女子部初となるベスト4進出! 4年生ラストの団体戦で有終の美

卓球女子

 国内主要大会の一つに数えられる全日本選手権団体の部が、来年度国体開催地の栃木県で幕を開けた。今大会には実業団、大学、高校の各代表チーム、さらに開催地選抜、ジュニアナショナルチームと、全国から選抜された12チームが終結。団体日本一を目指し3日間にわたる熱戦を繰り広げた。今回、7月の全日本学生選手権団体の部(団体インカレ)で優勝し、3年ぶりに出場権を獲得した早大女子部。予選リーグを通過し上位8チームからなる決勝トーナメントに進出すると、その1回戦を3―2で競り勝ち、創部以来越えたことがなかったベスト4の壁を突破した。中国電力に敗れ決勝進出は逃したものの、「最高のかたちで終わることができたと思う」(岩越帆香主将、スポ4=福岡・希望が丘)。4年生ラストの団体戦を、笑顔で締めくくった。

 今大会は1チーム3名による5シングルスで行われ、早大からは岩越、笹尾明日香(社4=神奈川・横浜隼人)、杉田陽南(スポ1=大阪・香ケ丘リベルテ)が試合に出場。万全の態勢で予選リーグ第1戦、徳永美子(平31スポ卒)を擁する実業団の強豪・十六銀行との対戦に臨んだ。強敵を相手にチーム2勝を挙げるも、徳永に先輩の意地を見せつけられた。最初に徳永と対戦したのは2番の杉田。ゲームカウント0-2から1ゲームを奪って迎えた第4ゲーム、0-3から追い上げ8―8まで粘りを見せる。しかし、競り合う場面でも徳永は長身を生かしたパワフルなショットを連発。最後はラリーで打ち負け、2勝目は持ち越しに。その後、団体スコアは2-2にもつれ、勝敗を決める5番で笹尾と徳永がぶつかった。笹尾は序盤から持ち味のフォアハンドでポイントを重ね、11―6で第1ゲームを奪う。勢いに乗りたいところだが、第2ゲームは決め球のミスが響いた。徐々に徳永がリードする展開が増え、あと一歩及ばず。「大学時代よりもさらにプレーが成長していた」(岩越)という徳永に完敗を喫した。

ラリー戦でフォアハンドを打つ岩越

 予選リーグ第2戦は、今年の全国高校選手権優勝の四天王寺高校と対戦。厳しい戦いが予想されたが、女子ナショナルチーム候補選手2名が今大会に参加しておらず、チャンスが広がった。3番の岩越が過去3戦3敗の菅澤柚花里を相手にセットオールから僅差で敗れたが、1番と4番で登場した笹尾、2番の杉田が危なげなく勝利し、団体スコア3-1で快勝。予選リーグ2位に食い込み決勝トーナメント進出、ベスト8以上を確定させた。

 迎えた決勝トーナメント1回戦、初のベスト4を狙う早大女子部は、今大会実業団トップの成績で出場を決めた昭和電工マテリアルズと対戦した。実力者がそろう中、2番と4番に登場した鈴木李茄は数多くの大会でタイトルを獲得しているトッププレイヤー。チームはそこで、1番と5番のカットマン対決、岩越が過去に1勝を挙げている3番の田口瑛美子との対戦に勝機を見いだした。その戦略通り、1番の笹尾がストレート勝ちで幸先よく1勝目を持ち帰る。続く2番を落とし振り出しに戻ると、3番の岩越は第1、第2ゲームを奪い2勝目に王手。しかし社会人の強さを見せつけられ、ここから2ゲームを失う。それでも、予選リーグ第2戦で同じ状況から敗れた岩越は「前回の敗戦を生かして気持ちを切り替えて臨むことができた」。得意とするラリー戦に持ち込みポイントを連取。最後は6点差をつけ、フルゲームを制した。

 岩越の勝利で団体スコアを2-1とするも、4番で再び鈴木李茄に敗退。勝敗の行方は5番の杉田に委ねられた。第1ゲームこそ8-11で落としたものの、カットマンに対して返球でミスを誘い、チャンスには強打と、好プレーで流れを引き寄せた。第2ゲーム以降は終始リードを保ち、11―6、11-6、11―8と続けて3ゲームを取り勝利。ルーキーの金星で、チームは初のベスト4進出を決めた。

決勝トーナメント1回戦でチームに3勝目をもたらした杉田とそれを称えるベンチ

 最終日に行われた準決勝では前回優勝の中国電力に敗れ、早大女子部は今大会ベスト4で幕を閉じた。目標としていた優勝には届かなかったが、学生最後の団体戦で過去最高の結果を残した4年生2人は充実感やチームへの感謝を口にした。団体戦からは今大会にて引退となるが、この先個人戦で主要大会が続く。団体インカレV、今大会ベスト4の好成績を弾みに、個人戦でのタイトルを狙う。

(記事、写真 鬼頭遥南)

集合写真。4年生の笹尾(前列左)と岩越(前列右)に花束が贈られた

結果

▽女子予選リーグ第1戦
対 十六銀行 ●2ー3
〇笹尾3ー0山本
●杉田1ー3徳永
〇岩越3ー0松本
●杉田1ー3山本
●笹尾1ー3徳永

▽女子予選リーグ第2戦
対 四天王寺高 〇3ー1
〇笹尾3ー0中森
〇杉田3ー1原
●岩越2ー3菅澤
○笹尾3ー0原

▽女子決勝トーナメント準々決勝
対 昭和電工マテリアルズ 〇3ー2
〇笹尾3ー0牛嶋
●杉田0ー3鈴木
〇岩越3ー2田口
●笹尾1ー3鈴木
○杉田3ー2牛嶋

▽女子決勝トーナメント準決勝
対 中国電力 ●1ー3
〇笹尾3ー0成本
●杉田0ー3宋
●岩越0ー3井
●笹尾1ー3宋

コメント

岩越帆香主将(スポ4=福岡・希望が丘)

――大会を終えての率直なお気持ちからお聞かせください

今大会は最後の団体戦だったのですが、すごい楽しくて最高のかたちで終わることができたと思います。それもチームのみんなのおかげなので、一人一人が頑張ってくれて、まとまっていたので、それがこの結果に繋がったと思います。

――決勝進出まであと一歩でした。悔しい気持ちはありますか

優勝を目標にしてきて、今日の対戦相手も絶対勝てないということではなかったので悔しい部分はありますが、最後は実力差を見せつけられました。

――今月末の全日本学生選手権(全日学)に向けて意気込みをお願いいたします

大学生の一番大きい大会なので、後悔なく終えられるよう頑張りたいです。ダブルスでは第1シードをいただいているので、プレッシャーを感じないように、優勝を目指して一戦一戦頑張りたいと思います。

笹尾明日香(社4=神奈川・横浜隼人)

――大会を終えての率直なお気持ちからお聞かせください

1年生に出場させていただいたこの大会ではベスト8だったので、その一つ上に行けてよかったという思いと、絶対勝てない相手というわけではないのでチャレンジして勝ちたかったなという思いと半々です。

――ハイレベルな大会でしたが、チームとしてはどのような目標で臨まれましたか

強いチームばかりなので、厳しい戦いではあると思っていましたが、まずは予選リーグを抜けて決勝トーナメントを勝ち上がって優勝したいと思っていました。LINEのグループ名も「優勝するぞ」と、キャプテン(岩越主将)が。

――4年生は今大会が最後の団体戦ということで、今の心境をお聞かせください

先輩方、同期、後輩、監督さん、コーチの方々のおかげでいい思いをさせていただいて、4年間すごく楽しかったですね。団体戦が楽しくて、いい4年間を皆さんのおかげで過ごさせていただきました。

―― 今月末の全日本学生選手権(全日学)に向けて意気込みをお願いいたします

最後の全日学ということで、今まで優勝できていなくて、同級生の強い選手が(組み合わせの)近くにいたりするんですけど、なんとか勝って優勝を目指したいと思います。全日本学生選抜選手権では1年生のときに優勝することができたのですが、全日学では自分の納得いく結果を出せていないので、優勝を目指したいです。