対談のラストを飾るのは、永井優香主将(社4=東京・駒場学園)。昨シーズンは全日本選手権をはじめ、様々な大会で持ち前の表現力を生かした演技を披露し観客の心をつかんだ。コロナウイルスの影響により先が見えない中での心境に加え、自粛期間中の過ごし方やフィギュア部門の雰囲気、そして現役最後のシーズンとなる今季の目標やその後について伺った。
※この対談は7月21日に行われたものです。
「自分ができることを1つずつやっていく」
笑顔で質問に答える様子
――スケート以外のことから伺います。コロナウイルス影響下での心境を教えてください
正直、試合が無事に開催されるのかなとか心配な面はたくさんあるのですが、心配しても私たちが変えられることではないので、今自分ができることを1つずつやっていくことが大事なのかなと思っています。
――学業とスケートの両立はいかがですか
1、2年生の時に比べると、授業がかなり少ないし、オンライン授業なので、そういった意味では両立はしやすいかなと思っているところなんですけど、ただやっぱり休んでいた分の体力、技術の低下というものがあるので、そこはスケートの方にもう少し力を入れていきたいなと思っています。
――ご趣味が料理とコンビニの新商品チェック(フィギュア部門公式インスタグラムより)ということですが、そのことについて詳しく教えてください
お菓子作りなんですけど、一番直近だとチョコチーズケーキを作りました。
――コンビニの新商品チェックということですが、甘党ですか辛党ですか
甘いものが好きです(笑)。スイーツコーナーが大好きで、ちらちら見てます。
――インスタグラムでコメディ映画をおすすめとして紹介されている投稿を拝見し、永井選手の新たな一面を知ることができたように感じております。ご自身の意外性などはありますか
皆さんから私を見てどのように映っているかはわからないのですが、コメディ映画を選んでいるのが意外だと思われているところから言うと、くだらないものとか、なにも考えずにゲラゲラ笑うことが好きですね(笑)。
――「美」の秘訣はありますか
美なんてとんでもないです(笑)。気をつけていること、なんだろう。特にないんですけど、ちゃんとお風呂に入って、顔を洗って、化粧水をつけるということですかね(笑)。めっちゃ普通なんですけど(笑)。
――今シーズンで現役を引退されるということですが、その後についてお話しいただける範囲でお答えいただけますか
卒業してからは民間企業に就職をして、社会人として働くことが決まっています。フィギュアとは全然関係のないところで、自分の新しい一歩を踏み出そうという感じです。
「今までと変わらない気持ちで」
――スケートのことを伺います。自粛期間中にトレーニングはされましたか
すごくやったというわけではないですが、軽く動いたりはしていました。
――トレーニング以外にもスケートのためにご自宅で何かされましたか
スケートのためにと思ってやっていたわけではないんですけど、少しは恋しくなっていたのか、いつも以上にスケートの動画をよく見ていました。自分の滑りもそうなんですけど、ユーチューブでいろんな方の演技など見ていました。
――練習の状況はどうですか
今は、ホームリンクの東伏見(ダイドードリンコアイスアリーナ)が工事中なので、東大和(東大和スケートセンター)のほうで練習しているのですが、朝2時間ほど練習して、夜1時間弱ぐらい練習するという形です。しっかりマスクをしたり、あとは練習前に検温をしたり、対策をした上で練習しています。
――今年、フィギュア部門の主将になられて、目標や大切にしていることは何ですか
主将ということで大切にしていることは2つあって。部員にも共有しているのですが、一つ目は私たち早稲田大学スケート部フィギュア部門は大学はじめの子もいれば、世界レベルで戦っている子もいて、本当にいろいろなバックグラウンドを持った選手たちが集まっている部活だと思うので、競技レベルや向き合い方が違ったとしても、みんなで切磋琢磨し合いながらお互いに良い関係を構築していきたいねというふうに話しています。あともう一つが、部員同士意見があればどんどん発信してねと言っています。どうしても1年生とかだと萎縮してしまう部分があるかもしれないですけど、そこで何か意見があればお願いというふうに話を振ったりして、なるべくコミュニケーションをとろうと心がけています。
――今年たくさんの新入生が入部されましたが、どのような印象をお持ちですか
実際まだ会えていないのでわからないのですが、Zoomではじめまして会やミーティングをしたり、ラインでやりとりしてるくらいなんですけど、みんな礼儀正しくて、優秀で、私がまとめる必要がないなというくらいちゃんとしているなという印象があります。
――最高学年になられて、なにか気持ちの変化はありますか
そうですね。やっぱり今年でスケートも最後だという気持ちと、いろんなものを享受する立場というんですかね、そういうのも最後になるんだなというようなことを感じながら日々生活しています。
――昨シーズンを振り返っていかがですか
昨シーズンは本当にあっという間で、ぽんぽんぽんと進んで終わっていったという印象です。
――今シーズンのプログラムの予定を教えてください
ショートプログラムが『エリザベート』という曲で、フリースケーティングは『エデンの東』を使う予定です。
――プログラムはご自身で決められたのですか
はい。どちらとも私が選びました。
――いつ頃振り付けをされましたか
結構早めに終わっていて、ショートもフリーも2月の終わりごろに、2週連続くらいで作りました。
――このプログラムにするということは前々から決められていたのですか
フリーの『エデンの東』については、高校1年生の時に1度使ったことがあるのですが、その時、すごく気持ちよく滑ることができていたので、もう1回使いたいなと思っていた曲です。ショートのほうは去年フリーで使おうかなと思って使わなかった曲なので滑りたいなと少し思っていた曲です。
――今までのスケート人生で得たものは何ですか
たくさんありすぎて、難しいのですが、自分と向き合うことですかね。真剣に物事に取り組む姿勢というものを学べたかなと思います。これからやることは違うかもしれませんが、なにか1つのことに一生懸命取り組むということは競技をやめた後でも生かせるかなと思います。
――何らかの関係でもう一度スケート界に帰ってくるご予定はありますか
ショーで滑るということはあまり考えていないのですが、スケートの世界に100パーセント戻らないということは言い切らない、言い切れないかなというふうに思っています。絶対に絶対に離れるということは思っていなくて、もしなんらかの縁だとか、自分がやっぱりスケートに携わりたいなと思った時には戻ることができたらいいなと思っているので、まだわからないです。
――今シーズンはどのようなシーズンにしていきたいですか
コロナウイルスの影響で調整など遅れていますが試合を含めて、目の前のことを淡々とこなしていければいいなと思っています。
――ファンの方々にメッセージをお願いします
今シーズンも今までと変わらない気持ちでいつも以上のパフォーマンスを皆さんにお見せできるように頑張っていくので、どうぞ応援よろしくお願いします。
――ありがとうございました!
今シーズンの目標
早スポプレゼンツ質問リレー
選手の方同士が気になることをリレー形式で次の選手に質問し、それを受けてお答えいただくというコーナーです。今回は、前回の対談でお話を伺った、川畑和愛選手(社1=東京・N高)から永井選手への質問です。
川畑 自粛中に、外に出なかったというお話をされていましたが、おうちでの趣味はなんですか?
永井 おうちでの趣味かぁ(笑)。なんだろうな。さっきお話した料理も好きですけど、ネットフリックスとかユーチューブとか、動画、ドラマや映画をみるのが好きなので、料理よりもそっちのほうがたくさんしてたかな!?
(取材・編集 岡すなを、中島美穂)
◆永井優香(ながい・ゆうか)
1998(平10)年11月30日生まれ。東京・駒場学園出身。社会科学部4年。私生活からスケートのことまで多岐にわたる質問に笑顔で答えてくださいました。画面越しでの対談でしたが美しさが溢れていらっしゃいました!今季は現役最後のシーズンということで、コロナウイルスで大変な状況ですが、集大成の演技に注目です!