5月6日 第75回関東大学選手権 東京・代々木第二体育館
中大を相手に最大18点差をひっくり返す逆転劇を見せ、5位決定戦に進出した早大。大会最終日となる6日は、青学大と対戦した。前半はG下山瑛司(スポ4=愛知・中部第一)が25得点の活躍でチームをけん引し、リードで終える。後半はこの日46得点のF三浦健一(スポ4=京都・洛南)が破竹の勢いで3Pシュートを沈め、早大が勝利。107-82の快勝で5位の座を手にした。

今大会は立ち上がりに課題を抱え、全試合で第1Qにビハインドを負っていた早大。しかし本日は一味違った。序盤から下山が積極果敢にシュートを放ち、第1Qから16得点の活躍を見せる。第1Q終盤には連続3Pシュートを沈めるなど、4本の3Pを全て成功させた。先制パンチに成功した早大が、27-16の11点リードで最初の10分間を終える。

第2Qも下山は止まらず、前半で25得点。F松本秦(スポ2=京都・洛南)も着実に得点を重ねた。対する青学大は大学日本代表の広瀬洸生(4年)を中心にオフェンスを組み立て、リードを広げさせない。それでも最後は三浦と下山が続けざまに3Pシュートを沈め、53-38の15点リードで試合を折り返す。

第3Qは、まさに「三浦劇場」だった。前半で10得点だった三浦は第3Q早々に、3Pシュートとバスケットカウントを獲得する。三浦はなんとこのQだけで22得点。チームもリードを22点に広げた。
第4Qも三浦が止まらない。このQも3Pシュートを高確率で沈めると、アシストでもF藤山拓翔(スポ3=新潟・開志国際)の得点を演出する。残り4分ではこの日10本目の3Pシュートをディープスリーで沈め、会場にはどよめきが起こった。三浦はこの日46得点、3P10本、アシスト8本のモンスタースタッツを記録。早大も107-82で勝利を収め、関東大学選手権5位の座を手にした。

「試合に出るか迷っていた」と語る三浦。実は今大会の駒大戦で左肩を負傷し、本調子ではない中で最後の3試合を戦っていた。それでもトレーナーの尽力により復帰を果たし、本日は大活躍。「普段の練習通りなので無心でシュートを打つだけ」と日頃からの自信をにじませた。

今大会は準々決勝で白鷗大に敗れたものの、順位決定戦にも目を向ければ4勝1敗。昨年から多くの主力が抜けた中であったが、一定の手応えを感じた大会だったようだ。
次の公式戦は8月に開幕する関東大学リーグ戦。3冠の夢こそ潰えたが、2年連続の頂点に向けた挑戦が待っている。
(記事 石澤直幸 写真 北郷美結)
早大 スターティングメンバー
| Pos. | # | 選手名 |
|---|---|---|
| G | 0 | 下山瑛司(スポ4=愛知・中部第一) |
| G | 4 | 城戸賢心(スポ4=福岡第一) |
| F | 6 | 三浦健一(スポ4=京都・洛南) |
| F | 9 | 藤山拓翔(スポ3=新潟・開志国際) |
| F | 12 | 松本秦(スポ2=京都・洛南) |
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
| 早大 | 27 | 26 | 31 | 23 | 107 |
| 青学大 | 16 | 22 | 24 | 20 | 70 |
コメント
F三浦健一(スポ4=京都・洛南)

――今大会を振り返っていかがですか
正直、ずっと肩を痛めていて。駒大戦の時に痛めて、次の日は腕が上がらなかったんですよ。1日空いて白鷗大戦だったんですけど、ずっと出るか出ないか迷っていて。トレーナーさんにいろいろな治療をしてもらって、やっと出られる状態になったんですけど、もちろん自分のパフォーマンスがうまくいかないのは当たり前だと思っていましたし、シュートのズレが顕著に目立ったなと思っています。そこで自分のプレーを出せなかったのは本当に悔やまれるんですけど、やっぱりチームが勝つことが4年生としての自覚と責任だと思っているので。出ている以上、自分のパフォーマンスに関係なくチームを勝たせることが、自分にとってもプラスに働くと思ったので、そこは自分のスタッツどうこうじゃなくて、チームのためにという思いでやっていました。昨日の中大戦が一番それを体現できたと思っていますし、我慢して我慢してというのは本当に今年のチームがやるべきことだと思ったので、そこは大きな収穫だったかなと思います。
――中大戦からだんだんシュートタッチが戻ってきましたか
中大戦も前半は正直かなり痛くて、シュートを打つ際に痛みが出ていたので、全然シュートを打つ気にもならなかったんです。でも第4Qのハーフタイムに話し合って、「第4Q勝負しよう」となった時に、やっとアドレナリンが出てきて。最後のシュートも自分らしいシュートが打てたなという感じだったので、振り返ると本当にしんどかったなとは思いますけど、頑張って耐えて我慢して良かったなと思います。
――今日の試合も前半10得点から後半に得点を量産しました。普通は後半にかけてスタミナを消費していく中で、逆に上昇していった要因は何だと思いますか
試合経験が全てだと思っています。前半は誰が見ても瑛司(下山)が一番パフォーマンスを発揮できていたし、逆に僕は「彼がずっとやれ」という風に思っていたので。自分がスクリーンをかけにいってミスマッチが来たら絶対に寄ってくると分かっていたので、そこを散らして、あいつ(下山)にどんどん気持ちよくやらせるということを意識していました。自分が点を取るだけじゃなくて周りを生かすのも自分がやるべきことだと思ったので、そこでストレスフリーにできたのは前半良かったかなと思います。
――逆に後半は好調な自分で行くという意識で
そうですね。相手が絶対にジャスト(ヘルプ)してくるので、瑛司のところへのマークがきつくなるのは分かっていました。その時に自分が生きると思っていたので、そこは本当に臨機応変に対応してやれたのは良かったなと思います。
――第3Qだけで22得点でした。ゾーンのような状態に入っていたのですか
みんなによく言われるんですけど、僕は試合に集中しているというか、ボールを持ったら常に自分のシュートを狙っています。自主練でシューティングする時も、ワークアウトする時も、そういう試合を意識してやっているので。タイミングやボールのもらい方も、学生コーチに聞いたら分かると思うんですけど、本当に普段と全く同じなんです。だから「来た」と思って、練習通りにやろうと思って打っているだけなので。倉石さんがよく「シュートは無になって打て」とおっしゃるんですけど、本当に入る入らないに関係なく、常に無心で打っていたので、それが結果として出て良かったなと思います。
――すごいパフォーマンスに見えても、本人としてはいつも通りという感覚
そうです。特に「今日当たってる」とかではなくて、たまたま自分のシューティングの成果が一部出た、という風に捉えています。
――コート上の掛け声も印象的でした。特に藤山選手に指示する場面もいくつか見えましたが
彼の場合は経験値が非常に浅くて、去年ベンチで試合を見ていた部分はあるんですけど、そこを自分が4年生としてサポートする必要があると思っています。4年生の人数も少ないので、チームをバックアップするのが自分の役割の1つだと思っているので。点数を取るだけじゃなくて、出ている後輩にも「今のはこうだよ」とか、「こういう風にもらったら今度は自分が生きるよ」とか、そういう声掛けは普段の練習から常にするようにしています。
――今大会を通して出た課題は何ですか
課題は本当にまだまだたくさんあると思うし、秋までに1つ1つ潰していかないといけないなと思っています。でも一番大事なのは、自分たちの良さを絶対になくしちゃいけないということです。そこはカテゴリーが変わろうが変わらないが、自分にもプラスに働くし、チームにも良い影響を与えると思うので。世間から見たら少し独特に思われるかもしれないですけど、自分たちからしたら、いつも通りのバスケットをするだけなので。そこをいかに40分間体現し続けられるかが、今年のチームが勝つための要因かなと思います。
――個人では得点王を獲得しました
やっぱりチームが勝つことが一番なので、自分のスタッツは二の次です。もちろん良かったなら自分を称えたい気持ちもありますけど、一番はそこじゃないので。トーナメントを通して、頑張った自分もそうですし、少ないローテーションをやり切ったみんなに感謝したいなと思います。
――体力的な疲れは感じていましたか
もうめちゃくちゃ感じていました。特に中大戦はそうですね。追い上げるのって非常に体力を消耗するので。僕らの場合は留学生もいないし、能力が突出した選手がいるわけでもないので、追い上げるためにかなり体力を使うというのは自分たちも分かっていました。それを最初からできなかったというのが自分たちの弱さだと思ったので、そこは秋に向けて修正するべきところかなと思います。
――ここから早慶戦、そしてリーグ戦に向けて、どんなところを改善して、どんなチーム作りをしていきたいですか
個人的に言うと、自分が去年よりもボールを触る回数が圧倒的に多いので、いかにミスなくさばいて、寄ってきたヘルプに対してフリーの選手を見つけられるかが自分の課題だと思っています。そこはぶらさずにやっていきたいなと思います。
G下山瑛司(スポ4=愛知・中部第一)

――試合を振り返って
試合の入りはディフェンスを徹底して、ボックスアウトまでやり切ることができました。ブレイクも出せていたので、早稲田のやりたいバスケットができたことは良かったと思います。あとは、中盤に流れが悪くなった時に、自分たちがどこまで我慢できるかだと思うので、コート内でコミュニケーションを取って、集中力を切らさずに最後まで戦えるようにしたいです。
――本日はシュートが決まっていました
そうじゃないと自分のスピードが生きてこないので、シュート力には力を入れてきました。
――ここまでの試合より積極的にシュートを放っていましたが
特に意識はしていませんでしたが、ディフェンスがアンダーに回っていました。自分のタイミングで打てていたので良かったです。
――シュートに関してアドバイスなどされた点は
倉石さん(倉石平ヘッドコーチ、昭54教卒=東京・早実)からは、シュートフォームに関してアドバイスをいただいて、フォームが柔らかくなってきました。今日みたいに力みすぎず、リラックスした状態でやれば、自ずとシュートは入ってくると思います。
――昨年からチーム全体で意識が変わっている点は
去年からは戦力が下がってしまった部分もあるので、もっと強度を高くして、しっかり守ってから走らないと点数は伸びないと感じています。今年は特にディフェンスに力を入れています。
――日本代表に選出されましたが、期待されていると思う役割は
網野さん(網野友雄、現白鷗大監督)に言われているのは、早稲田でやっていることをそのまま代表でも出してほしいということです。スピードを生かして速い展開でプレーしてほしいと言われているので、やりやすいかなと思います。
――代表合宿で感じた早大との違いは
ディフェンスの強度が高いですし、コミュニケーション量も違うと思います。早大でもコミュニケーションを増やしていけば連携が取れると思うので、代表で経験したことを早稲田に持ち帰って、継続していきたいと思います。