TEAM | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
早大 BIG BEARS | 14 | 0 | 7 | 7 | 28 |
関大 KAISERS | 10 | 7 | 0 | 0 | 17 |
1940年から始まった関大との定期戦は今年で73回目を迎える。試合は前半から両者共に得点を重ね、追いつけ追い越せのシーソーゲームに。それでも後半は要所で踏ん張った早大DF陣が相手に得点を許さず28―17のスコアでゲームセット。昨年の関西4位を相手に苦戦を強いられながらも白星をつかんだ。
第1クオーター(Q)から試合は大きく動き出した。オープニングドライブから猛勢一挙に攻撃を仕掛ける相手を何とかレッドゾーンで食い止めたが、FGで先制点を与えてしまう。それでも直後の早大の攻撃でこの日、最優秀選手に輝いたRB元山伊織(商4=大阪・豊中)が60ヤード独走でエンドゾーンへ飛び込み逆転に成功。さらにLB池田直人(法3=東京・早大学院)が強烈なQBサックを決めると、勢いそのままにRB中野玲士(商3=東京・早大学院)がゴールライン前での混戦を突破しTD。しかし、早大が優位に試合を展開するかに思われた矢先、相手のビックリターンにより自陣3ヤード地点までボールを運ばれ、このシリーズでTDを献上。続く第2Qでもパスとランを織り交ぜコンスタントにゲインを重ねる相手を抑えられずスコアは14―17に。何としても得点を奪いたい早大は、前半最後のドライブでRB高瀬滉平(政経3=東京・早大学院)が走路を切り開き4thダウンギャンブルを成功させたが、エンドゾーン目前で被インターセプト。得点のチャンスをものにできず、3点のビハインドを追って前半を折り返した。
最優秀選手に選ばれたRB元山
迎えた後半。自陣18ヤード地点から攻撃を開始した早大は、QB柴崎哲平(政経3=東京・早大学院)がテンポよくパスをつなぎ敵陣へと侵入したが、FGを決めきることができない。それでも直後のディフェンスで相手を3アンドアウトに封じ込めモメンタムを引き寄せると、WR小貫哲(教2=東京・戸山)らのレシーブでチャンスメイク。最後は中野がこの日2つ目となるTDを決め再逆転に成功。さらに第4QでWRブレナン翼(国教3=米国・ユニバーシティラボラトリースクール)へのTDパスが決まり相手を大きく突き放した早大は、関大の反撃を要所できっちりと封じ、28―17のスコアでシーソーゲームを制した。
鋭いブロッキングが光ったRB高瀬
「本当にオフェンスが頑張ってくれた」(DL斉川尚之主将、スポ4=東京・獨協)と、この日4つのTDを奪ったOF陣をねぎらう一方で「我々の足りない部分について発見させてもらった」(高岡勝監督、平4人卒=静岡聖光学院)と、キッキングやタックリングなどの課題が浮き彫りとなった。6月に突入し秋リーグ開幕までおよそ3ヶ月。残された時間はそう多くはない。その中でいかに多くの課題を潰せるか。いかにチーム内の競争を勝ち抜くか。いまこそが選手たちの正念場なのかもしれない。
(記事 成瀬允 写真 平川茜音)
コメント
高岡勝監督(平4人卒=静岡聖光学院)
――試合を振り返っていかがですか
ベーシックな部分でなかなか厳しい戦いだったのかなと思います。結果としては勝てたのですが、色々と反省と言いますか我々の足りない部分について発見させてもらって、成長できる試合だったのかなと思います。
――前半は得点を奪われましたが後半を0点に抑えられました
後半に失点はありませんでしたが、最後までアジャストできなかった部分やタイミングで通されてしまう基本的なプレーを最後まで出されている場面があったので、そういった意味でもっとハードにいけたら良かったかなと思います。それと後半に相手がミスをしてくれたので、そこでプレーが切れたというのもありますね。
――第2Qには相手に長い時間をかけられTDを奪われました
得点からしてみると最初のQでFGに止められたのが1つ。その後にキックオフでもっていかれてキッキングの課題はまだまだ修正できていないなと思いました。そして第2Qでドライブされて最後にTDを取られたところは、球際や今まで課題としてきた接点やコンタクトの部分でまだまだ足りていないなと思っています。関大のオフェンスは最初からいいなと思っていましたが、素晴らしいプレーでした。
――相手のOFはセカンドエフォートなど細かいテクニックも光りました
関大さんのオフェンスはまずはラインが強い。QBのパスが正確なのと、レシーバーもよく取っています。去年と比べてオフェンスコーディネーターが代わられたと思うのですが、かなりパッシングのオフェンスが浸透してきたかなと感じました。
――早大のOF陣もRBを中心に活躍がありました
ライン戦でなかなか苦戦はしていたかと思うんですけど、OLも頑張ってくれましたし、RBの元山と中野は思いっ切り良くスピードを落とさないでRBコーチの教えをうまく遂行できたところを見られて良かったです。
――今試合を踏まえてこれから取り組んでいきたい点はありますか
あと合同練習も含めて3試合なのですが、その3試合で色々な選手が出てくる中で春に取り組んで来た個々の目標をどうしたいのか、どうなりたいのかというのを披露する場なので、まずは自分の成長を見つけて成長できていない部分を見極めて、夏合宿を乗り越えて秋シーズンに臨みたいと思います。
DL斉川尚之主将(スポ4=東京・獨協)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
前半は関大のオフェンスに対して、ディフェンスがうまくいかなくて、タックルミスや、タックルされてもエフォートされてる場面がありました。その結果、2TDと1FGを決められてしまいました。後半は完封したのですが、やはり立命大戦でもそうだったのように、タックルでRBやQBを止めきれていないというのが課題だなと思います。オフェンスのプレーはそこまで見れていないのですが、きょうの試合は本当にオフェンスが頑張ってくれたと思います。ボール保持も関大よりも長かったと思いますし、ランもパスも出せていて、やはりディフェンスが苦しい時にTDを出してくれたので、成長が見られたなと思います。
――前半で関大に押され気味でしたが、その要因は何だと思いますか
ディフェンスのLB、DB含めてタックルを仕留めきれていないというのが、去年からの課題で、そこをまだ潰しきれていないというのが大きな要因だと思います。
――今後への意気込みをお願いします
きょうスコアで関大に勝てたのはすごくいいことだとは思うのですが、所詮春は春だと思っています。春シーズンにどんなにいいプレーをしても、秋シーズンになるとどのチームも見違えるほど成長してくるので、春シーズン勝てたことに満足しないで、オフェンス、ディフェンス、キッキングも、1つ1つの課題を潰していって、秋シーズンに臨みたいです。
RB元山伊織(商4=大阪・豊中)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
4年生が就職活動の関係で、大幅に欠けてしまっている中で、3年生でリーダーシップを発揮してやっていこうということで挑みました。3年生がとても頼りがいのあるプレーをしてくれて、きょうは3年生の力で勝てた試合だったと思います。
――TDも決められましたが、振り返っていかがですか
立命大戦で相手に追いつかれてしまって、TDを決められず、ロングゲインで終わってしまった場面があり、すごく反省していました。きょうは追いつかれてはしまったのですが、スティフアームという技でうまいことTDまで決められたのでよかったです。ちょっとまぐれなところもあるので、ラッキーでした。
――追いつかれないように個人的に準備されていたことはありましたか
後半で追いつかれてしまったプレーもあるので、独走の練習はしているのですが、まだまだできていない部分があるので、オフシーズンでもっと準備していきたいなと思います。
――きょうの試合で、同じくRBの中野選手も活躍されていましたが、その点についてはいかがですか
彼はシーズン序盤に緊張気味な部分があったのですが、試合を重ねるごとに緊張が解けて、実力が出せるようになっていると思います。きょうも粘り強い良いランをしていて、結果も残しているので、秋シーズンも一緒に頑張りたいです。
――きょうのフロントブロックの調子はどうでしたか
後半、相手がプレーを読んできた時に厳しくなる場面はありました。でも、うまいことこのプレーを止められたらあのプレーをやる、みたいな感じでオフェンスラインがきちんと対応して柔軟にやってくれたので、空いている穴に走るだけでした。オフェンスラインに感謝しています。
――最優秀選手賞を受賞されたことに関してはいかがですか
実は自分の中で、この最優秀選手賞をとることがきょうの試合の第一目標でした。それが達成できてすごく嬉しいです。でも3年生が頑張ってくれたので、みんなのおかげです。
――地元での試合となりましたが、その点についてはいかがですか
両親が見に来てくれたり、高校時代の部活の保護者の方々も見に来てくれていて、すごくよかったよと言ってくれたので、嬉しかったです。
――夏に向けての意気込みをお願いします
きょうは合計で28点、TDを4本決められたことはよかったのですが、課題も多く残るシーンもありました。やはり関西の大学はヒットやタックルが強い部分があるのですが、ワセダは当たる部分でまだまだ弱いので、オフシーズンで当たる練習をもっとして、ヒットに強いチームになれたらいいなと思います。
RB高瀬滉平(政経3=東京・早大学院)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
きょうは比較的自分のプレーはできたかと思うんですけど、その中でもミスはあったので次からは修正していきたいと思います。
――鋭いブロックを生み出すために取り組んだことは
普段はあまり目立たないブロックが多いんですけど、きょうはオープンフィールドでのブロックが多くて、この春は視野を広くすることを課題として取り組んでいたことが、きょう体現できていたのかなと思います。
――4thダウンギャンブルの場面でもFBとしてしっかりとブロックを決めました
普段はあまりブロックを見られることがなくてとても嬉しいです。一生懸命自分のレスポンスを全うしました。
――きょうは3度レシーブもありました
普段はあまりボールを持たないのですごく楽しかったです。しかし縦に走れず横に流れてしまったので、しっかり縦に走れるように修正していきたいと思います。
――今後への意気込みをお願いします
関大戦は勝つことができたのですが課題が出てきたのでそれを潰していって、これからの試合に臨んでいきたいと思います。