第19回東京六大学リーグ戦 3月23日 東京・明治大学和泉キャンパス
3日間にかけて6チームの総当たり戦が行われている東京六大学リーグ戦(六大学リーグ戦)は大会最終日。ここまでの試合で4勝0敗を記録する早大は完全優勝、そして大会連覇に王手をかけている。最終戦の相手は3勝1敗で早大を追う明大。優勝を占う直接対決に、観衆の注目が集まった。試合は序盤から早大が積極的なディフェンスで流れを掴み、速攻を中心に点差を離していく。前半で20点差をつけた早大は後半も順調に点差を広げ、95-61で快勝。完全優勝での大会連覇を果たした。
第1Q、早大はG岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)、F三浦健一(スポ3=京都・洛南)の3Pシュートで得点を重ねるも、明大のオフェンスを止められず互角の戦いが続く。この膠着(こうちゃく)状態を一気に変えたのはG城戸賢心(スポ3=福岡第一)だった。前線からのディフェンスで2本のターンオーバーを誘うと、そのまま速攻で得点。続けてF松本秦(スポ1=京都・洛南)の3Pも飛び出し、試合の主導権を握った早大が9点リードで第1Qを終えた。続く第2Qは開始直後にF堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)が持ち前のドライブで3連続得点。ディフェンスでもG下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)を中心として、相手にタフショットやターンオーバーを強いた早大が一気に流れを掴んだ。さらに松本が2本の3Pシュートを沈め、最高のかたちで前半を終了。52-32の20点リードで後半を迎えた。

3Pシュートを打つ松本
第3Qも早大の勢いが止まらない。城戸が開始直後にバスケットカウントを奪うと、続けざまにスティールからの速攻を決めて連続得点。チームの得点源、岩屋主将と堀副将も積極的にドライブを仕掛け得点を積み重ねた。明大オフェンスに対しても今年の武器であるオールコートディフェンスが牙を剥いた早大。31点もの差をつけて第4Qを迎えた。優勝への10分間も手を緩めることなく、G堀田尚秀副将(スポ4=京都・東山)の3Pシュートや三浦のポストプレーで着実に点差を離す。攻守に隙のない磐石な戦いぶりを見せ、95-61で試合終了。圧巻の大会5連勝で、六大学リーグ戦の優勝を決めた。

レイアップシュートを放つ城戸
全試合で20点以上の差をつけ、圧倒的な力で完全優勝を果たした早大。個人タイトルでも堀が大会MVP、三浦が得点王、下山がアシスト王、松本が3P王に輝いた。充実した大会だったが、岩屋主将は「どのチームも完成度が低い状態」と語り、気を引き締める。次の大会は4月30日に初戦を迎える第74回関東大学選手権(スプリングトーナメント)。関東の強豪チームを前に、今年は早大旋風が巻き起こるのだろうか。

表彰を受ける三浦(写真左)、下山(写真中央)、松本
(記事 石澤直幸 写真 石澤直幸、牧咲良)
第19回東京六大学リーグ戦 3月23日(vs明大)
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 | 29 | 23 | 22 | 21 | 95 |
明大 | 20 | 12 | 11 | 20 | 63 |
◇早大スターティングメンバー◇
#4 G城戸賢心(スポ3=福岡第一)
#5 F堀陽稀(スポ4=京都・東山)
#6 F三浦健一(スポ3=京都・洛南)
#18 G岩屋頼(スポ4=京都・洛南)
#28 F藤山拓翔(スポ2=新潟・開志国際)
コメント
岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)

――優勝を果たした今の率直な感想をお願いします
嬉しいと言えば嬉しいですが、どのチームも完成度が低い状態なので。ただその中で優勝できたということはちょっと自信にはなったかなと思います。
――新チームになってからは無敗ですが手応えはいかがですか
(関東大学リーグ)1部上位のチームとはあまりやってない状況ですが、それでも勝ちを例年より多く重ねられていることはすごい自信になっています。勝ち癖のような面にも繋がってきていると思うので、結構良い感じかなと思います。
――チーム全体で前からのディフェンスが機能していましたが手応えはいかがですか
ガード陣が相手のボール運びを苦労させ、止めることができています。相手のオフェンスがが上手くいってないことは自分がプレーしても見ていても感じているので、そこの手応えはあります。
――今日の試合はチーム全体でドライブを多用していましたが、どのような意識を持っていましたか
明治がサイズある分、僕らはサイズがありません。そこの足で勝つというイメージで、多分(三浦)健一とか(堀)陽稀とかはスピードのミスマッチを生かしたドライブをしてくれたと思います。
――これまでの試合ではノーディップで3Pシュートを放つ場面もありましたが、シュートモーションを速くすることは意識されていますか
最近3×3を経験させてもらっていますが、そこでゆっくりとシュートは打てないです。クイックなシュートを打つことが多いので、自主練の中でもそういった実践的なシュートの練習をを取り入れています。その部分が試合にも良い感じに出たかなと思います。
――スプリングトーナメントへの意気込みをお願いします
組み合わせも決まり、強豪と当たるということは分かっています。最低でもベスト8に残ることを目標に、ベスト8までも山はありますがチャレンジャー精神で立ち向かっていきたいと思います。
堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)

ーー優勝を果たした今の率直な感想をお願いします
まずは嬉しいです。また、点差を離せたので良かったです。でもこの優勝はまだ通過点だと思うので、もっと詰められるところは詰めてこれからも頑張りたいです。
ーー大会MVPに輝いた気持ちはいかがですか
なんで自分が選ばれたかは分からないですが、良かったです(笑)。これを励みにこれからも頑張りたいです。
ーー第2Qでは3連続得点で流れを引き寄せました。振り返っていかがですか
自分の攻めでチームに流れを引き寄せることができたことは良かったです。
ーーディフェンスリバウンドでチームに貢献しましたが手応えはいかがですか
相手の身長が大きかったので、自分もより一層頑張ろうと思いました。自分がボールを取ったらそのままボールプッシュもできるので、自分がリバウンドを取れたことは良かったと思います。
ーー今シーズンポストプレーが増えている印象ですが、意識の変化はありましたか
相手を見て、自分より身長が大きかったら外から攻めたり、身長が低かったらポストプレーで攻めることを意識してプレーをするようにしています。良い意味で楽に点を取りたいと考えています。
ーースプリングトーナメントへの意気込みをお願いします
ベスト8を懸けた試合は日本人のみのチーム同士の(関東大学リーグ)1部対決になるので、日本人のチームには絶対負けないという気持ちでベスト8に入って、さらに上を目指していきたいと思います。