東京六大学秋季リーグ戦 10月19日 駒沢オリンピック公園野球場
前日のサヨナラ勝ちで勢いに乗る早大は、秋季リーグ最終節・明大戦の第2戦に臨んだ。有終の美を飾るべく先発のマウンドに立ったのは町田倖大(政経3=埼玉・早大本庄)。7回途中1失点と好投を見せるも、打線が明大投手陣を打ち崩せず無得点に。勝ち点の行方は第3戦へもつれ込むこととなった。
初回から町田らしい投球でリズムを作っていった。1回、2回とランナーを出しながらも、先制点は許さない順調な立ち上がりを見せる。3回以降は圧巻のピッチングを披露。緩急を自在に操り、5回まで3イニング連続で三者凡退と明大打線を封じ込んだ。しかし7回、先頭打者に右翼線への二塁打で出塁を許すと、犠打で1死三塁のピンチを招く。ここで迎えるのは強打者・鳥越駿太郎(3年)。3球目の高めに浮いた変化球をうまくはじき返され、左前への適時打に。三塁走者が生還し、ついに均衡を破られた。町田は6回1/3を投げ77球5安打1失点の成績で降板となった。

先発で好投した町田
一方打線は、走者を出しながらも勝負どころでのあと一本が出ず、走塁ミスなども絡んで好投の町田を援護できなかった。最大のチャンスは4回、1死から水野修吾(人3=神奈川・相模原)、波江野光琉(文2=東京・早実)の連打で一、二塁を作る。続く小柳陽登(社4=埼玉・坂戸)がセンターフライに倒れ、2死となり打席には高木悠(政経2=東京・早実)が入る。高木は1ボールからの2球目を右前に運ぶと、二塁走者の水野は三塁を回ったところでストップ。しかし、一塁走者が二塁を回り三塁まで来てしまったため、水野は本塁に向かわざるを得なくなり、三本間で挟殺プレーが生まれタッチアウトに。走塁ミスにより、チャンスを生かすことができなかった。
なかなか得点できない重苦しい雰囲気の中でも投手陣は最後まで踏ん張りを見せた。7回途中から町田に代わってマウンドに上がった杉山恵琉(文構3=東京・早実)は、7回を無失点に抑える好リリーフ。8回に登板した伊豆丸浩志(文構2=早稲田佐賀)は、走者を出しながらも後続を打ち取り最終回の攻撃へ望みを繋げる。9回は3番・水野から始まる好打順だったが、明大・森慎之介(4年)の前に三者凡退に倒れゲームセット。明大投手陣から得点を奪うことができず、1点が遠い試合となった。

3番手で登板した伊豆丸
早大は優勝こそ逃したものの、最終節で勝ち点を取り有終の美を飾りたい。首位に立つ明大相手に1勝1敗となり、残すはあと1試合。泣いても笑っても最終戦となる明日の試合では、早大らしい全員野球を見せ、最後まで全力で白球を追いかけてもらいたい。
(記事、写真 平壮真)
コメント
町田倖大(政経3=埼玉・早大本庄)
ーー昨日はサヨナラ勝ちをして、いい流れで迎えた今日の試合はどのような気持ちで試合に臨んだか
チームとしては4年生が最後になるので、今日勝って、いい形で4年生を送り出そうという気持ちで臨みました。
ーー何を意識してマウンドに上がったか
勝ち試合を作ることが自分が4年生にできる最後の貢献だと思ったので、そのために長いイニングを投げて自分の持ち味を出していければいいなという気持ちで投げました。
ーーご自身の登板を振り返って
結果的に負けてはしまったんですけど、自分は試合を作るっていう目標は達成できたかなと思います。悔しいところは次回登板に活かしていきたいです。
ーー明大戦が今季最終節となるが今季のチームを振り返って
秋は厳しい試合を勝ち切れない苦しい中で昨日の試合をサヨナラで勝ち切ることができて。チームとしては上向いてきた中でまた今日負けてしまって、1点差を勝ち切れない課題はしっかり来年に向けて改善していければなと思います。
ーー町田投手個人として今季を振り返って来季への目標は
自分の持ち味は試合を作るというところで、そこは春も秋も継続してできたかなと思うんですけど、野手の援護に助けられた部分もあったので。投手戦になったときに自分はどうしても1、2点は取られてしまうので、終盤で招いたピンチを自分で抑えられるよう、球速アップなどの課題に取り組んでいきたいなと思います。