分のボールを評価してもらって、どう抑えていくか、ということを話します。本当に短い会話ですが、イニング間に話せるタイミングがあったら(振り返りを)やるようにしてます。
――具体的に、投手から見た尾形選手の魅力は
守備力です。フィールディングの動き、あと一番は肩の強さが素晴らしいなと感じます。そこに関しては印出さんや瑞樹さんよりも圧倒的に尾形が勝っているところなのかな、と思います。
――他に期待されてる選手はいらっしゃいますか
1年生の川尻(結大、スポ1=宮城・仙台育英)です。打席に立つと何かやってくれそうな、見ているこっちをワクワクさせてくれるようなバッティングをしてるからです。実際、これまで1年生の春なのにもうホームランを打っていますし、規定(打席数)には乗っていないですが打率も高い水準で残ってるので、やはりすごいなと思います。
――同じ投手陣で期待の選手は
2年生の佐宗(翼、スポ2=石川・星陵)です。今季から痺れる場面での登板が多くなっていますが、大舞台を経験しているだけあって、勝負根性、ここぞという場面でのメンタルの強さがあるな、と思います。同じ左ピッチャーなので、一緒に仲良くやっています。
結果を出すだけ

――早慶戦までの間に改善していきたいところは
今季は自分の得意球、ウイニングショットくらいのボールであったスプリットがうまく使いきれていないのと、右バッターも左バッターもインコースにしっかり投げ込むことが思うようにできていない状況です。短い間ですが、その2つの精度を見直してやっていけたらいいのかなと思います。
――コンディションはいかがですか。
コンディションはもう万全で、特に問題もないです。前回の明大戦でも結果は思うようにいかなかったですが、自分の中でマックスの更新はできていました。決してボールが悪いわけではなく体の状態も万全なので、残り1カードですが、早慶戦では結果を出すだけかなと思っています。
――慶大の中で意識している選手はいらっしゃいますか。
渡辺和大(慶大、4年)です。同じ左投げですし、仲良くしているので。今季の活躍を見て、やはりすごいなと思う一方で、自分も本来はそのレベルで競っていたかったという悔しさもあります。早慶戦では、渡辺よりも点を取られないようにしたいです。
――意識している打者はいますか
中塚(遥翔、慶大4年)です。昨年の春にも打たれていて、同じ相手に何度もやられるわけにはいかないので、しっかり抑えられたらいいなと思います。
――早慶戦に向けた意気込みをお願いします
今シーズンはなかなか思うように行っていない状況ですが、早慶戦ではしっかり勝ち点を挙げて、チームとしても個人としても兆しを見せ、少しでも良いかたちでリーグ戦を終えられればいいかなと思います。
ーーありがとうございました!
(取材、編集 早崎静)
◆宮城誇南(みやぎ・こなん)
2004(平16)年9月5日生まれ。175センチ、80キロ。埼玉・浦和学院高出身。スポーツ科学部4年。最上級生として、積極的なコミュニケーションを心がけているという宮城選手。プレー内外でチームメイトを引っ張る姿に注目です!