東京六大学交流戦
3月8日 神奈川・富士通スタジアム川崎
Team | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
早稲田大学 | 1 | 1 | 1 | 0 | 3 |
明治大学 | 0 | 1 | 2 | 0 | 3 |
得点者
1Q
三戸優也
2Q
吉田宗一郎
3Q
小川隼人
4Q
なし
DF野澤想大主将(政経4=東京・桐朋)を軸とする新体制が、東京六大学交流戦の始まりと共に始動した。今年度の目標は「全日本大学選手権優勝」。高い目標を達成するため一戦一戦が落とせない試合となってくる。迎えた初戦は明大。ここから勢いをつけていきたい両チームは応援にも気合が入る。仲間の声援を胸に、序盤から早大は先制点を決めリードする展開に。前半を終えて2-1と早大ペースかのように思われたが、第3クオーター(Q)で相手の攻撃を止めることができず同点に追いつかれる。第4Qで勝ち越したい早大であったが明大のディフェンスに苦しめられ、なかなかネットを揺らせない。積極的なプレーは多く見られたものの得点にはつながらず、引き分けで試合を終えた。

ショットを放つ小川
最初のフェイスオフでボールの奪い合いに勝ったのは早大のFO多田倫太郎(創理4=埼玉・早大本庄)。パスを回してゴールにつなげようとするも、ロングパスのミスから相手にボールを奪われ主導権は明大に。互いにシュートチャンスが多く見られた第1Qだったが、なかなかそのチャンスをつかめず。ややスローペースで試合が進むかと思われたが、そこでMF三戸優也(商3=東京・早実)が大きく試合を動かす。狙いを定めて放ったショットがゴールを突き刺し、先制点となった。2回目のフェイスオフでは相手に競り負け明大ボールとなる。相手のオフェンスがシュートを狙い切り込んでくるが早大も負けじと、DF渡部夏偉(商2=東京・早高)とDF福島颯太(社2=東京・早実)が懸命なディフェンスを見せる。残り3分でG長田謙伸(政経3=埼玉・大宮開成)が相手シュートを止める好セーブ。相手に得点の隙を与えず第1Qを終える。
リードを保っていきたい早大だったが第2Qはポゼッションを逃すところから試合が始まる。相手も追いつこうと果敢にシュートを放つもボールはゴールの上へ。早大もMF内田玲央(商3=東京・国学院久我山)がグラウンドボールを拾いそのままシュートを放つがゴールにぶつかりあと少しのところで得点にはつながらず。硬直状態が続いていたが、次第に相手に押され始める。必死のディフェンスを見せるもゴール左側から放たれたショットが力強くネットを揺らし同点に。その後も相手ボールで試合が展開し、やや悪い空気が早大ベンチに流れ始める。それでも「苦しい場面で積極的に前に立って引っ張れるように意識した」と語る野澤主将がクリアに成功し、チームに勢いをもたらした。背中でチームを鼓舞する姿にチーム全体が活気を取り戻し、再び攻撃の姿勢に。第2Q残り30秒、三戸からパスを受けたAT吉田宗一郎(教3=東京・早実)のロングショットが決まり、2ー1に。早大ペースのまま試合を折り返した。

ボールを保持する野澤主将
このまま勝ち切れるかと思ったが相手も粘り強さを見せ、第3Qで試合が大きく動く。負けるわけにはいかないと言わんばかりの気迫を見せる明大はゴールとはならないものの2度のショットを放つ。長田と変わって入ったG黒田康希(スポ2=東京・成蹊)がそこをなんとか食い止めるも、相手は体制を崩した一瞬の隙を見逃さず、こぼれ球を押し込み再び同点に追いつく。相手のオフェンスに翻弄される中、反撃ののろしを上げたのが早大のAT小川隼人(政経4=東京・早実)だ。ポゼッションの時間が人一倍長く、常にシュートチャンスを狙っていたオフェンスリーダーが残り3分で必死のゴール。こうして勝ち越しに安堵の表情を見せたのも束の間、黒田が足を痛めるアクシデントで長田が再びコートへ。急なメンバーチェンジに柔軟に対応したいところだったが相手の素早い攻撃を止めることができず残り25秒で同点に。勝負は第4Qに委ねられた。
両者譲らぬ状態で迎えた最終第4Q。フェイスオフからチームの流れを作っていきたいところだったが相手にボールを奪われる。それでもグラウンドボールを素早く拾い攻撃に移すスピードは早大が勝っていたようだ。小川がボールを保持し果敢な姿勢でショットを放つ。しかしボールは惜しくもゴール脇を通り抜け、得点にはつながらず。その後は早大のファールで攻撃が相手に移り危ない場面が見られたが、その度に長田が冷静に対処する。終盤、早大がこぼれ球をゴールに押し込み一時勝ち越したかなように思われたがファールのためノースコアに。その後も試合が大きく動くことはなく、3ー3と引き分けの結果となった。

初戦に臨むRED BATS
こうして初戦を終えてみて選手たちは何を思っただろうか。野澤主将の言葉にもあったように「自分達はまだまだ通用しない」そう思う場面もあったに違いない。それでも野澤組は始まったばかり、むしろここからがスタートである。選手たちが見据える「全日本大学選手権優勝」。この高く険しい目標を達成するため、新生RED BATSは突き進む。
(記事 高津文音 写真 石澤直幸)
試合後インタビュー
DF野澤想大主将(政経4=東京・桐朋)
――今日の試合を振り返ってみていかがでしたか
お互いやりたいことができなかったという風に感じています。接戦ではあったのですが1点差ついた場面でもものにすることができず同点に追いつかれてしまったので、そこが自分たちの課題であるなと思いました。
――六大戦をどのような位置付けで臨みましたか
より多くの人の試合経験を積むということと自分たちがやりたいことを試す機会と捉えていました。その中でも勝ち切らないといけないと思っているのでまだまだ課題が残るかなという感じです。
――第2Qの前半はやや明大ペースでしたが、途中野澤主将のいいプレーがありました
苦しい時にプレーで引っ張れるのがいいリーダーだと思っています。そう言った場面では積極的に前に立って引っ張れるように意識したので、少しは良い部分が出たかなと思います。
――今日の収穫はありましたか
今日の試合で自分達はまだまだ通用しないということがはっきりわかりました。オフェンスにもディフェンスにも課題がたくさん残るので、課題が浮き彫りになったという点では収穫かなと思っています。
――次戦の意気込みを教えてください
六大戦の初戦は引き分けという結果で終わってしまいました。ここから自分達のやることをしっかり確認しながらも勝ち切れるように、引き続き頑張っていきたいと思います。
AT小川隼人(政経4=東京・早実)
――試合全体を振り返っていかがですか
学生日本一を目指す中で毎試合10点取るという目標を決めていたのにも関わらず、いつも通りのプレーができませんでした。なかなかオフェンスのリズムつかめなかったことが勝ち切れなかった要因だと思います。
――明大のディフェンスへの印象はいかがですか
昔から相性が悪いところがあり、多少苦手意識がありました。小さく守ってくる相手に対して自分たちの対応があまり修正できず、なかなかいつも通りのオフェンスができなかったです。
――体勢を崩しながらのゴールがありましたが振り返っていかがですか
苦しい試合展開でしたので、なんとか自分の個の力で突破したいと思っていました。気持ちのこもったゴールで、一応点は取れたのかなという風に思っています。
――本日の収穫と反省点はいかがだったでしょうか
収穫はなかった部分が大きいですが、負けなかったということで最低限の目標はクリアできたと思っています。反省点としては、緊張感のある雰囲気の中でいつも通りのプレーができなかったことです。目標は六大戦優勝、そして日本一なので、大舞台でもいつも通りのプレーができるようにしていかなければいけないと強く反省しています。
――次戦への意気込みをお願いします
初戦を引き分けてしまった以上、もう今後は負けられないので、次から相手を圧倒できるように10点以上取って勝ちたいと思います。