秋季オープン戦 ９月２１日 対明大Ｃ 明大・八幡山グラウンド
関東大学ジュニア選手権で明大Ｂに快勝した早大Ｂ、続く早大Ｃも明大Ｃに勝って２カ月強の秋シーズンに勢いをもたらしたい。そんな中、敵地・八幡山で行われた明大Ｃ戦はまさに接戦であった。前半は明大Ｃに流れを持っていかれ、立て続けに３本のトライを奪われる。その後モールで得点し、一矢報いるもすぐに返される。ＣＴＢ若林海翔（社１＝東海大大阪仰星）の追加得点でスコアは12ー24となり、後を追う形で後半へ。後半８分に早大Ｃは丁寧に外までパスを回してトライ、そしてコンバージョンゴールを決める。さらに相手のパスミスからボールを拾い、最後はＨＯ石原遼（スポ１＝神奈川・桐蔭学園）がグラウンディングに成功。これにより両者、得点が並ぶ。しかし、ここからのもう１トライが生まれずに試合は24ー24の引き分けで終わった。
ラインブレイクするＳＯ仲山
試合が始まってすぐにラインアウトのオーバーボールに反応し、マイボールスクラムを獲得した早大Ｃ。フォワード陣を中心にじわじわと相手ディフェンスを押し下げ、特にＬＯ惟村詠甫（基理３＝神奈川・桐蔭中等教育）はボールを積極的にもらって前に出た。しかしパスミスでアタックが終了すると、その後のマイボールスクラムでもペナルティーを相手に与えてしまう。結果的にこの反則がきっかけとなり明大Cのボールを左右に振るアタックでトライラインまで迫られると、先制トライを許してしまった。ここから流れに乗った明大Ｃはキックカウンターで自陣に食い込まれてもなお、ラック近くに溢れたボールを拾うと、ロングカウンターをお見舞い。最後は華麗なキックパスでボールをトライゾーンに沈めた。一刻も早く不穏な流れを断ち切りたい早大Ｃは相手のラインアウトミスを見逃さずボールを拾って蹴り返し、敵陣に侵入。全力のチャージで大チャンスかと思われたが、ノックオンオフサイドとなった。明大Ｃはすぐに切り替えるとパスを回し裏にボールを蹴り、敵陣ラインアウトを獲得。モールから持ち出して、早くも３トライ目を挙げて前半18分にスコアは０ー17となった。負けじと早大Ｃも敵のノータッチキックから素早いカウンターを見せ、その後もテンポ良く攻撃。ペナルティーを獲得するとモールでＨＯ田中健心（スポ２＝神奈川・桐蔭学園）がそのままトライラインを割る。しかし直後のキックオフで早大Ｃはオブストラクションを犯すと、明大Ｃはモールで押し切り追加得点。モールで奪ったトライをすぐさまモールで返される形となった。流れが変わる兆しを見せたのはＣＴＢ菊川迪（スポ２＝兵庫・報徳学園）、田中健の力強いキャリーからであった。前半29分にはスクラムからＳＯ仲山倫平（法４＝ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ）が抜け出すと、若林に繋ぎグラウンディングに成功。12点差を追う状況で前半を終えた。
ディフェンスにヒットするＬＯ惟村
後半は大きくメンバーが変わる。後半最初の得点を挙げるため攻め続けるも上手くいかず、５分に獲得した敵陣ラインアウトからのモールも攻略されてしまった早大Ｃ。奪われたボールはキックされ、その後自陣に侵入を許す。再び始まろうとした明大Ｃの攻撃を防いだのは、ＦＬ狭間大介（スポ３＝福岡）のスティール。このビッグプレーはチームを活気づけた。再びアタックの機会を獲得した早大Ｃは丁寧なハンズで外まで繋ぎ、ＮＯ・８龍康之助（文構２＝東京・早大学院）がトライ。ＳＯ池山昂佑（商３＝東京・早実）がコンバージョンキックも決めて１トライ１ゴールで逆転可能に。しかしその後はノットストレートから明大Ｃにボールを渡してしまい、なかなかチャンスが回って来ない。ようやく16分、パスミスからボールを奪って攻撃開始。龍のゲインもありトライライン目前まで前進した。最後は石原が得点を決めきる。コンバージョンキックは外してしまうも、なんとか24ー24と同点に追いついた。明大Ｃは焦りからか勢いは減退し、後半18分ゴール前のラインアウトでノックフォワード。続く明大Cのアタックでも早大Cは気迫あふれるデイフェンスで押し返し、ノックフォワードを誘発して粘り勝ち。逆転に向けて勢いに乗る早大Ｃは若林の素早いランが目立つ。27分、ペナルティーを獲得してゴール前ラインアウトはモールで勝負に挑む。しかしボールが相手に奪われて、明大Ｃに自陣脱出を許す。キックカウンターから再び攻めるも度重なる反則で時間を使わされてしまう。それでもラストチャンスが訪れる。相手ボールラインアウトからのオーバーボールを拾い、攻めるもノックフォワードで試合が終わった。後半にかけて追い上げた早大Ｃであったが明大Ｃに勝ち切ることは叶わなかった。
インゴールへ走るＣＴＢ若林
試合の前半と後半で大きく試合内容が変わった今試合。若林が「30分という短い試合時間の中で12点を追いかける展開だったので、ボールを持ち続けてアタックを継続しようとチームで話した」や、狭間が「前半は元気がなかったので、自分が後半から入って雰囲気から明大を上回っていけるようにすることが自分の役割だと思っていた」と振り返るように、多くの選手が強い気持ちで後半に挑んだ。その想いが試合序盤に点差を付けられた後、流れを再び持ってくることができた早大Ｃのアグレッシブなプレーを可能にしたのではないか。今試合で惜しくも届かなかった勝利だが、選手たちが見せた修正力は今後さらに磨かれていくに違いない。
（記事：池田健晟 写真：村上結太）
コメント
◆ＷＴＢ小澤アンディ（法４＝千葉・流経大柏）
ーー今試合のゲームコンセプトを教えてください
今回はプレッシャーと１ｏｎ１で絶対勝つということをコンセプトにしてました。
ーーハーフタイムではチームでどのような声掛けがありましたか
自分たちのやってきてることは間違ってないということで、自信もってプレッシャーかけてこうとやっていきました。
ーーバックスのアタックについて、手応えはいかがでしたか
一対一で勝ててるものの詰めが甘い部分があったので、そこを修正して後半に向かおうという思いでやった結果、上手くいったと思います。
ーー今後の意気込みをお願いします
自分たちはまだこれで終わりではなくて、ジュニア選手権や荒ぶるに向けて一人一人が『Ｏｎｅ Ｓｈｏｔ』になっていければと思います。
◆ＣＴＢ若林海翔（社１＝東海大大阪仰星）
ーー前半早い段階からの出場でしたが、どんなことを意識してプレーしていましたか
自分が想定しているよりかなり早い時間からの出場だったのですが、チームがいい流れに乗れていなかったので自分のプレーで流れに乗せたいと思ってプレーしていました。
ーー前半負けた状態での折り返しでしたが、ハーフタイムでどのように意識を変えましたか
30分という短い試合時間の中で12点を追いかける展開だったので、ボールを持ち続けてアタックを継続しようとチームで話しました。
ーーＢＫのアタックの完成度はいかがでしたか
ハーフタイムから展開だけではなく、縦の動きも意識しようという話をしたことから、そこの部分はある程度できたのですが、トライを取りきる精度のところで足りない部分が見えたので、精度を高めていかなければいけないなと思います。
ーー夏合宿を経て成長した部分はありますか
強みである一対一を出すために一貫性を持ったプレーをしたいとは常に思っているのですが、ボールを貰うためにどのように動くのかなど細かいところで成長できたのではないかと思います。
ーー今後の意気込みをお願いします
上のカテゴリーに上り詰めて、赤黒を着て試合に出場できるように頑張ります。
◆ＦＬ狭間大介（スポ３＝福岡）
ーー今試合で個人的に意識したことを教えてください
チームに活気をもたらすことです。前半は元気がなかったので、自分が後半から入って雰囲気から明治を上回っていけるようにしていくのが自分の役割だと思ってました。
ーーディフェンス面での感触はいかがでしたか
怪我もあって、上手くいかないこともあった中で、怪我前の調子には戻れたとは言えないですけど、自分の役割は遂行できたかなっていうところです。ただ一方で、Ａチームのフランカーになるためにはもっと相手を仰向けに倒していかないといけないと思っています。春シーズンから出た課題をまだ解決できてない自分がいて、まだまだ全然感触としては物足りないかなっていう感じです。
ーーＦＷのセットプレーはいかがですか
今回はＦＷ全員でまとまりっていう部分を意識して試合に臨んでいました。明治は重いですけど、こっちもちっちゃいなりにまとまりを意識して、五分五分以上で戦えたのかなっていうところもあるので、早稲田はこれからもまとまりを大切にしていきたいなと思います。
ーー今後の意気込みをお願いします
Ａチーム以外の試合はどんどん少なくなっていく中で、一つ一つの試合で自分の強みっていうのをアピールしていきたいと思います。個人としてもチームとしても目の前の相手に対して100％、やるべきことを遂行するっていうところを意識しています。それはＡチームの勝利にも繋がってくると思うので、とにかく自分たちがやるべきことを一個一個やっていくだけです。
写真ギャラリー
パスするＷＴＢ高栁
ラインブレイクするＣＴＢ佐々木
力強くゲインするＬＯ原田
力強くゲインするＰＲ成戸
タックラーを引きずりながらゲインするＷＴＢ山下
メンバー表
