10月23日に行われたプロ野球ドラフト会議で読売ジャイアンツから2位指名を受けた田和廉(教4=東京・早実)が、11日午後、大隈会館で同球団から指名あいさつを受けた。

独特のアングルから、威力抜群の直球、3種類のスライダー、特殊な変化を見せるシンカーを武器に三振を量産してきた田和。この日の指名挨拶を前に大隈会館に到着した直後は、やや緊張した面持ちを見せていた田和だったが、記者会見ではややリラックスした表情で受け答えを見せた。
プロでの目標は、「とにかく長く野球をすること」。担当スカウトの円谷英俊氏も「持っているものが非常に大きい。4年生になってからは、元気に投げてくれていればと思っていた」。と、その素材を高評価。水野雄仁編成本部長も「トミー・ジョン手術については、何の心配もしていない。先発、リリーフ、どちらも見ながら投げて欲しい」。と語り、期待を寄せた。
(記事 林田怜空、写真 西本和宏)
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コメント
◆田和廉(教育4=東京・早実)

ドラフト後、早慶戦などもありましたが、自分の納得いく形で大学野球を終えることができたと思っています。ここから新人合同自主トレまで、もっともっと自分を鍛え直して、1年目から活躍できる準備をしていきたいなっていう風に思ってます。
――ジャイアンツへのイメージは
自分が小さい頃から、常勝軍団というイメージが強いのがジャイアンツでした。指名後、ジャイアンツのことを調べていく中で、1番印象に残ったのは、早実の大先輩である、王貞治氏がいた球団ということでした。もちろん打者と投手で全然違いますけど、その王さんが残した成績に負けないぐらいの気持ちでプロの世界で挑めたらな、挑めたらと思っています。
――球団からの評価を聞いたなかで、今感じていることは
本当に尊敬する、実績がある先輩方がたくさんいらっしゃるので、自分からいろんなお話を聞けたらと思います。先発をほとんど大学ではやったことが無いのですが、チームのために自分が投げれる機会があるのであれば、どこでも投げたいなって気持ちが強いので、大勢さんであったり、中継ぎの方々にだけでなく、先発投手の方々にもいろんなお話を聞いて吸収できればなっていう風に思ってます。
――ドラフト後の周囲からの反応は
自分の小学校であったり、地元・京都の方が連絡をくれて、本当に1日じゃ返信しきれないぐらいの量が来ました。ただ、おめでとうという風に言っていただいたんですけど、自分的には、これからもっともっと頑張らないとなっていうのを思っているので、皆さんからいただいた言葉を忘れることなく、プロの世界で活躍して、おめでとうって言ってもらえるように頑張っていきたいなっていう風に思いました。
――ご家族とのやり取りは
ドラフト終わった直後、家族と会う機会があったんですけど、本当にびっくりしていたので、自分も含め家族もびっくりしたっていうのが素直な感想だったと思います。本当に周囲の方々にお世話になったから、こういう結果が生まれたんだよってことを、家族の皆も言っていましたし、自分もその通りだな、と思っています。お世話になった方々への連絡はちゃんと忘れないようにねっていう風にも言ってもらいました。
――小宮山監督からのお言葉は
指名を受けた際にご挨拶に行った時に、「プロをなめるな」と監督からお言葉をいただきました。自分自身はまだまだ未熟だと思いますし、実績を積んでいる監督だからこその強い発言だとは思うんですけど、そういう思いを持ってプロの世界へと自分も挑みたいなっていう風に思います。
――早大の先輩からのメッセージは
去年プロに行かれた山縣秀(令7商卒=現北海道日本ハムファイターズ)さんや吉納翼(令7スポ卒=現東北楽天イーグルス)さんから直接ご連絡をいただきました。ジャイアンツの先輩である高梨さんも、自分の知り合い経由で繋いでいただいて、色々なことをこれからもっと聞いていければなっていう風に思っています。
――早実から足掛け7年間を早稲田で過ごした
中学卒業後に出てきて、東京という自分自身わからないことが多い地で始まった早稲田生としての生活でしたが、本当に色々な方と出会えたっていうのが自分の中で大きかったと思っています。ずっと京都にいて野球をすることもできたとも思いますけど、東京に来て色々な方々とご縁をいただいたけたっていうことが、この7年間の1番の収穫だったかなっていう風に思います。
――早稲田で過ごした7年間の中で、ここがドラフト指名の決め手になったと思える出来事はありますか
高校を卒業して大学でチャレンジすると決めた時に、自分の中で、ずっと課題にしてた落ち玉を練習しようってことで、シンカーという球種を手に入れたっていうのは、自分の中で大きかったかなっていう風に思っています。大学に入ってからも体作りであったり、トレーニングを経ていく中でスピードが伸びたっていうのも自分が成長できたなっていうポイントです。
――1年目の目標と、将来的な目標は
まずは1年目から一軍のマウンドで放ると言うこと。先発か中継ぎかは自分自身でまだわからないことだらけなんですけど、どっちでも投げられる準備というか、体力面であったり、いろんなケアの部分であったり、これからもできることがあると思うので、そういうことをやっていきたいなっていう風に思ってます。キャリアの目標としては、本当に長い間野球をしたいので、ファンの方々に愛される存在でありたいなっていう風に思っていて、自分が引退する時によく頑張ったねって言ってもらえるような選手になっていきたいなっていう風に思います。
◆水野雄仁編成本部長

ーー田和投手を2位指名するに至った理由は
非常に阿部慎之助監督が映像を見て気に入っていまして、それで2位の指名となりました。我々も、強いストレートと落ちていくシンカーは、これはプロで使えるんじゃないかというところで、我々が勝つために田和投手が必要だと思って指名させていただきました。
ーー読売ジャイアンツでの起用のイメージは
リリーフで起用するのが1番田和投手には合っているとは思いますが、今のジャイアンツのウィークポイントは先発投手ですので、先発にも挑戦してもらいたいですし、毎日投げれるようなリリーフピッチャーにもなってもらいたいので、それはキャンプに入ってから現場と話し合って決めていただけたらと思います。
ーー大勢投手とタイプとして似ているイメージがある
もちろん大勢投手のようになってほしいですし、参考になることがたくさんあると思うので、キャンプで色々な話をして欲しいです。また、ライデル・マルティネス投手も非常に練習をするピッチャーですし、田和投手にとって勉強になる素材、存在がたくさんいますので、どんどん吸収していって、田和投手も自分のポジションを掴んで、1軍で、ジャイアンツの優勝のために貢献してもらいたいと思ってます。
ーートミー・ジョン手術の既往歴について懸念はあったか
それは全くありませんでした。今プロでもトミー・ジョン手術をしている投手は多いですし、4年生になってから元気に投球する姿を見ていましたので、むしろ安心かなと思っています。
◆円谷英俊スカウト

ーー4年時の投球を見ての印象は
我々は結果もみますが、結果でない部分も重視しています。田和投手はフィジカルも大きいですし、エンジンの大きさはずっと感じていましたし、4年生で順調に投げてくれれば良いな、と考えていました。
ーー将来的に期待する選手像は
日本1のリリーバーに、なって頂ければと思います。

