2026年度の野球部にスポーツ推薦で入学する4名を特集する注目ルーキー特集。第3回は東洋大姫路高のエースとして明治神宮大会ベスト4に導きながら、現在はトミージョン手術からの復活を目指す阪下漣(スポ1=兵庫・東洋大姫路)選手を取り上げます。
※取材は3月20日に行われたものです
兵庫の病院に通いたいと小宮山監督に直訴
――大学ではどのように練習していますか
怪我人という扱いで今練習させて頂いています。その中でも練習の厳しい雰囲気は感じられる部分があるので、そこは1年生から勉強させてもらっていると思います。
――西宮出身で高校も兵庫。東京に出てきて感じる点は
高校も寮生活でしたが、兵庫での寮生活と東京での寮生活では環境もガラッと変わります。今日は天候でいうと雨ですが、兵庫では晴れだったり。そういった環境の違いにも1年生の頃から慣れていきたいと思います。
―早大を進学先に選んだ理由
将来の目標であるプロ野球選手になるに向けて頑張れば行けるということと、文武両道を目標にしているので、それが叶えられる場所が早稲田大学だと思いました。あとは早慶戦であったり、スポーツ科学部というスポーツ特有の学部があるということを耳にしました。大学の授業から野球につながることを学びたいと考えているので、早稲田大学に進学しました。
――スポーツ科学部の中でも専攻したい分野は
心理学の分野には高校時代から熱心に取り組んでいたので、心理学の専攻に入りたい気持ちはあります。もちろん第一優先は野球で、野球につながることは他にもたくさんあると思うので、検討しながらやっていきたいと思います。
――怪我がありましたが現在はどのような練習を
去年の3月に右肘靭帯を断裂していしまい、現役の夏まではプレーを行っていました。その後去年の9月にトミージョン手術を受けました。大学でも高校があった姫路の病院に通いながらリハビリをしたいと小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏) に申し上げたところ許可を頂いたので、沖縄にも行かずそのまま残って練習することになりました。
――現在の肘の状態は
自分の中で痛みは全くないです。あとは痺れと感覚の鈍さが少し残ってしまっていますが、そこは徐々に回復しつつあります。それを待ちながらスローに入っていければと思います。
――投球はまだしていない
昨日から少しずつ投げてはいるのですが、まだ制限がある状態です。完全にボールを投げれているわけではありませんが、ボールを握りながら徐々に感覚を取り戻したいと思います。
(復帰予定は)9月から12月
――久しぶりにボールを投げた際の感覚は
姫路にいる時にフォームをつくり直したので、まだ正しい、正しくないの区別がついていない状態です。それは出力が上がっていけば徐々に分かっていけると思うので、この上げていく時に無理をせず。ここからが1番大事だと思うので、 気をつけながら投げていきたいです。
――昨年夏の甲子園はどのような状態であったか
夏前にメンバーに入れるかというギリギリの状態で、なんとか結果と功績を認められてベンチに入れました。靭帯が切れている中で自分の思うプレーができなかった悔しさもありましたし、周囲から期待されている中、応援してくれている人への恩返しが出来なかったところはすごく悔しいです。それでも最後まで諦めずに3年間をやり切れたことは大きな成長になったと思います。
――怪我をしたのは何をしている時
センバツの試合前日にブルペンで練習している時です。肘が切れた感覚はなくて、抜けたような感じでした。肩が脱臼した時のように、肘が脱臼したみたいな。実はそれが肘が切れたという証拠だったみたいです。
――手術ではどこの腱を移植したか
膝の裏の半腱様筋という、再生しやすい腱です。トミージョン手術で自分が思っているところは手首でしたが、膝の裏の腱を取るというとこに技術の進化をすごく感じました。腱の強さも上がるのではという期待もあります。
――復帰予定はいつ頃
全力で投げられるようになるのは9月から12月という幅の大きい期間を設定しています。その間にレベルアップできることはたくさんあると思うので、復帰した時に周りの人からすごいと思って貰えるようなピッチングをできるように頑張ります。
――トミージョン手術を経て球速が上がる例も多くあります
リハビリ期間中に弱いところを鍛えた結果、球速アップという症例が多いのではと自分は思っています。練習をしていかないと絶対に球速は伸びないので、一日一日を大切にして取り組んでいます。
――現在の最速147キロをどこまで伸ばしていたいか
大谷翔平選手が165キロを出したように、上まで登り詰めるには165キロも後々出して行きたいという風には思います。ですがまずは150キロという高校生の時からの目標を目指して頑張っていきたいと思います。
カットボールに一番の自信
――1番の武器は
まっすぐと変化球のどちらでもカウントを取れることが強みです。甲子園は春、夏と経験して、ストライクが入らない状態が続きました。手術して肘の靭帯が入れ替わったことで体の異常変化も起きて来ると思いますが、そこにも対応していきたいです。コントロールに定まらない状態が続くかもしれませんが、その中でも抑える投球術には自信があります。そういったところももっと伸ばしていきたいと思います。
――現在持っている球種は
まっすぐとカットボール、横のスライダーと縦のスライダーですね。怪我する前はスプリットを習得しているところでした。
――その中で一番自信を持っているボールは
カットボールに一番自信があります。自分の中のイメージで、カットボールは金属バットだと芯を外してもパワーで持っていかれるイメージでした。それが低反発バットに変わって、詰まった時の打球の失速度が上がったと思います。大学で木製バットになるにあたってそれをもっと感じると思うので、カットボールは磨いていきたいと思います。
――憧れの投手は
西武の高橋光成選手を高校時代から目標にして取り組んでいました。それを目標にしつつ、目指す場所は大谷翔平選手のような頭も良く、メジャーでも抑えられるピッチャーです。まずは自分の実力を磨いていかないといけないので、上を見すぎず、切磋琢磨していきたいと思います。
――大学では高校のライバル・阿部葉太(スポ1=神奈川・横浜)選手とチームメイトになります
高校時代は手の届かない存在、超一流バッターとして対戦していました。甲子園でもすごい成績を残していましたし。逆に敵にいると投げづらい気持ちはありましたがチームメイトになったことで逆に頼り合える存在になったかなと思います。お互いがミスをすることはあると思うので、全員でカバーし合える関係になったら自ずと強くなっていくと思います。
――以前は横浜高校の奥村頼人(現千葉ロッテマリーンズ)と織田翔希選手(横浜高・3年)に対して「レベルが違うと思った」と発言されていました
2年生の秋の明治神宮大会で対戦させてもらいましたが、まっすぐの空振り率が奥村選手や織田選手及ばないと感じました。打席に立ってもまっすぐの威力、キレをものすごく感じて、自分は変化球に自信があるのですが、もっとまっすぐを磨かないと変化球が生きてこないと感じました。変化球が入ってるからまっすぐが生きてくるというのが今の投球スタイルですが、両方使えるようになればピッチングの幅も広がると思います。
――もっとストレートで押せる投手になりたい
技巧派という面に対して今の自分は自信を持って言えるので、そこをまっすぐでもカバーできるようになりたいです。基本は変化球。プラスでまっすぐでも空振りを取れるということをアピールポイントにしていきたいです。
怪我の恐ろしさをチームメートに共有していきたい
――最初の1年間の目標は
体づくりを1年目はやっていきたいと思います。1回トミージョン手術をしているので、もうやらないよう体をつくっていきたいです。今までのチームメートや同級生、先輩でも、怪我をすることでその方の野球人生が狂ってしまうことが多くあったので、怪我の恐ろしさというものを一番知っている自分が共有していきたいです。上級生に自分から言うことは難しいと思うんですけど、ピッチャー陣で怪我のないようにやっていきたいです。
――怪我をした時はメンタル的にもダメージがあるのでしょうか
そうですね。自分の場合はが完全に切れて、1、2週間で直る怪我ではなかったので、落ち込んだ姿を周りにも見せてしまったのは反省点だと思っています。自分の反省点を周りに伝えていくことも自分の成長につながると思うので、それはこれから意識してやっていきたいです。
――4年間での目標は
まずはチームの勝利に貢献することが一番やるべき点です。自分の目標としては、まず試合に復帰して投げられるようになることですね。怪我人生活は続きますが、怪我をしているから優遇されるなどのことはないように。グラウンドでプレーしている選手たちのように、しっかり自分も普段の練習から追い込んでいきたいです。復帰した時に少しでも遅れがないようにと意識して取り組んでいます。
――将来的にプロへの意識は
高校生でその夢を叶えたかったのですが、たくさんの方のサポートのおかげで甲子園で投げられて、早稲田大学に進学できました。そういった人たちに対してはプロで頑張ることが恩返しになると思うので、まずは恩返しできるように高みを目指して頑張っていきたいです。
――これからの意気込み
まずは焦らず怪我を直して、復帰したらチームの勝利に貢献できるピッチャーになりたいです。六大学で何回も優勝しているチームに入った以上、優勝する義務があると思います。プレッシャーも感じながら堂々とプレーできる選手になって、結果を残しつつプロにアピールしていきたいです。
(取材、編集 石澤直幸)

◆阪下漣(さかした・れん)
2007(平19)年7月5日生まれ。兵庫・東洋大姫路高出身。スポーツ科学部1年。右投右打。第55回明治神宮野球大会ベスト4進出。