【連載】競走部 東京箱根間往復大学駅伝(箱根)事後特集 『蕾(つぼみ)』 第6回 山﨑一吹

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 昨シーズンは度重なる発熱や貧血に苦しみ続けた山﨑一吹(スポ2=福島・学法石川)。しかし、調子を上げて臨んだ箱根では6区を区間5位で走り、念願の三大駅伝デビューを果たした。初めての箱根路を山﨑はどのように振り返るのか。そして、新シーズンの展望をどのように描いているのか。箱根の振り返りと、上級生として迎える来年度への意気込みを伺った。

※この取材は1月27日にオンラインで行われたものです。

ーーダメージが少なく走ることができたとおっしゃっていましたが、箱根後足の調子はいかがですか

 1回休んでいたので調子は上がっておらず、結構体がなまってしまったのですが、ケガもないので走り始めたらすぐに走れると思います。

ーー解散期間はどのように過ごしていましたか

 解散期間は成人式などで地元の友達に会ったり、親戚への挨拶に回ったりしていました。

ーー反響はいかがでしたか

 思ったよりちやほやされなかったです(笑)。「速かったね!」みたいな感じでした。

ーー箱根直前の調子はいかがでしたか

 箱根直前は練習量も落としていたので、軽く、調子よく走ることができていました。

ーー6区出走はいつ決まりましたか

 「本当に走るよ」と言われたのは前日でした。他の先輩2人と僕の3人の中で、調子がいい人を使うということだったので、本当に決まったのは前日です。

ーー出走が決まった時の心境はいかがでしたか

 走るからには、その先輩たちに顔向けできるような、感謝を伝えられるような走りをするのは最低条件だとは思いました。

ーー北村光(令6スポ卒=現ロジスティード)選手や栁本匡哉(令6スポ卒=現愛三工業)選手からのアドバイスなどはありましたか

 2人から 「気楽に行けばいいよ」と言われました。

ーー往路の走りはどのように見ていましたか

 3位で来てくれたので少し緊張していましたが、やることは変わらないなと捉えていました。

ーーレース前はどのように過ごしていましたか

 いつも通りに、テレビを見てゆっくりしていました。

ーー何を見ていらっしゃったのですか

 箱根を見ていました。往路を見て、普通に練習をして、特に変わったことはしなかったです。

ーー3位からのスタートで「目立てて嬉しい」というコメントがありましたが、レース直前の心境はいかがでしたか

 リラックスしていました。テレビを見ている時は結構緊張しましたが、 その場に立ってみたらそんなに緊張はしませんでした。どこでもやることは変わらないと思っていました。

ーー改めてレースプランを教えてください

 特に花田さん(花田勝彦駅伝監督、平6人卒=滋賀・彦根東)からも言われていませんでした。テンポよく、前が見えたらついていって後ろが来たらついていってというふうに、とりあえず周りを見ながら、と僕は思っていました。

ーー花田監督から山﨑選手起用の決め手の一つは「上りの速さ」だというお話がありました。上りの走りを振り返っていかがですか

 走り始めるとやはり上りがきつかったのですが、先輩たちより速く走ることはできていました。

ーー59分00秒、区間7・8番という目標を超える走りでしたが、改めて全体的に振り返っていかがですか

 結果としてその目標よりは速く走ることができたのですが、 正直スタートする前はそのくらいで走れればいい方だと思っていたので、目標より速く走れて嬉しいです。

ーーブレーキもダメージもなく走れた要因はどのようなところにあると思いますか

 やはり僕は1歩のピッチが早いです。それと、接地が綺麗なので、そこが良かったのかなと思います。

ーー「伸ばせるところはまだまだある」と言っていましたが、具体的にはどのようなところですか

 ラスト3キロだったり、上りももう少し体力がつけばもっと速く行けると思います。下りもラストに向けて結構抑えていたところがあったので、そこももっと体力がつけば、速く走れるのかなと思います。

ーー来年も6区希望ですか

 区間賞を狙える位置にいると思うので、6区区間賞を目指して頑張りたいです。

ーーレース後、花田監督から何か言葉をかけてもらいましたか

 「ありがとう、お疲れ様。よく頑張ったね」というふうに言われましたね。あまり花田さんに褒められることがないので、嬉しかったです。

ーーご家族は応援にいらっしゃっていましたか

 現地に来てくれました。ラスト3キロくらいに来てくれていたと思います。

ーーご家族からはどのような言葉がありましたか

 普通の感じで「お疲れ様」と言われました。

ーー4区・長屋匡起(スポ2=長野・佐久長聖)選手、5区・工藤慎作(スポ2=千葉・八千代松陰)と同期で連続してタスキをつなげたことに関してはどのように思いますか

 やはり一緒に2年間やってきたので、そこの3人でつなぐことができたのは結構嬉しいですね。

ーー総合4位という結果はどのように感じていますか

 3位は正直行けたラインだと思います。誰が悪い、誰が10秒を稼いだとかではなくて、1人1人の積み重ねです。 僕もあともう少し速くつなぐことができたら3位もあったと思います。

ーー4年生が4人後ろにいたおかげで、安心して走れたというお話もありましたが、4年生はどのような存在ですか

 みんな頭が良くて、優しかったです。4年生にビビったりは全くないですし、とにかく良くしてくれていたので、僕もああいう先輩になりたいなと、見ていて思います。

ーー特に、和田悠都(先理4=東京・早実)選手や草野洸正(商4=埼玉・浦和)選手は下りを走る上でライバルだったと思いますが

 ライバルではあったのですが、下り組同士だからといって嫌な雰囲気は全くなかったです。 誰が走っても送り出してあげようという雰囲気をその2人が出してくれていました。

ーー事前対談の際は今シーズンは60点ということでしたが、改めてシーズン全体を振り返っていかがですか

 80点くらいですかね。 箱根に関しては結構100点つけたいなと思いますが、夏のトラックはもう本当に60点もいかないようなところでした。間を取って80点くらいかなと思います。

ーー現在の調子はいかがですか

 箱根が終わって少し風邪を引いてしまって、結構体力が落ちてしまいましたがシーズン全体で見れば状態はいいので、春に向かって今はやっていきたいと思います。

ーー新チームの雰囲気はいかがですか

 昨年のチームよりも明確な目標を持っています。引っ張る人も実力があり、ストイックなので、ついていきたいと思います。

ーー4月からは上級生になります

 僕の明るさはいい面も悪い面もあると思いますけど、僕の明るさでチームにいい雰囲気をもたらすことができればいいかなと思います。

ーートラックシーズンの目標を教えてください

 5000メートルで自己ベストを出して、勝負できる試合では勝負していってという感じですね。

ーー駅伝シーズンの目標はいかがですか

 出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)と全日本(全日本大学駅伝対校選手権)を経験して、箱根では区間賞を取りたいです。

ーー最後に、新シーズンの意気込みをお願いします

 やはり夏に壊れずにしっかり練習を積んでいきたいので、継続することです。

ーーありがとうございました! 

 

(取材・編集 ︎︎佐藤結)

◆山﨑一吹(やまざき・いぶき)

2004(平16)年7月14日生まれ。171センチ。福島・学法石川高出身。スポーツ科学部2年。第101回箱根6区58分46秒(区間5位)。区間5位以内で走ったら、パエリアをおごってもらうという約束を、治療の先生としていた山﨑選手。初の箱根で区間5位以内を達成し、パエリアを初めて食べることができたそうです!