全関東学生弓道選手権 6月15日 東京・日本武道館
全関東学生弓道選手権大会(全関)の本戦2日目は、男子団体の決勝3回戦と男女個人戦決勝が行われた。男子団体は日大と対戦。早大は計16中と伸び悩み、決勝3回戦で敗退した。男子個人戦決勝では4人が出場。佐藤蒼(教2=東京・早大学院)が4、5位決定戦の遠近競射の結果4位入賞を果たした。その後の女子個人戦決勝は、早大から唯一出場した首藤菜那副将(先理4=東京・吉祥女子)が2~9位決定戦の遠近競射で見事準優勝に輝いた。
この日一番に行われた男子団体決勝3回戦は、参的を浅井啓真(法2=東京・早大学院)、四的を内田将太(教1=東京・早大学院)に変更し臨んだ。大前の家田翔平(基理4=早稲田佐賀)がさすがの安定感で初矢を当てる。しかし、2本目で4人連続当てることができず、悪い流れに。対する日大は1本目は2人が外したものの、その後は全て的中。市橋健成(教3=早稲田佐賀)が皆中、家田と佐藤蒼が3中するも早大は普段の射を取り戻せず、最終的に16中-22中で敗北した。

決勝3回戦、合間に話す寺師大輔(スポ3=愛知・東海)(左)と山田蓮主将(政経4=東京・早大学院)
午後からは個人戦決勝が行われた。男子は家田、佐藤蒼、寺門日向人(文構2=茨城・県立水戸第一)、中村輝斗(商1=東京・早大学院)の4人が出場。女子は首藤が出場した。個人戦は射詰で3本目までは尺二的、4本目からは尺二的より直径が12センチメートル小さい八寸的を使って競う。八寸になると段違いに脱落者が増えていくが、最後まで当て続けた者が優勝。2~10位は的の中心からの近さを競う遠近競射で決定する。

個人戦決勝で弓を引く佐藤蒼
男子は4人全員が尺二の3本目までを当て、八寸に挑んだ。寺門と中村が1本目で、家田が2本目で外してしまう。佐藤蒼は1本目、2本目と確実に当て、9人しか残らなかった3本目も的中。しかし4本目で惜しくも抜いてしまう。そして4、5位決定戦の遠近競射に進み、的の中心近くを射抜いて4位入賞を決めた。

最後の全関、個人戦準優勝を決めた首藤
女子個人戦、首藤も尺二の3本目までをなんなく当てる。八寸の1本目では9人中8人が外し、首藤を含む8人が2~9位決定戦の遠近競射に進んだ。混戦、さらに独特の緊張感に包まれる会場で確実に的中。見事8人中最も中心に近い場所に当て、学生最後の全関で準優勝を飾った。
(記事 河野紗矢、写真 大村谷芳、河野紗矢)
結果
男子団体決勝3回戦
大前 家田 4射3中
弐的 寺師 4射1中
参的 浅井 4射3中
四的 内田 4射2中
落前 佐藤 4射3中
落 市橋 4射4中
●早大16中-日大22中
男子個人戦
家田 ○○○○× ○
佐藤蒼 ○○○○○○× ○ 4位入賞
寺門 ○○○×
中村 ○○○×
女子個人戦
首藤 ○○○× ○ 準優勝
コメント
首藤菜那副将(先理4=東京・吉祥女子)
――今日の射の振り返りをお願いします
前日の団体戦を踏まえ、「弓手を真っ直ぐ押し切ること」と「胴造りを安定させること」の二点に意識を絞って個人戦に臨みました。その結果、余計な迷いがなくなり、直感的かつ伸びやかに弓を引くことができたように感じています。また、コーチから「最低でも尺二を全て詰めなさい」と発破をかけていただいたこともあり、何が何でも中てるという強い気持ちで試合に臨みました。八寸は惜しくも外してしまいましたが、二位から九位を決める競射では、「星だぞ!」と自分に言い聞かせ、最も集中した一本を射ることができたのではないかと思っています。
――学生最後の全関でしたがいかがでしたか
全関への出場は、団体戦では二年目、個人戦では最初で最後の挑戦となりました。昨年の団体戦では先輩方に引っ張っていただきましたが、今年は自分が立を引っ張る立場となり、大きな責任を感じていました。結果としては思い描いていたものとは異なりましたが、この三人で立を組み、共に戦えたことは何より楽しい経験となりました。特に印象に残っているのは、決勝トーナメント進出をかけた競射です。13校の中から1校が選ばれるという非常に厳しい場面でしたが、通過が決まった瞬間は本当に嬉しく、強く心に残っています。
――再来週の全国選抜の意気込みをお願いします
全国選抜は、明治神宮にて開催されます。緑に囲まれた風情ある道場で、全国から集まる強豪校と対戦できることをとても楽しみにしております。今年度、女子部では「日本一」を目標に掲げて日々稽古に励んでいます。この全国選抜はその目標に一歩近づくための大切な機会です。部員一同、心をひとつにして日本一をつかみに行きます。その瞬間をぜひ見届けてください。頑張ります!!
佐藤蒼(教2=東京・早大学院)
――今日の射の振り返りをお願いします
的中した射は最低限やるべき事ができ、外した射はそれがやり切れていないというような感じでした。
――団体、個人戦ともに緊張感のある状況でしたがどのような心境で引いていましたか
団体戦は、とにかく目の前の一本を妥協せずやり切ることを考えて引いていました。個人戦は、団体戦で一本外してしまった後悔を無駄にしないよう精一杯引いていました。
――個人戦では介添のみなさんとどのようなことを話しましたか
自分からは弱音を漏らしてばかりいましたが、周りからは「今の射よかったよ。」などと励ましてもらえました。
――再来週の大学選抜の意気込みをお願いします
今回の全関団体戦の悔しい気持ちを忘れず、同じ失敗を繰り返さないよう、優勝を目指して残りの2週間を大切に過ごしたいです。