慶応義塾大学定期戦 5月17日 神奈川・慶大志正弓道場
初夏の強い日差しが降り注ぐ中、伝統の慶応義塾大学定期戦(早慶戦)が幕を開けた。早慶戦は、両校が初立と弐之立を用意し、4人順立で1人20射、計160射の総的中数で勝敗を決める。昨年の早慶戦は、接戦の末最後まで的中を維持し続けた早大が勝利。今年勝利すれば、3連勝となる。今年も昨年同様、ほとんど的中差がつかないまま試合が展開され、最後まで安定した的中を見せた早大に対し、慶大は5立目で失速。三浦勇人(スポ1=千葉・成田)が20射皆中を決めるなど活躍を見せ、最終的に137中-132中で慶大に勝利。伝統の一戦で、見事3連勝達成を飾った。
先攻の早大は、1立目から並木勘汰(文構1=栃木・宇都宮)、浅井啓真(法3=東京・早大学院)、三浦、寺門日向人(文構3=茨城・水戸第一)、寺師大輔(スポ4=愛知・東海)の5人が皆中を決め、初立、弐之立ともに14中を出して計28中を記録。対する慶大は、調子が上がらず計25中にとどまり、早大が先手を取る立ち上がりとなった。続く2立目、慶大の初立が16射16中を決め、すぐさま追い上げを見せる。早大はリードを守りたい場面であったが、やや的中が伸び悩み、2中差を許してしまう。

取り返したい3立目。丁寧な射で着実に的中を重ねていくが、慶大も堅実な射を見せ、差を詰めることができない。両者譲らぬ展開が続き、2中差のまま4立目へ突入した。4立目では、慶大の初立が計12中と勢いを落とし、逆転のチャンスが回ってくる。早大の初立では、中村輝斗(商2=東京・早大学院)、浅井、佐藤蒼(教3=東京・早大学院)が皆中し、計15中。弐之立では、三浦、3立目から弐的に抜てきされた下斗米一貴(商2=東京・城北学園)、寺師が皆中を決めて計14中を出し、堂々たる射を披露。4立目終了時には、早大の意地の射により慶大を追い越し、1中のリードを奪った。

接戦となるまま迎えたラスト5立目。油断できない的中差のなか、道場には張り詰めた空気が漂う。早大の初立は、並木、佐藤が皆中するなど的中を重ね、計14中にまとめる。慶大の初立も根気強い射を見せ計14中を記録し、両者拮抗(きっこう)。勝敗の行方は、両校の弐之立が握ることに。早大の弐之立は、三浦が皆中。下斗米、5立目で落前に起用された梅嶋陸斗(文3=東京・早大学院)、寺師の3人が3中を決め、計13中をマークした。対する慶大の弐之立は、4立目までの好調な射を維持することができず、最後に大きく崩れ計9中。最終的に137中―132中で、早大が3年連続の勝利となった。また、三浦は20射20中を記録して皆中賞を獲得。チームに大きく貢献した。

熱戦となった早慶戦。最後まで粘り強い射で戦い抜くことができたのは、「緊張する場面でも一射一射をとにかく丁寧に引いていくスタンスを変えない」と市橋健成主将(教4=早稲田佐賀)が語ったように、日ごろから射の質にこだわり続けてきた成果であろう。最終目標であるリーグ戦へ向けて、早大弓道部はさらに歩みを進める。
(記事・写真 上杉美結)
結果
【初立】
大前 中村 20射18中
弐的 並木 20射16中
落前 浅井 20射18中
落 佐藤 20射19中
【弐之立】
大前 三浦 20射20中
弐的 大坪洸星(基理2=早稲田佐賀) 8射4中
下斗米 12射10中
落前 寺門 16射10中
梅嶋 4射3中
落 寺師 20射19中
コメント
市橋健成主将(教4=早稲田佐賀)
ーー早慶戦勝利おめでとうございます。本日の試合を振り返っていかがですか
特に1年生の三浦をはじめとして、みなが躍動してくれたなというふうに思っています。今シーズン始まってから、的中だけではなくて、射術をしっかり見直してから的中につながるような練習をしようというところでやってきたので、それがしっかりとみんな出せていたと思うので、本当によかったなと感じています。
ーー伝統の早慶戦に向けて、チームとしてどのような話し合いをして臨みましたか
やはり早慶戦というのはビックネームで大事な試合であるのは間違いないのですが、やることは普段の練習と変わらないので、一射一射をとにかく丁寧に引いていくというスタンスを変えずに、チームみんなで頑張っていこうということを話していました。
ーー接戦となりましたが、どのような声掛けを行いましたか
一射一射というところで、緊張する場面でもう一度弱くならないように、妥協しないように、最後までしっかり伸び合いなども頑張っていこうねというのは、選手一人一人、必要不必要のタイミングを見分けながらやっていけたのではないかと思っています。
ーー今日の勝利を次の大会にどのようにつなげていきたいですか
これから先は、全関東選手権(全関東学生弓道選手権大会)ですとか、選抜(全国大学弓道選抜大会)ですとか、既に決まっているメンバーが中心になっていく試合になるとは思うのですが、その人たちも含めて、今日出られなかった人たちも含めて、次のリーグ戦というところがやはり私たちの最終目標だと思うので、もう一度今日できなかったことも含めて、次はできるように一射一射の価値というのをさらに高めていき、さらにいい的中、スコアを出せるように、いい射術にできるようにチーム全員で頑張っていこうと思います。
三浦勇人(スポ1=千葉・成田)
ーー早慶戦勝利、そして皆中賞獲得おめでとうございます。ご自身の射を振り返っていかがですか
正直、前半は、自分のしたい射ができていたと思うのですが、後半にかけて自分のしたい射ではなくでもなんとなくで入ってしまっているような射が増えてきていたので、最後の一立は、しっかり取り返せたではないですけれど、最後には自分のしたい射ができたかなと思います。
ーー初めて臨む早慶戦でしたが、試合の雰囲気はいかがでしたか
高校のときから早慶戦には出たくて、早稲田に入るくらいには早慶戦に憧れがあったので、しっかりとピリピリとした空気で、楽しかったです。
ーー接戦となり、緊張感もあったと思いますが、どのように乗り越えましたか
自分は射自体が緊張に強いような射にしているので、緊張したから抜くということはないように射自体を作り上げていて。そこを強く意識して、自分のしたい射ができたかなと思います。
ーー個人としての今後の目標を教えてください
今は射形が正面打起こしから斜面打起こしに変えたばかりで、まだ正面とミックスされた状態で引いているような感覚がまだ体にあるので、日置流に慣れることができるような射にしていきたいと思います。