出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)、全日本大学駅伝対校選手権(全日本)で結果を残し、満を持して初の東京箱根間往復大学駅伝(箱根)に臨んだ長屋匡起(スポ2=長野・佐久長聖)。結果こそ区間8位と、本人にとっては物足りなさを感じる走りとなったが、昨季が飛躍の1年となったことは間違いない。そんな長屋に、箱根の振り返りと卒業する4年生への思い、そして今季への意気込みを伺った。
※この取材は1月25日に行われたものです。
「上位3校との違いはある」
![](https://wasedasports-sousupo.com/wp-content/uploads/2025/02/IMG_5810-1200x800.png)
対談中の長屋
ーー箱根後の疲労度はいかがですか
今結構(疲労が)きているなという感じです。昨年は出雲、全日本、箱根と3大駅伝全てに出場して、全体的に進歩した1年だったので。あとは、夏合宿から急ピッチで調子を上げていっていい流れできていたので、ここにきてその疲労がきたという感じです。
ーー周りからの反響はありましたか
地元でスポーツをやっているのが僕くらいなので、テレビで見てもらって、「すごいね」と言ってもらえました。
ーー事前対談時から当日までに調子の変動はありましたか
11月はあまり調子が良くなくて、それに比べて12月は調子がだんだん上がっていっていました。
ーー4区を走ることはいつ決まりましたか
1週間前くらいだと思います。
ーー決まった時の心境を教えてください
11月の調子だと厳しいかなと思っていたのですが、なんとか4区を走れるくらいまで戻ってきたんだなと実感しました。
ーー事前対談でキーマンに挙げられていた山口竣平(スポ1=長野・佐久長聖)選手が3区で区間3位の走りをされました。どのように見ていましたか
区間順位は分かりませんでしたが、すごく順位を上げてきていることは聞いていたので、頼もしいなと思っていました。
ーー改めてレースプランを教えてください
自分のペースで、あまり周りに流されずに走り切ることを意識していました。ひとまずそれはできたのかなと思います。
ーー1秒差で駒大の桑田駿介選手が先行していましたが、どのように捉えていましたか
様子をうかがいながら走ろうと思っていました。結果的に先に行かれてしまいましたが、相手が強かったです。それしかないですし、リベンジできるように頑張りたいと思います。
ーー3.5キロほどで国学院の青木瑠都選手に抜かれましたがその時の心境はいかがでしたか
本当はそこでしっかり後ろについてレースを展開していきたかったのですが、なかなか思うようにいかなかったので、そこは反省です。
ーー改めてレース全体を振り返っていかがでしたか
僕の前の区間や後ろの区間がすごくいい走りをしてくれたので、僕としては物足りなかったかなと思います。ただステップアップしていることは事実なので、現状を受け入れてこれからまた頑張りたいと思います。
ーー区間8位という結果、タイムについてはいかがですか
結果に満足しているわけではないです。まずはひとまず終わったということで一安心している部分もありますが、ここからさらに上を目指すチームになることを考えると、そこに自分がしっかり乗っかって、自分の力を見せていけるようにしていきたいです。
ーー出しきれなかった部分はありましたか
出しきれなかったということはありませんでしたが、もう少し早く突っ込んでいたら、もう少し周りの選手も利用しながらうまく走ることができていたらなと思いました。
ーータスキ渡しで工藤(慎作、スポ2=千葉・八千代松陰)選手に何か声はかけましたか
覚えていないのですが、「頼む」みたいなことを言った気がします。
ーー1〜3年生で往路3位の結果を残せたことについてはいかがですか
4年生がいない中でこの順位を残せたのは、すごく新シーズンにつながる結果だと思います。
ーー3大駅伝初出場となった山﨑(一吹、スポ2=福島・学法石川)選手が結果を残しました。同期としてどのようにご覧になっていましたか
山﨑も自分と同じで、立ち上げ段階だったので、区間5位という成績を残していて、試合に強いなと思いました。
ーー監督からの声掛けで印象に残っていることを教えてください
はっきりと覚えていないのですが、(これまでに)苦しかった時があったので、それを思い出して頑張れといったことを言っていただいて、すごく力になりました。
ーー沿道の応援はいかがでしたか
特にラスト1キロは知り合いがたくさん応援に来てくださっていて、最後まで応援の歓声を感じることができたので、すごく力になりました。箱根駅伝はやはり違うなと思いました。
ーー次も4区を走りたいですか
できたら2区を走りたいですが、来年も往路を走りたいと思います。
ーーチームとして総合4位という結果を振り返っていかがですか
完璧に駅伝ができての4位というわけではないですし、往路に関しては割とうまく回ったなという印象ですが、復路は少しもたついてしまった感じがあります。その中で4位を取れたというのは来年につながる布石になったと思います。
ーー来年の箱根総合優勝に向けて必要だと思うことを教えてください
やはり上位3校との違いは結構あるなというのを感じました。個々の実力向上だったり、10人以外のメンバーの力も必要だなと感じたので、そこを磨いていければいいと思います。
「前期も後期もいい流れで送れるように」
![](https://wasedasports-sousupo.com/wp-content/uploads/2025/02/IMG_5809-533x800.png)
箱根4区を走る長屋
ーー箱根を含め昨シーズン1年間を改めて振り返っていかがですか
シーズン後半は良かったのですが、前半シーズンはあまり良くなくて、それが結果的に箱根の結果にもつながったのかなと思います。今年は前期も後期もいい流れで送れるように、ここから頑張っていきたいと思います。
ーー4年生はどんな存在でしたか
すごく刺激になる学年だったなと思います。4年生の代は1年生の時にシード落ちを経験していて、そこからチームの雰囲気も含めて4位まで押し上げてくれたので、すごく中身の濃い4年間だったろうなと思います。上を目指せるチームをつくってくれたことに対してすごく感謝しています。
ーー伊藤大志駅伝主将(スポ4=長野・佐久長聖)はどんな存在でしたか
大志先輩のおかげで今のチームができているので、本当に感謝を伝えたいです。
ーー今の調子を教えてください
箱根の疲れを抜いている段階なので、調子が良いとか悪いとかいう感じではないです。ひとまず1月は休んで、2月、3月と頑張っていけたらと思います。
ーー新チームの雰囲気はいかがですか
4年生の背中が大きかったので、抜けて寂しい気持ちもありますが、それぞれ自分の目標に向かって取り組んでいる姿勢が見られるので、雰囲気はいいのではないかと思います。
ーー今年も佐久長聖高から後輩が入部されますが、長屋選手から見て佐々木哲(佐久長聖高)選手はどのような選手ですか
うまく流れに乗れるような、試合に強い選手だと思います。この前の全国都道府県対抗男子駅伝もよく走ってましたし、頼もしい反面、自分にとって刺激というか、先輩として頑張らなければという気持ちにもなっています。
ーー上級生になりますがチームでどのように役割を果たしていきたいですか
チームをどうこうしていくというよりは、自分がしっかりと競技に向かうということをまず第一にしていきたいです。
ーー最後にトラックシーズンと駅伝シーズンのそれぞれの目標を教えてください
トラックに関しては、全然ベストタイムを更新できていないので、大幅更新をしたいです。ロードは自分の得意分野なので、昨年以上に自分の力を見せていけたらなと思います。
ーーありがとうございました!
(取材・編集 長屋咲希)
![](https://wasedasports-sousupo.com/wp-content/uploads/2025/02/IMG_5819-1200x800.png)
◆長屋匡起(ながや・まさき)
2004(平16)年8月19日生まれ。173センチ。長野・佐久長聖高出身。スポーツ科学部2年。第101回箱根4区1時間2分00(区間8位)。冷静かつ淡々とした受け答えが印象的な長屋選手ですが、MBTIはエンターテイナー。気を許した人にだけ見せる表情があるのかもしれません!