Spring Trial in Waseda 3月21日 埼玉・織田幹雄記念陸上競技場
多くの観客が詰めかけた埼玉・織田幹雄記念陸上競技場にて、「Spring Trial in Waseda」が開催された。早大のみならず、多数の大学から有力選手が集結し、好記録が続出。東京六大学対校や焼津みなとマラソンに向け、勢いをもたらす競技会となった。

レースを走る堀野
この日最初に行われた1万メートルには、堀野正太(スポ1=兵庫・須磨学園)、多田真(人1=京都・洛北)、大和田春(スポ2=高知追手前)が出場した。スローペースでスタートし、大きな集団が形成される中、多田が前方、堀野と大和田が後方に位置する。最初の1000メートルを2分59秒で通過した集団は、林柚杏(札幌山の手高)が引っ張るかたちに。依然として多田は、ややペースの上がった集団の前方で様子をうかがう。一方、堀野は3000メートル手前で、縦長になった隊列の後方から真ん中へと位置取りを変え、レースが動くのを待つ。先頭が3000メートルを8分48秒で通過すると、大和田が徐々に遅れ始めた。レースが大きく動いたのは、5000メートル通過後。大東大の選手が飛び出し、集団がさらに縦長に変化した。多田と堀野は集団から後退し、単独走となる。7000メートル通過後、大東大の鈴木要が仕かけ、再度レースが動く。この仕かけに反応できなかった選手たちを堀野が抜かしていき、残り1000メートルに。大東大の鈴木要が後続を突き放す中、堀野もラストスパートをかける。最後の直線で競り合いとなった堀野は29分49秒88でゴールし、自己記録を大幅に更新。多田も8000メートル通過後からペースを上げ、30分19秒51の19着でフィニッシュした。また、レース中盤から自分の走りに徹した大和田は25着となった。

レースを走る吉倉
5000メートルには、吉倉ナヤブ直希(社2=東京・早実)、鈴木翔瑛(人2=群馬・富岡)、桑原マテウス大地(スポ1=東京・国学院久我山)、冨田拓臣(スポ1=茨城・水城)、山口竣平(スポ2=長野・佐久長聖)、山口智規(スポ4=福島・学法石川)の6人が出場。スタート直後から吉倉、山口竣、山口智の3人は先頭集団を形成し、トラック1周を66秒から67秒程のハイペースでレースを進める。山口竣が3000メートルまで、山口智が残り1周までペースメーカーを務めると、吉倉はそのままトップでフィニッシュし、目標にしていた13分45秒を切り、自己記録を約33秒更新する会心の走りに。一方で桑原、鈴木翔、冨田の3人は東洋大の選手とともに第2集団の中で走り、桑原は2000メートル付近まで集団中盤に位置し、鈴木翔、冨田は集団後方に位置する。3000メートル過ぎに、桑原がペースを上げて、集団前方に位置取りを変え、4000メートル付近で集団のトップに躍り出た。そこから再びペースを上げ、桑原は2着でフィニッシュ。「自信を持って走れた」と語った桑原も、自己記録を約14秒更新する走りとなった。鈴木翔、冨田は2600メートル以降、集団から離れ、それぞれが単独走となりながらも走り抜いた。

レースを引っ張る山口竣
5000メートルの熱気が残る中行われた3000メートル1組。早大からは、山口竣、佐藤広人(創理2=埼玉・早大本庄)、辻陽介(スポ2=愛知・岡崎)が姿を見せた。5000メートル同様、山口竣がレースを引っ張る展開となり、2分47秒で1000メートルを通過する。佐藤と辻は集団中盤に食らいつくが、先頭の山口竣が2000メートルを通過する手前で、2人は集団から離れ始める。山口竣が先頭集団の選手たちに声かけをする余裕を見せる中、残り1周に。ここで、集団からやや離れていた佐藤が一気にスピードを上げる。辻も負けじとペースを上げ、ギアチェンジ。最後までもつれることとなった3000メートル1組は、中大の石川蒼大が1着。石川と並ぶようにゴールした山口竣が2着。ラスト勝負で一気に選手を抜いた佐藤が、8分24秒40の4着でフィニッシュ。また、気迫のラストスパートを見せた辻が8分30秒54の自己記録でレースを終えた。

スパートをかける岩下
この日ラストのレースとなる1500メートルには早大から鈴木琉胤(スポ1=千葉・八千代松陰)、岩下和史(スポ3=神奈川・神大附) 、石崎友太朗(スポ1=新潟中央) 、山口智の4人が出場。岩下は自己記録タイ、鈴木琉は自己新記録をマークする好走を見せた。山口智が序盤から先頭に立つと、そこにヴィクター・キムタイ(城西大)と続き、集団は縦長の隊列を形成。鈴木琉、岩下、石崎は集団中位に位置し、冷静にレースを進める。後半にさしかかっても依然として山口智がトップのまま、1000メートルを2分32秒で通過。全体がハイペースを刻む中、岩下は徐々にポジションを上げていく。ラスト1周に入り山口智がレースを離脱すると、2番手につけていたヴィクターが先頭に躍り出て、そのまま1着に。ペースアップした岩下は一気に先頭に迫り、3分43秒51の自己記録タイでフィニッシュ。鈴木琉もスピードを維持し続け、自己新記録の3分45秒76で4着。石崎もハイペースの中ラストまで粘りきった。
多くの選手が自己記録を更新した本競技会。これから始まる対抗戦に向け、弾みがついたのは間違いないだろう。また、本競技会には、今春早大入学予定の高校生も数多く出走し、好記録を残す姿が見られた。対校戦と三大駅伝の「五冠」に向け、着実に進歩している。
(記事 石本遥希、田邉桃子、永尾早渡 写真 石本遥希、植村皓大、鈴木拓紀、田邉桃子、永尾早渡)
結果
▽男子1万メートル
堀野正太(スポ1=兵庫・須磨学園) 29分49秒88 (6着)自己新
多田真(人1=京都・洛北) 30分19秒51 (19着)
大和田春(スポ2=高知追手前) 30分43秒93 (25着)
安江悠登(法3=埼玉・西武学園文理) DNS
宮本優希(人3=智辯学園和歌山 ) DNS
▽男子5000メートル
吉倉ナヤブ直希(社2=東京・早実) 13分43秒51 (1着)自己新
桑原マテウス大地(スポ1=東京・国学院久我山) 14分35秒99 (2着)自己新
鈴木翔瑛(人2=群馬・富岡) 15分09秒88 (9着)
冨田拓臣(スポ1=茨城・水城) 15分21秒15 (10着)
山口竣平(スポ2=長野・佐久長聖) DNF
山口智規(スポ4=福島・学法石川) DNF
▽男子3000メートル1組
山口竣平(スポ2=長野・佐久長聖) 8分22秒89 (2着)
佐藤広人(創理2=埼玉・早大本庄) 8分24秒40 (4着)
辻陽介(スポ2=愛知・岡崎) 8分30秒54 (9着)自己新
山﨑一吹(スポ3=福島・学法石川) DNS
▽男子1500メートル
岩下和史(スポ3=神奈川・神大附) 3分43秒51 (2着)
鈴木琉胤(スポ1=千葉・八千代松陰) 3分45秒76 (5着)自己新
石崎友太朗(スポ1=新潟中央) 3分58秒49 (11着)
山口智規(スポ4=福島・学法石川) DNF
コメント
吉倉ナヤブ直希(社2=東京・早実)
ーー今日のコンディションはいかがでしたか
1週間前に「Fukuoka Ohori Road Running」の大会を走ったことで、少し疲労がたまっていて、若干体が重いと感じていました。
ーー今日の目標タイムについてはいかがでしたか
13分45秒切りを目標にしていました。
ーーこのレースの目的については
13分45秒を切ることで日本インカレ(日本学生対校選手権)の1万メートルの標準タイムを切れるので、13分45秒を切ることが目的でした。
ーーこのレースに向け、どのくらい調整をしていましたか
調整という調整はしていなかったです。練習もいつも通りに行っていました。
ーーレースを振り返ってみていかがですか
所々きついところはありましたが、ペースメーカーの2人がうまくペースメイクしてくれて、自分も我慢するところで我慢できたので、良かったと思います。
ーー今後の目標についてお聞かせください
今後は1万メートルがメインになってくると思うので、1万メートルで27分台を出せるように頑張ります。
桑原マテウス大地(スポ1=東京・国学院久我山)
ーー今日のコンディションはいかがでしたか
1カ月前にハーフマラソンを走って、そこからずっと調子が良かったので、自信を持って走れました。
ーー今日の目標タイムについてはいかがでしたか
14分30秒切りを狙っていて、達成できなかったのですが、余裕を持って走れたので、良かったと思います。
ーー今回のレースの目的については
シーズン最初の5000メートルとなったので、しっかりと走ることで、これからのレースに弾みをつけたいと思っていました。
ーーレースを振り返ってみていかがですか
全体的に余裕を持って走れたのは良かったのですが、自分でレースを引っ張ることができなかったのは改善点だと思います。
ーー今後の目標についてお聞かせください
今後の5000メートルで、自己記録を更新して、箱根(東京箱根間往復大学駅伝)の16人のメンバーに選ばれるように頑張ります。