永井、運命のFSへ。カギ握るコンビネーションジャンプとルッツを入念チェック

フィギュアスケート

 し烈な争いが繰り広げられた女子ショートプログラム(SP)で上位24人に入り、フリースケーティング(FS)進出を決めた永井優香(社1=東京・駒場学園)。大一番に向けて会場での練習を行った。

 22日に行われた公式練習。曲かけ前はアクセルやループを中心に調整を行った。『オペラ座の怪人』の音楽に合わせた練習では、冒頭のルッツが1回転になってしまい、コーチとアイコンタクトを取る。続くダブルアクセル―トリプルトーループ、トリプルループ―ダブルトーループの連続ジャンプを決めるとトリプルループ―ダブルトーループ―ダブルループの三連続ジャンプも成功させる。サルコーは2回転になってしまったが、美しいコンビネーションスピンで締めくくった。曲かけ練習終了後は、トリプルサルコーを降りると、連続ジャンプも着氷。練習時間の最後までリンクに残り、入念にジャンプの確認を行った。

中田コーチと言葉を交わす永井

 迎えたFS当日。公式練習開始直後に行われた曲かけ練習、ジャンプは後半のトーループ、サルコー、アクセルを確認する程度にとどめ、スピン、コレオ、ステップに重きを置いた。その後も序盤は、上記の三つにループを加えた四つの単独ジャンプを入念に調整。転倒や抜けはなく、順調な仕上がりを見せた。中盤からは、FSの冒頭に跳ぶ予定のルッツに集中的に取り組む。中田誠人コーチのアドバイスを聞きつつ何度も軌道を確認したのち、繰り返しルッツに挑んだ。パンクしたジャンプと3回転回り切ったジャンプの割合は半々ほどであったが、回り切った際はきれいに着氷しており、本番ではやはりこのジャンプの出来が結果を大きく左右することとなりそうだ。ジャンプをそろえ、最大の見せ場である美しいステップシークエンスにつなげたい。

FSに向け入念な確認を行った

 全てが決まる女子FSは今夜。どん底から這い上がってきた永井が、熱き氷上バトルの先陣を切る。今度こそ、笑顔で全日本を終えるため――。2017年を締めくくるにふさわしい、極上の『オペラ座の怪人』をとくとご覧あれ。

(記事 糸賀日向子、川浪康太郎、写真 石黒歌奈恵)