春季オープン戦 5月4日 東洋大・川越グラウンド
Aチームの試合から一転、雨がちらつく東洋大・川越グラウンドで早大B対東洋大Bの一戦が行われた。試合は開始早々から激しいコンタクトの応酬となり、下がっていく気温とは裏腹にグラウンド内は熱を帯びていく。早大Bはスクラムでペナルティーを獲得するなど試合を有利に進めていき、前半を12ー0とリードして折り返す。後半は開始直後に早大Bが2トライを追加し、東洋大Bを突き放しにかかる。1トライ返されるものの、さらに3トライを挙げて46ー7と大きくリードして東洋大Bを下した。

ディフェンスに仕掛けるFL萩原
前半から積極的に身体をぶつけ合った両チーム。早大Bは先にペナルティーを犯してしまい、自陣での苦しい展開が続く。5分、自陣22メートル内で相手ボールのスクラムとピンチを迎えるが、早大Bはペナルティーを奪取。ここから一気に攻めに転じた早大はCTB島田隼成(スポ2=福岡・修猷館)、LO小松輝也(スポ3=大阪・常翔学園)の前進で敵陣ゴール前まで侵入することに成功する。一度はボールを奪われてしまうものの、東洋大Bの脱出のキックをキャッチしたWTB山下恵士朗(スポ2=早稲田佐賀)が個人技でディフェンスを抜いていき、そのままゴール中央へと飛び込んだ。この後は膠着(こうちゃく)した試合展開となり「前半はゴール前でボールをこぼしてしまうなど、自分たちのコミュニケーションミスや判断ミスで繋がらなかった場面があった」とアタックの中核を担った島田が語ったようになかなかスコアボードが動かない。再び戦況が変化したのは33分。狭いサイドでPR勝矢紘史(スポ4=長崎北陽台)からWTB山下一吹(教4=東京・早実)へと素早いハンズで数的優位を作り、突破するとSH平塚英一朗(法3=東京・早実)、FB高栁壮史(創理4=東京・早大学院)とボールを繋いでゴール前へ。東洋大Bがたまらず犯したペナルティーでスクラムを選択すると、一次攻撃で山下恵がゴール左隅にグラウンディング。12ー0とリードを広げて前半を終えた。

ライン際を駆けあげるWTB山下恵
続く後半は開始直後から早大Bが流れを握る。自陣からアタックを継続し、左サイドで山下恵がゲインすると、右へ大きく展開しながらゴール前へ。少しボールが落ち着かない瞬間はあったものの、最後はFL野島信太郎(教3=東海大大阪仰星)がトライした。さらに8分、CTB平野仁(スポ2=神奈川・法政二)のオフロードパスを受け取った山下一がタックラーを引きずりながら力強いトライを見せ、スコアは24ー0となった。14分にはスクラムの一次攻撃からライン際を駆け抜けられ失点を許したが、19分に早大Bはモールでの得点に成功。さらに26分には1年生PR平山風希(スポ1=大分東明)がピックゴーでトライラインにボールをねじ込み、28分にはFL髙橋松大郎(スポ3=愛媛・松山東)が奪ったゲインから素早くボールを展開。オーストラリア遠征から帰還したWTB田中健想(社2=神奈川・桐蔭学園)のオフロードパスを受け取ったFL狭間大介(スポ3=福岡)が試合を決定づけるトライを決めた。立て続けに得点を重ねた早大Bが46ー7と39点差で東洋大Bに勝利した。

インゴールへ走るWTB山下一
前半は思うようにリードを広げられない早大Bだったが、後半は積極的な展開ラグビーとミスの少ないアタックで瞬く間に点差を広げた。「ヒットした後のまとまりを意識した」と今試合フル出場を果たしたLO龍康之助(文構2=東京・早大学院)が振り返ったように、スクラムで強さを見せた早大B。またピンチを迎えた場面でも我慢強く、よく声の出たディフェンスで失点を最小限に抑えたことが今試合のハイライトだろう。粘り強く戦った先にある『赤黒』へ。彼らは伝統のジャージーのために戦い続ける。
(記事 村上結太、写真 安藤香穂、大林祐太)
コメント
◆PR勝矢紘史(スポ4=長崎北陽台)
ーー個人としてのゲームコンセプトを教えてください
チームは「ワセダプライド」というのを掲げており、個人としてはこの春にずっと取り組んできたブレイクダウンの激しさやディフェンスの部分にフォーカスしていました。目立つことではなく、小さなことから徹底してプレーするということを意識していました。
ーースクラムの手ごたえはいかがでしたか
かなり押せた瞬間もあったのですが、チームでやりたいことを体現した結果押し切ったというわけでもないので、そこは8人でもっと練習が必要だと思っています。
ーー前半からチーム全体的に声が出ている印象でした。意識していたことなどはありましたか
アップから今試合のテーマである「ワセダプライド」というのを意識できており、上級生中心に積極的に声を出す雰囲気がうまく作れたことで良い状態で試合に臨めたのではないかと思います。
ーー今後の意気込みをお願いします
今日のような、さらにはそれを越えていくパフォーマンスをし続けなければ赤黒はつかめないと思うので、この春で絶対に赤黒に定着することを目標にしていきたいと思っています。チームとしては勝てたことは良かったですが、改善点もたくさん見つかったので来週までに修正していきたいと思います。
◆LO龍康之助(文構2=東京・早大学院)
ーー個人としてのゲームコンセプトを教えてください
ラインアウトのサイン出しを担当していたので、セットプレーの部分では自信を持って強気でグラウンドに立ち続けることを意識していました。
ーー前半では少しラインアウトが不安定になってしまう場面も見られましたが、後半どのように改善しましたか
今日はいろんなカテゴリーの選手が混ざったメンバーだったこと、そして雨が少し降っていたこともあり、後半のラインアウトは前のサインや相手のタイミングをずらすサインを使うように心がけていました。
ーースクラムの手ごたえはいかがでしたか
春からヒットした後のまとまりということを意識していたのでそこを徹底するということ、そしてLOとしてヒットスピードを上げるというのを意識した結果、上手くいったかなと思います。
ーー前半から非常によく声が聞こえました。この試合に対する思いなど何かあったのでしょうか
初めてBチームのスタメンに出させてもらって、自分ができるのは声を出すしかないなと思っていました。強気というテーマを掲げていたので、強気にたくさん声を出していきました。
ーー今後の意気込みをお願いします
まだ春シーズンは続いていくので、Bチームに挑戦するのではなく、定着してさらに上のカテゴリーを目指していけるように頑張ります。
◆CTB島田隼成(スポ2=福岡・修猷館)
ーー今日の個人としてのゲームコンセプトを教えてください
コンタクトの局面でアタックでもディフェンスでも自分から前に出るということを意識していました。
ーー前半の雨はどんな影響がありましたか
前半はゴール前でボールをこぼしてしまうなど、雨というよりは自分たちのコミュニケーションミスや判断ミスで繋がらなかった場面があったかなとは思います。後半はもっとシンプルにしていくことを意識していました。
ーー激しいコンタクトバトルが印象的でしたが、アタックのテーマはありましたか
試合中にはシンプルなタテのプレーでゲインし、そこをきっかけにチームで崩していくことを意識していました。
ーーフル出場を果たした今試合で自身が成長できたと思うところはありますか
前半は何個かミスはあったのですが、試合通してアタックで仲間を使っていくところは感覚をつかみつつあるのかなと思います。ディフェンスでは自分から前に出て守備で仕掛けていくというのは前回の試合よりもできるかなと思います。
ーー今後の意気込みをお願いします
AチームはいいCTBの先輩方がいるので赤黒はまだまだ遠いかなとは思うのですが、日々成長して一日でも早く赤黒を掴めるように頑張ります。
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